日本肥満学会は、新たな症候群の対策として体重を増やすことを主とした発表を行いました。
それは「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題」で、これまでの体脂肪を減らすメタボリックシンドローム対策とは逆という印象があります。
その発表の中から、「低体重および低栄養による健康リスクや症状」を紹介します。
〔低体重および低栄養による健康リスクや症状〕
◎骨量低下および骨粗鬆症
若年期は骨密度ピークを獲得する最重要期です。
しかし、低栄養やエストロゲンの低下、低体重による物理的な過重負荷の低下が骨形成を阻害して、20代における骨減少をもたらし、将来的な骨粗鬆症リスクを高めると考えられます。
◎月経周期異常、妊孕性および児の健康リスク
低栄養や極端な体重減少は視床下部―下垂体―卵巣系に影響して、月経不順や排卵障害を引き起こします。
長期的には不妊や妊娠合併症の上昇が懸念されます。
低体重に伴う希発月経や視床下部性無月経は、妊娠前の体格や栄養状態の不良と相まって、切迫早産や低出生体重児の増加など児の健康にも影響を及ぼす可能性が示唆されています。
近年注目されているDOHaD(Developmemtal Origins of Health and Disease)の概念においても、妊娠中の母体の栄養状態が児のライフコース全体の健康に影響を及ぼすことが指摘されています。
この観点からも、若年女性の低体重や低栄養は、将来的な母体および児の健康リスクを高める要因となる可能性があります。
◎微量元素やビタミン不足による健康障害
低栄養の場合、複数のビタミン・ミネラルの不足が生じやすく、さまざまな健康障害を引き起こす可能性があります。
鉄、葉酸、ビタミンB₁₂の不足は貧血を引き起こし、亜鉛欠乏は創傷治癒の遅延や免疫機能の低下、味覚異常をもたらします。
さらに、ビタミンDやカルシウム不足は骨密度の低下を招き、骨粗鬆症や骨折のリスクを高めます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






