「サプリメントは健康食品と同じもの」とか「サプリメントは健康食品を英訳したもの」と説明されることがあります。前に、サプリメントはアメリカの「ダイエタリー・サプリメント」(Dietary Supplement)を略したものだと紹介しました。ダイエタリーという言葉の4文字まではDietなので、ダイエットのためのサプリメントと勘違いしている人もいるようですが、ダイエットには「やせる」という意味はありません。元々は方針、作戦、戦略といった意味で、国会もThe Dietと言います。国の方針などを決める機関ということで、ダイエットの正しい使われ方です。
そこから転じて、正しいとされることを実施するのがDietとなり、正しい食生活がDietとなりました。アメリカ人がDietというときは、ほぼ食事療法を指しています。Supplementには追加や補助、補足、補充の意味があります。ということで、食事療法として不足している栄養素を補うものがDietary Supplementとなったわけです。
身体に必要なもので、それが不足している場合に補うのがサプリメントということになるわけですが、この条件に当てはまるのはビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸などの栄養素と、三大ヒトケミカル(α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10)です。
それに対して健康食品と呼ばれるものは、糖質や脂質の吸収を妨げるダイエット作用や活性酸素を消去する抗酸化作用、病原菌などと闘う免疫作用、血流促進作用、肝機能向上作用のほか、視野を明るくしたり、膝関節の痛みを軽減するなど、さまざまな機能が期待されるものです。血糖値や中性脂肪値、コレステロール値、血圧などを改善する特定保健用食品も、この範疇になります。
サプリメントの説明として“身体に必要なもの”とわざわざ書きましたが、これとは異なる健康食品は“身体に必要でないもの”と分類することもできます。必要がないと断言するものではないかもしれませんが、これらの健康食品の成分を摂らないと生命維持ができないというものではありません。それに対して、栄養素と三大ヒトケミカルは大きく不足すると生命維持ができなくなるので、不足している場合には必ず補う必要があります。
ところが、三大ヒトケミカルは健康食品の成分と捉えられていることもあって、不足しているのに摂っていない人がほとんどです。これが年齢を重ねることによって起こる体調の不良や老化の現象を引き起こす原因となっています。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
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早起きをしてラジオ体操などで身体を動かすのは気持ちがよいものです。そこから発想して、早起きをして元気にウォーキングをして健康になった気分を味わっている人は少なくありません。元気に歩くことはよいことであっても、まだ身体が充分に働いていない早朝に頑張って歩くことは、かえって健康面ではよくないこともあります。“あります”どころではなくて、身体を傷めることから、できれば禁止したい人もいます。それは血圧が高くて、脈拍も多い人です。朝に血圧を測定して、変化に一喜一憂する人は多くても、血圧の高さと同時に脈拍の変化を気にしている人は少ないようです。
身体の働きを調整している自律神経は、活動系(興奮系)の交感神経と抑制系の副交感神経がバランスを取っています。昼間の活動時間には交感神経の働きが盛んになり、夕方から朝までは副交感神経の働きが盛んになっています。これが基本なのですが、「朝までは副交感神経」という一般的な言葉を信じて、朝からは交感神経に切り替わっていると思っている人は少なくありません。朝になると完全に切り替わるということではなくて、交感神経も副交感神経も働いているのですが、その割合が違っているのです。
朝には副交感神経優勢から徐々に交感神経優勢に切り替わっていきます。交感神経の働きが盛んになった状態を“身体が目覚めた”というとすると、早朝はまだ目覚めていない状態です。普段の生活では目覚めて(起床して)30分もすると交感神経の働きがよくなっていくのですが、普段よりも早く起床すると本来なら寝ている時間帯には、なかなか交感神経の働きが盛んになってはくれません。そんなときにウォーキングをする、それも早朝は気分がよいからと勢いよく歩くようなことをすると、血管を収縮させ、心臓の鼓動を高めるという交感神経の働きが間に合っていないために、血流不足になったり、血圧の調整ができにくくなります。
