「なぜ持ち帰りや外食の料理はおいしいのか」ということが、メディア関係者との懇談の中で話題にのぼりました。料理を考える人が頑張った結果、という簡単な話ではなくて、なぜの理由を解説する前にコンビニ、スーパーの店舗を回って、簡単な現場リサーチを実施しました。
ご飯をおいしく食べるためのお供は、どれも塩味が強いものです。塩味はおいしい食事の基本中の基本です。塩味は舌の表面の味蕾で感じるので、おいしく食べるためには料理した素材の表面に軽く振るだけでも充分です。それでも、塩を加えて煮たり炒めたりするのと同じように味わうことができます。だから、塩分によって血圧が上昇しやすい人には、料理の最後に塩を振る調理法がすすめられています。
店舗で買って持ち帰る弁当やおにぎり(おむすび)には塩が使われていますが、塩分は血圧を上昇させるということが知られていることから、しょっぱい感じの味付けにはなっていません。しかし、塩分は保存料の役割をしています。塩分を少なくすると、安全のためには食品添加物の保存料を使わなければならなくなります。保存料を使っていない無添加への関心が強いので、保存料も使いにくくなっています。それを解決するために使われているのが、塩飯です。
塩飯というのは、あまり聞き覚えがない言葉かもしれないのですが、コンビニやスーパーなどで販売されているご飯物の米飯に、白米ではなく塩飯が使われているものもあります。原材料表示を見れば塩飯と書かれています。塩飯は水に食塩を入れて炊いたものです。ご飯の中に食塩が浸透しているので防腐効果はあるのに、表面の食塩は少ないので、しょっぱくは感じません。むしろ適度な塩味がおいしさを高めてくれます。
店舗から持ち帰って食べるものなら持ち帰り弁当でもよいのかというと、その場で詰めたものには原材料を表示する義務はありません。だから、どんな食材なのか、どんな食品添加物が使われているのかということを知ることができません。
塩飯を使っている場合にも、塩分量は「食塩相当量」と表示されています。血圧上昇に関わるのは塩分の中のナトリウムなのですが、ナトリウムは表示されていません。厚生労働省による塩分摂取量の目標は男性が8g、女性が7gとなっています。食塩相当量が2gと書かれていると、「1日に摂っていい量の4分の1の量か」と思いがちですが、食塩相当量はナトリウムの量であり、ナトリウムは食塩の半分以下の量です。ナトリウム量から食塩量を計算するには2.54倍します。ということは2g×2.54で5gを越える量となることです。
本人は食塩の量を気にして、しょっぱいものは避けているつもりでも、中に食塩が浸透する調理法をされたら塩分の摂りすぎで、血圧を上昇させることにもなります。最近は外食でも塩飯の手法は使われてきているので、家でご飯を炊いて食べている人でないと、どうしても食塩摂取量が多くなりがちだということです。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
前回の骨盤のズレがあると正しく歩けない、歩くほど筋肉が緊張して骨盤がズレる原因になる、という話を受けて、「ダイエット効果への影響は」という問い合わせがありました。今回の質問者は雑誌の編集者です。
骨盤はズレがなく、左右の足を均等に前に出すことができると効率よく歩くことができます。骨盤の左右のズレ、上下のズレがあると、左右の歩幅が変わり、着地の強さも変わります。左右の足の着地が同じで、同じ状態でかかとから足先へと体重移動をさせて、拇指(親指)を中心に蹴り出し、後ろ側の足を前に降り出します。
この当たり前の歩き方をすることがすすめられ、歩くポイントが図解されていたり、映像で示されています。その通りに歩ければ、ウォーキングの健康効果が得られて、歩くほどに健康度が高まっていくことにもなるということです。
ところが、メディカルダイエットの一環としてウォーキングの指導をしているときに、参加者の歩き方を観察していると、この人は合格とお墨付きを与えられる人は、ほとんどいません。参加者には指導を通して修正していけばよいのですが、その指導をする立場の方々が正しい歩き方になっていないことが少なくありません。ただ歩き方が違っている、間違っているということなら指導者を指導すればよいのですが、これが身体の状態から起こっていることとなると、ただ歩き方を注意すればよいというわけにはいかなくなります。
