前回の最新情報を読んで、レプチン抵抗性について、もう少し詳しくしてほしいという連絡が相次ぎました。もう少しどころか詳細情報を求めてきた雑誌記者がいたのですが、これは難しすぎる話になるので個別の対応をさせてもらい、ここではほんのエッセンスにすることにします。
遺伝子タイプによって、レプチンが分泌されていてもレプチンが効きにくい人がいます。レプチンは脂肪細胞から分泌されるもので、食事量が多くなって脂肪細胞の中に蓄積される脂肪が増えるとレプチンの分泌量が増えます。レプチンには食欲を抑えて身体に入ってくるエネルギー量を減らすと同時に、エネルギー代謝を高めて消耗されるエネルギー量を増やす働きがあります。だから、体脂肪が増えて一時的に太っても、無理して食事量を減らすことなく、頑張って運動量を増やすことなく元の状態に戻すことができるようになるというわけです。
レプチンが分泌されても反応がよくないレプチン抵抗性は、肥満者に多く見られます。本来なら肥満と呼ばれるほど太った人の場合にはレプチンも多く分泌されて、分泌量が多いほど脳の満腹中枢が刺激されて食欲が抑えられ、自律神経の交感神経の働きが盛んになって脂肪燃焼も増えて、やせる方向に進んでいくはずです。ところが、太りすぎると、レプチンが多く分泌されても脳の視床下部の反応が低下して、満腹中枢も充分に刺激されず、交感神経の働きも高まらなくなります。
なぜ、こんなことが起こるのかというと、レプチンが多く分泌されすぎると脳が慣れてしまい、多くレプチンが分泌されているのに、まだ満腹ではないと間違った反応をしてしまうのです。レプチンは脂肪が多い食事をして脂肪細胞の中に入る中性脂肪の量が増えると多くなり、少ないときとの差を感じ取って多く分泌されるようになるのですが、いつも脂肪の摂取量が多くて血液中の中性脂肪が常に多いような状態になると差が生じなくなり、多くのレプチンが分泌されても、それを感じにくくなってしまうのです。
レプチン抵抗性が起こると、脂肪細胞の中の中性脂肪は増える一方になるのですが、あまりに多くの中性脂肪が脂肪細胞の中に蓄積されると脂肪細胞が、さらに多くのレプチンを分泌させて、これが正常な状態のように反応させてしまいます。こういったことからレプチンへの反応が乱されて、情報キャッチができなくなります。
こんなことにならないようにするには、脂肪細胞の中に多くの中性脂肪が入り込むことがない時間を作るようにすることです。ずっと腹八分目の食生活にすること、脂肪が多く食事を控えることがよいわけですが、そうもいかないという場合には、1日に1回でもよいので脂肪の少ない食事にして、できるだけエネルギー量が少ない食事を摂るタイミングを作ることです。メリハリのある食生活が大切だという当たり前の話となりますが、それが重要になってくるのです。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
「食事を食べすぎて体脂肪が増えたとしても、そのあとは自然と体脂肪が減っていくようになっているので、我慢をして食事制限をしなくていい」と嬉しいことを言う医師がいます。そんな発言になる理由を知っているだけに、もっと詳しく言ってほしい、「ただし」という注意点も言ってほしいと思って聞いているのは私たちだけではありません。
体脂肪が増えると脂肪細胞の中からレプチンというホルモンが分泌されます。レプチンは脳の視床下部に作用して、食欲を抑制すると同時にエネルギー代謝を高めます。代謝が高まるというのは、いわゆる脂肪が燃焼するといわれていることで、体脂肪が減っていきます。レプチンは脂肪細胞の中の脂肪が増えるほど分泌量が増えます。だから、太ると次にやせることになってバランスが取れるということを言いたいわけです。