特に寒い季節には、ただでも血管は縮まった状態であるので、血圧が高い人、朝に脈拍(心拍数)が多い人は早朝のウォーキングは危険なことにもなります。これがわかるのは血圧計を使って毎日の状態をチェックしているからで、自分の状態を知ってから、健康に役立つことに取り組んでもらいたいということです。
一般的な常識は実は非常識というテーマはウケがよいようで、テレビ番組でも雑誌記事でも、よく取り上げられることです。中でも健康については関心が高く、私たちも、そういった観点で取り上げることが多いのですが、“非常識”と言い切っていることが実際には非常識だったりすることもあって、視聴者や読者を惑わせていることがあります。非常識と断言する根拠が一つの見方しかしていないこともあって、人間の身体の仕組みというのは、たった一つのことで決まることは少ないので、別の専門家にコメントを求めると逆の内容になっていることもあります。
テレビ番組で取り上げていたことを例にあげると、牛乳を飲むタイミングです。日本では朝に飲むことが常識となっています。海外では、いつでも飲んでいるので、何も朝に時間を定めて飲まなくてもよいというのが番組の結論です。テレビ番組では紹介されていなかったことですが、日本メディカルダイエット支援機構では、牛乳を日本人が朝に飲むようになった理由として冷蔵庫の普及との関係について話しています。
牛乳は終戦後に普及が始まり、牛乳屋さんに買いに行くことから、次に家庭に届けてもらう“牛乳配達”が始まりました。牛乳屋さんには冷蔵庫が普及していても、家庭にはまだ冷蔵庫が普及しきれていないことから、気温が低い早朝に牛乳屋さんから家庭に届けられ、朝のうちに飲むという習慣が広まりました。そこから家庭に冷蔵庫が普及してからも、牛乳は朝に飲むものと認識され続けました。
これが非常識かというと、そうとも言えません。むしろ朝に牛乳を飲む習慣となってよかったと考えています。夜によく眠れるようにするためには、セロトニンという神経伝達物質が必要で、セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンによって体内で合成されます。セロトニンは“幸せホルモン”とも呼ばれていて、睡眠を促すホルモンのメラトニンに変化します。このメラトニンによって夜になると眠くなり、熟睡できるようになります。
トリプトファンがセロトニンを経てメラトニンになるまでには15時間ほどかかるので、朝に牛乳を飲むのは熟睡のためにはピッタリのタイミングであり、これこそ常識としてほしいことです。
ウォーキングは健康によいというイメージが先行しすぎるのか、長く歩けばよい、歩く時間を長くすればよいと考える人も少なくありません。歩けなくなった人よりも自由に歩ける人のほうが健康的であることはもちろん認めます。歩けないわけではないものの、自由に歩き回れない状態になったら、健康寿命を過ぎたとされることからも、歩くことは健康そのものの指標となっていることも当然だと考えています。だから、自由に歩いていることに文句をつけられたくないという人もいます。
日本メディカルダイエット支援機構がすすめている歩幅を広げて、元気に進む歩き方は、もともとの身体の仕組み、筋肉の構造に合っていることなので、歩くことによって健康維持につながり、その効果を高めるように歩き方とともに休養の方法も、栄養面でもアドバイスをしています。できるだけ元気に歩いてほしいところですが、普段から歩いているのだから、元気に歩くことを目指しているウォーキングイベントには参加したくないという人もいます。元気に歩けないと遅れてしまい、置いていかれることにもなるので、健康ではないと見られるのが嫌だという考えがあるようです。
無理に早歩きをすることはないのですが、早歩きをするように心がけていないと、だんだんと早歩きができなくなり、足の運びがスムーズにいかなくなり、正しい姿勢で歩くことができなくなっていきます。正しい歩く方というのは、身体を支える骨格筋を上手に使って歩くことで、この当たり前の歩き方をしないことには、これまで紹介してきたようなウォーキングによる健康効果を得ることができなくなります。
