ウォーキングのための座学講習を日本メディカルダイエット支援機構の理事長が行いました。暑い季節に屋外でウォーキングをすると健康づくりどころか、むしろ身体を傷めることにもなりかねないので、暑い季節には歩くことの意義を学んでもらい、夏の暑さが納まってから本格的に歩いてもらおうということです。ウォーキングの意義のほかに、ウォーキングと食事、入浴との関係など効果を高める方法まで入れてしまったので詰め込みすぎとの感はありましたが、その中で最も反応があったのは意に反して余談で語ったことでした。
急な募集であったのに17人が参加してくれました。着実に参加を表明してくれていたのは2人だと聞いていたので、もしも2人だけだったときの言い訳として用意しておいた話ですが、2人でも次の買いに1人が1人ずつ声をかけてくれて動員してくれると4人、次は8人、さらに16人、32人、64人、128人、256人……と倍々で増えていけば30回目には1億人を超えるということで、つまり日本人のほとんどが和気町に来ることになるというような計算上の話をしました。
この話には含みがあって、「私には2人の親がいて、その2人には親が2人ずつ」と、この計算で進めていくと、過去には1世代が20年として計算すると600年前には1億人の人口がいないと今の1人は生まれないことになります。1419年というと室町時代で、推定人口は620万人とされています。1人について1億人の祖先が必要なわけで、17人の参加者、主催者と講師を加えると19人では19億人が必要になります。この間に亡くなっている人も計算に入れないといけないわけですが、それにしても多くの人口が必要になります。日本人の累計人口(すでに亡くなった人も加えた数)は6億人と計算されています。
ということは、どこかで重なっていることになり、「ここにいる人は私にとっては遠い親戚のようなもの」という話に納得してくれる方が多かったようです。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
1兆に対して5000という数字は随分と少ないと感じます。この割合は何を示しているのかというと、「1日に体内の細胞の入れ代わりの数に対する、がん細胞の発生数」です。体内の細胞は約60兆個とされているので、毎日60分の1が新しくできて、その代わり60分の1の1兆個が壊されて入れ代わっているということになります。その1兆個に対して5000個のがん細胞というのは、人口に例えると2億人に1人ということになります。パーセントでいうと0.0000005%で、ほとんどないに等しい数です。
しかし、この0.0000005%が毎日起こると、これが増殖していって、足し算の結果ではなくて掛け算の結果となります。最終的には年間死亡率の27.9%ががん(平成29年調査)という状態になります。1兆個の中の5000個の発生があっても、免疫が正常に働いていれば、これを免疫細胞が攻撃して破壊して、無害化することも可能です。
毎日発生するがん細胞を免疫細胞が即座に処理をしていれば、がん細胞は増殖しないか、増殖したとしても身体に害をもたらすほど大きくはならずに済むはずです。せっかく身体に備わっている免疫が充分に働いていれば、つまり免疫細胞ががん細胞を攻撃して破壊してくれていれば問題は起こらないはずです。免疫は敵と味方を区別して、敵だけを攻撃する能力を指しています。この区別するレーダー役をするのは中枢神経ですが、自律神経の調整が乱れていると敵を発見する能力が低下して、攻撃力も低下していきます。
自律神経の調整を乱すものとしてはストレス、睡眠不足、睡眠時間の乱れなどがあげられますが、男性は脳の右脳と左脳をつなぐ脳梁が女性に比べて細いことからストレスが解消しにくくなっています。外敵と戦う抗体をつくる免疫細胞のB細胞の働きは女性ホルモンが向上させ、男性ホルモンが低下させるので、どうしても男性は免疫が全体的に低下しやすくなっています。この話をしたときには、「だから男性をいたわってください」という結びをすることにしています。