しかし、それは全員ではありません。体脂肪が増えたら、しばらくしたら減っていく人がいる一方で、なかなか減らない人もいます。中には増える一方という人もいます。この違いを起こしているのは遺伝子です。レプチンの分泌は体脂肪が増えると自動的に起こるので、ここには遺伝子は関わっていません。遺伝子が関係するのは視床下部で、レプチンが分泌されているのに、それに反応させる遺伝子の働きが正常でないために、食欲が抑制されずに食べ続けたり、エネルギー代謝が盛んにならないことが起こります。この状態はレプチン抵抗性と呼ばれます。
ダイエットの話をするときには、抵抗性という言葉が別の機会にも使われます。それはインスリン抵抗性です。インスリンは食事をしたあとにブドウ糖の量に応じて膵臓から分泌されるホルモンです。ブドウ糖の量が多くなるほど多くの糖質を摂ったわけで、ブドウ糖を細胞の中に取り込むためにインスリンが使われます。それによって細胞の中ではエネルギー代謝が盛んになり、血糖値が下がっていきます。血液中のブドウ糖が多くなると脳の満腹中枢が働いて食欲が抑えられます。これとは逆にブドウ糖の量が少なくなると今度は摂食中枢が働いて空腹を感じるようになります。この2種類の食事に関わる中枢によって食べる量のバランスが取られているわけです。
だから、たくさん食べても大丈夫かというと、インスリンには肝臓での脂肪の合成を盛んにする働きもあります。そのために多くの量を食べて、血糖値が上昇すると脂肪が増えて、体脂肪として蓄積されるようになります。インスリン抵抗性がある人は、インスリンが分泌されても細胞の取り込みが充分に行われず、血液中のブドウ糖が増えます。余分となったブドウ糖は肝臓でインスリンによって脂肪合成されるわけですが、インスリンが分泌されても血糖値が下がらないと膵臓はもっとインスリンを分泌させるようになります。こういったことによって、インスリン抵抗性の人は太り、そして糖尿病になりやすく、さらに治りにくいということになるわけです。
太っているのは本人の自己管理能力が低いためだと言われてきました。ダイエット成功は自己管理の賜物と考えられてきただけに、ダイエットの指導者が太っていたら、こんな人の言うことは信じられない、やせることなんてできないと思われて、指導をまともに聞いてくれないどころか、指導を受けに来てもくれないという状況にもなります。
このような反応が多かったのは、太る原因が生活環境のためだと思われていたからです。しかし、肥満遺伝子の研究が進み、肥満になるのは遺伝子のせいで、生まれつき太やすいか、それともやせやすいかが決まっていることが理解されるにつれて、反応も変わってきました。
マイナス思考をする人だと、肥満遺伝子で自分が太るかどうかは決まっているのだから、頑張ってダイエットをしても仕方がない、などといったことを考えます。中には、どうせやせにくいのだったら我慢をしないで食べてしまおうと考える人もいます。これに対してプラス思考をする人の場合には、太る遺伝子だといっても、太る原因がわかれば効率的なダイエットができると考えます。こういったよい発想をしてくれると遺伝子を調べた効果が上がるというものです。
なぜ、こんな話をしているのかというと、テレビ局のディレクターから「肥満に遺伝子と生活環境は、どれくらいの割合で影響しているのか」と聞かれて、それに対する返答の中で、前記のような話をしたからです。
肥満治療の専門家に言わせると遺伝子が70%、生活環境が30%と定説のように口にします。しかし、遺伝子のタイプは同じであっても、それが出る強さは個人差が大きく、生活環境が違うと個人差のブレが大きくなります。同じ遺伝子を持つ双子での比較試験がアメリカで行われました。日本の約2倍の人口でしかないのに4000組の双子を調査したのは驚きですが、その結果としてわかったのは一卵性の双子のほうが二卵性よりも遺伝子に影響が出やすいことがわかり、二卵性では70%ほどの影響だという発表がされました。
産みの親と育ての親の影響の調査では、肥満になった人は育ての親の影響は小さく、産みの親が太っていると子供も太る傾向があることがわかり、さらに母親が太っていると75%の確率で子供も太るということ報告されています。
