健康を気づかって食べるようにしたい食品を並べた「まごわやさしい」については以前に紹介しました。それに2文字を加えた「まごたちわやさしい」について知りたいと雑誌記者から連絡がありました。「たち」は何かということと、他に「まごわやさしい」の食品に変わりはないのかという問い合わせでした。「まごわやさしい」は、豆(ま)、ごま(ご)、わかめ(わ)=海藻、野菜(や)、魚(さ)、しいたけ(し)=きのこ、芋(い)を表しています。ビタミン、ミネラルの補給に必要な食品で、食卓にのぼりにくいものもあります。
これに新たに「たち」を加えようということで、卵(た)、乳(ち)=乳製品をプラスすると、カルシウムとビタミンB群が補給できるので、子供にも高齢者にもすすめたい食品です。あとは“高齢者は肉を食べろ”と言われる時代に合わせて肉(に)を加えて「まごたちにわやさしい」となるのでしょうが、にわ(には)となると子供にはよくても高齢者にはそうでもないという印象になりかねないので、今は「に」は使わなかったのでは、という話を記者にはさせてもらいました。
「たち」を加えてアピールしているのは、骨粗鬆症の予防には骨密度がピークに達する20歳の前に、カルシウムとたんぱく質を摂ってもらい、将来にわたって丈夫な骨で暮らしてほしいという栄養関係者の発案です。今どきの少子化で孫がいても一人だけという時代に「まごたち」とは贅沢な、という発言も耳にしましたが、数少ない孫世代だけに健康には留意してほしいという願いがこめられた標語でもあるのです。
卵と乳製品は重要なたんぱく源です。魚と豆も重要です。いわゆる良質なたんぱく質は肉、魚、卵、牛乳、大豆で、このうち肉以外は「まごたちわやさしい」に揃っています。先ほどの「まごたちにわやさしい」となると、すべてが含まれることになります。良質なたんぱく質には体の中では作られない必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、健康づくりの基本となります。
肉に多く含まれる飽和脂肪酸は動脈硬化のリスクを高めるのに対して、魚と植物油(大豆油など)に多く含まれる不飽和脂肪酸は動脈硬化のリスクを低下させます。この点から言っても「まごたちわやさしい」は以前の「まごわやさしい」から健康づくりの食品の知識を広めるのにもよい標語だ、という話もさせてもらいました。
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認知機能についての話は地方創生にも健康づくりにも必ず出てくるテーマです。認知症患者は462万人(2012年統計)、その予備群である軽度認知障害患者は400万人と推定されています。これを合わせた862万人は65歳以上の4人に1人の割合となっています。認知症と軽度認知障害の患者は、高齢化が進む中で増え続ける一方で、2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害は600万人を超えると推定されています。
軽度認知障害(MCI:Mind Cognitive Impairment)は厚生労働省研究班によって認知症の前段階として位置づけられていて、従来の認知症の診断基準に示された項目を満たすようになった段階では早期とはいえないと指摘されています。軽度認知障害と認知症は特定の疾患ではなく、認知機能低下症状におけるステージや状態を示すもので、潜在的な疾病、疾患や身体状態が引き金になるとされています。そのため、厚生労働省の新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)では認知機能低下のリスク要因の疾病・疾患を早期に特定し、早期に適切な介入を行うことが推奨されています。
しかし、軽度認知障害と診断されても、有効な治療薬はなく、食事での改善としてバランスの取れた栄養補給、運動での改善として適度な運動習慣が指示されるのがほとんどです。こうした指導によって軽度認知障害からの改善が見られる人は約30%で、約20%が軽度認知障害のままで維持され、1年で10〜15%が認知症になり、5年で約50%が認知症に進行しています。このような状態を改善するためには、要因の一つとなっている生活習慣病の改善が重要となるわけですが、それに加えて生活習慣病対策の栄養と運動、認知機能の向上につながる運動も、有効な治療薬がない段階では積極的に取り組むべきことです。
