投稿者「JMDS」のアーカイブ

「真面目に書きすぎている」と、このサイトの「最新情報」への意見をいただくことがあります。専門的なことでも、できるだけキャッチーに、つまり受け入れられやすい形で表現しようとしていますが、それでも内容的には真面目そのものに徹するようにしています。「真面目に…」と言われるのは、ときどき閑話(無駄話、雑談)を交えていたものの、それが途絶えていて、「実質的な話ばかりになっている」との意見も寄せられたこともあり、今回はセミナーの中で閑話として話していることを書かせてもらいます。
いけないことをやった人に対して「先生に言ってやろう」と言うときに、囃し言葉のように言う言葉は、関東の人にとっては「い〜けないんだ、いけないんだ」が当然で、関西のお笑いコンビがネタの中で言っていた「い〜やや、こやや」にはビックリしたかもしれません。しかし、関東は全域が「い〜けないんだ」ではなくて、方言のようなもので、関東でも東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県では共通して使われています。
千葉県では「あ〜らら、こらら」で、これは群馬県、埼玉県でも使われています。これは前出の「い〜やや、こやや」に似た雰囲気で、関西全域に広まっているのかと思ったら、「い〜やや、こやや」は大阪と奈良県で主に使われていて、和歌山県では「あ〜りゃりゃ、こりゃりゃ」ですが、滋賀県、兵庫県では「ゆ〜たろ、ゆ〜たろ」、京都では「い〜しゃしゃ、いしゃしゃ」が使われています。兵庫県では「い〜けないんだ、いけないんだ」も使われています。関西でも地域によって違いがあることがわかります。ということは、お笑いコンビは大坂府か奈良県の出身かと思ったら、大阪府と兵庫県(神戸市)の出身ということで、同じ県内でも文化的な影響を受けて、使われる言葉が違ってくるのだということがわかります。

ヘルスケアスポーツと市民スポーツと違う、ということをウォーキングを例にして話したところ、「そもそもウォーキングはスポーツか」という疑問を投げかけられました。スポーツとは、一定のルールの中で勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体運動を指しています。一般には競技スポーツがイメージされるようですが、楽しみのほうを優先させたものも多々あり、これらは生涯スポーツと総称されています。
対人競技というところに着目して、コンピュータゲームの競技もスポーツの一種(eスポーツ)とされるようになっています。ただ勝てばよいということではなくて、「フェアプレーこそがスポーツだ」という考えもあります。eスポーツもフェアプレーで競技されることで多くの観衆に支持されていることから、これがスポーツであることの論拠の一つとされています。
ウォーキングは一定の距離を定めて完歩を目指して歩くもので、順番を競ったり、時間制限を設けてタイムレースにするものではないということを原則として実施されています。日本メディカルダイエット支援機構ではウォーキングとポイント競技を組み合わせたバイアスロンのような競技性のあるウォーキングイベントも実施していますが、順番や時間を採用すればスポーツだと考えているわけではありません。スポーツに取り組むメリットとして心身の健康の保持増進をあげる人が多いことから、歩くことが健康に直接的に結びつくことを重視しています。
その一つが速歩で、勢いよく歩くことで筋肉の増強、体脂肪の減少、もちろん心肺機能の向上も目指しています。より効果が高まる歩き方の指導のほかに、同じ歩くことでも飛躍的に効果が高まる速歩と普通歩行を交互に繰り返すインターバルウォーキングをすすめています。ウォーキングというと距離を稼ぐことが重視されて、身体的な負荷がかからないことが優先されてきましたが、発想を転換させて距離や時間よりも健康という結果のほうを優先させて、ウォーキングをスポーツ化させることに取り組んでいます。

