OMO 継続の仕組み20 病院給食の敵その1

「昨日の敵は今日の友」という言葉がありますが、友と認めたくなくても成り行きから友のようになっている例は、さまざまな世界で見られることです。

業界団体の仕事をしてきて、本来は敵であるのに友のように振る舞わないといけない場面も、何度も経験してきました。

私にとっては敵でもなく、どちらかといえば味方ばかりの感覚ではあるのですが、それは “大した立場ではない身”であったからです。

言い換えれば、柵(しがらみ)がないということで、敵と思われている人に対して“敵”と感じさせないように出向くことができました。

私が所属していた病院栄養管理の研究所のメンバーは、ほとんどが国立や公立の病院の栄養部門の出身者でした。病院給食は病院のスタッフで作って提供するものという意識が強く、その病院給食を外部に委託することにも強い抵抗感がありました。

しかし、民間の病院では、外部に委託をしないと成り立たないところが多いのも事実です。給食費の一部が患者の自己負担になってからは、“金を払っているのだから質も量も求めるのは当然”と考える患者や家族も増えていきました。

自己負担といっても、病院側が受け取る金額は変わりがなくて、国が支払っていた分の一部を患者が負担しているだけです。その事実が伝わっていない(伝えても理解してもらえない)と、病院側の負担は増えるばかりです。

経営が苦しい状態が長く続いている病院が、委託給食に頼ろうとするのは当然の流れで、それに歯止めをかけるのは無理な相談でした。

このような状況の中、それまでは独立して動いてきた病院給食の委託会社が組織化されましたが、その指導を研究所の所長が行うことになりました。私は、実際の組織化や法人化、広報、派遣される栄養士と調理師の教育に関わりました。

当初こそ臨床栄養の世界からは「宗旨替えをしたのか」と所長も私も言われたことがありましたが、病院の栄養士・調理師の手によるものであっても、委託事業者の手によるものであっても、その恩恵を受ける患者に満足をしてもらえる内容であることが重要です。

その重要ポイントを業界内部、派遣されるスタッフ、病院側、患者などに理解してもらうようにするのが広報としての私の役割でもありました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