NHKの特集番組「人体」で腎臓がテーマの回があり、腎臓が濾過するリンが多くなると老化が進むことが紹介されてから、「リンを減らす方法を教えて」というリクエストが増えてきました。リンは骨や歯を構成するミネラルで、体内にあるリンの80%ほどはカルシウムやマグネシウムと結びついたリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムとなっています。他に核酸やエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)、細胞膜などの構成成分となっています。
リンは加工食品や清涼飲料水などにリン酸塩の形で多く含まれているので、できるだけ加工していない食品を食べるとよいというのは以前からよく言われてきました。リンは血液中でカルシウムと結びつくとリン酸カルシウムとなり、血液中では必要のないものとなって排泄されます。“必要がない”という表現は詳しく言うと間違いで、骨の中のリン酸カルシウムは絶対に必要です。
血液中では必要がない状態になって、という表現のほうが合っているかと思いますが、リンが多くなりすぎると血管の細胞にリンが吸収されて動脈硬化の原因となることが知られています。
血液中にリンが多くなったときには、腎臓が必要なリンを血液中に戻し、多くなった分は濾過した後に尿とともに排泄されることによって調節されています。その調節が乱れるとリンが多くなりすぎて動脈硬化を引き起こすことになるのです。
腎臓の調節を乱す原因として特に注目されているのは医薬品によるダメージです。腎臓は150gほどと握りこぶし大で、左右に一つずつあります。小さな器官なのに心臓から送り出された血液の20%ほどが流れ込んでいます。血液中に入った医薬品は肝臓で一部が分解され、残ったものが全身を巡り、役目を終えた後に腎臓によって排泄されます。医薬品の量が増えると腎臓のダメージが強くなり、リンの排泄量が少なくなってきます。腎臓も血管でできているので、リンが多すぎる状態では腎臓も傷めていくことになります。
リンが増えすぎないようにして腎臓を守るためには、リンが多い加工食品などを減らすことのほかに、カルシウムを多く摂ることがすすめられます。カルシウムの摂取が多ければ、骨の中のリンも増えていきます。こうなると、腎臓はリンを多く再吸収させる必要がなくなって、余分なリンは排泄されるようになります。この結果、血管の老化が防がれ、全身の老化を抑えることができるようになるというわけです。
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肝機能が低下して解毒・分解などの能力が低下している人は「ウコンを飲めばいい」というのは、半分本当で半分間違いという考えがあります。ウコンは肝臓でのアルコールの分解を進める作用があるので、飲酒する人には有効であっても、アルコール飲料を飲めない人はウコンが肝臓内に残り、これが肝臓に負担をかけます。ウコンは漢方薬の原料の鬱金で、薬を分解するのに肝臓に負担がかかるので、かえってよくないというわけです。
健康食品を使って肝障害を起こすという健康被害があった人で、一番多いのがウコンによるものです。“クスリ”のつもりが“リスク”になっては仕方がないということで、肝臓のもとになるものを食べようと発想する人がいます。
肝臓は手術によって半分を取り除いても2か月で元の大きさになるという再生能力がある臓器です。それもあってか、肝臓をよくするためには動物の肝臓であるレバーを食べればよいという考えが広まっています。なんだか臓器移植のような感覚ですが、「レバーは人間の肝臓と似ているので肝臓を食べれば肝臓が再生される」というわけにはいきません。
肝臓はたんぱく質で構成されています。食品で摂ったたんぱく質は胃で分解されてアミノ酸になります。腸から吸収されたアミノ酸は血管を通って肝臓に運ばれ、ここで身体に必要なたんぱく質が合成されます。このことからわかるのは、肝臓を食べても肝臓の一部分になるとは限らないというのが一つです。もう一つは、たんぱく質を合成する肝臓の機能が低下していたら、充分に肝臓を補うだけのたんぱく質が作られなくなるということです。
私たちの肝臓に負担をかけているものとして、農薬、食品添加物、薬剤、化学物質などがありますが、食品として食べている肝臓に、これらのものが残留していたら、それも一緒に食べてしまうことになり、肝臓に強い負担をかけることになります。動物が有害物質を体内に取り込んでいたら、それを分解する肝臓に運ばれます。多くの有害物質が残留した状態のレバーを食べたら、「肝臓を食べたら肝臓によい」どころか「肝臓を食べたら肝臓に悪い」ということになってしまいます。