足の骨が曲がっているとか、O脚やX脚となると、これは整形外科の分野で、私たちが指導できる範疇を超えています。私たちができるのは、今回のテーマである骨盤のズレの修正です。足を組むときに組みにくい側があると、そちらの側の骨盤が下がっているか、後ろ側にズレています。組みにくいから組まない、組みやすい側で組むというのではなくて、あえて組みにくい方を上にして、組む時間を長くしていきます。これだけで徐々に組みやすくなっていく、つまり骨盤の角度が修正されていくという人もいます。
組みにくい状態のときに足の付け根の鼠蹊部に触れてみると、硬くなっているところがあります。これを揉みほぐしていると徐々にではあっても組みやすくなってきます。凝りがあって引っ張っているところを軟らかくして、伸びやすくしたことで組みやすくなっていきます。
骨盤のズレがあった状態で歩いていたときと比べると、骨盤のズレが解消されたときには足の運びがよくなり、スムーズに前進できるようになります。これによって運動効率がよい歩き方ができるようになって、運動によるエネルギー効率もよくなっていきます。この方法を指導してから、私たちはウォーキングの実践に入るようにしています。
腰掛けている姿勢で片足を、もう一方の足の上に乗せて足を組む座り方があります。右を上にして組んでも、左を上にして組んでも、どちらも同じ感じだという人は少なくて、ほとんどの人は組みやすい側と組みにくい側があります。組みにくいだけでなく、組めないということもあります。どうして、そんなことになるのか、ということを聞いてきたのはテレビ局のプロデユーサーです。以前に納豆のPRを担当していたときに知り合った方で、当時はAD(アシスタント・ディレクター)だったのに今は出世したものです。画面写りしやすいことで、それを解消する方法を提供して視聴率を取りたいという意向です。
組みにくい側がある人は骨盤の左右の高さが違っています。それも大きな違いとなっています。骨盤が上がっている側は組みやすく、下がっている側は組みにくくなります。高さの違いだけでなく、骨盤は前後にもズレが起こります。ズレて前に出ている側は組みやすくなり、後ろになっている側は組みにくくなります。このことから、下がって後ろになっている側の足は上に乗せにくく、乗せてもきつくなるということです。
この方法で骨盤の状態がわかるわけですが、この他にもズレを確認する方法があります。それは直線を引いて、その前に立って、目を閉じて歩くことです。本人はまっすぐに歩いているつもりなのに、左右どちらかに曲がっていくのが普通です。曲がっていく方向の骨盤が下がっていて、逆は上がっています。前後のズレも影響していて、後ろにズレていると、その方向に曲がっていきます。曲がり方が大きいほど骨盤の傾きが大きくなっているわけです。
ズレが起こるのは、もともとの骨格のせいではなく、筋肉が強く引っ張り、それによって徐々に傾いていくのが大きな原因です。筋肉は硬直しやすく、部分的に硬く凝った状態になります。この凝りは筋肉を適度に動かしたり、マッサージやツボ刺激などによって解消することができます。この解消ができていないと、だんだんと強く引かれるようになって、ズレていくようになります。
これを解消するには、まずはよく歩くようにすることが必要です。正しい姿勢で、左右の歩幅を同じにして歩くためには骨盤の角度が正しい状態になっていることが必要です。ところが、骨盤が大きく傾いていると、歩くことで、かえって筋肉の緊張が高まって、歩くほどに筋肉が凝っていくようにもなりかねません。これでは歩くことが、よくない結果を招くことにもあります。
そこで歩く前に、凝りを解消するように、自分でできるツボ療法を指導しています。自分でできる簡単な方法ではあるのですが、もっと簡単な方法として温熱治療器を使って、凝っている部分に熱を注入して軟らかくするという方法も指導しています。温熱はツボの位置から浸透していきます。指でツボを押すことではピンポイント刺激は難しくても、温熱治療器は面で熱を伝えていくので、必ずツボにヒットして効果を上げることができるということです。
健康に役立つ機能性成分は胃の中で分解されて、小腸から吸収されてこそ効果が発揮されるものです。だから、吸収されないものだったら効果がないことになります。以前にクロレラ商品を国民生活センターが購入して、吸収率について調べたことがあります。そのときに分解されないために吸収されず、そのまま素通りという商品があり、名指しもされて、販売が大きく落ち込んだということもあります。これはわかりやすい例だと思います。
キノコに含まれるβグルカンという多糖類も同じようなことが起こっています。これについて問い合わせをしてきたのは週刊誌の記者でした。「βグルカンは水溶性食物繊維なのに吸収されるのか」という内容で、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も消化されず、吸収もされないので、どうして免疫が高まるのかということを聞いてきました。