市民スポーツについて前回、紹介しましたが、日本メディカルダイエット支援機構が地域スポーツとして取り組んでいるヘルスケアスポーツとの関わりを問い合わせてきたメディア関係者がいます。ヘルスケア(health care)は健康管理のことで、健康づくりを最優先させることからスポーツの種類を限定することなく、やれるところから始める、長く続けられることをするという考えもあって、さまざまなスポーツの種類があります。しかし、すべてのスポーツを健康のために実施するのは難しいこともあって、初めてヘルスケアスポーツを紹介する地域ではウォーキングから始めることもよくあることです。
ウォーキングというと、一般社団法人日本市民スポーツ連盟はウォーキングのコース認定を行っていて、ウォーキングの推奨をしているようなイメージが抱かれがちなこともあって、ヘルスケアスポーツと市民スポーツが同じように捉えられることもあります。市民スポーツは競わないことが大原則なのに対して、ヘルスケアスポーツは健康管理を目的としてモチベーションを高めるために“競う”ことを重視しています。歩くことで競うには時間を制限することが最も簡単な方法で、タイムレースとすることでモチベーションは高まります。
ウォーキングは基本的にはタイムレースではなく、時間に縛られることなく、一定の距離の完歩を目指すものとして知られています。私たちが実施するヘルスケアスポーツとしてのウォーキングでは、時間を計測して経年比較することによって体力の変化を知ることを健康づくりの基本と考えています。ウォーキングの時間をポイント化して、点数競技と組み合わせることによって体調コントロールも目指しています。
例としては、インターバルウォーキングやノルディックウォーキングと吹き矢(ブローライフル)を組み合わせたバイアスロン(クリスカントリースキーとライフル射撃の組み合わせ)に似た競技です。また、パター系のゴルフ、ゲートボール、グラウンド・ゴルフなどを組み合わせたポイント競技も企画立案しています。ポイントを稼ぐために早く歩くと息があがってポイント競技に集中できず、ポイント競技のために速度を落として歩くと全体のポイントが下がるといったように、体力と集中力のバランスを取る競技を目指しているのです。

市民スポーツという言葉を聞くと、上から押しつけられて実施するスポーツではなくて、市民の自主性に基づいて実施しているスポーツという印象が抱かれます。実施するエリアは市民意識からの盛り上がりで実施されるということで、地域で実施されるもの、つまり地域スポーツと感じている人が多いかと思います。この感覚からすると、市民スポーツは生涯スポーツと同じように感じるかもしれませんが、一生涯続けることができる生涯スポーツとは異なるものです。
市民スポーツの発祥地はドイツです。ドイツ語では「Internationaler Volkssportverband」といって、これは市民スポーツを指します。Volksは市民を指します。世界的には英語表現がされていて、市民スポーツを英語にすると「International Federation of Popular Sports」となります。
市民が実施する地域の健康づくりというと、運動に適した施設を自治体が保有していたり管理していることが多いことから、その地域の自治体の協力が絶対に重要となります。地域スポーツというからには、自治体の健康づくり活動とともに進めていくのが正しい方法と考えられ、自治体の主導で実施されるためには民間のパワーが非常に重要となります。
民間のパワーが重要ということでは、生涯スポーツも共通点があります。生涯スポーツは文部科学省によって定義された一生涯を通じて健康の維持増進のために実施するスポーツです。市民スポーツは国際市民スポーツ連盟によって、次の事項が定められています。①誰でも参加できること(競争したり、時間を制限したりしないこと)、②空気が新鮮な野外での活動であること、③自然や環境の保護という目的を尊重すること、④子どもや家族の参加を促進すること、⑤国際的な友情を育むこと、⑥これらの活動に参加した人を表彰すること。
市民スポーツの運動種目はウォーキング、サイクリング、スイミング/アクア・ウォーキング、スキーイング/スノーシューティング、スケーティング、インクライン・スケーティング、ローイング/カヌーイング/カヤッキングとされています。
競争しないというところが市民スポーツと生涯スポーツの大きな違いということもできます。その市民スポーツの日本の団体が一般社団法人日本市民スポーツ連盟で、ウォーキングのコース認定などを行う団体としても知られています。