他の臓器は、それほどのことはないかもしれませんが、有害物質を分解する肝臓だけは他と分けて考えなければならないということです。では、肝臓のためには何を食べればよいのかということですが、食事療法でみてみると適正なエネルギー量にして、脂肪を控えることです。以前は充分な栄養を与えることがすすめられていましたが、栄養の摂りすぎは肝臓に負担をかけることから適度な量で抑えるようになっています。肝臓の再生には充分なビタミン、ミネラルが必要になるので、おかずの種類を増やすことが求められます。
桃太郎と金太郎で脳トレの健康音楽指導
認知症の急増を背景に脳トレが大流行しています。懐メロを歌ったりして脳の使わなかった部分を刺激するのが脳機能の低下防止によいといわれていますが、やっているうちに慣れてきて、だんだん効果が薄まってきます。そこで、別の方法に完全に切り替えるということもやられていますが、そうではなくて別の方法を少し入れて再び元の方法に戻るという方法があり、これによって脳の刺激を高めることができます。ただ、雰囲気の違ったものを入れればよいというものではなく、簡単でありながらもガラッと脳の使っている部分が変わるようなものが望ましいともいわれています。
ということで、日本メディカルダイエット支援機構が脳トレで取り入れている切り替えネタは、曲のメジャーとマイナーを変えて歌うことを実施する健康音楽指導です。メジャーというのは大手のレコード会社、マイナーというのはインディーズとも呼ばれる大手に属さない独立したレーベルのこと、というのは音楽業界の話で、ここでいうメジャーとマイナーとは別のことです。
メジャーは長調で明るい感じの曲調、マイナーは短調でくらい感じの曲調というのが単純明快な分け方です。メジャーはCスケールではピアノではド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの白鍵だけで構成されます、マイナーはド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ドと白鍵と黒鍵も使われます。
これを切り替えるというのは、メジャーの曲をマイナーで歌う方法で、この音楽健康指導を始めた岡山県の自治体に合わせて童謡の「桃太郎」のオリジナルであるメジャーの曲を初めはメジャーのままで、続いてマイナーで歌ってみせて、参加者にもメジャーとマイナーで歌ってもらいます。メジャーとマイナーの特徴を覚えて、歌い分けることで脳が刺激されるというわけです。
続いて実施するのは、「桃太郎」と「きんたろう」の歌詞の入れ替えです。「桃太郎」の歌詞を「きんたろう」のメロディーで歌います。
『桃太郎さん桃太郎さん お腰につけた黍団子 一つわたしにくださいな』
その後に「きんたろう」の歌詞を「桃太郎」のメロディーで歌います。
『まさかりかついで きんたろう くまにまたがり おうまのけいこ ハシシィドウドウ ハイドウドウ ハシシィドウドウ ハイドウドウ』
こればかりは何度も繰り返して歌ってみないことには別の歌詞で歌うということはできないのですが、サラサラと口をついて別の歌詞とメロディーの組み合わせが歌えるようになったときには、かなりの脳トレになっています。といっても、実際に認知症予防に、どれくらい役立つかの実証はこれからのことですが、日本メディカルダイエット支援機構は健康音楽指導士をメンバーに迎えています。健康音楽指導士は介護予防での音楽指導を行う専門家ですが、当機構では東京藝術大学卒業でプロの器楽奏者の健康音楽指導士との連携で、高齢者だけでなく、健康機能の向上を目指す人でも楽しみながら取り組める方法を実施しています。
NHKの特集番組「人体」で脂肪が取り上げられてから、レプチンに関する質問が増えました。番組の中で詳しく紹介したので、基本的な質問ではなく、どうすれば体内のレプチンを増やすことができるのかということを聞かれることが多くなりました。レプチンは食欲を抑えるホルモンで、脂肪細胞から分泌されます。脂肪細胞の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)が多くなると、レプチンが多く分泌されるようになり、食欲にストップがかかって脂肪細胞の中の脂肪を減らすことができるとともに、脂肪燃焼を高めてエネルギーを多く産生することができるという仕組みになっています。この仕組みからいくと、レプチンを増やすには太ればよいということになりますが、太っている人がやせようとして食欲を抑えようと考えることが多いので、太ってしまったら本末転倒です。
