金言の真理150 「阿吽の呼吸」1

阿吽の読み方や意味はわからなくても、「阿吽の呼吸」と書かれていれば、「あうん」と読むことがわかって、その意味も“なんとなく”であっても大外れしない感じでわかってくるはずです。

それくらい聞く機会が多い言葉で、言葉を交わすことがなくても互いの息がピッタリと合い、意思の疎通ができている状態を指すときに使われています。

金言・名言としては、長年の相棒や友人、夫婦、などとの絆を指していて、安心して心を通わせる場面で登場します。

阿吽の語源は仏教用語で、口を開く阿は吐く息を表していて、物事の始まりを指しています。口を閉じる吽は吸う息を表していて、終わりを指しています。

サンスクリット語の最初の文字の「a(ア)」、最後の文字の「hum(フーン)」が由来で、阿吽で最初から最後まで、気持ちや状態が完璧に一致する関係を示すときに用いられます。

寺院の山門にある仁王像(金剛力士像)も、神社の狛犬も、片方が口を開いた阿形像、もう片方は口を閉じている吽形像で、両方で一対となっています。一対であることで、森羅万象を象徴しています。

一対のどちらが阿形像で、どちらが吽形像かというと、通常は向かって右側が口を開けているので阿形像で、左側が口を閉じているので吽形像です。

通常と書いたということは左右が逆転している(右側が吽形像、左側が阿形像)ところもあるということですが、その代表的なところは東大寺や善光寺です。

古来より日本では左上位の指導があって、左が上位とされる伝統礼法があります。これに従うなら左側が阿形像でよいように感じるかもしれないところですが、上座から見て左側、つまり向かって右側が上位です。

物事の始まり“阿”が重要なので、一般の配置で合っているということです。
〔小林正人〕