投稿者「JMDS」のアーカイブ

日本メディカルダイエット支援機構では、入浴と食事のタイミングによる効果的な体脂肪コントロール法について研究して、スポーツ選手など体脂肪の調整が必要な人の指導に用いています。特に効果があるのは夕食とのタイミングで、昼間には自律神経の交感神経がメインで働いていますが、夕方以降は副交感神経がメインとなります。夕食前の時間帯は交感神経と副交感神経の切り換えのタイミングとなっています。
糖質のブドウ糖に反応して分泌されるインスリンはブドウ糖を細胞に取り込ませるように作用するホルモンであると同時に、肝臓で脂肪酸を合成させるホルモンでもあります。肝臓で合成された脂肪酸は、肝臓の中で脂肪酸3個とグリセライドという脂肪の一種とが結びついて中性脂肪となります。中性脂肪が多く作られると脂肪細胞の中に蓄積する脂肪が増えることから太っていくようになります。インスリンの分泌は副交感神経の作用によって高まっていくので、脂肪を減らしたい人には副交感神経の働きを抑えた状態で食事をしてもらいます。
入浴は低めの温度で、長めにお湯に浸かっていると副交感神経の働きが高まります。この状態では心身ともにリラックスして、心臓の鼓動が抑えられ、血圧の上昇も抑えられるようになります。これは身体のためにはよいことですが、この状態で夕食を食べるとインスリンが多く分泌されて体脂肪が増えるようになります。やせたくない人、脂肪としてエネルギー源を溜め込みたい人には好都合のことですが、やせたい人にとっては逆効果になります。
そこで体脂肪に蓄積される脂肪を増やしたくない人には、交感神経を刺激するように熱めの温度の入浴をすすめています。交感神経が盛んになるのは42℃以上の入浴で、40℃以下の入浴では副交感神経が盛んに働くようになります。交感神経が刺激されっぱなしの状態では身体の疲れが取れなくなるので、副交感神経によって興奮が抑えられるぬるめの入浴にして、浴室から出る前に熱めのシャワーを浴びると交感神経に切り換わった状態で夕食に向かうことができます。
湯船に浸かるのは面倒だからとシャワーで済ませる人もいますが、ゆるめの温度のシャワーでは身体が温まりにくく、身体が冷えるようにもなるので、温度は42℃以上となるのが普通です。しかし、初めから42℃以上の入浴ではリラックス効果が得られなくなるので、ゆるめのお湯に浸かってから後でシャワーを浴びることをすすめています。
このことを雑誌記者に説明したところ、「興奮状態にならないようにしたい人にはシャワーはよくないのか」と聞かれました。夏場は温度を低めにしてシャワーで済ませてもよいのですが、秋以降には室温も身体も下がっているので、どうしてもシャワーの温度は高くなり、交感神経を刺激する温度になります。興奮状態になって血圧が上昇することなどを心配する人は、シャワーではなく、ぬるめのお湯に入って副交感神経の働きを盛んにすることをすすめています。
シャワーは身体の表面を温めても、筋肉の中までは温めてくれません。それに対して、ぬるめの温度での入浴は身体を芯から温めてくれるので、浴室を出てからも体温が適度に保たれて、心臓や血管にかかる負担を減らしてくれるのです。

ノルディックスタイルのウォーキングは2本のポールを用いて歩くものですが、ウォーキング法によってポールの種類が使い分けられています。一つは北欧で発祥したクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったノルディックウォーキング用のポールの先が斜め45度のゴムパッドが取りつけられたもので、ポールを後方について推進力を得て勢いよく歩くためのものです。後方に押し出すことからグリップが握れずに一瞬、手が離れることがあるためにストラップで手とポールを結ぶようになっています。
もう一つは日本で生まれた高齢者にも対応できるもので、ゴムパッドは丸型か平型になっています。ポールを使って上体を支えることによって身体を安定させて、下肢の負担を減らすことで安心して歩くことが目的で、グリップは完全に握る形となっています。こちらはノルディックウォーキングに対して、ポールウォーキングとも呼ばれています。
ノルディックウォーキング用のポールもポールウォーキング用のポールも目的に合った使い方をすれば充分にウォーキングの効果が得られるように考えられていますが、ポールの目的と違う使い方をするとトラブルを起こしかねません。
高齢の方でノルディックウォーキング用のポールを持っている人がいると、必ずといっていいほど歩き方を聞くようにしています。そして、時間があるときなら歩き方を見せてもらうようにしています。高齢の方でノルディックウォーキング用のポールを持っている人の中には見た目は丈夫そうでもないのに、ポールを持って歩くとグイグイと勢いよく歩く人もいるので、すべての人がポール選びを間違っているのでは、と考えることはできません。しかし、選び方が間違っている人がいるのも事実で、どうやって歩いているのか気になって仕方がありません。