レプチンはホルモンであるので、ホルモンの材料のたんぱく質を多く摂ればよい、ということを紹介しているWEBサイトや健康雑誌もありますが、たんぱく質はアミノ酸に分解されて腸から吸収されて、その後は肝臓で体内に必要なたんぱく質に合成されるので、レプチンが作られるとは限りません。他に必要なたんぱく質があれば、後回しとなります。
レプチンを増やす栄養素としてはビタミンEや亜鉛があげられていますが、これも不足している人だとレプチンを増やすところまで行かないのがほとんどです。
レプチンを増やすことができたとしても、そもそも日本人はレプチン抵抗性の人が多く、このことによって日本人は太りやすい体質となっています。レプチン抵抗性というのは、脳の視床下部がレプチンの刺激を受けても充分に反応しない状態で、太ってきても食欲が抑えられない人が日本人は特に多くなっています。
脂肪細胞の数が多く、脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪が増えるとレプチンが多く分泌されます。ストレスがたまってくると甘いものが欲しくなりますが、これは糖質のブドウ糖によって精神的に安定するようになるからです。ストレスは食欲を高めるので、レプチンが分泌されても食欲が充分に抑えられないようになります。そのためにレプチンが多く分泌されるようになりすぎて、レプチンに対応するように抵抗性が高まっていくようにもなります。
ストレスはレプチン抵抗性を高めるとしても、ではストレスを解消すれば、すぐにレプチン抵抗性が解消されるのかというと、そう簡単ではありません。レプチン抵抗性がある人は太りやすいことは間違いないので、それを意識して食事を調整すること、運動をする機会を増やすことを心がけるという当たり前のことをすることから始めるしかないようです。
「マヌカハニーのテレビコマーシャルをやっていますね」というメールがありました。健康情報をやり取りしているメディア関係者からですが、テレビで流れているのは“まろやかハニー”です。ヤクルト菌を用いた飲料にハチミツを加えたもので、2017年10月から2018年の1月までの限定発売と聞いています。メールをしてくれた方は、口の中の環境の胃の中の環境、さらに腸の中の環境のためにとニュージーランド産のマヌカハニーを食べているのですが、特に気にしているのは口の中の環境だと話していました。
腸内環境というと、善玉菌と悪玉菌のバランスを整えて、“腸内フローラ”を美しい状態にすることを目指して食生活の改善に取り組む人も増えています。日本メディカルダイエット支援機構では腸内環境は健康的なダイエットのためには重要と考えていることもあって、さまざまな情報発信を行っています。その中の一つに口内環境があり、その手段の一つとしてマヌカハニーがあります。手段の一つということは他にも手段があるということで、舌磨きの情報も提供しています。
口の中には300〜700種類もの菌がいるといいます。数としては歯磨きをよくする人の場合には1000億〜2000億個、あまり歯磨きしない人では4000億〜6000億個、そしてほとんど磨かない人では1兆個を超えるといわれています。この数を見て、「肛門より汚い」と言った人がいました。肛門の菌の数は調べたことがないのですが、便中の菌は1g当たり100万個といわれているので、確かに多すぎる菌数です。
口内の菌が増えると口臭の原因となります。口の中はベタついた感じになり、増えすぎた菌によって虫歯や口内炎になる危険性が高まるだけでなく、肺炎や糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞の発症リスクを訴える専門家も少なくありません。口内の菌は悪いものだけではなく、常在菌と呼ばれる身体に悪さをしない菌もいます。善玉菌のようなもので、良い菌と悪い菌がバランスを取っていることで美しい“口内フローラ”が形成されています。