温泉は身体を芯から温めることができます。温泉の効果というと温泉成分の泉質と温度が主なものですが、温泉成分の湯の花を買ってきて、自宅で温泉と同じ温度で入浴すれば、それで温泉と同じように身体が温まるわけではありません。温泉のよさは、40℃ほどの温度であっても、あまり長湯をしなくても身体が充分に温まることです。40℃というのは微妙な温度で、38〜40℃は自律神経の副交感神経の働きを盛んにする温度です。副交感神経は全身の働きを抑制させる神経で、心身ともにリラックスさせる作用があります。この温度よりも上昇して42℃を超えると興奮作用がある交感神経の働きが盛んになります。
ぬるめの温度での入浴は身体が温まるのに時間はかかるものの、お湯の熱が徐々に皮膚から入ってきて、これが芯から温まることにつながります。40℃のお湯でリラックスしながら身体が温まるのに家庭の風呂では7〜8分はかかるのに対して、温泉では3〜4分でも充分に温まります。泉質と温度では変わりがないのに、どうして温泉のほうが早く温まるのかというと、熱量の違いです。水が温められて40℃になるために加えられた熱量は、水の量が多いほど多くなります。その熱量が温泉に入ることで身体に伝わってくるために、早く芯から温まることができるのです。
煮物をしたことがある人はわかると思いますが、大きな鍋で多くの水を使って煮立たせるには多くの熱量が必要になります。ガスで沸かすなら多くの量と時間が必要になります。電気を使ったIHでも多くの電気が使われます。その熱量が高ければ、煮物をするときに早く熱量が材料に伝わって、早く軟らかく煮ることができます。それと同じことが、温泉につかっている私たちにも起こっているのです。もちろん、温泉の入浴で身体が軟らかくなるわけではありません。
家庭の風呂で熱量を高めると温度が上昇して、副交感神経の働きを保ったままの入浴というわけにはいかなくなります。ぬるめの温度で、長めに入浴するしか方法がないのですが、入浴の機会を増やす、長く入っていられるように半身浴をするといった工夫も必要となるわけです。

ベネフィットは幸せを感じる利益のことで、この前に健康をつけると健康づくりに成功して、幸せになるということを指した言葉となります。健康でなければ幸せと思えることを実施することができないというだけでなく、幸せと感じられる町づくりにも役立てられないということで、健康づくりの幸せと活動の成果による幸せの両方を求めて実施しているのはウォーキングです。「健康ベネフィットという崇高な言葉を持ち出してきた割には歩くだけか」と言われそうですが、ただ歩くだけではありません。採用しているのは効果が得られるウォーキングで、私たちが取り組んでいるのは歩く速度を変えるだけでスポーツ並みの健康ベネフィットにつながるインターバルウォーキングと、ポールを使って歩くノルディックスタイルのウォーキングです。
ウォーキングによる健康ベネフィットで注目しているのは、医療費の抑制です。増え続ける医療費を抑えることは個人の利益であるとともに自治体の利益でもあります。日本人の生涯医療費は、男女平均で2700万円、男性が2600万円、女性が2800万円となっています(厚生労働省2016年)。このうち半分ほどは70歳以降に使われています。70歳までに医療費を抑えることができれば、生涯の医療費を抑えることに直結します。
運動の介入によって医療費を抑制する取り組みには多くの機関が参加していますが、その一つの一般社団法人スマートウエルネスコミュニティ協議会(SWC)の研究発表によると、運動を中心とした健康づくりによって暦年齢が58歳の人の体力年齢が3か月後に65.4歳から60.9歳に4.5歳、若返っていました。健康づくり実施群は対照群(平均年齢70歳)に比べて4年後の医療費は1人当たり約9万円抑制されたとの結果が報告されています。
これまでのSWCの研究成果から歩数増加による医療費抑制への貢献が割り出されています。それによると1歩が0.061円となり、1日に2000歩を増やした場合には1万人が参加すると1年間で4億4530万円の抑制になると計算されています。また、個人の成果では1年間、毎日3000歩ずつ増やすと入院医療費は約21,000円の抑制、通院医療費は約40,500円の抑制になると報告(筑波大学)されています。
私たちが地域活動をする岡山県和気町の高齢者の約5500人(1万4500人×高齢化率38.6%)のうち、1000人が1日に歩数を1000歩を増やしたとすると、1年間で2226万円を超える医療費の抑制となる計算です。この抑制予測金額の一部をウォーキングの実践や座学教育などの健康づくりにかけることによって、自治体の健康ベネフィットを実現できると考えています。