運動が脳機能の改善に有効な理由として、血流の促進による酸素とブドウ糖の増加があげられています。脳細胞にもミトコンドリアがあり、酸素を使って、ブドウ糖をエネルギー源としてエネルギー産生が行われています。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となっています。脳の重量は1.2〜1.4kgで、体重の2〜3%となっていますが、全身で使われるエネルギー量のうち20%ほどを占めています。それだけミトコンドリア内で多くのエネルギー物質のATPが作られているわけですが、ATPは脳細胞を働かせる重要なエネルギーであることから、有酸素運動のウォーキングによってATPを多く作り出すことは脳機能の向上につながります。
こういう話をすると、運動不足が軽度認知障害の原因ではないかと考える人が出てきますが、一番の原因は加齢です。これに加えて脳卒中(隠れ脳梗塞を含む)、心疾患(心筋梗塞など)、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧、メタボリックシンドローム、肥満、甲状腺機能障害、頭部外傷、正常圧水頭症、喫煙歴、アルコール・薬物の影響、ビタミンB₁₂欠乏、過度のエストロゲン、テストステロン欠乏、不健康な食生活、ストレスや不安、うつ病、社会的孤立など、いくつもの原因が重なっているのです。
運動をしたくないから食べる量を減らす、場合によっては一食抜きをするという人がいます。ダイエットの第一は食事を減らすこと、それでダイエットできなければ運動をする、それでもダメならサプリメントを使う……という方法を“ダイエット成功の道”として語っているドクターがいました。なぜ食事を減らすのが一番なのかということについての説明として、「血糖値を上げないのが体脂肪を減らす秘訣」という話をするにいたって、この先生は糖質制限派だということがわかりました。中でも糖質制限は糖尿病の食事療法と主張する人たちの仲間ということもわかりました。
このことについて問い合わせをしてきた編集者に説明したのは、ダイエットと糖尿病を混同していて、ダイエットの手法を糖尿病に使ってはいけない人がいるということです。
「食事療法が第一で、それで効果がなければ運動をプラスして、それでも効果がなければ治療薬」というのは糖尿病治療で言われることです。糖尿病になったら、いきなり薬を使うのではなく、しっかりと食事療法に取り組み、さらに運動療法に取り組み、その二つをやらなければ薬の効果が現れないというのは糖尿病治療の基本です。それには賛成をするのですが、血糖値さえ下がれば治ったものと判断して、他は何を食べてもよいと指導するのは、決してすすめられることではありません。ところが、そんな指導をするドクターは少なくありません。
ブドウ糖が含まれる糖質を食べないようにしたり、極端に減らせば血糖値を上げるブドウ糖が足りなくなるので、血糖値は糖尿病の診断基準以下にすることができます。それで治ったのかというと、細胞がブドウ糖を充分に取り込んでエネルギーを作り出すことが重要であって、細胞が取り込めていないのに血糖値が下がっても、本来の目的は達成されていないので、治ったわけではないのです。あくまでインスリンの分泌量が増えて、そのインスリンによってブドウ糖が細胞に取り込まれてエネルギーを作り出すことが必要なのです。
細胞の取り込む能力が低下しているのに、ブドウ糖の量を減らしたら、さらに細胞はブドウ糖を取り込むことができなくなり、細胞を正常に働かせるためのエネルギーが充分に作られなくなります。糖尿病でない人は一時的にブドウ糖が減ることで、脂肪の合成が減り、蓄積されている脂肪の分解が進んでいきます。これによってダイエットしやすくなることはあります。しかし、ブドウ糖の取り込みが低下している人がやったのでは健康面ということではマイナスにもなります。
糖尿病は全身の血管に影響を与えることから“全身病”とも呼ばれます。血管に徐々に影響を与えている段階では他の治療をする必要はなくて、医療費もプラスされることはないのですが、病名がつけられるまで進んでしまうと医療費は一気に跳ね上がります。治療にかかる費用は医薬品の種類などによっても異なるものの、2種類の糖尿病治療薬を使うと月額医療費は2万5000円ほどとなります。自己負担額は1割、2割、3割と状況によって違ってきます。
糖尿病は血管の老化を進めていくことから高齢になるほど血圧が上がりやすくなります。糖尿病と高血圧の治療を一緒に行うことになると医療費は2倍ほどになります。これは薬が増えたので、理解しやすいことです。糖尿病になると細い血管から弱っていくことから、網膜症が起こりやすくなります。網膜変性では医療費は3倍ほどになります。そして、心疾患になると4.7倍にもなるとの報告もあります。糖尿病と神経障害では4.8倍、糖尿病と脳梗塞では4.9倍となっています。