このお花畑のようなフローラが乱れてくると、免疫低下を起こして、これが病気につながってくるとの指摘もあります。その前に口臭が強くなるのは誰しも気になります。欧米ではドラゴンブレス(竜の口臭)と呼ばれるほど強烈な口臭の人がいます。さぞかし気にしているのかと思ったら、自分の臭いには気づかない、周りの人の口臭も強いので気づかないということで、口臭が全体に弱い日本人は少しでも口臭が強くなると気になって仕方がないということになります。
口臭が強い人は歯磨きだけでなく、お口クチュクチュの液剤を使ったりしますが、原因の解決も必要で、その対策として舌苔(ぜったい)の除去があげられます。舌の苔(こけ)と書くように、舌の上にできる苔のようなもので、歯磨きのついでに歯ブラシで舌の表面をこすってみると黄色い汚れがつきます。舌苔が多い人では茶色に変化します。少ない人だと白っぽくなります。舌の表面には味蕾という味を感じ取る蕾(つぼみ)のような受容器があり、歯ブラシでこするとブラシにも舌苔が付着しますが、味蕾の中にも押し込まれるようになって、これが口内の菌を増殖させる要因にもなります。
舌の表面には食べかすが残り、適度な温度と水分があるので、菌が増殖するには絶好の条件となっています。それに加えて免疫が低下していると常在菌が戦えなくなって、悪さをする菌が大増殖していくことになります。朝は目覚めた後か食後に歯磨きをしますが、舌磨きは専用の舌ブラシを使って起床後に舌苔を取っておきたいものです。寝ている間に増えるので、就寝前にも習慣化したいものです。飲酒後にも舌苔は増えます。味蕾は傷つきやすいので、あまり擦りすぎないことだけは注意が必要です。
目に見える口の動きと耳に聞こえる言葉にズレを感じるという症状は、患者数としては、それほど多くはないのですが、年を重ねてから現れるようになると、これまでの長い年月で、まったく経験がないことを見るために、生活に特に不便はなくても気分がよい状態ではなく、気にしないようにしてもストレスはたまる一方となります。それを62歳を過ぎてから実体験することになった日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、「そのうち慣れるのでは、と思っていたけれど、目と耳の感覚が特に衰えているわけではないので他人との会話がきつい」と話します。
そんなことが、なぜ起こるのかということについては以前にも触れましたが、もともと目からの情報と耳からの情報は脳内の伝達ルートと神経伝達のスピードの違いから、0.5秒ほど耳からの情報が早くなっています。このズレを脳はうまく調整して、口の動きと言葉が合っているように感じさせているのです。脳がちゃんと調整していればよいのですが、加齢や脳機能の低下があるとズレが修正されずに口の動きが0.5秒ほど遅れるため、いっこく堂の腹話術のように感じて、これがいつも続くので奇妙な感じで過ごすことになります。つまり、本来の姿が見えるようになっているわけですが、そんな悠長なことは言っていられないというのが本人の感想です。
目で見えたものを脳が調整して正常に見せているということでは緑内障があげられます。片目が緑内障によって視界の一部が欠けるようになっても、もう一方の目が正常に見えていると、脳の中で見えている画像を見えていない部分に当てはめるようになって、両目で見ている分には不自由に感じないことがあります。そのため、緑内障の検査では片目ずつ視界の広さの違いを調べています。
視覚と聴覚のズレは片目を閉じたから、片耳をふさいだからといって変化が出るようなものではないので、徐々に変化をしていると、まず気づくことはありません。当機構の理事長が自分の状態を隠さずに話すようになってから、「実は自分も同じ」と話してくれる方が出てきました。その方は、耳で聞こえた言葉と口の動きのズレを感じるようになってから、自分の目が変になったのかと思って、病院の眼科に行ったそうですが、該当する症状がないことから、精神科を受診することをすすめられたそうです。精神科でも該当することがなく、今度は認知症などを扱う脳神経科に行くことをすすめられたタイミングで理事長に話をする機会があったということです。
この視覚と聴覚のズレについては、眼科でも耳鼻咽喉科でも精神科でもなく、あえて言うなら脳神経科ということになるのでしょうが、原因となっていることがわかり、どこに問題があるのかまでは研究が始められているものの、根本的に治療する方法はないとのことです。
