投稿者「JMDS」のアーカイブ

お酒を飲んでいる人は太っている印象があります。中には、お酒を飲むときには純粋にお酒の味だけを楽しみたいからと、あまりというか、ほとんど食べなくなる人もいます。飲むほどにやせるという人もいるにはいるのですが、多くの人は太ります。その理由としてあげられることにアルコールの摂取エネルギー量の高さがあります。1g当たり約7kcalと、約9kcalの脂質よりも少ないものの、糖質とたんぱく質の約4kcalよりも多くなっています。
糖質、脂質、たんぱく質ともに吸収されるには消化酵素の働きが必要で、腸からの吸収率も食品と成分によって異なっています。だから、口から入れたものが、そのまま身体の中に入ってくるわけではありません。ところが、アルコールは吸収がよくて、ほとんどが入って来ます。しかも胃からも吸収されます。濃いアルコール飲料を飲むと、すぐに酔うのは、吸収される場所と吸収率が関係しているのです。
そんなにもエネルギー量が高いなら、さぞかし太るのだろうと考えがちですが、ここでいうアルコールは100%アルコールの話で、力士のようにウイスキーをストレートで飲んだとしてもアルコール度数は25%ほどで、エネルギー量は4分の1です。日本酒は15%、ワインは13%で、ビールなら5%です。
飲酒をすると体温が上昇しますが、この上昇によってエネルギーが使われるので、この分を差し引くと、それほど太りやすいわけではないのです。それなのに飲酒で太るのは一緒に食べるもののエネルギー量に関係しています。お酒が入ると食欲が増してきます。消化液の出方もよくなります。そして、脂っこいものを特においしく感じて、エネルギーの摂りすぎになります。
多くの量を飲むと、肝臓がアルコールの分解を優先させるために他の機能が低下します。その低下する機能の一つにブドウ糖の放出低下があります。肝臓の中にはブドウ糖が結合したグリコーゲンがあり、血液中のブドウ糖が減るとグリコーゲンが分解されてブドウ糖が血液中に放出されます。この働きが飲酒によって乱れて、ブドウ糖の放出が起こりにくくなり、一時的に血糖値が下がります。多くの量を飲み食いしているにも関わらず、血糖値が下がって急に食欲が高まります。
このときに食べたくなるのが〆(しめ)の一品です。〆のほとんどは糖質が含まれたものです。これを食べて血糖値が上昇して満腹を感じます。アルコールは、こういった仕組みで、多くの量を食べられるようにするために飲むものでもあるのです。
また、飲酒をすると肝臓での脂肪酸合成酵素の働きが盛んになり、これによって脂質だけでなく、糖質も材料にして脂肪酸が多く作られるようになります。脂肪酸3個がグリセライド1個によって結びつくと中性脂肪となります。この中性脂肪が脂肪細胞の中に蓄積されていきます。これも飲酒をすると太る大きな原因となっています。

ダイエットが続かないのは空腹に我慢ができなくなることと、運動が続かないことが大きな理由としてあげられます。食事の面で言えば、空腹を感じることがなければ続きやすいということで、空腹と感じない程度に食事の量を減らすか、同じ量でもエネルギー量を落とす工夫をするか、もしくは一番いいのは食事に何も手を加えずに以前と同じように食べられることです。その食べる量を変えずにダイエットを可能にするのが、食事と運動のタイミングで体脂肪をコントロールするメディカルダイエットの手法です。
今さらメディカルダイエットを勉強するのも面倒だからと、食事を変えずに運動を増やすだけでやせる方法を教えてほしいというオファーが来たことがあります。運動でジョギングを30分すれば200kcalの消費エネルギー量だから、同じ消費エネルギー量の食事は減らさないでよいだろうという発想です。200kcalだと、ご飯が茶碗で軽く1杯の分量、肉なら1切れ、卵なら1個くらいです。そう考えたいのもわからないではありません。ジョギングなら、なんとかできるだろうと思っても毎日、雨の日も嵐の日もとなると継続は大変です。
