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ヒトケミカルは細胞の中のミトコンドリアというエネルギー産生の小器官で必要な成分です。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれていて、これが不足すると代謝が低下するので体内で合成されています。しかし、そのピークは20歳で、年齢を重ねるほど減少していき、代謝が低下していきます。三大ヒトケミカルの中で私たちが問題としているのはα‐リポ酸です。α‐リポ酸には種類があり、体内で使われるのが天然型のR体のα‐リポ酸(R‐αリポ酸)です。R‐αリポ酸は胃液で破壊されるので、一般のサプリメントではR‐αリポ酸と非天然型(人工合成)のS体のα‐リポ酸(S‐αリポ酸)が組み合わされて使われています。
S‐αリポ酸は体内で使われないので半分が無駄になるというだけでなく、危険性も指摘されています。ペットの場合には使用すると死亡する例もあることから使用が禁止されています。人間の場合に使用が禁止されていないのは、動物で危険性があるものを人間で試験することができず、危険性が確認されていないので使用が許可されるという妙な理屈になっています。
20歳を超えると三大ヒトケミカルは不足するので摂る意味はあっても、それ以下の子供は必要ないということになります。それは正しいのですが、偏食や栄養の偏りから体内の三大ヒトケミカルが不足している場合もあります。三大ヒトケミカルは、それぞれ材料が決まっているので、その材料が足りなければ体内で作られる量が減り、それが代謝を低くすることになります。ミトコンドリアの中で作られたエネルギーは、それぞれの細胞の中で使われるので、気になる身体の部分があった場合にはエネルギー不足から正常に細胞が働かないことが考えられます。
ということは、材料を摂っておかないと三大ヒトケミカルが充分に作られなくなるということです。三大ヒトケミカルの材料については、このサイトの「メディカルダイエット」の298(α‐リポ酸)、299(L‐カルニチン)、300(コエンザイムQ10)を参照してください。

カルシウム不足は深刻で、厚生労働省の国民健康・栄養調査では男性は50歳代まで、女性は40歳代までは必要量の70%に達していません。60歳代は少しは改善していますが、それでも男性で80%を下回り、女性で85%を下回っています。すべての年代で必要量(100%)に達していないわけですが、以前に厚生労働省の栄養専門部署の担当から「若い女性にカルシウムを多く摂ってもらうためにカルシウムを摂るとダイエットできるという話を広められないか」という話をされたことがあります。カルシウムが不足すると太るというのはデータがあり、メカニズムも明らかだったのですが、多く摂るとやせるというのは言いにくい状況でした。あまりに多くなると下痢になってやせるということはあるのですが、これはすすめられることではありません。
話は変わって、今の時代はダイエットよりも認知症予防を気にする人が増えたこともあって、栄養成分と認知症の関係の問い合わせが増えています。カルシウムが不足すると認知症のリスクが高まるということでカルシウム摂取を増やせないか、カルシウムは若いときから多めに摂っていないと効果がないという話の切り口がほしいという依頼がありました。
東京大学の研究チームが3年間、537人を対象に行った大規模追跡調査で軽度認知障害からアルツハイマー型認知症に移行している要素を調べたところ、軽度認知障害は234人で、3年間で認知症に移行したのは121人でした。この121人の特徴的な要素が血液中のカルシウム濃度が低かったことです。これは世界的な傾向なのかというと、アメリカの研究ではカルシウム濃度は認知症との関係性がないことが報告されています。日本人だけではなくて東洋人の特徴かもしれないのですが、日本人にはカルシウムが有効であることは確かです。
軽度認知障害は適切な運動、栄養、休養によって30%ほどは正常な状態に戻れることができるとされていることから、その栄養の要素の重要項目としてカルシウムの摂取がすすめられるということです。こんな話をすると、カルシウムの効果的な摂取法について聞かれるのですが、カルシウムは吸収率が30%ほどと低く、加工食品に多いリンを摂ると排泄が増えることから、これを食べればよいと簡単に言うことができないのです。

