投稿者「JMDS」のアーカイブ

日本の栄養学は「1単位80kcal」を基本としています。この基本とされているのは実は基本ではなく、100kcalこそが基本中の基本だと教えてくれた師匠が山下光雄先生です。光雄と書いて「てるお」と読みます。食べる食品を100kcal単位で定めて、その組み合わせで1日の献立を構築しています。
なぜ80kcalが基本となっているのか、いつ基本になったのかということは、あまり気にしないで常識のように使っている人がほとんどですが、基本となったのには歴史があります。栄養学の教科書の歴史には、日本の栄養学の祖先として森林太郎と佐伯矩が出てきます。両先生の名は初めてだという人も森鴎外なら知っているかもしれません。明治の文豪の森鴎外の本名は林太郎で、本業は軍医でした。軍医としてドイツで栄養学を学び、日本に栄養学の基礎を持ち込んだ偉人です。その栄養学の基礎を定着させたのが当時の内務省栄養研究所の初代所長の佐伯医学博士で、後に初めての栄養専門学校である佐伯栄養専門学校を創設して、卒業生を栄養士としています。
この両先生の栄養学の基本単位は100kcalで、それが日本の栄養学の基礎中の基礎として続いてきました。これを変えるきっかけとなったのは終戦後の食糧難です。肥料不足、飼料不足、食品の流通量の不足から主食も主菜も少なくなり、調査をしたところ1食当たりの食品が80kcal前後であったことから緊急避難的に80kcalを基本とすることが日本食糧学会などで提案されました。
100kcalなら十進法なので計算しやすいのですが、80kcalは計算しにくいことから、80kcalを1単位とすることが掲げられました。あくまで緊急措置であったはずですが、日本糖尿病学会がエネルギー量が少ないことに着目して採用し、栄養の専門学校や大学が採用したことから常識のように広まる結果となりました。
しかし、栄養状態は元に戻り、それ以上の栄養状態にもなって、今では1食分の肉も魚も卵も100kcal前後となり、80kcalが1単位では、かえってわかりにくくなっています。それで100kcalを基本として、100kcalの三角形のピースを組み合わせて1日に1600kcalの食品を摂ることを示したダイエットデザインハウスを提唱したのが山下先生でした。
山下先生は慶應義塾大学病院の食養科長、大学図書館の特殊資料担当、大学スポーツ医学研究所の栄養担当などを務めたあと、別の2つの大学で教授を務めましたが、その間も100kcal栄養学を教え、100kcalダイエットのNPO法人を立ち上げたときに当方の理事長が代表になって、一緒に100kcal栄養学を推し進めてきました。その背景もあって、今でも当法人の栄養学の基本中の基本は100kcal単位でのエネルギー源の配分となっています。
山下先生は日本臨床栄養協会の副会長にもなり、サプリメントアドバイザー制度でも推進役となっていました。山下先生が旗振りをしているときに、国立健康・栄養研究所が認定するサプリメントアドバイザリースタッフのNR(栄養情報担当者)と、日本臨床栄養協会が認定するサプリメントアドバイザーが統合されて、NR・サプリメントアドバイザーとなりました。当法人の理事長はNR制度立ち上げ時からサプリメントの法律講師を務めてきた関係から、側面支援をさせてもらってきました。

栄養学は、ほとんどメカニズムが解明されていますが、それでも疑ってかかれというのが日本メディカルダイエット支援機構のコンセプトの一つです。それを教えてくれたのは、当法人の理事長の栄養学の師匠である山本辰芳先生です。当法人の理事長が知り合ったときには国立病院・療養所の栄養士・管理栄養士のトップで、当時は日本栄養士会の理事長を務めていました。今では公益社団法人となって理事長はなくなっていますが、当時は会長に次ぐ立場で、実践指導のトップでした。
さまざまなことを学び、一緒に団体を立ち上げることもしてきましたが、日々の学びの数々の中で今でも記憶から消えることのないことを学んでいます。それは「今の常識を疑って研究に勤しめ」ということです。その教えを受けた当時でも、臨床栄養の世界では糖尿病は血糖値を上昇させるブドウ糖の制限が基本となっていました。今ほど糖質制限が言われる時代ではなかったのですが、血糖は血液中にブドウ糖のことで、その数値が基準を超えると糖尿病と診断されます。