若い人だと他人とのコミュニケーションにも、仕事にも影響を与えることですが、今どきは他人と深く関わらないでもできる仕事も増えているので、口の動きと耳からの情報がズレていたとしても生きていくのに困らない時代になったとの認識です。ましてや高齢の者となると、もっと気にせずに生きていけるので、不便を感じる状態になったのを“これ幸い”と思って、これまでの生活パターンを変えてみるのもよい、という話をして、お互いに納得したということでした。
日本メディカルダイエット支援機構が実施しているインターバルウォーキングと、メディアにも登場するインターバル速歩は同じものなのか、という質問を受けることが多くなりました。その返答を簡潔にすると、「同じ部分もあり、違っているところもある」となります。同じ部分というのは、早歩きと普通の速度での歩きを繰り返すことです。違っているところは、インターバルウォーキングは均一的な歩行法ではないということです。
インターバル速歩は信州大学から始まったウォーキング法で、ゆっくり歩き(普通歩行)と早歩きを3分間ずつ交互に繰り返す歩き方で、肥満解消、筋力向上、血圧や血糖値の改善などの報告があると報告されています。早歩きを3分間することによって足の筋肉に多くの酸素が送られ、そのあとに普通歩行をすることによって酸素を使って脂肪燃焼が進むというのが基本的な理屈になっています。これはサーキットトレーニングと同様の理屈です。
これに対してインターバルウォーキングはというと、基本的な理屈は同じではあるのですが、対象者によって歩き方を変えて、より効果が得られるようにしていることです。血糖値が高い人はブドウ糖を燃焼させるのが優先されますが、歩き始めて10〜15分ほどはブドウ糖が優先的に燃焼されることから短い時間のウォーキングを何回か繰り返すようにしています。人によって変化はつけていますが、普通歩行を5分間、続いて速歩を3分間、そのあとは10分間ほどの普通歩行を行います。
もちろん、最後の普通歩行は10分間に限らず、15〜30分間も実施してもよいのですが、運動の時間がない人は合計で18分(5分+3分+10分)のインターバルウォーキングを1日に2〜3回、行うようにします。
中性脂肪値が高い人は中性脂肪を燃焼させなければならないわけですが、15分以上の普通歩行によって脂肪燃焼が高まるので、慣らし歩行の5分間、速歩の3分間のあとに30分ほどの普通歩行を行うようにします。思ったように脂肪燃焼効果が得られないという人は、普通歩行5分間、速歩5分間、普通歩行15分間のあとに速歩3分間を入れて、そのあとは20分以上の普通歩行を続ける方法もあります。
生活習慣病予防のためには1日に20分間の速歩を実施するのがよいとされているので、3分間の速歩2回を1セットとして、1日に3〜4回セットの速歩を取り入れたインターバルウォーキングをすることをすすめています。
血圧が高めの人にも同じようなインターバルウォーキングを実施するようにしていますが、血圧は高さだけでなく、動脈硬化の度合い、他のリスクも加味して、できるだけ血管に負担がかからないようにしながらも血圧が抑えられるように速歩の時間を1〜3分の間で調整しています。
しかし、これにも個人差があるので、基本編の歩き方を習得してもらってから、それぞれの方に適した方法を考えるようにしています。指導する側としては手間がかかって仕方がないのですが、総論ではなく各論のアドバイスができなければ意味がないので、頑張っています。
「高級な脂肪酸は、どこが高級なんですか」という質問をセミナーでされたことがあります。ダイエットに関わるセミナーでのことで、脂肪酸の種類によって身体によいものと、よくないものに分けて考えて摂るべきだという話をしたのですが、そのときに高級脂肪酸という名前を聞いたことがあって質問をしたようです。高級な脂肪酸を摂っていれば健康によいのではないか、という考えがあってのことでした。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素の原子で構成されていて、炭素原子が鎖状につながっています。食品に含まれる脂肪酸は炭水化物の一種であるグリセロールと結びついた中性脂肪として身体の中に入ってきます。これを分解するのは胃と膵臓から分泌される脂肪分解酵素のリパーゼです。脂肪酸は、その中にある炭素の数によって、短鎖脂肪酸(炭素数7以下)、中鎖脂肪酸(炭素数8〜10)長鎖脂肪酸(炭素数11以上)に分けられています。炭素数が10以下のものを低級脂肪酸、それ以上のものを高級脂肪酸という分類をしています。