同じ肥満遺伝子を持つ人に生活環境が影響することについては、アメリカのピマ・インディアンの調査があります。ピマ・インディアンはアリゾナの少数民族で、その一部がメキシコに移住しています。アリゾナのピマ・インディアンは特に脂肪の摂取量が多いわけではなく、アメリカの平均に近い40%ほどの脂肪摂取にも関わらず肥満率は90%にも及んでいます。それに対してメキシコのピマ・インディアンは脂肪摂取が半分ほどで、肥満率は30%ほどでしかなかったのです。
肥満遺伝子があっても、食生活に注意をしていれば肥満にならずに済むことを示しているわけで、マイナス思考になることはなく、プラス思考で自分の体質に合った生活をしてほしいということを伝えさせてもらっています。
商品を販売している会社にとって消費者は大事な存在で、敵か味方かという分類をしたら、間違いなく味方です。味方になれば、どんどんと味方を増やしてくれるもので、このことについてメディア関係者とのミーティングで話題にのぼったときに、「まるで善玉菌と日和見菌みたいだ」と話をさせてもらいました。善玉菌も日和見菌も腸内細菌のグループです。この他に悪玉菌があるというのは普通に知られたことです。日和見菌というのは、どっちつかずの日和見状態の腸内細菌で、善玉菌が増えて腸内が酸性傾向になると日和見菌は善玉菌の味方をして、腸内環境を整えていきます。逆に、悪玉菌が増えて腸内がアルカリ傾向になると悪玉菌の味方をします。
腸内細菌のバランスがよい状態の人は、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7の割合となっています。強い方に迎合して変化するのが7割もいるとなると、善玉菌を増やす工夫をしないと大変なことになります。消費者の話も同じことで、迎合して動くような人が7割はいるのが普通のことです。
商品や販売方法、会社に苦情を寄せてくる人も普通にいるわけですが、これを敵と考えるなら味方は2倍以上ほしいところです。これも腸内細菌のよいバランスと同じ割合です。味方となる消費者を増やすために販売会社は、消費者にメリットを設けるように努力しています。それと同時に、悪玉菌を増やさないようにするのと同じで、何か突っ込まれるようなことが起こったときに、炎上しないように対策をしておくことは重要なことです。
もちろん、突っ込まれるようなトラブルや不祥事が起こらないようにすることは必要ですが、腸内細菌にたとえると本人は悪玉菌を増やすつもりではなくて、普通に肉や脂肪を摂っているだけなのに悪玉菌が増やす要因になっているのと同じです。つまり、当たり前のことが、いつトラブルを起こすことになるかわからないのが販売活動であるということです。
ということで、何か小さなトラブルがあったら、それに苦情を言って、攻めてくる人を避けようとするのではなく、よい勉強の機会、改善のきっかけをくれた方と考えて、味方にしていけるような考えで経営に当たるのが正しい判断だということが言えます。
悪玉菌を一気に減らせば、善玉菌だらけになるのかというと、どんなに健康な腸の人でも1割は悪玉菌がいます。悪玉菌は名前からすると悪いことしかないないような印象が持たれがちですが、胃では分解されなかったものを分解して大切な栄養素を吸収させるなどの働きがあります。社員の場合には働きが悪い社員をクビにしても、それまで普通に働いていた社員が怠け者になるということが起こります。
消費者も苦情を寄せてくる人をシャットアウトすると、これまで苦情までは言わなかった人が急にクレーマーになることもよくあることです。せっかくの味方の消費者になる日和見の人がクレーマーに変身しないように、今の敵を増殖させないようにしつつも、適度な数に保つようにすることを考えてもよいのかと思っています。
