「コエンザイムQ10は体内で合成されて体内に蓄積されているが、20歳代をピークに合成量、蓄積量ともに減少していく」、「コエンザイムQ10はミトコンドリアでエネルギー産生されるときの補酵素」という話は何度も紹介してきました。そろそろ詳しいことが聞きたいという人が出てくるのではないかと思っていたら、案の定、テレビのディレクターから質問がありました。
「コエンザイムQ10は身体のどこで合成されて、どこで働いているのですか」との質問への答えですが、合成されているのは肝臓で、メバロン酸から合成されています。合成のときにはビタミンB₆が必要となります。どこで働いているのかというと、補酵素ということでミトコンドリアの中にあるエネルギーを作り出すエンジンのような働きをしているTCA回路と勘違いされることもあるようですが、実際にはTCA回路の外側です。
TCA回路について解説している図の中には、回路でクエン酸、アコユニット酸、イソクエン酸、ケトグルタル酸、スクシニルCoA、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸と変化してクエン酸に戻るサイクルで発生したエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を輪の中に書いて矢印で示しているものもあるので、これが勘違いの原因となっているようです。
実際にはイソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、リンゴ酸から次に変化するときに電子の移動が起こります。この移動が起こるところは電子伝達系と呼ばれていますが、ここに酸素とミネラルの鉄が加わり、そして補酵素のコエンザイムQ10が作用することによってATPが作り出されます。そのときには水と二酸化炭素も発生します。コエンザイムQ10が働いているのは電子伝達系で、コエンザイムQ10が不足しているとATPが効率よく作られなくなります。
TCA回路を一周するとブドウ糖や脂肪酸から変化したアセチルCoAから34個のATPが作られると一般に解説されていますが、それはコエンザイムQ10が充分にあって電子伝達系でATPがフルに働いている状態での結果であって、コエンザイムQ10の不足はエネルギー不足を起こす原因となります。
機能性表示食品のコエンザイムQ10は疲労回復の機能があるとして表示が許可されていますが、これは効率的にATPが作られて、身体を動かすためのエネルギーが確保されるからです。また、コエンザイムQ10が不足していると活性酸素が多く発生するようになり、細胞の老化が進むことにもなります。活性酸素への対処というと、活性酸素を消去する抗酸化成分を摂ることがメインとなっていますが、元から発生する量を減らすのが一番の対策で、そのためにもコエンザイムQ10は役立っているのです。
コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
ダイエット法は我慢を強いるのではなく、継続しやすいものでなければ効果が出にくく、リバウンドにもつながります。食べるものを変えること、量を減らすことは大変でも、食べるものも量も同じなら苦労はいらないということで流行しているのが「食べる順番ダイエット」です。食べる順番ダイエットは、料理研究家が自分の実践から得られた成果だと言われています。流行すると実は私が……という人が出てくるのは常で、元祖や本家は複数います。しかし、どの方の説でも共通しているのは初めに野菜サラダを食べることです。
野菜には食物繊維が多く、エネルギー量が少ないので多く食べても太らない、お腹が膨れるので食べすぎを抑えられるというのが順番を変えるメリットとして紹介されています。変わった考え方をする人の中には、野菜サラダを食べなかった人が野菜を多く食べれば、やせるのは当たり前と言う人もいますが、食物繊維は消化されないので血糖値が上昇しにくく、これがダイエットに結びつくというのは正しいことです。
食べる順番ダイエットを扱った書籍の中には、食物繊維が脂肪の吸収を抑えてくれるということを強調しているものもありましたが、これは野菜に多く含まれる不溶性食物繊維による作用ではなく、水溶性食物繊維の作用です。水溶性食物繊維が豊富に含まれるのは海藻やキノコなどです。以前はコンニャクも水溶性食物繊維として紹介されていました。しかし、凝固剤を使って固めたコンニャクは不溶性食物繊維と同じ性質となります。つまり、水溶性食物繊維の特徴である水分を吸って膨らみ、脂肪を吸着する働きもなくなります。水溶性食物繊維の性質があるのは粉のコンニャクです。