βグルカンは水溶性食物繊維であるのは事実です。また、食物繊維が消化されず、吸収もされないのも事実です。グルカンには2種類があって、αグルカンはデンプンやグリコーゲンで、βグルカンはセルロースという食物繊維です。
βグルカンは免疫細胞の栄養源となっていて、免疫細胞が取り込むことで外敵と戦う免疫が高まっていきます。戦車も戦闘機も燃料がなければ戦えないのと同じこと、とたとえられています。
胃では消化されないことから、健康食品の中には分解された状態にしたものもあり、これなら吸収することができます。そんな状態ではないのに、なぜ吸収されて免疫が向上するのかということは当たり前に気になるところです。胃で分解されないのに、βグルカンを摂ると免疫は向上します。となると、小腸ではないところから吸収されているのだろうということは簡単に推測できることです。
食物繊維は消化も吸収もされないと表現されるものの、この場合の消化は胃で、吸収は小腸です。消化されないまま大腸まで運ばれて、そこで腸内細菌によって分解されます。大腸にも吸収作用はあるので、大腸から血液中に取り込まれているということです。
腸壁から効率的に吸収されるためには、腸壁が綺麗な状態であることが条件となります。腸壁が汚れていると吸収されにくくなるので、便通がよいことは大切です。腸壁にはパイエル板という免疫細胞が集まった部分があり、これに有害物質が触れることで全身に免疫のサイン物質が広がっていくようになっています。この働きをよくするためにも腸壁が綺麗になっている必要があります。
便通がよくないと腸内細菌の悪玉菌が作り出す毒度(有害物質)が増えて、血液中に入った毒素を処理するために免疫細胞が働きます。そのために、外敵と戦うべき免疫細胞が減ることになり、これが免疫を低下させることになります。だから、免疫を向上させるβグルカンを摂る場合には、腸内の状態にも気づかうことが重要であるということになります。
未病は健康と病気の間の状態を指します。日本未病システム学会が定義していますが、未病状態であっても健康で過ごす方法があり、それは「未病息災」と表現されています。未病息災をテーマにした書籍が登場したのは2006年1月のことです。この書籍の著者の一人は同学会の前理事長(三代目)の福生吉裕先生(老人病研究所所長)です。雑誌に初登場したのは2006年3月発行の月刊情報誌『健康日本』(日本健康倶楽部)で、この著者は同学会の元理事長(二代目)の都島基夫先生(神奈川中央病院理事長)です。『健康日本』は、日本メディカルダイエット支援機構の理事長が編集委員をしていて、都島先生を執筆者として招き、年間連載を始めました。
タイミング的には書籍が先かもしれませんが、『健康日本』の企画段階では書籍は発行されていなくて、どちらも偶然に発案した言葉です。今、「未病息災」でネット検索すると未病息災推進協議会がトップに出てきて、上位の多くも、この協議会の各ページです。この協議会の理事長は都島先生で、ちなみに設立時の専務理事を務めたのは当法人の理事長です。
未病状態というのは血圧や血糖値、中性脂肪値などが高くても、まだ本格的な病気にはなっていない段階を指しています。そのまま放置しておくと高血圧症、糖尿病、脂質異常症になり、その先の合併症によって脳卒中や心筋梗塞となり、ここまで進むと元には戻せなくなります。
東洋医学的には検査をしても変化は見つけられなくても、体調不良を訴える状態です。これを未病としたら、検査数値が正常範囲を超えているのは病気ということになります。これに対して西洋医学的な未病は、自覚症状はなくても検査数値に異常がみられる状態で、これなら原因も治療法も判明しているので、元の状態に戻すことができます。
この未病の状態で、もしも高血圧症や糖尿病と診断されたとしても、身体的に健康状態が保たれていて、「息災」であるなら、徐々に生活改善していくことで、健康状態とすることができます。この健康になれる状態で健康づくりに取り組むことが「未病息災」だと考えています。
未病息災は何も西洋医学の未病状態になった人だけを対象にしているわけではなくて、50歳を過ぎたら誰もが未病状態と扱っています。というのは、病気の最大の危険因子は加齢で、50歳を過ぎたら検査数値が正常範囲内であっても何らかの体内の変化が起こっていて、早く対応することで病気にならないようにすることも可能です。本来なら個々によって対応は異なることは承知していますが、全員に通じる方法があり、これは生理学研究に基づいた手法です。その一つがメディカルダイエット研究によって突き止められた食事と運動、運動と休養、食事と休養のタイミングによる代謝促進と効果的な体脂肪調整の方法です。