日本人はインスリンの分泌量が少ないと紹介しましたが、では、なぜなのかという疑問は当然のように湧いてきます。インスリンに脂肪を蓄積される働きがあるということは、脂肪を多く摂る生活をしていると、それを脂肪細胞の中に蓄積させる働きも高まっていきます。欧米人の現代文明はヨーロッパではイギリス、ドイツ、フランスで開けてきましたが、この寒い地域で生き延びるためには動物性脂肪は必要で、どんどんと脂肪を溜め込める身体になっていったと考えられます。
日本人は歴史的に脂肪の摂取が少なかったので、インスリンを多く分泌させる必要がなかったところに、急に多くの量を食べるようになったことからインスリンが多く必要になってきました。食事量が増えて、脂肪も増えたからといっても、50年や100年で急にインスリンの分泌量が増えるようなことは起こりません。その変化には100年や200年では足りません。インスリンを分泌させる能力は低いままなのに、インスリンを出させるような食事の量が増える一方となっては、インスリンを分泌させている膵臓に負担はかかるばかりです。
膵臓は働きすぎても痛みや疲れを感じることはなくて、ブドウ糖と脂肪酸が血液中に増えているときには、ずっと働き続けています。そして、働き続けて限界に達すると、急に働きが弱まってしまい、インスリンの分泌量が減ってしまいます。そのためにインスリンが細胞の中にブドウ糖を充分に取り込むことができなくなり、血糖値が上がったままになります。これが糖尿病の始まりです。
となると、インスリン不足になる糖尿病を予防するには、そして改善するにはブドウ糖が多く含まれた糖質の量を減らすことだけでなく、脂肪の取りすぎも抑えないことには対応できないことになります。場合によっては、脂肪が多い肉を食べ、料理に脂肪を多く使ったことで糖尿病になることも当然のように考えられるわけです。
インスリンが欧米人の4分の1しか分泌されない日本人が、糖尿病を改善させようとしたら、減らすべきは糖質よりも脂質(脂肪)です。ブドウ糖は、すぐにエネルギーになる重要なエネルギー源であり、エネルギー不足になると膵臓の働きも細胞の働きも高まらなくなってしまいます。脳の唯一のエネルギー源もブドウ糖です。糖質のご飯などを減らせば血糖値は下がるものの、そのために身体の機能が低下してしまったら、糖尿病で恐ろしい合併症の予防ということではマイナスにもなってしまうのです。だから、減らすべきは脂肪だということ是非とも知っておいてほしいのです。
日本人はインスリンがインスリンの分泌量が欧米人に比べて少ないということは何度も伝えてきたことです。これを見ているメディア関係者から、すぐに「どれくらい違うのか」という質問が来ることを想定して、データを準備して待っていたのですが、今にいたるまで質問はありません。かなり違っているので気になって当たり前と思うのですが、なぜか何のリアクションもないので、多くの人が知らないところ私たちが思い込んでいるだけで、実は広く知られているのではないかと心配になったりもします。
ということで、常に情報交換をしているメディアの方々に、こちらから質問メールを送ってみました。それに対して「そういえば……」という反応ばかりで、私たちの心配は何だったのかと思うのと同時に、どうして質問してこなかったのかという疑問が続いている毎日です。
インスリンの分泌量の違いについては、いくつかの研究があり、比較研究もされているのですが、かなり開きのある結果で、3倍から5倍の差にもなっています。感覚的には「日本人の3倍も分泌されている」のか逆に「日本人は3分の1しか分泌されていない」ということでも充分にインパクトがあるのですが、ここは中をとって4倍、つまり欧米人は日本人の4倍も分泌されている、日本人は欧米人の4分の1しか分泌されていない、と表現してみようかと思います。