ポールウォーキングのときには、ポールは前側につくのが基本となります。歩き慣れて、少し早めに歩けるようになってきたら横につくようになっていきますが、勢いよく前に足が出る分だけ足がポールを追い越して、ポールは少し斜め後方の角度になります。そういった歩き方に対応するようにゴムパッドは丸くなっています。
前か横について歩くようにしている方がノルディックウォーキング用のポールを使って歩くと、ゴムパッドに45度の角度がついているので、着地するのは面ではなく線になります。あくまで45度の角度でポールをつくことによって面で接地するようになっているので、ゴムパッドの端の線での接地では不安定になります。丸いゴムパッドだと面にはなるものの狭い範囲です。そこでパッドを平らにしたタイプが登場しましたが、接地する部分は丸型になっているのでポールを垂直につくとピタッと地面に接するものの、ポールが斜めになると円形の側面が触れるようになるために、やはり不安定になります。
これを解決するために、ゴムパッドに柔軟性を持たせたものが開発され、これは1社が特許を持っています。これなら前突きでも斜めについても面で接地するので、安心して腕の力をポールを通じて路面に伝えることができます。こういった安全で効率のよいポールがあるので、ノルディックウォーキング用のポールを使っている人を見たら、それは声をかけたくもなります。「こういうポールに代えたほうがよい」とまでは言いませんが、種類があることだけは伝えたくなります。

高血圧、糖尿病、脂質異常症は全身疾患とも呼ばれています。基準値を超えていても血圧が高い、血糖値が高い、中性脂肪値やLDLコレステロール値が高いという段階では、まだ病気ではなく未病状態であって元の健康な状態に戻せるという考え方もありますが、全身に影響を与えるというところが問題です。
動脈に強い圧力を与える高血圧は血管に徐々に影響を与えていきます。血糖値が高くなりすぎるとブドウ糖が血管の細胞に浸透して細胞の代謝(新陳代謝)を低下させることから血管を脆くしていきます。血管の細胞だけでなく、血糖値が高い期間が長くなるほど全身の細胞にもブドウ糖が浸透していく糖化が進んでいって、全身の老化を進めることにもなります。中性脂肪もLDLコレステロールも血液中に多くなりすぎると動脈硬化を引き起こすことになります。
血管が全身の細胞に栄養と酸素を運び、それを受け取って全身の細胞が活性化することを考えると高血圧、糖尿病、脂質異常症は気がつかないうちに全身の細胞からダメージを与えることになります。全身の細胞への影響ということでは、がんと糖尿病の研究も進んでいて、糖尿病の人と、それ以外の人のがんの発症率を比べると全がんでは約1.2倍の確率であり、部位別にみると肝臓がんと膵臓がんでは約2倍、大腸がんでは約1.5倍、胃がんでは約1.2倍にもなっています。その一方で乳がんや前立腺がんは1を割っていて、糖尿病との関連性は認められていません。
この研究調査は日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会によって発表されたものですが、糖尿病で発がんの確率が高まる理由としては、糖尿病による酸化ストレス、炎症、インスリン濃度の高さが考えられています。糖尿病はインスリンの分泌量が低下していることの他に、インスリンは分泌されているものの細胞がインスリンを活用できにくくなっているインスリン抵抗性によって起こります。インスリン抵抗性ではインスリンが分泌されているだけでなく、インスリンの効きが悪いことから分泌が続いて濃い状態になっているわけですが、過剰なインスリンが発がんに影響していると考えられています。こういうことを聞くと、インスリン注射を使っている人は心配になるかと思いますが、インスリン注射で発がんの可能性が高くなることは否定されています。
糖尿病とがんの関係性については、アジア人を対象にした大規模コホート研究によって、糖尿病の人はがんによる死亡リスクが26%も高まるという報告がされています。部位別では大腸がんは1.41倍、肝臓がんは2.05倍、胆管がんは1.41倍、胆嚢がんは1.33倍、膵臓がんは1.53倍、乳がんは1.72倍、子宮体は2.73倍、卵巣がんは1.60倍、前立腺がんは1.41倍、腎臓がんは1.84倍、甲状腺がんは1.99倍となっていました。