発達障害の児童に対するケアを考えるとき、メディカルダイエット研究のきっかけになった“スリム型肥満”のことを思い出します。スリム型肥満は少女に多くみられ、見た目はスリムなのですが、体脂肪を測定すると肥満となっています。これは筋肉量が少なくて、体脂肪が多くても華奢な身体で、もちろん体重も軽くなっています。脂肪と筋肉の容量の差は20%、つまり同じ重量だと筋肉1に対して脂肪は0.8の割合となっています。この差が見た目と体重に影響しているわけです。
スリム型肥満の少女の体脂肪率を減らすことは、通常の手段の食事療法も運動療法も通じにくくなっています。成長期の子供の肥満を改善するのは大変なことです。そこで国立病院の医師と栄養士の協力を得て編み出したのが運動と食事のタイミングによって体脂肪をコントロールする方法で、“無理なく無駄なく”という日本メディカルダイエット支援機構のモットーが生まれるきっかけともなっています。
このスリム型肥満の改善には、基本的なエネルギー摂取と栄養素のバランスという食事療法は必要ですが、子供たちが好きなものをメニューに入れて、無理なく無駄なく食べられるように工夫をしても食べてくれない子供たちがいました。その割合は5%ほどでしたが、感覚過敏があって料理をして提供した側が驚くような反応をしました。子供が好きな食べ物とされる「オカアサンハヤスメ」のオムライス、カレーライス、アイスクリーム、サンドイッチ、ハンバーグ、ヤキソバ、スパゲッティー、メダマヤキ(目玉焼き)が苦手どころか食べられないというのです。すべてではなく、各人によって食べられないものがあります。
その理由は、味が混ざって気持ちが悪い、熱いものは食べられない、冷たいものは食べられない、刺激があって食べられない、濃い味は食べられない、というものです。この他の食品では、揚げ物は衣がチクチクするので衣が食べられない、コロッケの中身はヌメヌメして食べられない、キノコはプラスチックみたいな舌触りで食べられないなどなど、初めは食べにくくても食べているうちに徐々に食べられるようになる、という普通の食事の発達ができないということです。
こういったことがあると、偏食となって栄養不足となりやすい子供が、もっと偏食になるので、発達障害のスリム型肥満は画一的な栄養指導では難しく、緻密な対応が必要になってきます。

歩くことによって医療費を削減することは多くの自治体が考えていることです。どれだけの効果があるのかという研究は多くの研究機関で実証試験が行われていて、日本メディカルダイエット支援機構が実施しているウォーキングでは、1歩あたり「0.061円」を採用しています。これは筑波大学の研究チームが地域での高齢者の健康づくり事業との関わりで求めた結果で、次のような計算式を示して、毎日1000歩を増やした場合の結果予測を伝えています。
「0.061円×1000歩×1000人×365日=22,265,000円」
例えば、1万5000人の自治体で、自治体が負担する年間医療費が1億円だとすると、高齢化率が35%として、65歳以上の住民の5250人のうち約5人に1人が1000歩を毎日の歩行にプラスするだけで達成できることになります。達成するための活動費に自治体が1000万円をかけてくれたとしても、1200万円以上が残って、他の事業にかけることができるようになります。
「0.061円」は正しいのかという論議があり、東北大学から「0.045円」、慶應義塾大学が「0.030円」という結果を出しています。
「0.045円×1000歩×1000人×365日=16,425,000円」
「0.030円×1000歩×1000人×365日=10,950,000円」
「0.030円」は通院だけの医療費の削減で、医療費は入院で多くかかるので、低めの数字になるのは当然のことです。基礎の数字が違っていると抑制金額は2倍以上の開きになってしまうということですが、私たちは、あえて「0.061円」を基本としています。というのは、私たちが達成のために教えているのは予防効果が高いウォーキング法です。具体的なことは、このサイトの「最新情報」のウォーキングに関わるところで何度となく説明していますが、簡単にいうと増やすのは「10分間で1000歩」です。それなりの早歩きにはなりますが、この歩き方は厚生労働省が健康づくりのテーマとしている「プラス10」と一致していることです。