私たちがウォーキングの健康効果、つまり血圧や血糖値などを安定させる歩き方を紹介すると、「それほど効果がなかった」とか「まったく効果がなかった」という人が出てきます。どんな歩き方をしているのかを聞いてみると、私たちがすすめる方法ではなくて、歩くことにかける時間は同じであってもダラダラと歩いている人が多くなっています。効果を得るには、それに相応しい歩き方をしてほしいと伝えて、効果的な方法を示しながら一緒に歩くようにしています。
ブドウ糖という名前は、果物のブドウ(葡萄)に由来しています。果物の中ではブドウに最も多く含まれているからという説明もされているようですが、ブドウから初めて発見されたからという説が有力です。調べてみると、1747年にドイツの化学者によってレーズン(干しブドウ)から初めてブドウ糖が単離されています。
ブドウ糖というのは俗称のようなもので、科学名はグルコース(glucose)です。このコーナーで何度か登場しているGLUT4は細胞にブドウ糖を取り込む輸送体で、グルコーストランスポーター4という名称となっています。
ブドウには、そんなにブドウ糖が多いのかということですが、測定したものによって差はあるものの、ブドウのブドウ糖は7.5%(100g中に8g)となっています。バナナは4%、桃は2%、みかんは1.5%なので、確かに多くなっています。果物には果糖も含まれています。果糖の甘味は砂糖よりも強くて、砂糖を1とすると果糖は1.2〜1.5となっています。それに対してブドウ糖は0.6〜0.7です。ちなみに砂糖は果糖とブドウ糖が1分子ずつつながった構造となっています。
果糖の量をみてみると、ブドウは8%、バナナは2.5%、桃は2%、みかんは1.5%です。ブドウが甘いのは果糖が多いからですが、ブドウ糖も多くて、血糖値を上昇させやすいのは当然ということがいえます。
糖尿病とブドウ糖の関係から、ブドウ糖は悪者扱いをされることもありますが、ブドウ糖は重要なエネルギー源で、しかも脳細胞はブドウ糖しか取り込むことができないので、ブドウ糖なしでは頭の働きがよくないどころの話ではなく、生きていくことができなくなります。1日に必要なブドウ糖の量は270gとされています。そのうち脳には120gが必要で、脳以外の身体には150gが必要とされています。脳は全体の重量に対して2%でしかないのに、エネルギーは20%も消費しています。そのすべてのエネルギー源はブドウ糖なので、いかに多くのブドウ糖が消費されているかがわかります。
運動によるエネルギー量の計算は「エネルギー量の高さ×時間」が基本となります。ウォーキングというと勢いよく歩いたほうがエネルギーの消費量が高いものの、勢いよく歩くのは疲れるからと弱めの負荷でも長く歩けばよいのでは、という考えをしがちです。糖尿病の人にウォーキングをすすめるときには短い時間でもよいので勢いよく歩くことをすすめています。
運動をしているときに血液中のブドウ糖を主に使っているのは10〜15分ほどで、血糖値は血液中のブドウ糖の量を示しているので、短い時間のウォーキングでも効果があります。ブドウ糖は、すぐにエネルギーとなって大きな力を出すことができるエネルギー源なので、短時間でもよいので勢いよく歩こうと言うときの理屈として使っています。
ダラダラと歩くことで使われるエネルギー量が勢いよく歩くことの半分ほどのエネルギー量だったとした場合、2倍の時間を歩けばよいと単純に考えるかもしれませんが、細胞の中にブドウ糖を取り込む働きがあるGLUT4(グルコーストランスポーター4)は運動をすると細胞膜に近づいてきて、ブドウ糖を取り込んでくれます。その運動も身体の負荷が高まった状態であることが必要で、あまり負荷がかからない状態だと的確に取り込むことができなくなります。だから、同じウォーキングをするのでも、少し息が弾んできて、10分も歩くと汗が出てくる程度のスピードでは歩いてほしいのです。
血糖値が高い人にはウォーキングがすすめられるのは、GLUT4の機能を高めて、細胞にブドウ糖を多く取り込んで、このブドウ糖を細胞内のミトコンドリアでエネルギーとして使うことを目指しているからです。膵臓からインスリンが分泌されているのに血糖値が下がらない人は、GLUT4の働きが低下していることが考えられます。このタイプの人が運動をすることが求められるだけでなく、インスリンの分泌量が大きく低下している人も同様です。というのは、インスリンにはGLUT4の働きを高める作用があり、運動はインスリンと同じような効果があると考えられているからです。