誰にも通用する共通したプログラムを作るのが私たちの役目であり、その実践法として未病息災プログラムを開発しているところです。
運動をすると「体内で脂肪が燃焼する」という表現がよくされます。私たちも代謝の仕組みを説明するときに、できるだけ簡単に、イメージしやすいように伝えようとして“燃焼”という言葉をつかうことがあります。しかし、実際には体内で燃焼するようなことはありません。
以前に“燃焼系”と名付けたアミノ酸飲料が盛んにPRされていました。脂肪は燃焼するものではないという常識があるものの、その常識を超えた研究成果があって、私たちが知らなかっただけなのかという思いもあって、メーカーの広報に問い合わせをしたことがあります。そんなときの返答が振るっていました。こんな言い方もあるのかと、ある意味、心を揺り動かされたことを覚えています。
「アミノ酸を摂ることで日常生活を完全燃焼で過ごしてほしいという思いがあって……」という曖昧模糊な答えでした。
アミノ酸はタンパク質を構成する成分で、20種類のうち9種類は体内では合成されないために食品から摂らなければならない必須アミノ酸となっています。そのうちバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類はBCAA(Branched Chain Amino Acids)といって、分子構造から分岐鎖アミノ酸とも呼ばれています。BCAAは必須アミノ酸のうち約50%を占めていて、筋肉の中でも約35%を占めています。
ということで、このBCAAは筋肉に蓄積されていますが、運動によって分解されやすいので、運動後には不足しがちになります。そこで運動後にBCAAを摂ることで、筋肉を強化して、エネルギー代謝量を高めていくことができるということです。
それなのに、ただ飲めば燃焼する、元気になるというイメージの宣伝をすると、運動をしなくても燃焼系の効果が得られると勘違いしかねません。どんなに効果があっても、アミノ酸はエネルギー源であるので、体内で使用されないと肝臓で脂肪に合成されることになります。そして、余分な脂肪として脂肪細胞の中に蓄積されます。アミノ酸のエネルギー量は1g当たり約4kcalと、糖質のエネルギー量とほぼ同じです。
アミノ酸飲料には糖分も含まれています。これは飲みやすくするためだけでなく、エネルギー化しやすいブドウ糖が含まれていることで、この作り出されたエネルギーが脂肪代謝のために使われます。だから、ブドウ糖は必要なのですが、飲むだけで身体を動かさないようなことがあると、もっと太る原因となってしまいます。
一生涯に使われる生涯医療費は2700万円にもなっています。そのうちの半分は70歳以上で使われていて、平均寿命が80歳を超えたばかりの男性は、わずか10年の間に1350万円もの医療費を使っていることになります。1年間に135万円となり、このうち健康保険の自己負担の分が個人の懐から出ているわけです。私たちが日本人の体質と長寿社会について述べるときに、よく使っている厚生労働省のデータで、これはメディアに情報提供とともに考え方も伝えていることから、よく質問が寄せられることです。
2018年は後期高齢者の数が前期高齢者の数を超えることが人口統計から明らかにされています。
医療費のうち個人で支払う以外は国や自治体、健康保険組合が支払っています。すべてを国が支払っているわけではないのに国家予算の半分が医療費負担となっています。高齢になるほど医療費がかかるということは、その対策を練っておかないと国として大変なことになります。
現在の医療費の自己負担は69歳までは3割です。今では忘れられてしまっているかもしれませんが、過去には65歳以上の高齢者は定額負担で済んでいた時代があり、それが1割負担になったときには大騒ぎになりました。この定額から定率に変わったのは2001年(平成13年)のことです。それ以前はというと、1973年(昭和48年)に老人医療費がゼロであったのが、1983年(昭和58年)に入院が1日300円、外来が月に400円となり、1997年(平成9年)には入院が1日1000円、外来が1日500円(月4回まで)となりました。
2002年(平成14年)には1割負担は同じですが、高齢者であっても現役並みの所得者は2割負担となりました。2006年(平成18年)には現役並みの所得者は3割負担となり、2008年(平成20年)には前期高齢者は2割負担(現役並みの所得者は3割負担)、後期高齢者は1割負担(現役並みの所得者は3割負担)となり、現在も続いています。