栄養学の師匠が病院に配属されたときには、糖尿病患者に砂糖を摂るように指示する医師がいたと言います。そんなことをしたら病状が悪化してしまいますが、そのことに疑問が抱かれない時代が少なからずあったということです。
糖尿病は、その名の通り尿に糖が混じる病気で、糖は重要なエネルギー源であるので、身体から抜けるものを補おうという発想です。発想としてはわからないではないのですが、尿に混じって体外に捨てられるのは、細胞にブドウ糖が取り込まれず、それが血液中で濃くなったからです。身体に必要でないものが尿とともに捨てられているわけではなく、細胞のことを考えると不足した状態である結果です。
山本先生の教えは、今は常識とされていることも常に疑って、本当に正しいのか、正しいとしても他に方法はないのか、もっと効果がある方法ないのかということを探り続ける姿勢こそが重要であるということを示しています。
山本先生から学んだ心に響いた言葉として、今でも当法人の理事長が酔うたびに(酔っていないときにも)口にするのが、「文化性のない食事は餌である」ということです。これは単に教え、標語というのではなく、山本先生が赴任していたトップの国立病院の栄養管理室に掲げてあり、栄養方針として医師やスタッフ、患者に渡す文書にも書かれていました。
病院給食というと、当時はおいしくない食事の代表のような扱われ方をしていて、必要な栄養素を摂り、疾患に影響のある栄養素は減らすので、おいしくないのは仕方がないということを言い訳のように口にする栄養スタッフも少なからずいて、“食文化”とは対極にあるのが病院給食という考えをされていたのも事実です。
そこに「文化性」という言葉を使い、さらに「餌」という言葉まで使いました。これには意図があることを教えてもらっています。病院給食を提供する部署は、今では栄養管理室、栄養部、栄養科というのが普通になっていますが、当時はまだ「食餌科」という言葉も使われ、栄養療法、食事療法ではなく「食餌療法」という餌を強調した指導が平然と行われているという現場もありました。
当法人の理事長は、山本先生が立ち上げた日本臨床栄養協会の機関誌の編集を行っていた時期があって、臨床栄養の変遷の一時代を目の当たりにしてきました。山本先生が立ち上げた研究所の主任研究員となり、病院調理師の全国団体の事務局次長としても支えてきたことから、ずっと学び続けることができる位置にいました。
その変遷の一つが臨床栄養と健康食品の関わりで、日本臨床栄養協会がサプリメントアドバイザーの認定教育を始めたときに、山本先生が副理事長であったことから制度の立ち上げに参加しました。当法人の理事長は、これまでに「私がサプリメントアドバイザー制度を立ち上げた」「立ち上げるように進言した」という人に何人も会い、その話を聞くたびにニコニコとして聞き流していますが、「自分が立ち上げに加わったときに会ったことがないんだけど」と酔うたびに(酔わなくても)話しています。

今の日本は高齢化社会でも高齢社会でもなくて、超高齢化社会であり、超高齢社会となる高齢化率28%が目前に迫っていることは以前に紹介しました。目前に迫っていると言われても、「実はまだ先のことではないか」と考える人は多く、そう考えて問題を先送りしたい気持ちもわからないではありません。思った以上に子供が生まれず、高齢者が長生きをしているため、ひょっとすると2025年には超高齢社会になっているかもしれないのです。
その根拠となっているのは戦後生まれの団塊の世代の存在です。75歳以上は後期高齢者に分類されますが、2025年には団塊の世代がすべて後期高齢者となります。「65〜74歳の前期高齢者のほうが多いのだから、そんなに喫緊の課題なのか」という質問をセミナーのときにしてきた聴講者がいましたが、こういう質問が出るのは真実を伝えきれていないからです。