男女別にみて差があるのかということが気になりますが、日本糖尿病学会と日本癌学会の調査ではがん発症率には差が認められていません。しかし、部位別にみると胃がんでは男性は1.02倍、女性は1.29倍、結腸がんでは男性は1.58倍、女性は0.99倍、直腸がんでは男性は1.12倍、女性は1.44倍、肝臓がんでは男性は2.07倍、女性は1.71倍、膵臓がんでは男性は1.58倍、女性は2.48倍、膀胱がんでは男性は1.32倍、女性は1.63倍と、結腸がん、肝臓がん、膵臓がんで大きな違いが見られています。
こういった結果を見ていると、「糖尿病は死ぬことがない病気だから」などと言っていられないことがわかるかと思います。

食べ物の健康効果を考えて食べるものを選ぶのは間違いではありません。できるだけ身体によいものを選んで食べようという姿勢は、身体によくないものを避けようという姿勢につながり、それも合わさって健康にプラスに働くことは当然に考えられることです。
みかんにはビタミンCの他にクリプトキサンチンという黄色い色素が豊富に含まれていて、この成分は抗酸化力が優れていることから寿命を延ばすということで注目されたことがありました。みかんを多く食べている産地の中で、どこが特に効果が高いのかという調査を行ったときのこと、静岡県でみかんを多く食べる人にがんが少なかったことから、静岡県のみかんは健康効果が高いのだ、という話が広まりました。さらに絞って調査したところ、静岡県の中でも特にがんが少なかったのは掛川でした。
掛川のみかんを食べている人の中で、がんにならなかった人が、どのくらいのみかんを食べているのかを調べようとしたところ、問題にぶち当たりました。がんになっていなかった人が多くとっていたのは「みかんではなく、お茶だ」と話す人が圧倒的に多かったからです。掛川はお茶の産地であり、がんも圧倒的に少なく、お茶によるリスク低減作用を第一に考えたほうが正しいと多くの人が感じていました。
緑茶にはカテキンという強い抗酸化力がある成分が含まれていて、お茶を多く飲めば抗酸化成分も多く摂れて、それでがんが予防できると考えられているわけですが、抗酸化成分には弱点があります。強い抗酸化成分には弱点どころか危険性もあります。それは“抗酸化成分なのに身体を酸化させる作用”です。全員に、ということではなく、お茶の飲み方によってという条件がついて回ります。
抗酸化成分は実は酸化しやすい成分です。身体の中に入って酸化することによって、身体の細胞の酸化を防ぐという働きがあります。わかりにくいことかもしれませんが、身体を酸化させる活性酸素は電子のバランスが崩れた酸素で、細胞から電子を奪って通常の酸素に戻っていきます。電子を奪われると細胞が傷つけられ、発がん物質が入り込みやすくなり、細胞の遺伝子を傷つけることで、がん化しやすくなると説明されています。
ところが、身体の中に活性酸素によって電子が奪われやすいものがあると、そこから先に電子を奪っていって、細胞の電子が奪われにくくなります。このことによって細胞の酸化が防がれて、がんの予防にもつながっていくわけです。抗酸化作用が強いというのは酸化されやすいということで、緑茶のカテキンは特に酸化されやすいということになります。身体の中で酸化するのではなく、身体の中に入る前に酸化したら、酸化物を摂ることになり、まるで活性酸素を摂っているようなことにもなります。
そのカテキンですが、お湯を注ぐまでは酸化されていないのに、お湯を注いだ瞬間から酸化が始まります。お茶をいれてから30分もすると完全に酸化しています。この状態で再びお湯を注いで飲むと体内の酸化が進むことになって、がんリスクを高めることにもなりかねません。では、どうすればよいのかというと、お湯を注いだら捨てて次に飲むものは新しい茶葉にすることです。そんなもったいないことはできないという人は、一度か二度注いだら、それ以降はポットにお茶を入れて、蓋を閉めて酸化しにくい状態で保存して飲むことです。これは静岡県の人たちが実践していることです。

歩くことと脳機能は、ともに健康番組や雑誌の大きなテーマとなっています。そして、歩くと脳の血流がよくなって、脳に運ばれる酸素の量が増えることから、ウォーキングは今では足腰の健康、血圧や血糖値、中性脂肪値の安定といったことよりも、認知症予防を目的として実施されることが多くなっています。
生活習慣病を引き起こす要因となっている血圧、血糖値、中性脂肪値はウォーキングなどの運動だけでなく、食事によっても低下させられることから、身体を動かすのは面倒だから食べる量を減らすことだけで済まそうとする人もいます。しかし、脳を刺激して認知症を予防しようとなると、食事だけ、頭を使うようにするといったことだけでは対応しにくく、最も効果があるウォーキングをしないわけにはいかなくなります。