発達障害の児童は、運動機能の低下がみられますが、実際に子供たちと接触していると、“障害”というよりも“神経発達のズレ”を感じます。障害というと脳などの異常とか機能障害だと思われがちですが、神経発達がズレていると感じることがあります。落ち着いて勉強をしなければならない学びの時間に教室内をうろついたり、クラスメイトの学習を邪魔するということがみられて、異常な状態を思われることもあります。しかし、普通と思われている体内の生活パターンが乱れているために、身体が活性化する時間帯に、まだ身体が目覚めていないような状況になったり、身体が休まり、睡眠に向かっていくべき時間帯に興奮をしている状態になることがあります。
こういった調整を行っているのは自律神経です。自律神経は、興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経に大きく分けられます。朝に目覚めてから昼間の時間帯は交感神経が盛んに働いていて、夕方以降は副交感神経が働くというリズムになっています。ところが、神経発達がズレていると交感神経と副交感神経のリズムと生活パターンが一致しなくなり、これが活動をするときに気力が高まらない、安静をするべき時間帯に興奮をしているという状態になります。これを整えるのは大変なことですが、これをクリアしないことには発達障害と指摘されかけない一般には“妙な行動”を起こすことになるのです。
食事をしたときの消化も、吸収も、排泄も、睡眠も自律神経の調整が関わっています。発達障害の改善には運動指導が重要であることは承知していますが、それと同時に当たり前の消化のメカニズムへのアプローチ、吸収へのメカニズムへのアプローチ、排泄へのメカニズムへのアプローチ、そして睡眠へのアプローチも重要となります。神経発達症の改善には期間がかかったとしても、消化、吸収、排泄、睡眠へのアプローチがうまくいけば、神経発達症の状態をよくしていくこともできます。両方のアプローチが必要であることを訴えて、発達障害児の親が充分に理解をして、知識をもって生活の中での改善に取り組んでもらいたいのです。

メディカルダイエットは、生理学に基づいた効果的なダイエット法と認識されています。ある意味では正しいのですが、元々のスタート地点を知ると、本質的なところが見えてくると思います。日本メディカルダイエット支援機構の理事長の栄養学の師匠は、国立病院・療養所の栄養士のトップで、その付き合いの中で国立病院の幼児を対象とした体重コントロールを担当しました。小児肥満の改善は、成長期で体脂肪を効果的につけている年代に、増えすぎる体脂肪の蓄積をコントロールするのは大変な苦労がありました。普通の食事指導、運動指導では対応ができなくて、なんとか生理学理論を駆使して健康的な体脂肪調整を行うために、運動と食事の組み合わせによる手法を考え出しました。それが運動と食事と休養を組み合わせた体脂肪コントロール法につながっていきました。
小児肥満の中で特に問題となったのは“スリム型肥満”です。スリムな子供は体脂肪が少ないというのが常識です。ところが、スリムな体型であるにも関わらず、体脂肪計で測定すると肥満のレベルである男性の体脂肪率25%以上、女性の体脂肪率35%以上という見た目とは異なる肥満がいました。特に多いのは女性のスリム型肥満で、太ったり、やせたりを繰り返しているうちに、どんどんと体脂肪率が高まっていって、やせにくく太りやすいという体型になっていきます。
どうして、そんなことになるのかというと、運動をしないで食事を減らすだけのダイエットをしていると筋肉量が落ちてしまいます。筋肉が代謝の重要な部分を司っていて、運動をしないままに食事量を減らすと筋肉が減っていきます。そのために代謝が低下してしまうのです。
筋肉を減らすことなく体脂肪を減らしていくためには、肝臓での脂肪合成を抑えると同時に、筋肉量を増やすことをしなければなりません。そのためには、例えば、空腹時に筋肉運動をして、筋肉の中のグリコーゲンを分解して、ブドウ糖として使い、血糖値の上昇を抑えて、インスリンによる肝臓の中での脂肪合成を抑えるしかありません。
この手法は、肥満の改善だけでなく、スリム型肥満の研究から始まっただけに、成長期の子供はもちろんのことで、成人にも中高年にも通じるものです。