この4倍という差があったとすると、いかにすごい開きかということを示してみたいと思います。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞の中に取り込んでエネルギーとするために必要なホルモンです。この分泌量が低下するために日本人は糖尿病になりやすくなっています。もしも4倍とまでいかなくても、2倍であっても分泌されていれば糖尿病になる人は大きく減らせるはずです。現在の日本人の成人(約1億人)のうち約1000万人が糖尿病患者、約1000万人が糖尿病予備群で、合わせて約2000万人、5人に1人が血糖値が高い状態だと推定されています。これが半分に減ったら、どれだけ苦しむ人を救うことができるかということです。
ココロの体力測定をもとにしたストレスオフ県ランキングが発表されています。2018年データでは愛媛県、静岡県、佐賀県、島根県、長崎県、熊本県、岡山県、滋賀県、鳥取県、青森県、鹿児島県、広島県、山口県、徳島県、香川県、大分県、和歌山県、兵庫県、京都府、宮崎県、群馬県、新潟県、福岡県、東京都、愛知県、山形県、三重県、石川県、高知県、大阪府、宮城県、奈良県、山梨県、福井県、栃木県、千葉県、茨城県、埼玉県、富山県、福島県、神奈川県、沖縄県、岩手県、北海道、岐阜県、長野県、秋田県の順番となっています。三重県まではストレスオフ指数はプラスで、石川県以下はマイナスとなっています。
ストレスは平均寿命に直接的に関わるものではないということを承知で、あえて都道府県別の平均寿命と見比べてみることにしました。男性の平均寿命のランキングは滋賀県、長野県、京都府、奈良県、神奈川県、福井県、熊本県、愛知県、広島県、大分県、東京都、石川県、岡山県、岐阜県、宮城県、千葉県、静岡県、兵庫県、三重県、香川県、山梨県、埼玉県、島根県、新潟県、福岡県、佐賀県、富山県、群馬県、山形県、山口県、長崎県、宮崎県、徳島県、茨城県、北海道、沖縄県、高知県、大阪府、鳥取県、愛媛県、福島県、栃木県、鹿児島県、和歌山県、岩手県、秋田県、青森県の順番となっています。全国の平均寿命を上回っているのは島根県より上位です。
女性の平均寿命のランキングは長野県、岡山県、島根県、滋賀県、福井県、熊本県、沖縄県、富山県、京都府、広島県、新潟県、大分県、石川県、鳥取県、東京都、奈良県、神奈川県、山梨県、香川県、宮城県、福岡県、宮崎県、佐賀県、静岡県、兵庫県、高知県、三重県、長崎県、山形県、千葉県、山口県、愛知県、群馬県、岐阜県、愛媛県、鹿児島県、北海道、大阪府、埼玉県、徳島県、和歌山県、岩手県、福島県、秋田県、茨城県、栃木県、青森県の順番となっています。全国の平均寿命を上回っているのは高知県より上位です。
ストレスオフ県ランキングのトップ10の愛媛県、静岡県、佐賀県、島根県、長崎県、熊本県、岡山県、滋賀県、鳥取県、青森県は、都道府県別の男性の平均寿命ランキング10位まででは熊本県だけです。女性の平均寿命ランキング10位まででは岡山県だけです。せっかく比較をしてみたのですが、あまり関係性がないようで、女性の2位の岡山県が今後の研究対象になることがわかったくらいです。
気になるのはストレスオフ県ランキング10位の青森県は、平均寿命では男女ともに最下位となっています。ストレスは少ないのに、平均寿命が短いということは、いかに生活環境や食事が影響しているかということです。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長には、県民食の番組のアイデアを求める問い合わせがあります。その一つとして返答したのが岡山名物の「えびめし」です。甘さとカレー粉の辛みに特製のソースで黒く炒めたライスの中に海老が具材となっています。濃い味と思えるビジュアルなのにアッサリ味が特徴で、具材の海老は小エビのシュリンプです。
理事長は岡山行きを決めたときに、えびめしが岡山名物と聞いて、疑問を感じていたことを取材担当のディレクターに話しました。理事長は大学生として東京に住むようになったときには、渋谷の「カレーハウスいんでいら」に通っていました。カレーライスがメインでしたが、名物の一つにえびめしがあり、この店に勤めていた方が岡山で始めたのが、今のえびめしの始まりです。