これの見直し案として出てきたのが、後期高齢者の自己負担を2割に引き上げる案です。後期高齢者は2018年に前期高齢者を超えて、これが逆転して元の状態になることはなく、団塊の世代がすべて後期高齢者になる2025年からは、さらに加速化していくのは誰もが理解できることです。
今でも生涯医療費から計算した後期高齢者の自己負担が年間13万円であるので、「2倍の26万円になるのか」と言った雑誌編集者がいましたが、それは生涯医療費が同じであった場合の話で、生涯医療費も年々増えています。年間30万円を超えるのはごく近い将来のことで、2025年には40万円を超えているかもしれないということを伝えています。
太っているとよいことはない、というのが一般的な印象です。そのことに異論はないのですが、すべてがよくないのかというと、そうではありません。太っていることでよいことは少なからずあって、その一番は免疫の向上です。太っていると生き残りやすく、病気に負けにくいといわれます。もう一つは骨の強化です。骨は運動的な刺激を受けることによって、骨密度を高める作用がある増骨細胞の働きが盛んになっていきます。増骨細胞は骨芽細胞とも呼ばれています。
増骨細胞の働きを高めるためには骨に刺激を与える運動や活動が必要となってきますが、できるだけ日常的な刺激が大切です。本当なら、いつでも運動をしているようなことがよいのでしょうが、そうはいかないというのが普通のことです。太っている人の場合には、体重が多くなっている分だけ、骨が受ける刺激が強くなります。そのために太っている人は、増骨細胞の働きが盛んになって、骨密度が高まっていくのです。
確かに、重い身体を支えるためには丈夫な骨が必要で、体重があるほど骨は丈夫になっていきます。今は同じ体重であれば、骨密度も同じような状態なのかというと、そうではありません。もともと太っていた人の場合には幼いときから骨に強い刺激を受けていたことから骨も丈夫になっています。それに対して、途中から急に太った人の場合には、それほど骨に刺激を受けていなかったのに、急に刺激が強くなったので、骨密度が高まるほどにはなっていません。
このようなことが起こるのは骨密度のピークと関係があります。骨密度のピークは20歳前後で、徐々に骨密度が低下していって、40歳を過ぎると大きく低下していきます。20歳前後で骨の刺激が弱くて、骨密度が低かった人は、ピークの時期が過ぎてから骨の刺激が強くなったとしても、それほど骨は丈夫にはなっていかないということです。
ということは、「骨を丈夫にするために太ろう」というようなことを考えても、実際には無駄なことでしかないということです。では、どうすればよいのかということですが、わざわざ太って骨に刺激を与えるという変なことを考える必要はなくて、体重以外に骨に刺激を与えることをすればよいのです。一つの方法は大股で歩いたり、階段の昇り降りをして、足腰に強い刺激を与えることです。もう一つは荷物を背負って歩くことです。荷物の分だけ体重が増えたのと同じになって、その分だけ骨への刺激が強くなります。一番いいのは重めの荷物を背負って、グイグイと勢いよく歩くことです。
もちろん、骨を丈夫にするためにはカルシウムの摂取は必要です。骨はカルシウムだけでは丈夫にすることはできなくて、栄養成分でいえばマグネシウムもビタミンDも必要です。骨はタンパク質が網の目に構成されているところに、カルシウムが取り込まれていくので、ただカルシウムだけを摂ればよいわけではないのです。
手作り料理の重要性を日本メディカルダイエット支援機構の理事長が語ったときのこと、セミナー会場に来ていた雑誌記者が「足では料理を作らないから」と妙な反応をしていたことを思い出しました。なぜ思い出したのかというと、女性が手で作るから健康によいという話を受けて、足で作っても同じように身体によいのか、という質問があったからです。
実際に足で料理を作るような人はいなくて、あえて言うなら、うどん作りとして足で踏むくらいです。足で直接的に踏むわけではなくて、ビニール越しにして衛生面は確保されています。手で料理を作るときには、もちろん手を洗って清潔にしてからになるわけですが、完全な消毒でもしない限りは雑菌が残っています。雑菌というと、健康によくない菌というイメージではあるものの、中には健康に役立つ菌もいます。それは乳酸菌です。
身体には常在菌と呼ばれる菌が定着していて、乳酸菌が身体に害を与える菌がきたときに、これと戦います。戦って勝てないまでも外敵の力を弱めてから身体に入ってくることになるので、健康被害を減らしてくれる大切な味方ということになります。実は有害な菌であっても、常在菌であれば身体には大きな害を与えないので、外敵と戦うということでは乳酸菌と同じような働きをしています。