飲酒は適度な量であれば血圧を低下させると言われています。言われている、というよりも、それは事実で、日本酒換算(15度)で1合の量の飲酒で、いわゆる“ほろ酔い”状態のときには血管の緊張が解かれて、血圧は下がるようになります。この話をセミナーでしたときに、「もっと飲むと血管が締まるのか」という質問がありました。1合の量で下がった血圧は、2合の量までは徐々に上がってきて元の状態になり、それを超えた量になると逆に血圧は上がっていきます。
この結果から見ると、2合以上の飲酒は血管が締まってきて、血圧が上がっているように思われるかもしれません。しかし、実際には2合を飲んだときには1合のときよりも血管は緩み、それ以上を飲んだときには、もっと血管は緩んでいます。それなのに、どうして血圧が元にも取り、逆に上がるのかということですが、血管が緩みすぎると血液が的確に全身に送られなくなることから、血圧を上昇させて調整するためです。
血管が適度に緩んだときには心臓の圧力が通常の状態であっても血液がスムーズに流れます。ところが、血管が緩みすぎると心臓の通常の圧力では血液が充分に送られにくくなって、全身に酸素と栄養成分が届けられなくなります。そこで血圧を上昇させて勢いよく、血液を送ろうとします。2合までの飲酒では血管の緩みの程度は大きくはないので、通常の血圧に戻るだけです。この状態を超えて血管が緩むと血流が低下するので、自律神経の交感神経の働きを盛んにして血圧を上昇させます。この後は、飲めば飲むほど血圧が上がっていくようになります。
そこで飲酒量は日本酒換算で、できるなら1合まで、飲んでも2合までにしておくことです。ちなみに日本酒換算での1合(180ml)は、ビール(5度)では中ビン1本(500ml)、焼酎(25度)では0.6合(110ml)、ワイン(15度)ではグラス1杯(180ml)、ウイスキー(43度)ではダブル1杯(60ml)とされています。

機能性表示食品の機能性関与成分として認められたα型環状オリゴ糖は非常に小さなもので、そのサイズは内径で0.5〜0.6nm(ナノメートル)です。1nmは100万分の1mm(ミリメートル)ですが、そのような説明をされても、あまりに小さなサイズのために、ピンとくる人は少ないはずです。何かと比較したほうがわかりやすくなるといっても、比較対象が遺伝子のDNAの大きさと言われると、もっとわからなくなってしまうかもしれません。
これだけ小さなサイズのものに、どんな機能があるのかというと難消化性のデキストリン(低分子量の炭水化物)であって、消化も吸収もされず、大腸で腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)となって善玉菌を増やす働きです。胃の中では粘度が高まって、食事で摂ったデンプンや砂糖が小腸に運ばれる時間が長くなり、血糖値の急上昇が抑えられます。
一般にはナノサイズというと分子の大きさを指していて、1〜100nmなら「ナノサイズ」と表現できます。「ナノサイズなので吸収力が高い」という表現もされていますが、本当に吸収されやすいのかというと、これには疑問もあります。100nmというと1nmのものが100個つながった100倍の大きさではありません。物質がつながっていくときには縦・横・高さと立体的にまとまっていきます。ということは、「100×100×100=1,000,000」で、100万倍にもなります。
1nmが100万分の1mm、逆算では1mmが100万 nmということですが、立体構造での比較なので、イコールではありません。しかし、これだけ大きなものになると1nmに比べて作用が低くなるのは普通に考えつくことです。しかもα型環状オリゴ糖は内径が0.5〜0.6nmと、さらに小さいので、その機能性には大きな期待が寄せられています。
ブドウ糖の吸収抑制だけでなく、糖質の分解酵素の働きを抑制する作用もあって、砂糖が使われた食べ物や飲み物と一緒に摂ることで、より血糖値の上昇抑制を進めるということが確認されています。