消費エネルギー量は性別、年齢、体重によって異なってきますが、「腹八分目は医者いらず」の言葉を信じて1日に2000kcalを摂っていた人が20%分を減らして1600kcalにしたとすると400 kcal分が減る計算になります。体脂肪1kgのエネルギー量は約7200kcalなので、18日あれば1kgは減らせることになります。この程度なら空腹を感じることなくチャレンジできます。これを1か月で2kgという目標としても、まだなんとかなりそうですが、1か月で4kgという目標を立てると1日に800kcalもの減少が必要になります、
「腹六分目」は、さすがに厳しい目標です。そこで再び浮上するのが運動で1日に800kcal分を減らせないかという考えですが、ジョギングだと2時間は続けなければなりません。消費エネルギー量が多い水泳(クロール)だと40分ほどになります。これだけの時間、泳ぎっぱなしというのは、もうアスリートの領域です。歩くのはどうかというと6時間も歩きっぱなしの運動量になります。個人差はあるといっても、これも毎日継続は無理なことです。
「運動だけでダイエットできるか」ということへの答えは、「無理ではないが厳しすぎる」ということです。となれば、どうすれば実現が可能かということですが、食事を減らすことと運動を取り入れることの両方で対処するしかありません。
ただ、食事のプラスのエネルギー、運動のマイナスのエネルギーの差し引きだけなく、空腹時に運動をしてから食事をすると筋肉のグリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、この状態で食事をしたときには肝臓で合成されるグリコーゲンが多くなり、その分だけ血糖値が上がりにくくなってインスリンの分泌が少なくなります。肝臓で合成される脂肪の量はインスリンの量に比例しているので、こういった身体の仕組みを利用して、できるだけ効果を上げるようにするのもメディカルダイエットの手法です。

エネルギーロスというと、せっかく作られたエネルギーが充分に使われないことを指していますが、栄養代謝について使うときにはニュアンスが違っています。もともとの意味では、例えば自動車のエンジンを動かすために入れたガソリンの燃焼効率が悪くて、下がってしまった実際の能力と計算上の能力との差がエネルギーロスとなります。また、エンジンの回転を活かすためのタイヤがすり減っていることから、思ったようなエネルギー伝達が得られないようなときにも使われます。これに対して栄養代謝での使われ方も本来はよくないイメージのはずの言葉が、食べすぎ、太りすぎの時代にはプラスの表現として使われています。
食事で摂ったエネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質のうち余分となったものは肝臓で中性脂肪に合せされて脂肪細胞の中に貯蔵されます。この脂肪合成のときにエネルギーが必要になります。この使われたエネルギーがエネルギー源のエネルギー量から差し引かれて、これがエネルギーロスとなります。ロスが多いほど少ないエネルギーが貯蔵されることになるので、本来ならエネルギーロス率が低い食べ物を多く食べようと考えられるわけです。そのエネルギーロス率が低いものは脂質です。というのは、脂質は合成される中性脂肪と似たようなものなので、変化するのに、それほど多くのエネルギーが必要とならないからです。
脂質の摂りすぎは血液中の中性脂肪、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールなどを増やして動脈硬化のリスクを高めることになるので、多くの量を摂ることはマイナスになると考えられています。太りすぎで内臓脂肪が増えることはメタボリックシンドロームになることが広く知られ、食べたもののうち体内に蓄積されるエネルギー量が少ないことはよいことだと考えられるような時代にはエネルギーロス率が低いものはよくない、むしろエネルギーロス率が高いもののほうがよいと考えられるようになっています。