厚生労働省の『介護予防マニュアル』ではウォーキングをすすめていますが、それは足腰のトレーニングや心肺機能の向上、脳血管に悪影響を与える血圧、血糖、中性脂肪などの低下ということではなく、認知機能の向上、つまり認知症予防のために実施するものとして紹介されています。それはよいとして、なぜ歩くと脳によいのかという理由となると、今は血流の促進によって脳に送られる酸素の量が増えることが第一にあげられています。しかし、それだけが要因ではありません。
そもそも血流がよくなって脳に運ばれていくものは何かということですが、酸素、三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)、ビタミン、ミネラルなどのうち脳機能に深く関係しているのは酸素です。酸素を多く送ることによって脳細胞が取り込んだエネルギー源が燃焼します。脳以外の細胞は三大栄養素の糖質の中でもブドウ糖、脂質の脂肪酸、たんぱく質を構成するアミノ酸です。脳細胞だけは他とは違っていて、ブドウ糖が唯一のエネルギー源となっています。
このブドウ糖が細胞のミトコンドリアの中で酸素を使ってエネルギー代謝を行っていますが、ブドウ糖はミトコンドリアで燃焼する形のアセチルCoAに変化します。これをミトコンドリアに取り込むために必要となるのがα‐リポ酸です。α‐リポ酸というとダイエットのためのサプリメント、デトックスのためのサプリメントの成分として知られていますが、本来の作用を考えるとダイエットというのはブドウ糖を変化させて燃焼させたことによるエネルギー源の減少となります。血液中のブドウ糖が多いと血糖値が上昇して、これにつれて膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。これによって肝臓で合成される脂肪酸が増えて、脂肪細胞にたまっていく中性脂肪が増えていきます。
脳細胞がブドウ糖を取り込んで使った結果として作り出されたエネルギーは、脳細胞を働かせるために使われます。ブドウ糖は酸素を取り込むことによって燃焼が進んで多くのエネルギーが作り出されることになるわけですが、その作用が最も高いのは有酸素運動のウォーキングです。歩くと脳によい、認知機能を高めるというのは、こういった働きが影響しているわけです。

NHKの特集番組「人体」では、臓器・器官から分泌・放出されるメッセージ物質によって離れた臓器や器官に情報が伝えられることによって、体内調整のネットワークが構築されていることを紹介しています。そのシステムが正常に働いていれば健康が保たれるわけですが、正常に働いていない人は少なくありません。メッセージ物質が充分に出ていないか、充分に出ているのに受け取る側に問題があると、徐々に調整が乱れて、これが病気を引き起こす要因になるというのが、この番組のメッセージとなっています。
メッセージ物質は体内にある成分、体内で合成される成分であるので、これを外から与えても悪影響が出ることはないことから、副作用のない新たな治療薬に応用できるということで、医学界では以前から注目すべき研究テーマとなっていました。この番組を見た他局のディレクターから、脂肪細胞から分泌されるレプチンのことを詳しく説明してほしいという依頼がありました。メッセージ物質という切り口から新しい情報と思ったようですが、レプチンは特に新しい情報ではありません。むしろ何を今さら、というレベルの情報です。
レプチンは脂肪細胞の中に脂肪が多くたまってくると脂肪細胞から分泌される生理活性物質で、食欲を抑え、脂肪燃焼を進める働きがあります。日本人はレプチンが分泌されているのに、それをキャッチして働かせる能力が低いので、太りやすい体質となっています。ここまではわかっていますが、問題は、どうして日本人はキャッチしにくいのかがよくわかっていないということであり、もっと問題となるのは、どうやった充分にキャッチできるようになるのか、何が体質の弱点をカバーするものになるかということです。それがわからないまま弱点だけを述べたのでは、解決になっていないと考えています。
日本メディカルダイエット支援機構では日本人の体質について研究してきましたが、誰にもとはいかないものの、多くの人の体質の問題を解決する方法も研究してきました。その一つの結論として実践しながらすすめているのが三大ヒトケミカルです。三大ヒトケミカルについては何度も繰り返して紹介してきたので今回は省略しますが、エネルギー代謝に必要な成分で、20歳代をピークに減少していきます。この減少の度合いには個人差があることから、体内で少なくなっていくと細胞の中で作られるエネルギー量が減っていきます。全身の細胞は自らが作り出すエネルギーによって正常な活動をしているので、メッセージ物質を作り出す能力も、それを受け取って反応する能力も、エネルギーの減少につれて弱まっていくことになります。