医師は医療の専門家であると同時に医薬品の専門家でもあると認識されています。さらに栄養の専門家でもあると思われている節もあるのですが、大学の医学教育の中で栄養学を学べる大学が少なく、さらに必修になっているところが極端に少ないことから、これは間違った認識だということは過去に何回か触れているところです。医薬品の専門家かどうかという議論はあるのですが、医薬品に詳しいのは事実で、その詳しい方が医薬品とサプリメントを並べてコメントしているとサプリメントのほうの情報も正しいように感じることもあります。
しかし、書籍に書かれている内容によっては、“チコちゃんに叱られる”ではないのですが、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言いたくなるようなこともあります。日本のサプリメントは匂いがしないのは消臭剤を使っているとか、アメリカのサプリメントのサイズが大きいのは有効成分が多く入っているとかいうことは、事実と違っていても、特に大きな問題はないと考えます。しかし、アメリカのサプリメントには摂るべき人、摂る量、摂るタイミングが書かれているのに、日本のサプリメントは何も表示されていないので不親切だというような書き方をしていました。
サプリメントの中でも特定保健用食品と機能性表示食品では使ってほしい人がわかります。しかし、こういう人が使えば病気が改善するというようなことは書かれていなくて、摂る量とタイミングも書かれていません。医薬品医療機器法に基づく監視指導マニュアルによると、用法用量が記載できるのは医薬品に限られています。サプリメントで記載した場合には偽薬の扱いとなって、法律によって厳しく処罰されるので、書きたくてもかけない制度になっているのです。
ここで問題にした書籍にはサプリメントを“飲む”と表現していましたが、監視指導マニュアルによると“飲む”と書いてよいのは医薬品だけで、サプリメント・健康食品では“摂る”と表現しないといけないのです。こういったことも知って、書籍に残してほしいのですが、それをすべての医師に求めるのは、まだ早いということです。
著名な精神科医で、大学教授でもあるドクターの著書は、たまに参考にさせてもらっていて、中でも医療業界に物申すという内容には刺激も受けています。“チコちゃんに叱られる”のように「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られる医師が多いのではないかと気になることが多いのですが、逆の意味で気になって仕方がないことが書かれていました。それは「老年医学会の認定医や専門医が多い県ほど平均寿命が短い」ということです。
この書籍の中では、認定医と専門医が多いほど平均寿命が短くなるかのような印象を抱かせていて、これらの医師が高齢者医療の邪魔をしているという書き方をしていましたが、平均寿命が短いから、それを何とかして改善しようとする医師が多いというように見ることができます。実際は、どちらなのか疑問を呈するか、認定医と専門医が多いことから平均寿命が短くなる要因を説明するべきだと思うのですが、この記述はありませんでした。
この内容が違っていると言うつもりはないのですが、そもそもの記述の仕方から気になることを書かせてもらうと、指摘されている学会は「老年医学会」ではなくて「日本老年医学会」です。正式名称は「一般社団法人日本老年医学会」。一般社団法人という法人名は、会社を示す場合の株式会社と同じように略されることがあるので、「日本老年医学会」とは書いてほしいところです。今どきは、さまざまな似たような学会があるので、知らない新しい学会ができたのかと思っていたら、日本が抜けたまま何度も学会名が書籍の中に出ていました。
日本老年医学会と聞いて、このサイトをよく見てくれている方は、「あの学会か」と気づいたかもしれません。高齢者の年齢を65歳から75歳に引き上げることを、日本老年学会とともに提言した学会です。ちなみに、日本老年医学会の認定医と専門医ですが、高齢者医療認定制度が設けられていて、高齢者栄養療法認定医、老人保健施設管理認定医があります。また、専門医のほうは老年病専門医と指導医があります。このようなことは批判をするなら書籍の中に書いておいてほしかったと感じているところです。