そのエネルギーロス率の高いものが糖質とたんぱく質です。実際に、どれくらいの差があるのかということですが、脂質のエネルギーロス率は3%ほどです。これに対して糖質のロス率は20%、たんぱく質のロス率は23%ほどだとされています。しかし、糖質とたんぱく質は種類によって違いがあることから、大雑把に糖質とたんぱく質共に20〜23%と表現されることもあります。20%ほどのエネルギーロス率の差があるので、脂肪が多く含まれたものを食べると太りやすくなるのは当然のことです。同じ重量で比較しても、脂質は1g当たり約9kcal、糖質とたんぱく質は約4kcalなので、思ったよりも脂質の摂りすぎは太ることがわかります。
肝臓での脂肪合成はインスリンによって促進されます。インスリンは自律神経の副交感神経の働きによって高まるので、副交感神経の働きが盛んになる夕方以降の食事で脂肪を多く摂ると太りやすくなることがわかります。ということは、1日に同じだけの糖質、脂質、たんぱく質を摂ったとすると、夕食で脂質を減らし、朝食と昼食で脂質を増やしてバランスを取るのがダイエットには効果的ということです。

12月4日を「ヒトケミカルの日」と制定しました。制定したのは日本メディカルダイエット支援機構で、いわば“勝手記念日”です。公式の記念日は役所や公益団体、企業、日本記念日協会などが定めていますが、記念日の制定は普及には大きな支えとなっています。それは当機構の理事長が全国納豆協同組合連合会の納豆の日(7月10日)、日本豆腐協会の豆腐の日(10月2日)のメディア広報を担当していたときに強く感じていたことです。もう一つ関わりのあった日本豆乳協会の豆乳の日(10月12日)とともに大豆三大記念日広報とも言われてきましたが、次に普及していくのが三大ヒトケミカルの広報です。
ヒトケミカルは代謝に必要な成分ですが、その中でも①体内で合成されている、②20歳代をピークに減り続ける、③医薬品の成分として有効性が確認されている、④食品として使用が許可されている、という条件に当てはまっている代謝で特に有効性を示しているものを“三大ヒトケミカル”と呼んでいます。具体的にはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の3種類の成分のことですが、あえてα‐リポ酸は「R体のα‐リポ酸」として広報をしています。
というのは、α‐リポ酸には天然型のR体と非天然型(人工型)のS体があり、体内ではR体しか働きません。それなのにR体とS体を組み合わせたサプリメントが一般に使われているからです。
なぜ、ヒトケミカルの日が12月4日なのかということですが、付き合いの長い広報関係者から、「どうせ語呂合わせでしょ」と言われ、「ひょっとすると、ヒト(1)に(2)良い(4)という気では」と指摘されました。選定理由は違っているのですが、これは広報の切り口として使えるアイデアをもらったかもしれません。
12月4日にヒトケミカルに関する何かの出来事があったということではないのですが、1、2、4の数字に意味があります。医薬品だけだったものが食品としても使えるようになったというのがキーポイントで、食品として許可されたのはコエンザイムQ10が2001年、L‐カルニチンが2002年、α‐リポ酸が2004年です。そこで末尾の数字を取って、「1、2、4→12月4日」としました。それなら1月24日でもよいのではないかという意見も出そうですが、広報イベントを開き、それに合わせて準備を進めるには年明けの1月24日は慌ただしいので、まだ12月4日のほうがやりやすいという都合もあって決まりました。
R体α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10というと一般に知られているのはダイエット素材としてです。一番ダイエット素材が必要なのは代謝が低下してくる中高年以降だと思いますが、一番使っているのは10代から20代の女性です。範囲を広げても30代前半です。この年代は三大ヒトケミカルが体内で一番合成され、一番蓄積されています。ただ口から入れて代謝を高めようとしても、もともと充分な量があるはずなので、大きな効果は期待できません。