これまでは前期高齢者のほうが多かったのですが、なんと今年(2018年)のうちに後期高齢者が前期高齢者の数を追い抜くことが人口調査で判明しています。それだけ日本人は長生きになったということで、本来なら喜ばしい状況と言いたいところですが、心身ともに元気で、認知機能も若いときに比べたら低下するのは仕方がないものの、認知症と、その予備群である軽度認知障害の割合が、それほど多くなければ悲惨な状態とは呼びにくいところがあります。
しかし、現状発表されているデータ(2012年統計)の認知症患者が462万人、軽度認知障害患者は400万人と推定数から、2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害は600万人を超えると推定され、合わせると65歳以上人口の35%を超える割合となってしまうのです。これは現在の健康状態が年齢相応に進んでいくという希望を含んだ推計であって、40%を超えるという推計も別に存在しています。
話が随分と遠回りしましたが、今回のテーマの自治体の清掃事業も危機的な状況になっています。高齢者が増えると消費活動が低下していくことにつれてゴミの量も減っていきます。だから、自治体の清掃事業(ゴミ収集)を受託している事業者の仕事は楽になっていくように思われています。ところが、後期高齢者が増えると分別などのルールが守られなくなり、可燃ゴミに不燃ごみが混入したり、生ゴミの水切りがなされなかったり、粗大ゴミのルールが守られないどころかルールを理解できない人が増えるといったように、ただゴミ袋に入ったものを、そのまま収集車に入れればよいという状況ではない例が急増しています。
自治体から受託している事業者の負担が増えて人件費がかさみ、その割には委託費が増えず、高齢化率が高まるのに比例して苦労しているという話は、あちこちの自治体で見聞きしています。それを解消するように委託費が増える状況であるのに、ここに税金が多く使われると介護や介護予防、脳機能を含めた健康維持に使われる分が減ることになり、それが事業者の負担を増やすことになるという、よくない循環に陥ることになります。
ルールの徹底はもちろんであり、徹底を呼びかけるのは大切なことですが、超高齢社会の認知機能の維持と、認知機能に合わせた対策を考えることも大切になってくるということをセミナーなどで話をさせてもらっています。

前回の発酵と腐敗の話を受けて、テレビ局のディレクターから問い合わせがありました。「発酵と腐敗が同じメカニズムであるなら、腸内細菌の善玉菌と悪玉菌も同じことをしているのか」という内容でしたが、同じといえば同じ、違うといえば違うことをしています。善玉菌の働きは簡単に発酵だと言われています。エサになる食品を食べて、代謝物を外に出していますが、人間の身体に有益な代謝物を出しているものが善玉菌と呼ばれています。これは発酵食品と同じで、身体によい菌を増やすこともしています。
悪玉菌は代謝までは同じでも、有害な代謝物を出しています。善玉菌は乳酸菌などで、発酵すると乳酸などの酸性成分が作られて、腸内を酸性傾向にします。善玉菌は酸性の環境で増殖していくので、善玉菌が増えると、ますます増えやすくなるということです。そして、アルカリ性傾向で増える悪玉菌の活動が抑えられ、数も減っていくようになります。
発酵食品の味噌、醤油、納豆は大豆が原材料となっているので、植物性たんぱく質が発酵を進めるという印象があります。それは間違っていなくて、善玉菌が好んでエサにしているのは植物性たんぱく質や糖質です。それに対して悪玉菌のエサは動物性たんぱく質と脂肪です。
ここまでの話をしたら、「乳製品は動物性たんぱく質なのに腐敗しなくて発酵している」と疑問をぶつけてきましたが、乳製品には乳糖という糖分が含まれていて、善玉菌が発酵させること、つまりに乳成分を分解することで乳糖を作り出しているのです。
善玉菌を増やすには植物性たんぱく質と糖質を摂ればよいということですが、これらの食品を増やし、動物性たんぱく質と脂肪を減らしても、なかなか善玉菌が増えないという人は少なくありません。食品を腐敗もしくは発酵させる菌は低い温度では増えず、高い温度で増えるということは共通しています。それに対して腸内細菌は腸内の温度で活躍の度合いが違ってきます。腸内の温度と言っても大きな差はなくて35〜37℃くらいの範囲です。それでも菌にとっては大きな差で、悪玉菌は温度が低めでも高めでも関係なく増殖していきます。一方の善玉菌は高めの温度で増殖していきます。
