健忘録13 1997年の医療現場の大変化

ビタミンは、今でこそ食品やサプリメントというイメージが先行していますが、以前はビタミンは医薬品の扱いで、一般への販売が規制されていました。

それが変わったのは1997年のことです。それまではビタミンは医薬品としてしか販売するしかできなかったわけですが、厚生省(現:厚生労働省)の規制緩和(食薬区分の変更)によってビタミン13種類が食品として販売することが許可されました。

これはサプリメント業界にとっては大きな出来事でした。

それと同時に大きな変化が医療機関にも起こりました。

ビタミンが医薬品のみの扱いであったときには、医療機関で使われる点滴にビタミン剤が加えられているのは普通のことで、点滴の色はビタミン剤の影響もあって薄い黄色の印象がありました。

それが、ビタミンが食品としても許可されたことから、ビタミンが不足している入院患者には病院給食でビタミンを補うべきだという考え方が臨床栄養の関係者から示されました。

そして、食事でビタミンを摂取することができない場合を除いて、点滴に用いるビタミン剤は医療保険の適用外となりました。

それに対して医療機関側は、必要であるからビタミン剤を加えているのであって、保険適用外になっても使い続けると主張していました。

ところが、保険適用外になった日から、点滴の色は透明になりました。これまで不要なものを使って稼いでいたのか、と言われもしましたが、点滴のビタミン剤の使用が極端に減ったことから、製薬会社が医療機関に検査機器を安く斡旋するようになりました。

それは骨密度計で、骨粗鬆症の患者を早期に発見することによって、骨が壊れるのを抑える骨吸収抑制薬、骨が作られるのを助ける骨形成促進薬、そして骨形成に必要なビタミン剤の売れ行きが継続的に期待できる状態になりました。
〔小林正人〕