この年代で効果が得られるとしたら、運動をしている方です。運動といっても競技スポーツをする必要はなくて、ウォーキング、できれば普通歩行のスピードだけでなく、速歩を途中で入れるといった適度な負荷がかかる運動となる歩き方をしていることが求められます。運動によって筋肉をつけるにはコエンザイムQ10の働きが必要で、筋肉のもとになるたんぱく質が多く含まれる肉、魚、卵、大豆などを摂ることが重要です。
若い方は体内で合成されるといっても、その材料になるアミノ酸、ビタミン、ミネラルが食事で充分に摂れていなければ不足状態になっている可能性があります。食事で補うのが基本であることは間違いないのですが、ダイエットのために食事の量が不足している方にはサプリメントとして三大ヒトケミカルを摂ることもすすめられます。
実際の広報活動としては、あと1年準備をして、平成30年から始まります。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。

スーパーフードは栄養が豊富で、その栄養素がバランスよく含まれている自然食品を指しています。その代表的なものとしてチアシード、キヌア、ヘンプシード(麻の実)があげられています。こういった定義に囚われずに、といったら聞こえがよいのですが、栄養豊富なものは何でもスーパーフードにして売っている例もあり、首をかしげることも少なくありません。
ここではチアシードを例にして話を進めさせてもらいますが、栄養豊富で、バランスがよいので期待通りの食品であって、アメリカのセレブが活用しているので美しくなれるとかスリムになれるというイメージの通りになるのかという話です。
チアシードは古来よりアステカ族が常用してきたな南米のミント種に属する植物種子です。n‐3系(オメガ3)脂肪酸が約23%と食品の中では極めて含有量が高く(一番とうたっているものもあります)、n‐3系脂肪酸には血管保護、血流促進などの作用があります。このほか、食物繊維、たんぱく質、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、抗酸化成分が豊富に含まれています。
34%も含まれている食物繊維は水溶性食物繊維であって吸収性が高く、胃の中で水分を吸ってゲル状(ゼリー状)になり、約14倍にも膨らみます。そのため胃が膨らむことで腹持ちがよくなり、吸い込まれた水分は胃の中から徐々に離れていくことから、水分が急激に失われることがなくてランニングフードとも呼ばれています。これらの機能によって、血糖値、中性脂肪値、血圧の降下作用が認められています。
という話を聞くと、チアシードを食べることだけで健康になれそうな気がしてきますが、栄養豊富であることと実際に体内に栄養が吸収されるかどうかは別の話です。栄養豊富な食品といえば種子と豆があげられますが、種子は殻が固くて、胃液では消化されません。消化されないと吸収はされないので、そのまま口の中に入れても栄養や優れた成分が体内に入ってくるわけではないわけです。
これはキノコにも言えることで、以前に大ヒットしたアガリクスは豊富に含まれる多糖類が免疫細胞の栄養源になるということで、がんの予防・改善を求める人に使われていました。初めに日本に紹介されたときにはお湯で煮出して飲むことがすすめられていましたが、アガリクスは乾燥させたキノコで細胞壁が極めて固いことから煮たくらいでは多糖類が出てこないことがわかりました。そこで、細胞壁を破壊したものや発酵させて有益菌に細胞壁を分解させたものが出てきました。
これと同じように、種子の場合も細胞壁を破壊しておけばよいわけですが、破壊や発酵は加工食品やサプリメントだからできることで、食品そのもので吸収される形にして販売されることは、なかなかないことです。ごまをすり潰したすりごまくらいでしょうか。ここで例としたチアシードは種子そのものなので、それと同じことが言えます。
チアシードを例にあげたのは、他の種子のように腸を素通りして終わりというわけではなくて、優れた水溶性食物繊維の効果だけでも充分なくらいだからですが、栄養豊富と吸収量は別問題ということを頭に置いて、何を食べればよいかを考えてほしいのです。