よく知っていることと、知ってはいるものの詳しくとは言えないこと、文章で表現するときに、どちらを確定的に表現するのかというと、ほとんどの人は“よく知っていること”と考えるかと思います。ところが、研究者や専門家の中には、よく知っていることをぼかした感じで言い、よくは知らないことを断定的に言う人がいます。「います」どころか、著明な先生、それも健康に関わる重要なことをメディアに登場して発言している方も目立っています。どうして、そんなことになるのかというと、専門分野のことは他に専門家にも注目されていることで“周囲の目”が気になるからです。
そもそも定説とされることは現状での見解であって、研究が進むと変更や逆転されることもあるので、記録に残ることだと言い切ってしまうのに躊躇があります。その場限りのセミナーでは喋ってお終いということもあるのでしょうが、話したことの責任が後からついてくるようなことだと言い放って知らぬふりとはいかないものです。
それくらい慎重な態度なら、よく知らないことだと、もっと慎重になってもよいはずです。ところが、知らないことに限って「えいやっ!」と勢いで話してしまう専門家もいるのです。医学者や研究者となると、それなりの理屈を言うので、いかにも本当の話らしく聞こえてもくるのですが、よくよく考えると妙なことを言っているという例も少なくありません。専門外のことでも個人的にやたらと勉強して詳しいという人もいるにはいます。関わりのある話なら、専門外でも知っていてもおかしくないということはあります。
ある運動生理学の先生が著書の中で筋肉の説明をしていて、「筋肉を増やすために栄養も大切」として長々と栄養学の基礎を述べて、この成分は、この食品に多く含まれていると、いかにも掲げられた食品を食べれば、どんな料理法、どんな食べ方でもよいというような書き方をしていました。しかし、栄養素によっては吸収率が低いものもあり、加熱によって破壊されるものもあります。食品に含まれているのに通常の食事のタイミングで摂ったら吸収されにくいものもあります。栄養学は食品学ではなく、調理科学も生理学も必要で、運動科学との組み合わせによっても栄養の代謝は変わってきます。そこのところを吹っ飛ばして、これを食べれば大丈夫というのは「えいやっ!」で書いたと言われても仕方がないことです。

ナラタケ(楢茸)はハラタケ目シメジ科ナラタケ属に分類される食菌で、日本でも食用キノコとして食べられています。漢方製剤として用いられているのは中国名では天麻密環菌で、天麻はオニノヤガラ(鬼の矢柄)を指します。オニノヤガラはラン科の多年草で、ナラタケに寄生しています。ナラタケはオニノヤガラの塊茎に寄生しています。お互いに寄生して、栄養成分をやり取りしている関係で、オニノヤガラは滋養豊富で、塊茎(土の中で大きく丸くなった茎で、ジャガイモでは食用部分)を乾燥させたものが漢方素材の天麻となっています。漢方薬(生薬)としての天麻は、鎮痙剤、強壮剤のほか麻痺、神経衰弱、頭痛、眩暈の改善に用いられています。
ナラタケは、かつては漢方薬としては使われていなかったのですが、菌糸体を用いる技術が確立されてから臨床研究が始まり、新たな漢方素材となりました。菌糸体はキノコでは根のように張り巡らされた糸状の菌の集合体で、菌糸体から生まれる子実体が食用となっています。つまり菌糸体が親で、子実体が子の関係になります。ナラタケは子実体となった後に、オニノヤガラに栄養成分を吸収されることになりますが、その前のオニノヤガラに寄生している菌糸体は子実体を作る前の栄養が最も豊富な状態であり、そのナラタケ菌糸体が漢方の医薬品成分として使われています。
ナラタケ菌糸体は、医薬品(第二類医薬品)の原材料と同じものが健康食品として日本に輸入され、国内のGMP(医薬品適正製造基準)工場で製造されています。
オニノヤガラの塊茎と共生するナラタケ菌糸体は、中国における基礎研究、臨床試験による多数の医学論文で、骨髄細胞障害を保護する作用と脳の血流、冠状動脈の血流の増進、脳卒中の改善、脳動脈の治療効果、そして、これらの改善効果が組み合わされることによる認知症の改善効果が実証されています。
認知症は、「潜伏期→発症期→進行期→悪化期→末期」に分類されています。オニノヤガラ共生ナラタケ菌糸体は、このうち潜伏期と発症期に使われますが、さらに西洋医学による治療の効果を高め、副作用を抑制する補助薬としても使われています。
その他に、以下のような治療効果が実証されています。
・鎮静、異常や過剰興奮の抑制
・催眠、不眠、睡眠時間の延長
・幻覚・妄想・躁鬱病・学習記憶知覚障害の改善
・眩暈、頭痛等の改善、耳鳴り、偏頭痛・高血圧による頭痛の改善
・心臓・血管疾患(血流循環の調節)、冠心病・脳血流疾患の改善と治療
・脂質異常症(高中性脂肪血症、高コレステロール血症)の改善と治療
・視力障害、眼炎、夜盲症の予防と改善
・手足のしびれ、腰痛、膝の痛み、頸部肩こり等の改善
・血圧降下剤との併用による効果向上
認知症の予備群とされる軽度認知障害は認知症に進行しやすく、進行を遅らせる方法としては健康的な食事、適度な運動などがすすめられます。つまり、従来の西洋医学では一般的な健康生活を過ごすしか方法はないということで、代替医療としての健康食品が求められてきましたが、初めて改善が見込まれるものとしてナラタケ菌糸体が登場したというわけです。