女性は妊娠したときには、有害な菌が入ってきては困ることから乳酸菌によって皮膚をバリア状態にしています。この乳酸菌は妊娠が可能な女性には非常に多く、この乳酸菌は女性が料理を手作りすることによって料理に移り、それが食事とともに家族の身体の中に入ってきます。乳酸菌は腸内細菌の善玉菌と同じものなので、家族の健康を守る一つの大きな力となっているのです。
それなのに料理を作らずに買ってきて食卓に並べるだけ、手が汚れないように手袋をして料理を作るというようなことをしている女性もいて、せっかくの家族の健康に役立つ機会を自ら失うようなことをしているのです。
男女平等の時代なので、男性が手作り料理をすることも述べないわけにはいかないのですが、男性の手作りでは残念ながら乳酸菌を提供することはできません。というのは、男性で女性のように皮膚に常在菌の乳酸菌が多く存在しているのは1万人に1人の割合だといわれています。つまり、男性には家族の健康を支える菌がいなくて、よくない菌ばかりということになります。
女性の場合には足にも乳酸菌が存在しているので、手作りならぬ足作りであっても家族の健康に役立つ料理ができるということです。昔から糠漬けは女性が混ぜると発酵が進むけれど、男性が混ぜると腐ると言われていますが、これは乳酸菌の量が関係しています。
今から20年前のこと。糖尿病患者と、その予備群を合わせると500万人と推定され、今後も増え続けると警鐘を鳴らしたものです。それが今では糖尿病患者が約1000万人、予備群が1000万人と推定され、合計で2000万人と、4倍にもなっています。わずか20年の間に、です。これは厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果で、この調査は成人を対象にしているので約1億人に対する2000万人で、つまり5人に1人が糖尿病か予備群となっているわけです。
以前は高血圧患者のほうが数は多く、高血圧は心疾患(心臓病)、脳血管疾患に直結するということで、高血圧のほうが問題だ、とも言われていました。その高血圧患者の数は、厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査(平成26年)では1010万8000万人と推定されています。いつの間にか糖尿病患者と高血圧患者はほぼ同数になってしまったのです。このままだと、すぐに糖尿病患者のほうが上回ることは容易に推測されます。
こういった結果を受けて、糖尿病を取り扱うテレビ番組が増えています。それに合わせるように、私たちへの問い合わせ、企画への協力要請が増えています。
糖尿病は全身病と言われています。見た目的に起こっていることは血糖値の上昇と尿糖の排出量の増加です。しかし、実際に起こっていることは、血液中のブドウ糖が多くなりすぎたために血管の老化が大きく進み、血流が低下していることで、全身に悪影響が出始めるようになっていることです。しかし、糖尿病は合併症が出なければ、糖尿病でなかったのと同じように生活をして、幸せな生涯を送ることができるということは事実です。
合併症が出ないようにするには、これ以上に血糖値を上昇させないように食事療法に取り組むことです。適切なエネルギー量を摂取してエネルギーコントロールができていれば、血糖コントロールができるはずですが、食事療法の捉え方が誤っているために、かえって悪化させることになっています。これが糖尿病を増やしている原因となっているということを伝えさせてもらっています。
どこが違っているのかというと、血糖値を上昇させるブドウ糖が含まれる糖質食品を摂らなければ糖尿病を治せる、という認識です。糖尿病は血糖値で判断されるので、血糖値を上昇させるものを食べなければ上昇しなくなるのは当然のことです。それで治ったわけではなくて、糖尿病の本質は膵臓から分泌されるインスリンが減って、そのためにブドウ糖を充分にエネルギーにすることができなくなることです。
このエネルギーを使って、細胞が生命維持の活動をしているのであり、膵臓が本来の働きをしてインスリンを分泌できるようになるためには、膵臓の細胞にもブドウ糖が充分に取り込まれることが必要です。糖尿病は細胞が取り込むべきブドウ糖が充分に入ってこないために飢餓状態になっていると考えると、大切なブドウ糖を必要以上に大きく減らすようなことをしていたら、糖尿病予備群も糖尿病患者も増えてしまうのは当然の結果だということを指摘させてもらっています。