ウォーキング指導をしているときに、左右の足の運びが違っている人をよく見かけます。本人は左右ともに同じ歩幅にして歩いているつもりでも、片方が前に出にくくて左右で歩幅が違うことから、左右のバランスが取れた歩き方になっていないのです。これでは筋肉の疲れ方も違い、膝などにかかる負担も違ってきます。そのために歩くほど左右のバランスが崩れてしまい、足腰を傷める結果にもなりかねません。内臓は骨盤の上に乗ったようになっているので、そのような歩き方を続けていると内臓に影響が出ることにもなります。
本人に気づいてもらうために、短い距離ですが、目を閉じて歩いてもらいます。まっすぐに歩く基準となるように一本のラインのところに立ってもらい、目を閉じて10歩ほど歩いてもらうと、10人中の少なくとも2〜3人は左右どちらかに曲がります。これは歩幅が違うというよりも、骨盤の左右の高さが違う形でゆがんでいることから起こることです。
「骨盤がゆがむ原因は足を組んで座ること」と、よく骨盤ダイエットの効果があるサポーターなどの販売広告に書かれていますが、それが原因とは限りません。骨盤がゆがんでいるから、まっすぐには座りにくくなり、上がっている側の足を上にして組むと楽に座れる、というのは確かなことです。
このことから骨盤の歪みをチェックすることができます。右を上にして組む人は、左を上にすると組みにくくなります。組みにくいどころか、きつくて組めないという人も少なくありません。この状態になっていると目を閉じて歩くと、きつくて組めない側に曲がっていきます。つまり、骨盤は楽に組める側が上がっていて、反対側が下がっているからです。下がっているのを上にして組むのはきついというのは理解しやすいと思います。組みやすい方を上にして座るクセをつけていると、だんだんと骨盤のゆがみが大きくなっていって、だんだんとまっすぐに座るのもきつくなってきます。
この状態は足が組みにくいというだけでなく、運動効率も悪くなっていきます。骨盤の高さが左右で違っていると、下がっている側の足は上がっている側よりも前に出しにくくなり、歩幅が狭くなっていきます。これが初めに述べた左右の足の運びが違う人に見られることです。この歩き方を矯正しないと、さらに骨盤は前後にもゆがんできます。となると後方にゆがんだ側の足は、さらに前に出しにくくなり、もっと歩幅が違ってきます。
本来なら左右の歩幅が同じで、同じように筋肉を使うことで勢いよく前進して行くことができます。ところが骨盤のゆがみがあると、勢いが低下して同じように歩いているつもりでも、前方向に向かうエネルギーが左右に流れてしまうことになります。普通に歩いているはずなのに、左右に体が揺れて早く歩けないという人は骨盤の歪みが始まっています。大きくゆがんでいなくても、左右のゆがみ、前後のゆがみがあると早く走れなくなります。歩くときには、そのことは気づきにくく、そのまま放置してしまいがちですが、ダイエットにも影響してきます。
足を組んでみて、左右で楽なほうが違っていたら、きつい方を上にして組むことを続けていると、軽い段階なら徐々に治していくことができるようになります。

“筋代謝力”という言葉があります。これは筋肉の能力の一つを表すもので、一般に筋力というと重いものを持ち上げるような力強さを示すもので、この他に筋持久力があります。筋力は筋肉の長さを変えないで発揮できる力のことで、重いものを持ち上げるなどして筋肉を刺激していくと最大筋力が高まっていきます。
筋力に影響を与えるのは文字通り白い色をしている白筋で、パワーは高いものの持久性が低くて、疲れやすいものです。早く動ける筋肉であることから速筋とも呼ばれています。いわゆる筋トレで鍛えているのは白筋で、筋肉を強く刺激することで筋繊維を太くしていくことができます。筋繊維というのは筋肉の細胞のことで、筋肉の細胞は細長い形をしていることから筋繊維と呼ばれています。
もう一つの種類の筋肉は赤い色をしている赤筋で、パワーは低いものの持久性が高く、疲れにくいので長く運動を続けることができます。動きが遅い筋肉であることから遅筋とも呼ばれています。白筋を使うことは時間的に限界があるのですが、赤筋は長く動くことからできるので、トレーニング方法によっては白筋よりも多くの刺激を与えることができます。その刺激によって鍛えられるのが筋代謝力です。