いんでいらの渋谷の本店は2011年に閉店して、渋谷の道玄坂にあるのはフランチャイズ店です。閉店からフランチャイズ店に行くことはなく、久々に岡山で食べたとのことです。
いんでいらのメニューにカレーライスとえびめしのセットがありました。濃厚なカレーの味に、えびめしの少しスパイシーな味が案外と合うので、交互にスプーンを運ぶのが楽しくて、理事長と同じく鉄板注文メニューにしている人が多かったということです。
この合わせて食べるのに適した味は、岡山でも受け継がれているようで、カレーライスとの組み合わせだけでなく、ラーメンとのセットを出している店もあります。また、もう一つの岡山名物のデミカツ丼とのセットもあります。デミカツ丼はカツ丼を卵でとじるのではなくて、とんかつそのものにデミグラスソースがかけられています。デミグラスソースの黒い色とえびめしの黒い色は一緒ですが、甘みも共通しているものの、えびめしのほうは香辛料の刺激があるので、両方の味わいが楽しめます。
東京に行くときの駅弁は、東海道山陽新幹線の中で食べるものという認識でしょうが、理事長は岡山名物のセットの駅弁をお土産代わりに持っていきます。その中身は、えびめしとデミカツ丼です。初めに聞いたときにはえびめしの上にデミカツが乗っているのかと思ったら、左右にえびめしとデミカツ丼が分かれて入っています。デミカツには白いご飯が合うということです。今どきの糖質制限のブームからしたら、こんなに糖質が多い弁当はないというくらいのご飯の量です。
弁当をお土産代わりに持って行くのは、名物を食べてもらおうという気持ちはあるものの、その裏には食べ物がない移動時間の恐ろしさがあると言います。というのは、理事長は上越新幹線が通っていない時代に新潟県から特急で冬場に上京するときに、いつ雪で停まるかわからず、車内販売の食べ物が売り切れる恐怖を実感しているからです。新幹線が遅れることは、まず考えられない時代にも、食べ物なしには新幹線に乗れないという心配性です。
平成27年の市区町村別の平均寿命では、男女ともに大阪府大阪市西成区が最下位とのデータが発表されました。都道府県別の平均寿命では、上位は男性が滋賀県、長野県、女性が長野県、岡山県となっていて男女ともにトップというところはないのですが、最下位は男女ともに青森県となっています。大阪府の平均寿命はともに38位で、これは重なっているのですが、「どうして男性は西成区が最下位なのか」ということについては前回取り上げました。今回は、テレビのディレクターとの話の中に出てきた女性のほうの結果について考察してみます。
女性の平均寿命トップの沖縄県中頭郡北中城村の89.0歳と比べると大阪府大阪市西成区は84.4歳と4.6歳の差となっています。この5年近くの長生きは、人生の締めくくりの時期としては重要です。もちろん、健康寿命が保たれていて、元気に長生きということが望まれるわけですが。
平均寿命が短くなる要因としては、健康増進にかけられる予算が少ないことと、早く異変に気づくことができる健康診断の実施率に関わってきます。下位ランキングを見ても、西成区以下は北海道稚内市、福島県西白河郡西郷村、青森県東津軽郡蓬田村、岩手県釜石市、大阪府大阪市浪速区、福島県双葉郡広野町、青森県三戸郡三戸町、青森県北津軽郡板柳町、大阪府大阪市平野区となっています。ざっと見ても、健康づくりの達成度が低そうな印象があります。
平均寿命は、すべて寿命に大きく影響するのかということですが、男女ともにワースト1位となった西成区は女性の84.4歳に対して男性は73.5歳と、その差は10.9歳となっていて、10歳以上の開きとなっているのは、この地域だけです。これについで男女差が大きい鹿児島県大島郡天城町でも8.7歳です。女性は苦境にあっても生き延びられる生命力の強さがあると言われていますが、それを裏付けるような結果となっています。