ということがわかると、腸内の温度を高めることが善玉菌を増やし、増えた善玉菌によって悪玉菌を抑えることができるということがわかってきます。とはいっても、外から熱を与えても腸内までは温まりにくくなっています。そこで考えたいのが血流を盛んにして、温かい血液を早く送って、中から温めていく方法です。
そのためには身体を動かして、糖質と脂質の代謝を高め、作り出されたエネルギーによって身体を温めることです。細胞の中で発生したエネルギーのうち70%ほどは体熱の維持に使われています。代謝を高めるためには食事でエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を摂り、これが細胞のミトコンドリアで充分な代謝を起こすために必要となるビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10を欠かさないようにすることです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。

寒い季節のほうが過ごしやすいということはあまり感じないのですが、臭いの問題となると温かくなるにつれて強くなってくるので、「もっと寒さが続けばよいのに」と思うことがあります。臭いを発生させる腐敗菌は一定の温度になると活発に働くようになり、食品を腐敗させて、活発になるほど、数が増えるほど臭いが強くなってきます。同じ「におい」という読み方でも、これが匂いとなると、よい香りとなります。臭いは「くさい」とも読むように不快感を高めてしまいます。
味については“うまい”“まずい”は味本来の関係だけではなくて記憶も影響していて、過去に美味しいと感じたことがあるものや、それと似た味のものは美味しいと感じます。その例としてよくあげられるのが松茸の香りです。日本人にとって松茸はよい香りで、味はしめじに負けるかもしれないけれど(匂い松茸、味しめじという言葉がある)、あまりよくない臭いということはありません。
といっても松茸が自然の中で完全に育つと、物凄い匂いを発して、これは匂いというよりも臭いと感じることもあります。この匂い(臭い)に誘われて昆虫が寄ってきて、菌を周囲に撒き散らかしてくれます。繁殖のために匂いを使っているわけです。これは他のキノコも同じですが、特に松茸は強い匂いとなっています。
日本人には松茸はよい香りであっても、慣れていない欧米人は「カビ臭い」と言います。せっかく高い店でご馳走したのに、そのリアクションはないだろうと思いますが、嗅覚というのは、そういうものです。松茸に特有の香りの主成分のマツタケオールは味噌や醤油にも含まれるもので、味噌や醤油を美味しいと感じている人は香りもよいものと感じて、松茸もよい香りに感じます。
日本人といっても、生まれも育ちも海外という人は反応が異なる人がいて、よい匂いという人と、よくない臭いという人がいるのですが、これは育った環境、つまり日本的な発酵食品を食べていたかどうかが関係しています。
気温が高まってきたことをゴミ収集場所の近くを通ったときに臭いから感じることもあります。風が吹くと寒い時期でも菌にとってはよい環境になってきているということです。温度が高まると腐敗とは真逆のことも起こります。それは発酵です。「発酵食品は腐らない」と言われることもありますが、腐敗も発酵もメカニズム的には変わりがなくて、菌はエサになるものを食べて(取り込んで)、中で代謝させて、代謝によって発生した代謝物を外に出しています。それによって有害になるものを作るのが腐敗、有益になるものを作るのが発酵と区別しているだけです。
発酵させる菌が頑張っていると、腐敗させる菌は抑えられるので、発酵食品は腐らないと言われることがありますが、これは正しくはありません。「発酵している間は腐らない」のであって、「発酵が止まった発酵食品は腐る」ということです。