筋代謝力というのは、筋肉が動いたときに、どれだけのエネルギーを使うかを示したもので、そのエネルギーの元になっているのは糖質のブドウ糖と脂質の脂肪酸です。このエネルギー源を筋肉の細胞内で燃焼させてエネルギーを作り出しています。ダイエットを目的にした運動をしているときに減らしたいのは脂肪のほうで、これを減らすには脂肪酸の燃焼を進める必要があります。白筋はブドウ糖を多く使っています。それに対して赤筋は脂肪酸を多く使っているので、脂肪の燃焼能力を高めるためには赤筋を増やすことが重要になります。
赤筋を増やすためには、赤筋を刺激することが必要で、赤筋はウォーキングなどの有酸素運動によって増やすことができます。赤筋が増えれば有酸素運動によって燃焼する脂肪酸が増えていきます。歩くことでやせる身体にしていくためには、歩いて筋肉をつけることがよいというわけです。筋肉をつけるというと歩くよりも走ったほうが筋肉は刺激されます。
ウォーキングだけでなく、ジョギングもランニングも有酸素運動です。ジョギングは会話ができる程度の負荷のもの、ランニングは会話ができるレベルを超えた負荷のものを指しています。同じ有酸素運動なら走ったほうがよさそうに感じるかもしれませんが、赤筋は遅筋というくらいで、ゆっくりとした刺激が長く続くことによって、酸素を多く取り込んで動く必要があることから増えていきます。だから長く続けられる運動で、それも一定の負荷がかかったほうがよいので、同じ歩くのでもダラダラと歩くのではなく、早歩きをする、たまには息が上がるほどの早歩きを取り入れるという歩き方をすることで筋代謝力を高めていくことができます。
日本メディカルダイエット支援機構が指導・認定しているインターバルウォーキングは、まさに筋代謝力を高めて、ダイエットを成功させること、生活習慣病の予防・改善に役立てることを目指して実施しているものです。

腹部に温熱効果のあるシップを貼るだけでダイエットできる、ということをうたった商品があり、その効果についてメディア関係者から問い合わせがありました。実際の番組に使おうということではなく、おなかを温めると便通がよくなって、それが代謝を促進してダイエット効果があるという内容での企画会議をしているときに湧いてきた疑問ということで、いつものように簡単に答えてくれるAI辞書代わりに連絡をしてきたようです。当方としては本編のコメントをしたかったところですが、それについてはすでに伝えていたことで、それで企画会議に乗ったようなので、辞書代わりに返答をしました。
その商品というのは温シップのように単純に温めるものではなく、温熱効果のある刺激成分(カプサイシンなど)を配合したもので、皮膚に当てているだけで温まった感じがするものです。カプサイシンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
「おなかが温まるのは脂肪が燃焼している結果」だから「おなかを温めると脂肪が燃焼する」という理屈にしたいようです。脂肪が細胞内のミトコンドリアの中で燃焼するとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生して、ATPからリン酸が1つ離れてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが放出されます。このエネルギーのうち半分ほどは体熱となるので、発生量が多いほど、つまり脂肪の燃焼が盛んになるほど、その細胞は温まってきて、これが体温を高めることになります。
おなかが冷えている人は、おなかが温まってくるのを感じて、特に腹部が温まりやすいように思うかもしれませんが、脂肪が燃焼するときには興奮ホルモンのアドレナリンが分泌されて、この刺激を受けて脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて脂肪酸が血液中に放出されます。この脂肪酸が筋肉などの細胞で燃焼します。全身で起こっている反応なので、特別におなかの脂肪だけが燃えるわけではありません。ただ、内臓脂肪が多く蓄積されている人は、それだけ多く燃焼するのは間違いありません。