一般には脂肪酸は、結合の仕方によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類する方法が知られていますが、炭素の鎖の数によって分ける方法もあるのです。高級脂肪酸というのは、脂肪酸が高級という意味ではなく、単なる分類だということです。それなのに“高級脂肪酸配合”といった表示で販売されている例があるので勘違いを起こさせているのです。
短鎖脂肪酸は水溶性で、そのまま吸収されます。中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸は脂溶性で、胆汁に含まれる胆汁酸によって分解されて吸収されやすい水溶性の性質に変化します。中鎖脂肪酸は鎖が短いことから分解されやすく、分解された脂肪酸はエネルギーとして燃焼しやすくなっています。健康面について考えるときに問題となるのは長鎖脂肪酸で、動物性食品に多く含まれていて、摂りすぎると血液中で固まり、動脈硬化のリスクを高めることが知られています。
脂肪の吸収を妨げる成分は、さまざま確認されています。流行ともいえるのが難消化性デキストリンというジャガイモやトウモロコシのデンプンから作られた消化酵素によって消化されないデンプンのことで、血糖値の上昇を緩やかにする、脂肪の吸収を抑えるというので健康機能を打ち出した食品に使われています。身体によい脂肪は吸収して、長鎖脂肪酸は吸収を抑えるということであればよいのですが、選択的に吸収を左右するという機能は認められていません。
しかし、業界で“スーパー難消化デキストリン”とも呼ばれているシクロデキストリンは長鎖脂肪酸の吸収を抑えて、短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸は吸収を妨げないという特殊な性質を持っています。魚類に多く含まれるDHA、EPAは長鎖脂肪酸ですが、シクロデキストリンは、これらの身体に有効な長鎖脂肪酸の吸収は妨げてはいません。
シクロデキストリンは環状オリゴ糖とも呼ばれていて、原材料はトウモロコシのデンプンから作られるブドウ糖ですが、ブドウ糖6個が輪になってつながっています。一般のオリゴ糖が鎖状につながっているのに対して、輪になっていて、その数も決まっていることが特別な効果を生み出しているのです。
シクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
細胞の中でエネルギー代謝が起こると代謝水が発生します。代謝水というのは、細胞のミトコンドリア内にあるTCA回路の中で糖質や脂質が燃焼してエネルギー物質のATP(アデノシン酸リン酸)が発生するときに、代謝物として二酸化炭素とともに発生する水です。一般には1日に200mlの代謝水が作られているといわれ、ほとんどの書籍やWEBサイトには、この数字が出てきます。
それは本当なのか、という質問が雑誌記者からありました。エネルギーが発生した結果として発生する水なので、食べるエネルギー量が多くなれば、それだけ代謝水も多くなるのではないとの疑問ですが、これは当たり前の発想です。実際にはどうなのかというと、三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質によって燃焼後に発生する代謝水の量は違っています。100g当たりで比較すると、糖質は約60ml、脂質は約107.1ml、たんぱく質は約41.3mlとなっています。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2015年版)によると、三大エネルギー源のバランスは糖質が50〜65%、脂質が20〜30%、たんぱく質が13〜20%の割合となっています。これを計算しやすいように糖質60%、脂質25%、たんぱく質15%の割合として、1日の平均の摂取エネルギー量をかけて、それぞれの重量を計算します。
成人の女性の場合の摂取エネルギー量は約2000kcalとして、糖質は60%なので1200kcalとなります。脂質は500kcal、たんぱく質は300kcalとなります。糖質は1gが約4kcalなので300gとなります。脂質は1gが約9kcalなので55.6g、たんぱく質は1gが約4kcalなので75gとなります。
代謝水は糖質が1g当たり0.6mlとなるので300gでは180mlとなります。脂質は1g当たり1.071mlとなるので55.6gでは約59.55ml、たんぱく質は1g当たり0.413mlとなるので75gでは30.98mlとなります。これを合計すると約270mlとなります。女性は摂取エネルギー量が少ないので、一般に言われる200mlと比べると多めの量となっています。