糖尿病の合併症で最も恐れられているのは腎症で、糖尿病が死亡原因となっている人のほとんどは腎障害によるものです。治療薬の段階の医療費は4.8倍とされているものの、これが悪化して人工透析が必要になると20倍以上へと一気に跳ね上がります。人工透析は医療費が大きくかかるだけでなく、週に3回、それも4時間ずつもかかるので、仕事や生活面での負担も大きくなります。
そんなことにならないようにするためには、川上の位置にある糖尿病が悪化しないようにすることです。もっと川上の血糖値が上昇しないようにすることが大切であることはわかりますが、糖尿病と指摘されないと、なかなか生活を見直すところまでいかないものです。それどころか血糖値を測定して糖尿病であることを指摘されても、治療を受けないという人も少なくありません。
糖尿病は、合併症が出なければ糖尿病でなかったのと同じように生活ができる病気とされています。糖尿病と診断されても、医薬品に頼りっきりになるのではなく、食事療法と運動療法をすることが重要になります。食事療法をして血糖値が下がるのが第一で、それだけで充分に下がらなければ運動療法をして、それでも下がらなければ医薬品が使われるのが治療の基本中の基本です。医療費ということでは、自分で行う食事と運動は特別の費用はかからなくても、医療機関で食事療法と運動療法を受けた場合の月額医療費は1万2000円ほどになります。
日本メディカルダイエット支援機構では、健康に広く関連する官公庁の情報、企業の調査データ、大学などの研究機関の発表資料などをサイト上からピックアップして、健康情報メールとして毎週1回発信しています。クリックして各情報にリンクしてもらえるようにしてありますが、これを始めたのは研究者の先生方との交流からでした。第1号は2010年(平成22年)の4月で、今(2018年5月)で丸々8年を過ぎて9年目に突入しています。これまで休んだのはカレンダーの都合で情報が集まらなかった2週と風邪で寝込んだ1週だけで、年末年始も続けています。
私たちは巡回健診の団体の月刊健康情報誌の編集に携わっていたときに、最新情報を掲載するページを担当していて、その検索先が今でも重宝している情報源となっていました。月刊情報誌を離れたときに当時付き合っていた研究者の先生方から、情報を継続してほしいという声がありました。それで検索先をすべて(当時で100か所ほど)をクリックして見ることができるようにして伝えました。
それで私たちの役目は終わりだと思っていたのですが、忙しい先生方から月刊情報誌で紹介していたように選択して教えてほしいという声もいただきました。そこで、数多くの情報源の最新情報を1週間単位でまとめてメールで送るようにしたのが健康情報メールの始まりでした。
健康情報メールの前にも、ピックアップ情報は先生方に提供していました。各方面の専門家と会うときに、最新情報をピックアップして話題づくりのつもりで用意していたのですが、この先生なら絶対に知っているという情報を入手していなかったことから話が噛み合わなかったり、せっかくの話題が途中で終わってしまうこともありました。そこで、事前に情報提供をしてから会うようにしたのですが、それが先生方の話題になって、自分にも送ってほしいという要望が相次ぎました。
こういった経緯はあるのですが、健康情報メールの毎日のネタ探しは、私たちが蓄積してきたコンテンツを活かすための方法にもなっています。月刊情報誌は13年間にわたって関わってきましたが、そのうち二次使用が可能なページは1800ページを超えていて、その使用権をもらっています。この情報は年月を重ねるほどに古くなってきます。古くなるどころか、古い情報は間違いにもなるので、そのまま使うわけには当然いかなくなります。せっかくの情報をゴミにするのではなく、宝物に変えるためにコンテンツの情報を更新するのに必要な情報を検索しています。だから、毎週発信している健康情報メールの内容は健康づくりに関わる情報に絞られてきています。
この更新情報はダイエットSNSの「ダイエットクラブ」のラボ、メディカルダイエットの資格認定の講習テキスト、各団体の会員情報のネタにも使われていますが、地方創生の健康づくりの情報源にできるように整理を進めているところです。
血糖値が高い人が血糖値を安定させるのに効果がある歩き方として、日本メディカルダイエット支援機構では短時間のウォーキングを1日に何回か繰り返すことをすすめています。健康のためのウォーキングというと、一般には長く歩くほど健康効果が高くて、少なくとも30分間は歩くように言われます。その理屈ですが、歩き始めてから10〜15分は脂肪の燃焼が少なくて、その時間を過ぎると脂肪が多く燃焼するようになるからです。「健康効果=脂肪燃焼」という考え方があるから、長く歩けばよいということが言われるようになっているわけです。