テレビの健康をテーマにしたバラエティ番組で、キノコの健康効果を紹介していました。どれも目新しい情報ではなかったのですが、気になった情報がありました。高血圧の人によいキノコとして紹介されていたのはシイタケでした。シイタケには旨味成分のグアニル酸が含まれていて、その量は生シイタケと干しシイタケのどちらに多いかという質問があり、その答えは干しシイタケでした。
これは間違っていないのですが、干しシイタケにすることによって特別に含有量が増えるわけではなくて、生シイタケは90%ほどが水分なので、干しシイタケにすると分量としては10分の1になります。グアニル酸の含有量は重量あたりで示されているので、グアニル酸が10倍になったというのは重量が10分の1になった結果ということができます。
そのことよりも気になったのは、そもそもグアニル酸は高血圧に効果がある成分なのか、ということです。番組の中で紹介していたのは、血液中の脂肪が増えると血液がドロドロになると血圧が上昇するということでした。高血圧の原因としては、加齢、自律神経の交感神経の作用、ナトリウム過剰摂取、ナトリウムの排泄不足、カリウム不足、肥満、ストレス、喫煙、角のアルコール摂取、寝不足、疲労、糖尿病、寒さ、温度の急変、遺伝的な体質、怒りっぽい性格などがあげられています。
血液がドロドロになるというのは血液が血液中の脂肪が固まりやすくなることで、グアニル酸には血小板凝固抑制作用があります。血小板が凝固すると血栓ができやすくなり、これが毛細血管などで詰まると動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞を発症させることになります。血圧の上昇と直接的には関係ないはずなのですが、干しシイタケの健康効果の話になると、「グアニル酸→血液サラサラ→高血圧の抑制」というふうにつながって紹介されています。
シイタケと他のキノコとの比較、干しシイタケと生シイタケの比較をする前に、そもそも含有成分がメカニズム的に血圧と直接的に関わりがあるのかを先に考えてほしいところです。
ウォーキングをすると水分が失われるので、それを補うために水分補給を行います。失われてからではなく先に水を飲んでおく人もいますが、喉の渇きを感じてから飲んでも水分補給が間に合わないということはありません。それは体内には充分な水分があるからです。その多くは細胞内にあります。体内の水分量は体重の60%ほどとされます。血液中の水分が減ってくると、細胞内の水分が補われます。体内の水分が1%失われると喉の渇きを感じて、2%も失われると強い渇きを感じます。1%が減った段階で水を飲めば不足した分は、すぐに補うことができます。
同じ水分を取るのでも、ウォーキングの前に飲むのをお茶にすることが体脂肪の減少を目指す人にはすすめられています。運動を始めると、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が分解されて、血液中に脂肪酸が放出されて、この脂肪酸が筋肉細胞に取り込まれて代謝が始まります。この一連の流れが起こるためには運動を始めてから10〜15分はかかります。この時間を短くして、代謝を促進する効果がお茶にはあるのです。
お茶に含まれるカフェインには自律神経の交感神経の働きを盛んにして、興奮作用があるホルモンのアドレナリンを副腎髄質から分泌させる作用があります。脂肪細胞にはアドレナリンの刺激を受ける受容体があって、アドレナリンが多く分泌されると中性脂肪の分解が進んでいく仕組みになっています。カフェインを摂ることでアドレナリンが多く分泌されるほど脂肪燃焼は早く始まり、燃焼までの時間を5分ほども短縮できます。5分というと短い感じがするかもしれませんが、毎日のウォーキングの時間が30分ほどしかない人にとっては15分の燃焼と20分の燃焼では結果が違ってきます。
カフェインが多く含まれるのは玉露、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、煎茶で、ほうじ茶にはほとんど含まれていません。ノンカフェインコーヒーは、その名のとおりで、まったく含まれていません。コーヒーを飲んだ場合にアドレナリンによって脂肪分解が始まるのは飲んでから30分ほどとなっています。歩き始める時間に合わせて飲むようにします。