他にもメッセージ物質によって体内調整を進めていく方法はあるはずですが、まずは基本中の基本といえるエネルギー産生を高めるために三大ヒトケミカルを補うことだけは始めなければならないと考えます。三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。また、日本人の体質の弱点については、このサイトの「体質改善」を参照してください。

NHKの特集番組で人体が取り上げられ、体内の調整は脳だけでなく各臓器・器官も行っていることが紹介されてから、メディア関係者からの、これに関連する質問が増えてきました。特に多いのが雑誌記者からの質問で、記事を書くよいテーマに巡り合ったという感覚があるようです。そのために、いろいろな切り口を探していて、これまでになかった問い合わせが来ることも珍しくありません。
「脳が全身の働きをコントロールしていると思っていたが、そうでないとなると脳は何をしているのか」という質問もありました。何も脳がコントロールしていないということではなく、脳に関係なく働いているのは以前から知られていたことで、それが臓器から分泌・放出される物質によって起こっていることが明らかになってきたということです。このことによって脳の研究が進まなくなるのかということを聞いてきた人もいましたが、脳の研究はさらに進みます。中でも高齢社会の脳の研究は認知症だけでなく、相当に進められていくはずです。
高齢になると他人の話を聞かなくなる、自分のことしか言わなくなる、目も耳も衰えるから見聞きする機会が減るといった変化をするようになります。これは悪いことなのか良いことなのかということですが、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は良いことだという考えを示しています。そう考えるようになったのは62歳になって、自分の脳の調整能力の変化に気づいたことがきっかけでした。
昔のテレビは映像と音声を別々に収録していたことがあり、映像と音声が微妙にズレて放送されるということがありました。BS放送で古い番組を放送しているときにズレに気づくことはよくあります。今では同時録画・録音なのでズレは生じないのですが、話している人の口の動きと言葉が微妙にズレていることがあります。それは脳の老化によるものと言われることがありますが、実は目からの情報と耳からの情報はズレて伝わってくるのは当たり前のことです。
伝達の距離も処理時間も異なっていて、音が先に伝わり、0.1秒ほど遅れて目で見た情報が伝わってきます。これはいっこく堂の腹話術の芸と同じ状態です。これは目で見える範囲の情報だけでなく、暗闇であっても危険を察知できるように早く音の情報を受け取り、反応できるようにするための仕組みです。この0.1秒のズレは脳の中で調整して同時に伝わっているように感じさせています。
この能力は若いときにはフルに働いていても、年齢を重ねると低下していきます。長年の慣れから低下に気づかないことも少なくありません。年を取ってから目の見えが悪くなり、注意力も低下して、言葉と口の動きにズレが生じていることに気づかないまま過ごしていることもあります。だから、年を取って、こういった能力が落ちてくることは不便や気持ち悪さを感じずに一生を過ごせるとしたら幸せなことです。
しかし、年を取っても注意力が大きく落ちず、口の動きと言葉のズレが気になって仕方がない、そのために言葉に集中できない、聞いているようで充分に聞き取れていないということにもなります。当NPO法人の理事長も、そういった一人で、どうやって打ち合わせや講習、講演などをこなしているかというと、他人の言うことはあまり聞かない、よく見ないようにする、言いたいことだけを言うといったことを心がけていると言い切っています。
目と耳の感覚のズレ以前に、もっと異常が起こっているのに、それに気づかないまま過ごしているだけかもしれませんが、今の能力、今の状態に合わせて、より良い結果になることを中心にしているとのことです。より良い結果というのは何を指しているのかというと、メディカルダイエットに関する講習に参加してくれて、そこで見聞きしたことを周囲に広めてくれる人のためになることです。

「日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死亡する」と言われています。これに関連して、テレビのディレクターから、これまでにない質問がありました。一つは「これは男女平均で、男性と女性では違いがあるのではないか」というもので、もう一つは「がん患者の数とがんで亡くなる人の差は何が原因か」というものでした。
初めの質問への返答ですが、いくつかの考えがある中で私たちが注目しているのは高齢社会の影響です。高齢者の中でも長寿者は、それまで生活習慣病などの疾患に負けないで生き抜いてきた人です。心臓病や脳血管の病気などで亡くなることがなく生き延びてきた人は、最後にはがんで亡くなると言われます。