「甘い」という言葉は味覚を示す意味のほかにも、さまざまなシーンで使われます。“甘い”と言われて飲んだお酒が、実は甘くはなかったというのは普通にあることで、口当たりが穏やかで、刺激が少ないものにも表現として“甘い”は使われます。味以外でも“甘い香り”とか“甘い言葉”、“甘い声”、“甘い新婚生活”といった使われ方がされています。厳しさに欠けていることを“甘い”と表現することもあり、甘い考え、子供に甘い、甘い採点といった使われ方で、ネジが甘い、甘い相場という使われ方もします。
今回のテーマのオリゴ糖の甘いというのは、味の話と同時に、厳しいという話にもつながります。オリゴ糖は胃では消化されず、そのために小腸で吸収されず、大腸に運ばれてから腸内細菌によって分解されて腸内細菌の栄養源(エサ)になります。そのため、「甘くても吸収されないのだからダイエットには問題ない」と言われることがあるのですが、オリゴ糖に味はありません。オリゴ糖の商品の中には甘みがあるものも存在しているものの、これは甘味料の味です。味の話でいうと、オリゴ糖は甘くないというのが正解です。
オリゴ糖は機能性表示食品の制度が発足してから、しばらくは届け出ができないという厳しい状態でしたが、2018年4月から糖質と糖類を機能性関与成分とした機能性表示食品の届け出が認められました。その第一号の届け出として消費者庁に受理されたのはオリゴ糖です。一般のオリゴ糖はブドウ糖が鎖状につながったものですが、受理されたのは環状オリゴ糖といって輪になってつながったものです。環状オリゴ糖には6個がつながったα型、7個がつながったβ型、8個がつながったγ型があって、今回の受理はα型のオリゴ糖です。
受理の内容は糖質の吸収抑制による食後の血糖値の上昇抑制です。このα型オリゴ糖という糖を摂ることによって、体内の糖の動きに影響があるということで、食事で糖質が含まれたものを摂っても、砂糖を摂っても血糖値の上昇が抑えられるということで、ついつい糖質を求めてしまう人にとっては「甘いけれども甘くない」素晴らしい健康素材となります。

左右の呼び名は、誰から見てなのかで違ってくることがあります。京都の右京は御所から見て右なので、通常の南北の地図から見ると逆のように感じます。観光都市京都を案内するバスガイドは乗客の方を向いているので、「右手をご覧ください」と言って左手を掲げて説明します。ある作家団体の観光旅行のときに先に言い合わせておいて、いたずらをしたことがあります。「右手をご覧ください」と言われたときに、一斉に自分の右手を前に出して、ジッと見つめるというパフォーマンスをしました。
ガイドさんはベテランだったので、すぐに「右手方向ですよ」と言ったあとに、「ちなみに左手で示している右手は左京区になります」と切り返してきて、さすが慣れていると感心したものでした。普通ならガイドさんに圧倒されて、いたずらもなしに聞き耳を立てるところなのでしょうが、そこは癖のある作家のこと、各席で“左右談義”を始めてしまい、なんとガイドしにくかったことだろうと、今さらながら思い出しているところです。
京都で左右が気になることというと、お雛様の左右です。全国的には関東雛と呼ばれるもので、男雛が正面から見て左側、女雛が右側です。これに対して、京雛では男雛が右側、女雛が左側となっています。古くは京雛と同じ並びであったのが、平成天皇の成婚のときに関東雛と同じ並びであったことから全国に広まり、伝統を重視する京都では現在の京雛の並びになったと一般に説明されています。一般にというのは、人形店での説明のことです。
もう一つの説は大正天皇が即位のときに右に立たれたことから左右が逆になったというものです。この場合の右は、正面からでは左となります。古来から上位は左とされてきたので、ここで逆転したわけですが、西洋では右側に男性を立つのが一般的なので、それに合わせたということです。この場合の右は正面から見てのことです(ややこしくて済みません)。
これで話は一件落着かと思ったら、そこは作家の団体で、左大臣が右大臣よりも上位で、雛壇では左大臣が向かって右になる、という話が出ました。これで終わりではなくて、童謡の「たのしいひまなつり」では「赤い顔した右大臣」となっているものの、赤い顔をしているのは老齢の左大臣であって、右側にあるので「赤い顔した左大臣が正しい」と教えてくれた先生がいました。