では、おなかを外から温めると内臓脂肪が多く燃えるようになるかということですが、温めたところだけ燃焼が高まるなら部分やせも可能ということになります。しかし、この確認はされていません。また、あったとしてもメカニズムの説明ができていません。
腹部から刺激成分が浸透して、これによってアドレナリンが分泌されても腹部の脂肪だけが燃えるという仕組みにもなっていません。「燃えて温まる」と「温めると燃える」は違うということです。
ちなみに、今回の問い合わせをしてきたディレクターに以前に話をした便通のことですが、腸内細菌の善玉菌は腸内が温まることで増殖して、発酵も進み、便が軟らかくなり、便量が増えることから便通がよくなるということが起こります。これに関連して話したことですが、便通がよくなると、悪玉菌の活動を抑えて毒素(有害物質)が作られにくくなります。この毒素が細胞の代謝を低くすることになるので、おなかを温めることは毒素を減らして、代謝を高めることになり、それがダイエット効果につながってくるという説明をしていました。

レムナントコレステロールがテレビ番組で取り上げられてから、セミナーなどで急にレムナントコレステロールの質問が増えました。番組の取り上げ方のせいもあって、これまで動脈硬化の原因はLDLコレステロールと伝えられていたのに、別のコレステロールが原因であったという印象を持たれたようです。私たちも含めて、間違い情報を発信してきたように思われているのではないかと気にもなりつつ、一般対象のセミナーではあるものの、できるだけ詳しく伝えるようにしています。
レムナントコレステロールは、最新情報として発表されるような発見ではなく、24年前に日本人が発見しています。ただ、レムナントコレステロールという名前が表に出て、一般に伝えられるようになったのは最近のことです。
正式名称は「レムナント様リポ蛋白コレステロール」といいます。「RLP‐コレステロール」の略称でも呼ばれています。動脈硬化は白血球の一種のマクロファージが、活性酸素によって酸化したLDLコレステロールを貪食(内部に取り込んで処理)することから始まります。貪食して活動が停止した酸化LDLコレステロールは血管の内部に入り込み、動脈を硬く、狭くしていきます。これが動脈硬化の原因とされています。
LDLコレステロールは活性酸素によって酸化さえしなければマクロファージに貪食されることもなく、動脈硬化の原因にもならないということで、LDLコレステロールの数値よりも活性酸素の消去に気を使ったほうが血管の健康を守れるという話が、ずっとされてきました。
ところが、動脈硬化になった血管を詳しく調べてみると、LDLコレステロールの影響は30%ほどで、70%ほどはRLP‐コレステロールであることがわかり、RLP‐コレステロールは酸化していなくてもマクロファージに貪食されることもわかりました。RLP‐コレステロールは大きなコレステロールで、マクロファージはLDLコレステロールの4倍もRLP‐コレステロールを取り込むこともあって、血液中で増えるだけで動脈硬化のリスクが高まっていくということでテレビ向きの話題となったわけです。
LDLコレステロールとRLP‐コレステロールは合わせてnon‐HDLコレステロールと呼ばれています。ということは、LDLコレステロールとRLP‐コレステロールにHDLコレステロールを合わせたものが総コレステロールとなります。血液検査の結果を見ると、RLP‐コレステロールが記載されていないものもありますが、総コレステロール値からLDLコレステロール値とHDLコレステロール値を除いた分がRLP‐コレステロールの量となります。
RLP‐コレステロールは血液中で増えても肝臓に回ってきたときに回収されます。それなら心配はいらないのではないかと思われるかもしれませんが、肝機能が低下した人の場合には回収が遅れることから動脈硬化のリスクが高まります。また、糖尿病の人も回収が遅れることが知られています。