健康のために燃焼させたほうがよいのは何も脂肪だけに限りません。糖尿病が増え続けている時代には、血糖値を上昇させるブドウ糖の燃焼が求められています。ブドウ糖は燃焼しやすくて、運動を始めたときにはブドウ糖が先に多く燃焼します。このブドウ糖が優先的に燃えることは、ずっと続くことではなくて、その優先時間が10〜15分間なのです。
脂肪が効果的に燃焼するために、脂肪分解酵素が盛んに働くことが必要です。脂肪分解酵素は体内にあるものの、活性化するためには筋肉が温まって、酵素が温められることが必要で、そうなるために10〜15分はかかるということです。ということがわかると、長く歩けばいいというものではなくて、血糖値を下げるための運動をしたいと望む人には脂肪燃焼がメインの状態に切り替わる前の10〜15分のウォーキングがすすめられるわけです。
中性脂肪値が高い人には、脂肪燃焼が効果的に進むように30分の継続したウォーキングがすすめられるわけですが、そんなことをしなくても10分間のウォーキングを3回やったほうが効果的に脂肪燃焼して、中性脂肪値が安定してくるということが確認されています。その理由として考えられているのはブドウ糖の脂肪合成と、運動後のリパーゼの働きです。
血糖値が高い状態にあると余分となったブドウ糖が肝臓で脂肪酸に合成されます。合成された脂肪酸は中性脂肪に合成され、これが脂肪細胞の中に蓄積されていきます。血糖値が高くなると膵臓からインスリンが多く分泌されますが、インスリンには脂肪酸合成を進める働きと、血液中の中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させる働きがあります。10分間のウォーキングはブドウ糖を効果的に燃焼させることから、インスリンの分泌が低下して脂肪合成が低下するということです。
10分間のウォーキングをしたときには、まだ脂肪の燃焼は盛んにはなっていないものの、脂肪の燃焼量は増えています。平常時はブドウ糖が約60%、脂肪酸が約40%の割合で使われているのですが、運動を始めたときには早くエネルギーを作らなければならないので、燃焼しやすいブドウ糖が約80%、脂肪酸が約20%の割合で使われるように変化します。脂肪酸の割合が半分といっても、運動をしているときには全体のエネルギー消費が増えているので、実際には脂肪燃焼は高まっているのです。そして、10〜15分が経過して脂肪分解酵素のリパーゼの働きが盛んになり、ブドウ糖が約35%、脂肪酸が約65%の割合となります。
リパーゼの働きは運動をやめてからも、徐々に低下しつつも脂肪分解は続いています。10分間のウォーキングを3回行うことによって脂肪分解と脂肪燃焼の時間が長くなり、中性脂肪値が安定していくことになるのです。
天丼と天井を並べて、校正ミスの話を紹介したところ、ある作家の名前と渾名(あだな)についてメールをくれた編集者がいました。その作家は秀作という名前ですが、自分の渾名を“禿作”と書いている という話です。これを作家の集まりで耳にしたという話をして、今のようにパソコン打ち込みではない時代に、秀とするところを禿(はげ)と載せられてしまい、案外と面白いということで使い始めたとのことです。なるほどと、頷きながらの返信メールを送りました。
その話を日本メディカルダイエット支援機構の理事長にしたところ、その話は本人から10年以上も前に聞いたことがある、とのこと。秀作先生は今では作家団体の理事長を務めていますが、当法人の理事長も以前に同じ団体で理事をしていて、秀作先生のお父上の作家が役員を務めていた時代のこと。秀作先生とは作家団体の文芸誌の編集を一緒にやっていたことがあり、一緒に飲食もしていたので、本人から聞いたのも、なるほどのことです。
なんで、こんな話を書いているのかというと、髪の毛の健康の話題が広まっているからです。男性は髪が薄くなってくるとケアに力を入れて、シャンプーにリンス、養毛剤に育毛剤、ヘアケア商品に注目をしますが、薄いといっても禿が近づいてきてから気づかっても遅いという話です。では、早くヘアケア商品を使っていればよかったのかというと、余計なものを使うと、かえって髪の毛によくない、抜けやすくなる、質が悪くなるということが起こります。
では、何をすればよいのかというと、ドライヤーの送風の温度の切り替えです。ドライヤーには温風と冷風の切り替えがついています。髪を乾かすだけなら温風だけでもよいはずですが、わざわざ冷風(といっても送風)がついています。日本で初めて販売されたドライヤーにも切り替えがついていました。