三大ヒトケミカルは、もともと医薬品であったものが食品にも許可されたことからサプリメント成分として使われるようになったという話を何度もしています。どんな医薬品として使われているのかについても紹介してきましたが、医薬品の副作用とサプリメント(三大ヒトケミカル)の活用について触れたところ、またもやテレビのディレクターから三大ヒトケミカルの医薬品としての働きについての問い合わせがありました。ディレクターには過去の該当するところを貼り付けて、クリックしたらわかるようにしてメールを送りましたが、ついでなので、ここでは追加情報も加えて書き進めることにします。このページをディレクターが気づいたら面白いのですが。
α‐リポ酸はチオクト酸と呼ばれる物質で、その酸化体のβ‐リポ酸と区別するためにα‐リポ酸と呼ばれています。医薬品としてのα‐リポ酸は、チオクト酸(注射用)として利用されています。適用は「チオクト酸の需要が増大した際の補給(激しい肉体疲労時)」、「亜急性壊死性脳脊髄炎」、「中毒性(抗生物質のストレプトマイシン、カナマイシンによる)および騒音性(職業性)の内耳性難聴」となっています。
α‐リポ酸は天然型と非天然型があり、医薬品は天然型のR体です。だから、サプリメント素材として使われるのもR体でなければならないはずですが、多くのα‐リポ酸を使ったサプリメントはR体と非天然型のS体を等量(50%対50%の割合)で使っています。体内で活用されるのは天然型のR‐αリポ酸だけです。
L‐カルニチンは2種類のアミノ酸(リジン、メチオニン)から肝臓、腎臓で生合成される誘導体で、胃液、腸液、唾液、胆汁の分泌および腸管運動の亢進がみられる消化機能亢進剤として用いられています。先天的代謝異常症(プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症など)によるカルニチン欠乏症に用いられます。中心静脈栄養や血液透析、バルプロ酸の長期服用によってもカルニチン欠乏症が起こります。脂質代謝に用いられるのはL‐カルニチンのみであり、対掌性(物質の構造は同じだが左右逆の形になっている)のD‐カルニチンには活性がありません。
コエンザイムQ10は体内に存在するミトコンドリアの電子伝達系の補酵素で、体内では肝臓でメバロン酸から生合成されます。酸化型のコエンザイムQ10はユビキノン、還元型のコエンザイムQ10はユビキノールと呼ばれます。ユビキノンは狭心症、心不全、虚血性心疾患の症状改善に対して薬理作用が認められ、エネルギー代謝改善循環器用薬として用いられています。また、軽度から中等度の鬱血性心不全症の治療薬、高血圧症、歯周病、制癌剤や向精神薬の副作用予防効果、そして皮膚外用剤としての老化防止効果等も知られています。
スタチン(脂質異常症治療薬)はHMG‐CoA還元酵素を阻害することで体内でのコレステロール合成量を減少させますが、共通系でコエンザイムQ10が合成されているため、スタチンの服用によって体内でのコエンザイムQ10の合成量が減少することが知られています。
医薬品としての効能効果が、そのままサプリメントとしての三大ヒトケミカルの機能性ではありません。三大ヒトケミカルのサプリメントは、それぞれが独立して使われるよりも、組み合わせての使用でエネルギー代謝の機能を高めることができます。R‐αリポ酸は細胞のミトコンドリアにブドウ糖を取り込み、L‐カルニチンは脂肪酸を取り込み、コエンザイムQ10はミトコンドリア内のTCA回路でのエネルギー産生の補酵素として働き、セットで揃っていることで代謝をフルに働かせることができるのです。

前回の副作用とサプリメントの使用についての話題に反応して、すぐにメディア関係者から連絡と質問がありました。前回は医薬品の副作用なのに、疾患による新たな症状と勘違いして、医薬品の数が増やされ、それが副作用を強くするということは薬学関係者なら当然の出来事という認識があることから、今になっても特に反応はありません。