全国の男女差の平均は6.2歳です。ちなみに男女差が小さな地域は奈良県生駒郡平群町では4.8歳となっています。男性は81.7歳、女性は86.5歳で、比較的長生きの女性に引っ張られて男性も長生きになったということを推定されます。この結果をもって、テレビ局のディレクターに「どんな施策をしているのか取材したら面白い」と話したのですが、テレビ番組は長生きの人たちの生活、中でも食事については取材しても、こんな地味なテーマには関心がないようです。
それに反した派手なテーマのほうは、これを食べているから元気で長生き、他の地域でも同じ食材を食べれば寿命が延びるという切り口なら大歓迎なのですが、コツコツとした出来事の積み重ねは好まれません。それなのに健康をテーマにした番組では、生活習慣こそが重要で、毎日の積み重ねが大切というようなことを発しているのを見聞きすると、なんだか本質が伝わっていない気がします。
市区町村別の平均寿命については、5年ごとの発表ということで、これから何度もメディアで取り上げられるはずですが、異なった目線での番組は期待できないかもしれません。
ここまで書かれたら、反骨精神で番組づくりがされることを期待しての発言ではあるのですが。
平成27年市区町村別生命表の概況が厚生労働省から発表されました。これは死亡状況を市区町村単位で比較するために5年ごとに発表されているデータで、都道府県別の平均寿命を市区町村レベルで検証した結果です。平均寿命というと、いまだに今の人たちが何歳まで生きられるかを示していると思っている人も少なくないのですが、実際には、その人に生まれた0歳児が現在の環境が継続した場合に何歳まで生きられるかの推定値です。つまり、平均寿命が80歳だとして、今は50歳だから、あと30年生きられる、という意味ではないということです。
市区町村の平均的なところでは、男性では80.5歳以上81.0歳未満に、女性では86.5歳以上87.0歳未満に最も多く分布しています。男性のトップは神奈川県横浜市青葉区で83.3歳、ついで神奈川県川崎市麻生区の83.1歳、東京都世田谷区の82.8歳となっています。女性では沖縄県中頭郡北中城村の89.0歳、次いで沖縄県中頭郡中城村の88.8歳、沖縄県名護市の88.8歳となっています。沖縄県の中間部に集中しています。
これに対して最も低かったのは、男性では大阪府大阪市西成区が73.5歳ですが、女性も大阪府大阪市西成区で84.4歳と同じ地域が最下位という結果になっています。この結果から、最も高い市区町村と最も低い市区町村の差は、男性は9.8歳、女性は4.6歳と、男性はかなりの開きになっています。
この結果が発表されて、さっそくテレビ局のディレクターからも雑誌の編集者からも問い合わせがありました。想像していた問い合わせの内容は「どうして男性は平均寿命がトップの滋賀県、2位の長野県でないのか」ということでしたが、実際の問い合わせは両者とも「なぜ最下位が大阪だったのか」ということでした。
市区町村の平均寿命では滋賀県草津市が5位、長野県大町市が8位となっています。都道府県別ランクングでは大阪府は38位で、大阪府は長生き地域ではないのですが、特にひどい状況ということでもありません。市区町村別データでも6位に大阪府吹田市、7位に大阪府箕面市がランキングされています。要は、大阪府は長生き地域がある一方で、短命地域も混在していて、全体的にランクを下げているということになります。
市区町村別の下位ランキングでは2位が大阪府大阪市浪速区、10位が大阪府大阪市大正区となっています。西成区、浪速区、大正区は大阪市の中央部より南側の隣接区です。中小企業が多く、健康診断を受ける人が少ないことが以前から指摘されてきました。
収入が多い地域は健康度が高い傾向があり、それが市区町村別の平均寿命を延ばしています。収入が低い地域ということなら沖縄県のほうが大阪府よりも下回っているのですが、健康診断を受ける機会がない人が増えるほど、身体の変化の発見が遅くなり、それが平均寿命の決定にも影響を与えているということが言えるわけです。