成人の男性の摂取エネルギー量は約2600kcalと女性の1.3倍なので、代謝水も同じ割合で計算すると約351mlとなります。これは日常的な摂取エネルギー量で計算していて、運動が増えて消費エネルギー量が増えると、それに合わせて摂取エネルギー量も増えていきます。運動したり、発熱があるときには、もっと多くの代謝水が作られるということです。
代謝水が多いということは、それだけ作り出されるエネルギー量が増えているということで、活動のため、元気のもととなるため、体温を高めるためのエネルギーが多くなっているということです。代謝を高めるためにはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂の摂取が必要なこと、三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が重要であることは、これまでも紹介してきました。これらの成分も欠かさないようにすることが大切になります。
これらの成分については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
全国紙の記者から「インスリン抵抗性を改善するには、たんぱく質制限が必要なのですか?」との質問を受けました。なぜ、こんな質問をしてきたのかというと、調剤薬局でもらった糖尿病の食事療法のパンフレットに、そのようなことが書かれていたからとのことです。それをデータで送付してもらったところ、製薬会社が発行しているもので、その中に「たんぱく質や塩分はインスリン抵抗性に悪影響を与える」と書かれていました。インスリン抵抗性はインスリンが分泌されているのに、それを受ける細胞の反応がよくないために血糖値が上昇しやすくなることを指していて、日本人はインスリン抵抗性によって糖尿病になることが多いと指摘されています。
インスリン抵抗性は過食や運動不足が原因であり、肥満によって脂肪細胞から分泌される生理活性物質のアディポネクチンによって引き起こされることが知られています。糖尿病になると血管がもろくなっていくことから血管の健康を守るために、その材料となるたんぱく質を摂ることが必要になります。また、糖尿病の人は筋肉が衰えやすく、筋肉を増やすことによって消費エネルギー量を増やすことができることから、たんぱく質の摂取は重要であるとの食事指導が行われます。高齢者の場合には糖尿病だけでなく、たんぱく質を確保することによって全身の健康に役立つということで、「高齢者は肉を食べろ」と言われるようになっています。
肉には脂肪も含まれるので、脂肪が少ない肉の選び方、脂肪を減らす調理法や脂肪の資料量が少ない調理法が紹介されています。それだけでは充分ではないという人には、脂肪の吸収を阻害する難消化性デキストリンやシクロデキストリン(環状オリゴ糖)、脂肪酸の燃焼を進める作用があるL‐カルニチンの摂取などもすすめられています。
糖尿病の人のインスリン抵抗性とたんぱく質摂取の関係性については、「高たんぱく質の食事摂取によって体重減少はみられるもののインスリン抵抗性の改善はみられない」との研究成果がアメリカ・ワシントン大学から発表されたことがあります。一時期、多くの医学者に注目されましたが、たんぱく質を多く摂るとインスリン抵抗性が悪くなるということではありません。推奨量のたんぱく質を摂取している人ではインスリン抵抗性が25〜30%も改善したのに、高たんぱく質の食事をしてもインスリン抵抗性の改善はみられなかったという報告でした。
送付してもらったパンフレットにはインスリン抵抗性とメタボリックシンドロームとの関係が示されていて、「たんぱく質を控えないと減量できない」と書いてありました。これを読んで、たんぱく質の量を減らすようになってしまったら糖尿病の予防・改善だけでなく、他の疾患の予防・改善についても逆効果になりかねないとのコメントをさせてもらいました。
ちなみに厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2015年版)によると成人の1日当たりのたんぱく質摂取推奨量は男性が60g、女性が50gとなっています。
シクロデキストリン、L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。