「酒は飲みたい、されど太りたくない」というのは飲酒好きの人なら普通に考えることです。アルコールのエネルギー量は1gあたり約7kcalで、脂質の約9kcalに比べると低いものの、糖質とたんぱく質の約4kcalに比べると、かなりのエネルギー量があります。約7kcalというのは100%アルコールのことで、アルコール度数が低ければ、それほどのエネルギー量ではないことになります。アルコール度数が同じであれば同じだけ太るというのが一般的な考えですが、そうではないというのが糖質制限を支持する専門家が口にすることです。
アルコール飲料にはアルコールだけでなく、糖質が含まれているものも多く、それが太らせる原因になっているということで、糖質が多い醸造酒を避けて、糖質が含まれていない蒸留酒なら大丈夫と主張しています。醸造酒は日本酒、ビール、ワインなどで、蒸留酒は焼酎、ウイスキー、ブランデーなどです。
糖質制限によってダイエットをすすめている専門家の考えは、「糖質に含まれるブドウ糖が血糖値を上昇させる→血糖値が上昇するほど膵臓からインスリンが多く分泌される→インスリンによって肝臓で脂肪酸が合成される→脂肪酸が多くなると中性脂肪が多く作られる→中性脂肪が脂肪細胞に蓄積される」という流れで、だから糖質を摂ることによって太ると説明されています。
身体のメカニズムとしては間違いではないのですが、だから糖質の含まれていない蒸留酒なら太らないという結論とはなりません。というのは、肝臓での脂肪酸合成は、アルコールによって促進されるからです。飲酒量が増えると、それだけ肝臓で合成される脂肪酸が増えていくので、食事による脂質の量、糖質の量が少ないようでも食事のときに飲酒をすると、まるで脂質と糖質を多く摂ったのと同じように肝臓の中で脂肪酸が多く作られ、中性脂肪を増やしていきます。中性脂肪はアルコールの一種のグリセロール1個が脂肪酸3個を結びつけたものです。貯蔵型、蓄積型の脂肪であるので、中性脂肪が増えれば、それだけ太っていくことになるのです。
糖質制限でターゲットにされているのはブドウ糖です。ブドウ糖が血液中に増えると、膵臓からインスリンが多く分泌されます。インスリンには全身の細胞にブドウ糖を取り込むために必要なホルモンですが、それと同時に肝臓での脂肪酸の合成を促進する働きもしています。だから、糖質制限をすると合成される脂肪が減って、ダイエットにつながるというのが、よく言われる理屈です。しかし、ブドウ糖不足になると、全身の細胞に取り込まれるブドウ糖の量が減って、細胞の中で作り出されるエネルギーが少なくなってしまいます。
細胞の中で作られたエネルギーは、その細胞の中でしか使われないのですが、ブドウ糖を取り込んで作り出されたエネルギーは、次にエネルギー源として細胞に取り込まれてくる脂肪酸をエネルギー化するのに使われます。ブドウ糖は早く細胞に取り込まれて、すぐにエネルギーを作り出す機関(ミトコンドリアの中のTCA回路)でエネルギーに変換されます。その代わり、その時間は短くて、例えば運動をするときに主なエネルギー源になるのは10〜15分です。
脂肪酸は長くエネルギー化することができるエネルギー源で、有酸素運動をしている限りはエネルギーが作り出され、このエネルギーを使って有酸素運動を続けることができます。ダイエットは、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪を分解して、分解されて血液中に放出された脂肪酸を筋肉細胞の中でエネルギー代謝させることです。このエネルギー代謝は、一般には“燃焼”と表現されています。脂肪酸をエネルギー源として細胞の中で作り出されたエネルギーは、全身の器官を正常に働かせるためのガソリン役となります。
全身の器官は脳によってコントロールされています。脳細胞はブドウ糖しかエネルギー源にすることができないので、ブドウ糖不足は脳の機能を低下させることになります。ブドウ糖を充分に与えられることで脳細胞の働きが充分になれば、全身の働きもよくなって代謝が高まるということで、ブドウ糖が補われることはダイエットの効果も高めることになるのです。
脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖だということは、何度か紹介してきました。ブドウ糖が脳に必要だということは、血糖値が高い糖尿病の人は脳細胞にブドウ糖が多く取り込まれて、脳の働きがよくなるのではないかと感じている人がいるかもしれません。しかし、実際には血糖値が高い人は、脳細胞に取り込まれるブドウ糖の量が減ってしまいます。脳細胞に限らず、全身の細胞に取り込まれるべきブドウ糖が取り込まれなかったために、血液中のブドウ糖が多くなっているということです。ちなみに血糖値は血液中のブドウ糖の値のことで、ブドウ糖の量が多くなるほど血糖値は高くなります。
糖尿病の人は認知症のリスクが高いとの研究成果があり、その理由として脳細胞にブドウ糖が充分に取り込まれないことがあげられています。糖尿病の人は、ブドウ糖が含まれる糖質の摂取量を制限されます。糖質(ブドウ糖)の摂取量が少ないと血糖値が下がるために、糖尿病の人は糖質を大きく減らしたほうがよいとも考えられがちですが、ただでもブドウ糖が脳細胞に吸収されにくい人に、ブドウ糖を減らしてしまったら、ますます脳細胞がブドウ糖不足になって、脳細胞がエネルギー不足になります。糖尿病は細胞の飢餓状態ということができます。
細胞はブドウ糖を使って、エネルギーを作り出しています。そのエネルギーが細胞を働かせているので、ブドウ糖不足は細胞の働きを低下させます。脳細胞以外の細胞は脂肪酸もアミノ酸もエネルギー源とすることができるのに対して、脳細胞はブドウ糖だけしかエネルギー源とならないので、あまりに糖質制限をしてしまったら、脳細胞が充分な働きができなくなります。脳細胞の機能低下というと記憶力、集中力などの低下を思い浮かべるかと思いますが、脳は全身の働きをコントロールする重要な器官です。そのために、脳細胞のブドウ糖不足は全身の機能を低下させることになるだけに、糖質を制限することが健康の秘訣とは言えないということだけは、わかってほしいのです。
糖尿病の人から、「どれくらい菓子を食べていいですか」「どれくらいの量なら酒を飲んでもよいですか」といった質問をされることがあります。できるだけ無理なく、無駄なく生活習慣病対策を続けようというのが日本メディカルダイエット支援機構のモットーで、それに従ったセミナーや情報発信に努めています。そのこともあって、できるだけ楽をして糖尿病を改善したいという希望も寄せられるのですが、私たちの答えは「禁止」です。何が禁止なのかというと、糖尿病では甘いものもアルコールも禁止が大原則です。“大原則”という言葉を使うと、甘く考えてしまって、なんとか食べる方法はないのかと聞かれてしまうのですが、それへの返答は「食べてはいけない」です。
この答えが少し違ってくるのは、使っている糖尿病の治療薬の種類です。治療薬は糖質がブドウ糖に分解されるのを阻害するもの、インスリンの分泌を促進するもの、インスリンの効きをよくするものが長らく中心となって使われてきましたが、2014年に登場したSGLT2阻害薬は、これまでの「糖尿病=甘いもの禁止」の常識を覆すものとして注目されました。というのは、SGLT2阻害薬は血液中の余分なブドウ糖を尿とともに排泄する薬だからです。
SGLTはSodium-glucose transporterの略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体とも呼ばれます。腎臓では血液から濾過された尿のもとの原尿が作られ、この中から身体に必要なものが尿細管で再吸収されて、残りが尿となって排泄されます。血液中のブドウ糖は必要なものなので再吸収されます。尿の中にもブドウ糖が含まれるものの、排泄されるのはわずかな量で、相当に血糖値が高まらない限りは多くの量は排泄されないので、尿糖(尿の中のブドウ糖)を測定しても糖尿病が判明されにくいのは、こういった理由があるからです。
尿細管でブドウ糖を再吸収しているのがSGLT2という部分で、ここに働きかけてブドウ糖の再吸収を減らして、排泄される尿糖を増やすのがSGLT2阻害薬の働きです。甘いものを食べても血糖値を下げるということだけでなく、やせる効果もあるというので、ダイエット薬として認識している人までいるのですが、SGLT2阻害薬を使わなければならないほどの糖尿病の人は血管の老化が進んでいる可能性が高く、高齢者では血糖値を上げないようにする食事と運動も重要になります。一時的に血糖値が急上昇することで血管にダメージがあるのは進んでしまった糖尿病の特徴だからです。