温風で乾かしたままだと髪の毛のキューティクルの結びつきが弱まったままで、これを続けていると髪の毛の中に空洞ができて艶も弾力も失われていくようになります。ところが、温風で乾かしたあとに冷風を当てると結びつきが洗髪前の状態に戻り、艶も弾力も失われにくくなります。この方法を、すでにやり続けていて髪の毛の質に問題があるという人は別の要因もあるのですが、まだ大丈夫な段階の人で、温風だけだったという人に冷風で仕上げることをすすめています。
この話を聞かせたい髪に悩んでいるメディア関係者は多くて、話題を提供していると、「どうして髪に関わる業界は伝えてこなかったのか」という疑問は当然のように出てきます。関係者の中には、ヘアケア商品が売れなくなるからと穿った考えを言う人もいましたが、それは置いておいても自分の髪の健康のために誰でもできるテクニックは広く伝えておきたいものです。
ふらつきがあって立っていられなくなり、横になっても天井が回っているように感じると訴えると、まずはメニエール病が疑われるというので、耳鼻科に案内されます。しかし、耳に異常が認められないとなって、いろいろと検査をした結果、よく原因がわからないと自律神経の乱れか精神的なものと言われます。それを体験したのが日本メディカルダイエット支援機構の理事長で、精神的なものというのは「気のせい」です。
私たちが機能性食品の研究と情報発信を始めたころに、厚生労働層の栄養担当から「機能性食品は“うの字”はいらない」と言われたことがあります。今のように、機能性表示食品が認められる前の話ですが、機能性(きのうせい)から“う”を除いたら“きのせい”、つまり気のせい食品という言われ方をした時代もあったということです。
天井がグルグル回ると言われても、その重大性が実感できずに、気のせいというような認識をしがちだったこともありましたが、自ら体験すると、どんなに苦しいことなのか、どんなに不安を感じるのかということが理解できて、自律神経のせいというよくわからない診断であっても、真剣に話を聞いてあげないといけないと感じたものです。
天井が回るという状態が、他にも原因があるのかと手持ちの文献を見ていたら、面白い表現を見つけました。なんと「天丼が回る」と書かれていました。横になって天丼が回るように見えたら……と書かれていたことに引っかかってしまい、具体的な原因は頭に入ってきませんでした。寝そべって、視界に天丼が見えたとすると、どういうことなのかということを考えてみると、天丼かカツ丼か親子丼かは蓋を取って上から見なければなりません。下から見上げて丼の中身がわかるようにするにはひっくり返さないといけないので、顔をめがけて落ちてきます。そんな状況で天丼が回るとなると、もうどうしていいかわからなくなってしまいます。
冗談は、ここまでにして、これは井と丼の間違いです。今ではパソコンの打ち込みが当たり前で、天上とか添乗、点状と変換されて、この手の変換ミスは起こっても、天井と打ち込んだのに天丼となることはありません。古い文献なので、原稿を読みながら印字の文字を拾っていた時代だから起こることです。
と思っていたら、印刷されたものを原稿にして打ち込む場合には読み間違えで似たような文字になることが起こります。以前に、まとめサイトが私たちのダイエット原稿を勝手に流用して、読み方がわからないために妙な打ち込みをされたものが出回ったことがあります。これを目にしたときに、まさに天丼が回るような、いや天井が回るようなショックを受けたものです。
メディカルダイエットについて教育をしていると、大人になってから対策をしても間に合わないと感じることも多く、小児とはいかなくても、せめて10代のうちには正しいダイエット知識をもって食事や運動に取り組んでほしいと思っています。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という肥満対策でもある健康基準があるので、これを活かして若い世代のダイエット対策をしてほしいのですが、大人のメタボリックシンドローム診断基準については比較的知られていても、小児のメタボリックシンドロームについてはほとんど知られていません。
大人のメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が男性は85cm以上、女性が90cm以上になった場合に、検査数値の中性脂肪値が150mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たす、収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上の片方か両方を満たす、空腹時血糖値が110mg/dl以上となっています。