糖尿病の人は血管にブドウ糖が浸透することによって血管の老化が進みやすく、そのために動脈硬化のリスクが高まると言われてきました。糖尿病の人はRLP‐コレステロールの回収が遅くなって動脈硬化のリスクが高まることがわかってくると、本当の原因を追求していかなければならない気持ちが高まってきます。
国民健康・栄養調査によると、糖尿病患者は約1000万人、その予備群も1000万人いるとの推計がされています。比較対象は成人人口約1億人です。ここまで多くなると糖尿病患者と予備群が増えてくるとRLP‐コレステロールによる動脈硬化への不安が高まってくるのも当然のことです。
そういった関連性などの研究を進めていくためには、レムナントコレステロールという名称が知られ始めたことは、よいきっかけになるかもしれません。ちなみに、レムナント(remnant)とは「残り物」という意味です。

スロージョギングは歩くペースで走るもので、走るよりも足腰など身体の負荷は少ないものの、歩くよりも心肺機能が高まり、脂肪燃焼が高まるという効果があります。歩くことに比べるとエネルギー代謝は1.6倍高まるという研究成果があります。以前に紹介したスロー筋トレは、ゆっくりと筋肉に負荷をかけて筋肉を増強させ、エネルギー代謝が高まります。スロー筋トレは何も器具などは使わずに自重だけで筋トレをしていくものですが、このスロー筋トレを歩くように前進しながら行うのがスロージョギングです。
早歩きが生活習慣病対策によい、健康寿命の延伸によいという研究成果が相次いでいる時代に、あえてゆっくりと歩こうと言っているのは何も高齢対策でもなく、介護予防の二次予防でもありません。あえて言うなら一次予防です。二次予防は介護状態にある高齢者が寝たきりにならないようにするもので、一次予防は自立できる高齢者が介護が必要な状態にならないようにするものです。今では〇次予防(ゼロ次予防)という考えもあって、これは若い人から64歳までの高齢者ではない人までの介護予防となります。
スローウォーキングは、それが目的というよりも、ウォーキングの前の準備運動、筋トレとして行うものです。ただ、ゆっくりと歩くではなく、腕を前に大きく振って水平の高さになるようにして、腕を振り上げると同時に、反対側の膝を大きく持ち上げます。膝を上げる時には反対側のかかとを浮かして、地面につけた足を伸ばす感じにします。これを立ったままで行うと自然に前に重心が移動していきます。その勢いを利用して、上げていた膝を伸ばして前に着地させます。
これと同時に着地したのと同じ側の腕を振り上げ、反対側の膝を持ち上げます。文字の説明だけではわかりにくく、コツもあるので詳しくはウォーキングの講習やイベントなどで見てもらうしかありませんが、20〜30歩も前進すると、これだけでうっすらと汗が出てくる人もいます。足の筋肉も思ったよりも使われ、筋肉に酸素が多く流れ込んでいきます。この状態で歩くと、筋肉細胞は多くの酸素を使って、多くのエネルギーを作り出すようになります。こういった効果もさることながら歩く姿勢を綺麗に保つ効果もあります。
私たちが示した通りに見様見真似でやると、一歩目か二歩目でふらつく人がほとんどです。前に進むよりも左右にブレて、前に行くべき運動エネルギーが横に流れて、前方への動きが小さくなってしまいます。しかし、何度か続けていると斜め上方向への伸びの力で姿勢が安定するようになり、左右の揺れが小さくなります。歩く前に、このスローウォーキングをしておくと、歩くときにも一歩一歩しっかりと地面を捉えて進むようになり、歩幅を広げて歩く、効率のよいウォーキングスタイルになっていきます。
歩くことは、左右に足を出せば進むことができるので、誰もが歩くことはできます。しかし、前方向への力を無駄なく使わないと、歩いた割には進まない、筋肉を使っていない、血流も思ったよりもよくない、脂肪が燃焼しにくい、エネルギーが効率よく作られずに元気が出ない、ということになりかねないので、歩く姿勢を作ってから歩き出すことをやってもらいたいものです。