血圧の上がりすぎを抑えることは血管の老化を抑えて、動脈硬化を予防することに役立ちます。血管の老化を防げば、それで心臓や脳の疾患を予防できるのかというと、血栓という難敵がいます。動脈硬化を防いだとしても、細小血管に血栓が詰まってしまうと、その先に血液が送られなくなり、酸素不足となって脳細胞が死んでしまうことになります。これが脳梗塞の始まりです。脳梗塞は血栓が詰まって血流が止まった状態が24時間以上続いたもので、それ以下の場合は一過性脳虚血発作と診断されます。
動脈硬化を予防して、しかも血栓が詰まらないように、その先の血栓ができないようにするのが心臓と脳を守るためには有効なわけですが、そのためには血液サラサラの成分が含まれたものを食べることでは充分ではありません。最も役立つのは有酸素運動で、私たちはウォーキングを、それも早歩きでのウォーキングをすすめています。
なぜ歩くことがよいのかということですが、動脈硬化は血管の内側の内皮細胞の機能が低下することで起こります。内皮細胞からは血管拡張物質のNO(一酸化窒素)が作られ、これが血液中に放出されると血管の平滑筋が緩んで血管が広がり、血圧も低下します。NOの放出量は血流に影響を受けていて、運動不足で血流が低下すると放出量が減り、血流が速くなると放出量が増えます。高血圧の原因は塩分の摂りすぎや肥満、ストレスなど、いろいろなことがあげられていますが、最大の原因は運動不足だとも言われているのです。
血流を速くするというと、走ったり、激しい運動をすることを考えがちですが、血管に負荷がかかりすぎる運動は、動脈硬化を進めかねません。NOを多く放出させるのは少し汗ばむ程度の中強度の運動で、有酸素運動の速歩き、軽いジョギングなどのほうが効果は高くなっています。継続時間も重要で、20分以上の有酸素運動によって血液中のNOが増えることが確認されています。ウォーキングの場合には、10〜15分ほどではブドウ糖の燃焼量が多く、それを過ぎると脂肪酸の燃焼が進むので、初めのうちは血糖値を下げ、後半は中性脂肪が減って、内臓脂肪の減少にも役立つことになります。
日本高血圧学会は令和元年4月に高血圧治療の指針を改定しました。これは5年ぶりのことで、75歳未満のすべての成人が目指す降圧目標として、収縮期血圧(最高血圧)が130mmHg、収縮期血圧(最低血圧)が80mmHgと定められました。血圧計に示してある基準の数値は135mmHg/85mmHgとなっています。この数値は、日本人の血圧の基準地域とされる大迫町(現岩手県花巻市)の住民を対象にした大迫研究によって得られた健康的な血圧の範囲です。これは家庭血圧の基準とされています。
なぜ基準を“5mmHg”下げたのかというと、合併症がない75歳未満の人は、135mmHg/85mmHgよりも130mmHg/80mmHgのほうが動脈硬化のリスクが低かったからです。わずか“5mmHg”の違いが、それほどに重要なのかということですが、血圧の差をデジタル数字で見ているだけではピンとこない人が多いかと思います。アナログな水銀血圧計を見ても、血圧が高いからといって、それほど大きな差にはなっていません。
しかし、血液によって血管にかかっている圧力は、イメージとは大きく違っています。血圧が130mmHgだと、水銀血圧計を130mm押し上げる圧力がかかっています。水銀の比重は水の13.6倍なので、これを水に換算すると1768mm(130mmHg×13.6)となります。水と血液では比重は1.053なので、ほとんど水と変わらないことになります。血液は1.8mほども押し上げる力がかかっているので、正常値でも大変な圧力となっています。これが180mmHgだったら、2.4m以上にもなってしまいます。
1日の脈拍は10万回とされているので、1分あたりでは70回ほどになります。たった1分間で70回も血液を2.4m以上も押し上げる圧力が血管にかかっていたら、血管の老化が進んでしまい、動脈硬化のリスクが一気に高まってしまうのは容易に想像がつくところです。収縮期血圧を130mmHgに抑えようという基準を出すことも、また理解ができるところです。