しかし、がんは発症してから亡くなるまでには長い期間がかかります。特に高齢者の場合には、がん細胞の増殖が遅くなります。がん細胞は成長ホルモンを使って増殖しているので、若いときには増殖しやすく、高齢になるほど増殖が遅くなります。そのため、他の病気で亡くなる人が増えていくわけです。
だから、2人に1人ががんになっても死亡するのは3人に1人くらいに確率が下がるということになるわけですが、もう一つの返答である男女差については指摘のとおりだと言えます。がん細胞は毎日発生して、それを免疫細胞が毎日処理しています。免疫細胞の働きが高ければ、がんの増殖は抑えられるようになります。女性は免疫が高いので、男性よりもがんになりにくく、がんで亡くなる確率も低くなっています。女性は、がんになるのは3人に1人の割合だと言われています。
その理由ですが、免疫細胞であるリンパ球のB細胞が作り出す抗体は、がん細胞などを攻撃する働きをしていますが、女性ホルモンによって作られやすくなり、男性ホルモンによって作られにくくなります。これだけでも女性は優位になります。免疫細胞の働きはストレスによって働きが弱くなります。男性はストレスに晒される機会が多いということもありますが、それよりも大きく影響しているのが脳の構造です。
男性と女性は脳の構造で違うところがあり、左脳と右脳を結ぶブリッジの脳梁の太さが違います。太いほど左脳と右脳をバランスよく使うことができてストレスを克服しやすいのですが、男性は女性の半分ほどの太さしかないので、男性のほうがストレスに弱く、女性はがんに対抗しやすいわけです。
この他に男性は筋肉量が多く、活動量も多いことから活性酸素の発生量が多く、活性酸素が細胞を傷つけると発がん物質が細胞に入り込みやすくなり、遺伝子を傷つけることから、男性はがんのリスクが高いということです。
健康セミナーで、この話をすると女性は明るい顔になり、男性は暗い顔になっていくのですが、「だから女性は男性をいたわってください」という話をしてカバーしています。明るい顔で楽しい思いをして不安を少しでも減らすことが免疫を高めることになるので、男性には実践してほしいものです。

日本人の体質の特徴は何か、そもそも体質とは何かということについては、このサイトの「体質改善」を見てほしいのですが、日本人は冷えやすい、太りやすいという長い歴史的環境から生まれた体質を抱えています。腸が長いのも血圧や血糖値が上昇しやすいのも体質が大きく関係しています。日本人の体質については日本メディカルダイエット支援機構の理事が著者として『本当は健康寿命が短い日本人の体質』(宝島社刊)を表しています。その最後のほうにヒトケミカルの体質改善に関する研究成果の一部を紹介させてもらっています。
これを見て、「体質に問題があると煽っておいて、商品でも売ろうとしているのか」と聞いてきたメディア関係者がいましたが、それは完全な的外れです。日本メディカルダイエット支援機構は、公益100%の特定非営利活動法人(NPO法人)で、収益を得てよいのは教育と情報発信だけという約束で内閣府からの認証を得たという経緯があります。そのためにNPO法人の活動としても物売りに関われないだけでなく、役員もNPO法人を通じては収益活動を行っていません。純粋に“教育的情報発信”に徹しています。
当NPO法人の理事長は個人として食品の表示の法律講習を行っています。健康食品は食品なので、その広告宣伝の表示も教育の範囲となってます。健康食品の表示というと、いわゆる効能効果を述べることと勘違いされることもあります。それを販売会社に代わって行ってくれる人は“有難い存在”ということになるかもしれませんが、むしろ言ってはいけないことを教えているので“有難迷惑の存在”にもなっています。そんな当NPO法人が、ヒトケミカルに限っては有効性を強調した広報活動をしています。もちろん、素材としての有効性であって、特定の商品についてではありません。
ヒトケミカルというのは体内で作用する生理活性物質のうちエネルギー代謝に必要な成分で、ビタミンもミネラルも多くの種類が必要となっています。その他に重要な3種類の成分があって、そのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれています。この三大ヒトケミカルは、三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)を細胞のミトコンドリア内で燃焼させてエネルギーを作り出すために必要な成分であり、体内で合成されています。合成されているものの20歳代をピークに減少し続け、これが不足するとエネルギー発生量が少なくなり、それが冷えや脂肪燃焼低下など体質的な問題を加速させています。
