夏に栄養不足になるというと、暑さのために食欲が湧かない、あっさりとした低エネルギーのものを食べることが多いといったことが思い浮かべられることが多いかと思います。
食べる量が減ることだけでなく、「夏の栄養不足」は別のことでも起こっています。
それは重要な栄養源である野菜や卵の栄養値が夏場には特に低下しているということです。
野菜について言えば、品種改良のたびに栄養素(ビタミン、ミネラル)が低下するということは起こっていました。その例の一つですが、ほうれん草は可食部100gあたりのビタミンCは1947年(戦後初)の食品成分表では150mgでした。
そこから改訂版が出るたびに低下して、今では平均で35mgに低下しました。
これは年間を通じた平均値であって、冬場は60mgであるのに対して夏場は20mgにも低下しています。
ほうれん草は今ではアク抜きをすることなく、サラダでも食べられるようになっています。
他の野菜についても、食べやすい、形がよい、色がよい、育てやすい、収量が多い、種が少ない(もしくは種がない)という売りやすく、食べやすい野菜が増えていきました。これは品種改良の成果とされていますが、それと引き換えに起こったのは種(種子)の多くがF1種(一代雑種)になったことです。
F1種は異なる品種を交配して新たな品種を作り出す品種改良法で、狙いどおりの品種を作り出すことはできても、自家採種ができないというデメリットがあります。
日本国内で野菜栽培に使われている種は、国産というイメージがあるかもしれませんが、その割合は徐々に増えていって、今では野菜の種の90%は輸入されていて、国内産は10%ほどです。
野菜は、それぞれの地域の環境に適したように、たくましく育ち、栄養素を蓄えて、種にも栄養素を多く残します。現在の日本のように、夏場は亜熱帯地域と変わらない環境になると、種の成育に適した地域とは異なる環境の猛暑の日本では充分に育ってくれません。
その証拠と言える野菜が生育中に枯れる、腐る、中に栄養が入っていないといったことは、メディアで繰り返し伝えられています。
卵の栄養価が低下しているのも、猛暑が関係しています。暑さのために餌を食べられないので黄身に栄養が入らない、卵が充分に大きくならないということですが、日本で販売されている卵を産むニワトリ(採卵鶏)の多くは雛(ヒヨコ)の状態で海外から輸入されています。その割合は95%にもなっています。
以前は東南アジアからの輸入が多かったのですが、今ではイギリス、アメリカ、オランダ、カナダ、フランス、ニュージーランドなどで、暑い環境で育った雛ではありません。それが猛暑の日本で卵を産むことによって黄身の栄養価に影響が出ているということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