質問のポイントは、「勘違いされる症状の原因となっている医薬品の種類は何か」ということで、また医療批判的な記事のネタに使われるかもと考えもしましたが、どこかで調べればすぐわかることなので、当方の知識の範囲で応えておきました。
よくある症状としては“ふらつき”で、それで終わらずに転倒すると、これは脳の病気ではないかと疑われるのですが、このような副作用があるのは中枢性などの降圧剤、抗不安薬で、睡眠薬も同じようなことが起こります。“記憶障害”まで起こると、さらに脳の異常が疑われるところですが、この症状についても中枢性などの降圧剤、抗不安薬、睡眠薬の副作用としてみられることです。高齢者によくみられる“抑うつ”は中枢性降圧剤、抗ヒスタミン薬、抗精神薬の副作用としても現れます。
こういった症状では、大きな病気が隠れている心配もあることから、医師も慎重に診断をしてくれる(と信じたい)のですが、いろいろな原因で起こる“食欲低下”となると、医薬品の副作用が疑われずに、すぐに胃腸に関係する医薬品が処方されるのもよくある話です。食欲低下が副作用として現れやすいのは非ステロイド性抗炎症薬、緩下剤、抗不安薬です。もっと起こりやすいのは“便秘”で、これは睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬の副作用となっています。
医薬品を使って、そのために起こった副作用を新たな疾患として、さらに医薬品を出して、種類が増えたことでもっと副作用が強くなったり、別の副作用が起こったり……ということを意図してやっている医師はいない(と信じたい)ので、副作用も知識を持って使ってもらえればと医薬品とサプリメントの相互作用に詳しい薬学博士に話をしたところ、「副作用について詳しい医者は少ない」との話を返してくれました。医師の中でも副作用が起こりやすい高齢者を対象とした老年病学、老齢医学、未病医学に携わっている専門家なら、副作用には詳しいと言います。
しかし、医薬品の情報を製薬会社の医薬品営業マン(MR=メディカル・レプリゼンタティブ)に頼っているクリニックなどの医師になると、「効能効果の説明はよく聞いても副作用までは」ということも珍しくはないことです。医師の中には、MRが販売する医薬品のよさばかりを強調するあまり、副作用の情報を伝えたがらないのが原因、と言う方もいますが、それがわかっているなら聞けばよいのにと思うこともあります。
薬剤師がいる病院なら、医師と薬剤師の連携で副作用情報が得られても、個人の勉強の成果に頼るしかないというのも、また珍しくはない話です。
受診するときに「先生は医薬品の副作用に詳しいですか」と聞くことが憚られる現状では、患者や家族が副作用情報をネット検索して、少なくとも自分や家族が使っている医薬品の副作用くらいは知っておかなければならないということです。

医薬品には副作用があり、医薬品が複数で使用されると副作用が強まることが指摘されています。中でも高齢者は複数の使用で副作用のリスクが高まることが指摘されていることを受けて、高齢者の適正な医薬品の使用のための指針が打ち出されることになりました。副作用を防ぐ方法は他にもあるのではないか、という考えから、私たちのところに「サプリメントで副作用は弱められるのか」という質問が寄せられました。今回は、いつものメディア関係者からではなく、薬学の研究者からでした。
サプリメントの研究成果を薬学の世界でも役立てようという動きは以前からあって、サプリメントアドバイザリースタッフの一つの団体である日本食品安全協会が認定する健康食品管理士は薬学系の大学でも教育が実施されています。医薬品と健康食品・サプリメントには相互作用があります。これは医薬品と健康食品・サプリメントを同時に使うことで、複数の医薬品を使ったときの副作用と同じような健康被害が出ることを一般には指しています。
欧米では、相互作用の考え方が少し違っていて、副作用としての健康被害のほかに、プラスの効果もあげられています。これは何かというと、例えば血圧を下げる医薬品を使っている人が、血圧を下げる作用があるサプリメントを使っている場合には、両方の効果を検討して医薬品の量を減らすという考えです。それをバックアップするためのデータベースがアメリカには存在しています。