これに対して小児期(6〜15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲は小学生が75cm以上、中学生が80cm以上、もしくは腹囲を身長で割った数値が0.5以上になった場合に、中性脂肪値が120mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たす、収縮期血圧が125mmHg以上、拡張期血圧が70mmHg以上の片方か両方を満たす、空腹時血糖値が100mg/dl以上となっています。
この診断基準が発表されるまでは小児期の肥満度は、実際の体重から標準体重を引いた数値を標準体重で割って、これに100をかけて計算していました。
肥満度(%)=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100
この計算式によって、幼児では15%以上が肥満児、学童期以降では20〜30%が軽度肥満、30〜50%が中等度肥満、50%以上が高度肥満と判定されていました。
子どもが太るのは本人の責任というよりも、食事を作って食べさせている親のせいであり、孫を甘やかして余計に食べさせている祖父母のせい、そういった注意をしない周囲のせいというのは当然のことです。小児期メタボリックシンドローム診断基準があるということを知って、これに該当すると生活習慣病のリスクが急激に高まること、大人と同様に生活習慣病に苦しむようにしてしまうということを家族が認識して対応しなければ、大切な子ども、可愛い孫の一生を左右するということを強く意識してほしいのです。
ニンニクの魅力はアリシンです。ニンニクにはアリインという硫黄を含むアミノ酸とアリナーゼという酵素が含まれていて、切ったり擦りおろしたりするとアリインとアリナーゼが反応してアリシンとなります。アリシンには強い抗菌作用があり、ニンニク特有の臭いの素となっています。アリシンはビタミンB₁と結びつくとアリチアミンになります。ビタミンB₁はチアミンとも呼ばれるので、アリシンとチアミンでアリチアミンというわけです。このアリチアミンが元気の元となります。
ビタミンB₁は吸収率が50%ほどですが、アリチアミンになると吸収率が2倍近くにも高まります。そして、体内に吸収されたあとにアリチアミンはビタミンB₁とアリシンに分解されるので、体内のビタミンB₁を大きく増やすことができます。ビタミンB₁には糖質をエネルギー化させるために必要であることから、糖質の代謝が進み、発生するエネルギー量が多くなるということです。
「それなのに、なぜニンニクを加熱して酵素が破壊された無臭ニンニクを食べるのか」という疑問は当然のように生まれることで、それを雑誌記者からも聞かれました。それに対する私たちの回答は、「もともとアリインが少ないニンニクを使っているから」。もっと言えば、「ニンニクではないものを使っているから」ということを伝えさせてもらいました。
無臭ニンニクとして販売されているものの材料はジャンボリーキです。ニンニクはネギ科ニンニク属ですが、ジャンボリーキはネギ科リーキ属で、一般には西洋ネギと呼ばれています。その根の部分がニンニクのような形となるのですが、ニンニクの8〜10倍もの大きさとなっています。だからはジャンボと名づけられ、エレファントガーリックという別名もあります。そんなにも大きいのに、アリインの量は60分の1でしかありません。
もともとアリインが少ないので、加熱しても問題がないということです。そもそも無臭ニンニクという名称は、ニンニクには特有の臭いがあって、それに対して臭いがないものを作って、無臭ニンニクと呼んでいたものです。それなのに、もともと臭わない材料を使って無臭ニンニクとして販売するのは「不当表示ではないか」と言ってきた人もいました。
ここまで読むと、ジャンボリーキの無臭ニンニクは効果がないような印象を抱かれがちですが、そんなことはありません。アリシンの効果は期待できなくても、サポニンが多く含まれています。サポニンは免疫と肝機能の強化で知られる成分です。また、イヌリンも多く、これは血糖値の上昇を穏やかにする成分として知られています。無臭ニンニクを食べると健康になるといわれる理由は、アリシンではなくて、これらの成分にあったのです。
無臭ニンニク製品の中には、アリシンが含まれることを記載してあるものもあり、強調しているものも見かけます。これは「不当表示では」と疑われても仕方がありません。