健康づくりのためのウォーキング事業で厚生労働省を訪れたときに「元気な認知症患者を増やさないでほしい」と言われたことがあります。これは身体の健康づくりも大切だけれど、歩くことは脳の機能も向上させるので、そのことも考えてウォーキングをしてほしい、という意味だと認識したのですが、それを言われた当時は介護予防マニュアルでウォーキングの効果が認知症予防に有効だということが発表されたタイミングでした。
身体が若返っているということについては、日本老年医学会の研究で確認され、これを受けて日本老年学会と日本老年医学会は「高齢者の定義を65歳以上から75歳以上とすること」を2017年に提言しています。多くの研究によって現在の高齢者は身体的・機能的に10歳は若くなっているというのが提言の理由ですが、身体と機能の若返りに対して認知機能だけは年齢の上昇とともに低下していき、認知症と軽度認知障害の発症リスクが高まります。
日本メディカルダイエット支援機構では、サプリメント教育のテキストを作成して、一般向けにサプリメント情報知識検定、業界向けにサプリメントプロ検定を実施しています。身体の若返りのためのサプリメントについての情報を提供するなら、今の時代には認知機能の改善に影響するサプリメントについても情報発信が必要だと感じています。その情報については、このサイトの「サプリメント事典」ではまだ掲載していないので「最新情報」で過去に取り上げたことがあります。随分と前のことであるために、次回に「ナラタケと認知症2」として再掲載させてもらいます。
ナラタケは食用キノコとして知られていますが、中国では漢方製剤となっていて、オニノヤガラと共生しています。お互いに栄養素をやりとりしている関係で、ナラタケそのもの(子実体)には栄養成分は期待されていません。しかし、ナラタケの菌糸体(植物の根に当たる部分)は栄養豊富で、これを利用したのがナラタケの製剤であり、これを日本ではサプリメント(健康食品)として使うことができます。

がんのリスクは身体活動によって減少させられるというデータがあり、健康雑誌やテレビの健康バラエティー番組にもよく使われています。健康づくりのためにウォーキングをしてほしいと願っている私たちにとってはよい傾向ではあるものの、本当に効果があるのかということになると疑問を感じるようなデータも使われています。それはアメリカのデータで、大腸がんのリスクは確実に低下させ、乳がんと子宮がんのリスクはほぼ確実に低下させることが報告されています。これは日本人についても同様の傾向があることが確認されています。
腎がんや膀胱がんについても身体活動が多い人は、がんのリスクが低下することがアメリカで報告されているものの、調査対象者は欧米人で、アジア人では調査されていません。そこで、日本人の生活習慣病予防と健康寿命延伸に役立てるための研究である多目的コホート研究(10保健所管内の約7万6000人の追跡調査)によって、日本人の場合の身体活動と腎がん、膀胱がん、腎盂尿管がんのリスクへの影響が調査されています。
それによると、身体活動量、余暇時間の運動頻度によるリスクへの関連はみられず、大きな差がなかっただけでなく、全体的な傾向もみられないという結果でした。つまり、活動量が増えるとリスクは低下したものの有意差がなかったということではなく、がんの種類によっては活動量が増えて、かえってリスクが上昇した例もありました。
欧米の研究と異なった結果となった理由として、身体活動によって適正体重が維持されることによって、がんの予防効果があることが確かめられていることから、日本人は欧米人に比べて肥満度が低いために、予防効果が低かったことが指摘されています。また、日本人は喫煙率が欧米人よりも高いことから、喫煙による悪影響が身体活動の予防的な作用を打ち消したのではないかと考えられています。健康づくりの運動を始めるには、喫煙対策も同時に行うべきだということを示す一つの研究成果となっています。