厚生労働省によると、医薬品を使っている75歳以上の約40%が1か月間で5種類以上、約25%が7種類以上を処方されているということです。65〜74歳でも30%近くは5種類以上の医薬品を使っています。これは一か所の薬局での場合の調査結果で、複数の薬局を利用していると、さらに増えるのはよくあることです。
高齢になると代謝が低下しているために、体内での医薬品の分解に時間がかかり、体内で濃度が高くなりやすくなっています。そのために排出されるまでに時間もかかって、より副作用が出やすくなります。これが副作用だとわかっていればよいのですが、それに気づかずに他の医療機関を受診して、さらに医薬品が出されて、副作用を強めることにもなりかねません。
他の医療機関を受診しても、そこで使っている医薬品の種類を確認して、訴えている症状は副作用によるものなのか、それとも新たに発症した疾患のためなのかを確認して、それから医薬品を出してくれれば問題はないと思うのですが、そうではないことが起こっているのも事実です。
そこで新たな指針の登場となるわけですが、医薬品の分解に時間がかかっている人は細胞の代謝を高めて解決することも可能です。また、排出に時間がかかっている人も腎臓の細胞の代謝を高めて解決することが可能となっています。そこでサプリメントの登場となるわけですが、細胞レベルから代謝を高めるために必要となるのが三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。高齢者は三大ヒトケミカルの体内での合成が低下して、代謝が低下しているので、三大ヒトケミカルを摂ることで分解も排出も高めることができるようになる。
三大ヒトケミカルの摂取によって代謝が促進され、作り出されたエネルギーが細胞の働きを活性化するので、細胞の中での分解と排出のための働きが高められることになります。このことから、私たちは副作用を減らすために三大ヒトケミカルをすすめているわけです。

ダイエットに関連する仕事をしていると「豚のようにブクブクと太って」ということを言う人と会う機会が増えます。自分のことを卑下して言ったり、なかなかダイエットに成功しない自分に対して戒めのように使う言葉ならまだしも、他人に対して使う人がいると、これは困りものです。そんな人には「豚は太っていない」ということを話すようにしています。
豚は体型的には丸くっこく、愛らしいスタイルをしています。豚の脂身という言葉があるので、豚の身体は脂肪が多いように思われがちです。しかし、体脂肪率を見ると14〜18%と、思ったよりも太っていなくて、筋肉質と言ってもいいくらいです。ひょっとすると、「豚みたいに」と発言した人よりも体脂肪率が低いかもしれないのです。
豚と並んで揶揄するときに登場する牛は、食べてすぐに寝ると太るというように言われますが、そんなことをしていただけではなくても牛の体脂肪率は30%以上にもなっています。2倍ほどの体脂肪率となると、牛肉が太りやすいとされるのもわかります。
豚肉と牛肉を比べると豚肉のほうが軟らかくなっていますが、これは脂肪酸の割合が関係していて、動物性食品に多い飽和脂肪酸の割合が牛肉よりも少なくて、その分だけ不飽和脂肪酸が多くなっています。飽和脂肪酸は血液ドロドロ系の脂肪、不飽和脂肪酸は血液サラサラ系の脂肪と一般には分けて使われています。不飽和脂肪酸は魚や植物油に多い脂肪酸で、動脈硬化のリスクを低くする脂肪酸となっています。
沖縄県が長寿であったのは昔から豚肉を食べてきたからで、現在は平均寿命ランキングが下がってきたのは牛肉を多く食べるようになったからと言われます。その理由として、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の量があげられています。
ここで人間の体脂肪率の話をすると、日本人の成人男性の標準の体脂肪率は10〜20%未満で、女性は20〜30%未満となっています。これを見ると、豚の体脂肪率は男性とほぼ同様で、牛は女性の場合なら肥満となる体脂肪率となっています。