食事をすると体温が上昇します。これは消化・吸収されたエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)の一部が代謝して発生した熱によって起こっていることです。そのために、食事をしたあとに横になっていても代謝量が増えてくれます。この代謝の増加は食事誘発性熱産生と呼ばれています。以前は特異動的作用と呼ばれていたことがあります。1日の消費エネルギー量の割合は基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、そして食事誘発性熱産生が約10%とされています。これは平均的な割合で、エネルギー源の種類によって消費エネルギー量は異なります。
糖質だけを摂った場合は約6%、脂質だけを摂った場合は約4%、たんぱく質だけを摂った場合は約30%になります。1種類だけの食品というのはあまりなくて、通常は3種類のエネルギー源の組み合わせで、平均的には10%ほどとなっています。3種類のエネルギー源の消費エネルギー量の割合に注目すると、たんぱく質が多く含まれるものを食べると食事誘発性熱産生が大きく増えるので、たんぱく源と一般に呼ばれる肉類、魚類を食べるとダイエットできそうな気がするかもしれませんが、肉類にも魚類にも脂肪が多く含まれています。脂肪(脂質)は約4%と消費エネルギー量が低いので、脂肪が多い部位は特に減らすことを考えたほうがよいということです。
ダイエット法として糖質制限が注目されていますが、同じだけの糖質と脂質を摂った場合は消費エネルギーの割合が1.5倍も違うので、糖質を減らして、その分だけ脂質を増やすようなことをすると消費エネルギー量が減ることになります。また、エネルギー量そのものも1gあたりが糖質は約4kcalなのに対して、脂質は約9kcalと2倍以上となっているので、脂肪の摂りすぎはエネルギー量の摂りすぎになります。これが太る原因となることを知って、糖質制限に取り組むときには、脂肪の量を調整するようにしてほしいものです。
エネルギー代謝で活躍する筋肉が少ないと消費エネルギー量が増えにくくなるので、高齢者は、なおさら糖質制限は控えて、たんぱく質を摂るべきであるということを伝えています。
有酸素運動は脳に酸素を多く送り込み、血流を高めることによって脳細胞に多く取り込まれたブドウ糖をエネルギー源として使うことから、脳の認知機能の維持と向上に役立つことは知られています。有酸素運動はウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどがあげられていますが、認知機能の改善が強く求められるようになる高齢者には、できるだけ負荷が少なく効果が得られる運動が相応しいということで、ウォーキングがすすめられることが多くなっています。
日本メディカルダイエット支援機構では、男女の関係なくウォーキングをすすめていますが、認知症でも患者数が多いアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では男女差があり、それに応じた指導も行っています。高齢者(65歳以上)の疾病の男女差についての調査は数多くあり、それらの傾向をみると男性は女性の1.6倍も有病率が高くなっています。生活習慣病の多くは血管に影響を与えるものであるので、脳血管性認知症の有病率も男性は女性の1.9倍となっています。ところが、アルツハイマー型認知症となると女性のほうが男性よりも1.4倍も高くなっているのです。
その理由として女性が長生きであるから、ということがよく言われます。75歳以上のアルツハイマー型認知症は女性が男性の2〜3倍にもなっています。確かに高齢になるほど発症率は高くなり、認知症は85〜89歳では41.4%、90〜94歳は61.0%、95歳以上では79.8%となります(調査によって数字にバラツキあり)。しかし、90歳以上のデータをみると、アルツハイマー型認知症は男性が約40%、女性が約60%と、女性のほうが発症率は高くなっています。
こういうこともあって、高齢の女性ほど歩いてほしいと言い続けています。しかし、高齢になるとたっぷりと酸素を吸い込んで、勢いよく歩くということは難しくなっていきます。ただ歩いて歩数を稼ぐのではなく、有酸素運動となる歩き方をしないといけないので、筋力、体力が落ちてきたら、ポールを用いたウォーキング、いわゆるノルディックスタイルのウォーキングであるノルディックウォーキング、ポールウォーキング、ノルディック・ウォークをすすめています。