三大ヒトケミカルは食品に含まれていますが、体内で合成されることもあって、吸収率が低いという弱点があります。となると医薬品かサプリメントの出番となりますが、三大ヒトケミカルは医薬品の成分であったものが規制緩和から食品にも使われることになり、サプリメントにも使われています。
ただ、ダイエットのための素材としてはじめに取り上げられたこともあって、やせたい人が摂るもの、若い人は体内で多く合成されるので必要ないものという間違った使い方が広まってしまいました。ダイエットということでは脂肪の燃焼に目が奪われましたが、燃焼によって作られるエネルギーが重要で、それが身体を正常に働かせることになっているのです。体質的な弱点はヒトケミカルの不足が原因で、弱点を補う味方になるのもヒトケミカルだということから、体質研究の一分野としてヒトケミカルを加えているのです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。

科学的な理論に基づいたダイエット法を実施しても、その効果には違いがでてきます。少々の違いではなく、大きな差になることも珍しいことではありません。筋肉細胞が脂肪を燃焼させることから、筋肉の量が多い人のほうが同じ運動を同じ時間やっても脂肪の燃焼量が多くなるのは当然のことです。では、同じような筋肉量の人の場合には差が出ないのかというと、基礎代謝量は男性のほうが女性よりも多く、年齢を重ねるほど低くなっていく、つまり活動に使われるエネルギー量が、だんだんと減っていくので、前と同じ食事量で、同じ運動量だったら太っていくようになるのです。
性別と年齢が同じであっても、まだ差がみられます。この差は何が原因なのかというと、脂肪を燃焼するために必要となる成分の量が大きく影響していると考えられます。脂肪は細胞の中にあるミトコンドリアという小器官の中のTCA回路で燃焼しています。このTCA回路での燃焼のためにはビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が、すべて必要になります。これらのビタミンが含まれている食品の摂取が足りていることが必要になりますが、ビタミンB₁とビタミンB₂は体内で24時間ほど保たれているのに対して、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保たれません。
朝食を抜いたり、ビタミンB群が多く含まれている食品が不足すると、運動をして積極的に脂肪が燃焼しているようにしているつもりでも、燃焼量が少ないことになります。
ここまでを調整して、全身の条件が同じになるようにしても、まだ差がみられます。その差は年齢を重ねるほど開きが大きくなってきます。「その差こそが体質ではないか」と考えられることがありますが、代謝を科学的に検証してみると別の原因があることがわかってきました。それはヒトケミカルの体内の保持量の差です。
ヒトケミカルというのは体内の代謝に必要な成分のことですが、中でもエネルギー代謝に必要な3成分のα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれています。α‐リポ酸は糖質をミトコンドリアに取り込むのに必要で、L‐カルニチンは脂質を取り込むのに必要となります。そして、コエンザイムQ10はミトコンドリア内でエネルギーを作り出すときに必要な補酵素となっています。
三大ヒトケミカルはエネルギーを作り出すために必要であることから体内で合成されています。しかし、その合成量は20歳代をピークに年齢を重ねるにつれて減少していきます。この減少の量には個人差があり、減少が早い人ほどエネルギーを多く作り出せなくなる、つまりダイエットということでは糖質も脂肪も燃焼されにくくなるということです。
三大ヒトケミカルは食品に含まれているものの、もともと体内で合成されることから吸収率が低くなっています。では、どうやったら吸収することができるのかというと、サプリメントとして摂るという方法があります。三大ヒトケミカルは、以前は医薬品としてだけ使用が認められていましたが、今では食品としての使用も認められ、サプリメントの成分になっているからです。
食事と運動の組み合わせによるメディカルダイエットは体内の条件の違いを超えて、効果的に脂肪を燃焼させる方法ですが、これに三大ヒトケミカルを加えることで、より効果を高めることができます。この成果があるからメディカルダイエットの研究の一つとして三大ヒトケミカルの研究を進めているのです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。