豚は体脂肪率が低いといっても脂肪の含有量は部位によって異なるのは当然のこと。脂肪の層が見えるバラ肉は33%と多めでも、肩ロースは17%、ヒレ肉は15%、もも肉は10%となっています。なるべく脂肪が少ない部位を使うほうがよいといっても、脂肪が多く含まれているほどおいしいことから、ある程度の脂肪の摂取は仕方がないことです。
豚肉は脂肪が多い部位だといっても脂肪が見えやすいので、多いものは避ける、切り落とすということで対処しやすくなっています。ところが、牛肉はサシが入ったものが珍重され、赤身肉の中に脂肪が点在していて、なかなか切り落として食べるというわけにはいきません。硬めの肉を軟らかくして食べる工夫の一つではあるのですが、これが牛の体脂肪率を増やした要因とされています。
人間の場合にサシは入るのかというと、普通の太り方をしていると内臓脂肪と皮下脂肪が増えるだけです。しかし、あまりに身体を動かさない生活をしていると筋肉の中の脂肪が増えてきて、「豚のように」ではなく、「牛のようにブクブクと太る」ということにもなりかねないのです。

蓮根(れんこん)の食感といえば、シャキシャキという表現をする人と、モチモチという表現をする人がいます。シャキシャキとモチモチでは、普通の感覚では随分と違った食感で、そんなに違いが出るのは食べている人の問題なのか、食品である蓮根の品種のせいなのか、それとも両方が合わさった結果なのかという疑問が湧いてきますが、実は、どれでもないというのが今回の話です。
“蓮根業界”という言葉があるのかわかりませんが、蓮根を扱う業界では「れんこん三兄弟」という言葉があります。蓮根ではなく、れんこんと平仮名で書いたのは、れんこん三兄弟という会社が茨城県稲敷市にあって、蓮根農家の宮本家の年子の男兄弟3人が独立して立ち上げた会社があり、「れんこん三兄弟」で検索すると、それが先にヒットするからです。
これとは異なる蓮根の三兄弟がNHKの健康などをテーマとするテレビ番組で取り上げられましたが、さすがに公共放送で社名を出すわけにはいかないのか、「レンコン三兄弟」とカタカナ表記となりました。この番組で取り上げた三兄弟は蓮根の部位の違いを示したもので、蓮根は独立した部位が3個で基本的に構成されています。
根から初めにできるのが長男、次が次男、最後が三男と呼ばれています。根に近い方がデンプンが多く蓄積されるのでホクホクした食感になります。その食感を活かすための調理法は、焼き物か煮物です。次男の前に三男の話をすると、三男はデンプンが少ないシャキシャキの食感で、酢の物や炒め物に使われます。次男はデンプンの量が長男と三男の中間で、どのような料理にも使うことができる万能型となっています。
店頭で販売されるときに、長男か次男か三男かが表示されていればわかりやすく、ついでに食感についても表示されていれば料理に合わせて選ぶことができるのですが、そこまでしている店舗は見たことがありません。
蓮根の三兄弟の話は番組で紹介される前に、れんこん三兄弟に取材をした日本メディカルダイエット支援機構の理事長が聞き出し、三兄弟にちなんで食感の違いを雑誌記事として紹介しています。それを見たのか見なかったのか、そこはわかりませんが。記事になってから2年後の放送でした。
長男(会社のことではなくて)は細長くなっていて、次男は丸くて大きく、三男は丸くて小さいという形の特徴があります。これを知っているだけで自分が食べたいものを選ぶことができます。
蓮根を販売している店で、ハンバーグに入れるとモチモチ感が増しておいしいと紹介していました。特にモチモチ感が強い特産地のもので、その地域はゴボウも有名で、土の中で育つ根菜類には特徴があります。
そのときに、どこまで三兄弟の特徴を言ってくれるのかと思って、「一人分なので小さいのがよいのだけれど」と話したら、一番小さな三男をすすめてくれました。ひょっとすると、この産地のものは三男でもモチモチなのかと思って、ハンバーグではなく焼いて食べてみました。そうしたら、やはりシャキシャキの食感でした。味は申し分ないのですが、食感も重要な味わいなので、せっかくの名産地の蓮根なので、そこを理解して販売してほしいと思ったものです。