野菜サラダを先に食べるときに注意したいのは、それにかけるドレッシングやマヨネーズなどの量です。ご飯、主菜の肉や魚、サラダ、汁物のメニューのときに、通常の食べ方ではご飯、主菜、ご飯、汁物、サラダといったように好きな順番で食べていると、日本人は“口中調味”の方式で食べています。おかずの味が濃いときにはご飯を食べ、口の中で味が薄くなったときには汁物を飲むというように味を整えながら食べる方法です。ところが、初めに味が薄い野菜サラダだけを食べるとなると、どうしてもドレッシングなどの量が多くなります。ドレッシングは種類によってはエネルギー量が高いので、これには注意が必要です。
食べる順番ダイエットは食べすぎを減らす効果はありますが、これはお腹で行うダイエットです。身体には食べすぎたときにストップをかける仕組みがあり、それに影響をしているのは血糖値です。血糖値が上昇すると脳の満腹中枢がブドウ糖の量に反応して、食欲にブレーキがかかります。これは脳で行うダイエットとなりますが、先に血糖値を上昇させるものを少し食べておくことで満腹中枢の働きが早くなり、全体的に食べる量を抑えられるようになります。
先に野菜サラダを食べることで、血糖値が上昇しないのに胃が刺激されて胃液が分泌されることになって、食欲に火がつくことがあります。その結果、いつもよりも多く食べすぎてしまうことにもなりかねないので、野菜サラダを先に食べればよいということだけではないことを知ってほしいところです。食べる順番の効果を過信すぎることなく、食べる中身という基本中の基本を重視するのがダイエットの原則であり、生活習慣病を予防・改善するためのキーポイントです。
糖質制限が大流行していることから、コンビニでも低糖質のカップ麺、スイーツ、ビールなどが並び、外食店でもライスを残す人が増え、回転寿司でシャリ小が登場したり、こんにゃく麺のラーメン、糖質制限居酒屋などというものまで登場しています。糖質は健康によくない、血糖値が上昇して糖尿病にもなりやすいと、とにかく糖質を減らせばよいという風潮が広まっています。
そのためだけでもないのでしょうが、健康を考える上ではブドウ糖が多く含まれるものを避けて、血糖値が上昇しない果糖が使われる傾向は以前からありました。血糖は血液中のブドウ糖のことなので、ブドウ糖の摂取量が少なければ血糖値が上昇しにくいのは当然のことです。そのために糖質制限をして血糖値が上昇しにくくなったので糖尿病が治ったということまで言う人もいます。その人が患者であればまだわからないでもないのですが、治療する側の医師にも、そんな考え方をしている人がいます。
その理由として、医師になるための医学部の授業に栄養学の講座がない大学のほうが多い、ということをあげる向きもあり、医師の多くが卒業した後に実践の中で栄養学を勉強しているので我流になりやすい、ということをあげる人もいます。
以前に、地方創生の特産物としてドライフルーツを売り出す計画があったときに、砂糖を使うとブドウ糖が多くなるが、砂糖なしなら果糖だけになるので血糖値が上昇しにくくなってダイエットにもよい、という話をしている栄養士がいました。栄養学を学んでいない医師がした話ではなく、栄養学を学ばなければなることができない栄養士の発言です。ダイエットによいというのは、血糖値が上昇することによって膵臓から分泌されるインスリンには肝臓での脂肪の合成を進める働きがあるので、血糖値の上昇は体脂肪の蓄積につながっていくからです。
砂糖を使わずに、果糖の甘さだけなら安心と思われがちですが、果糖は摂りすぎると中性脂肪を増やします。果糖なら安心とはいかないのです。
砂糖はブドウ糖と果糖が1対1の割合となっています。砂糖の甘みを100とすると、ブドウ糖は70ほどの甘さになります。それに対して果糖は130ほどの甘さがあります。この特徴を活かして、甘いけれど血糖値が上昇しにくい食品も開発されています、甘味料として使われている果糖ぶどう糖液糖はトウモロコシのデンプンに含まれるブドウ糖に、果糖を結合させて、ブドウ糖よりも果糖のほうを多くしたものです。この割合なので砂糖よりも甘いものとなります。ぶどう糖果糖液糖というものもありますが、これはブドウ糖のほうが果糖よりも多く含まれたものです。
甘くなければ大丈夫、ということではないので、購入する前に、どのようなものが使われているのかを見るようにするのは大切なことです。
健康と食事の関係について研究をしていると、「健康のために何を食べていますか」とよく聞かれます。セミナーで腸の健康の話をしたときに、その後のQ&Aで何を食べているのかという質問をされると、当然のように腸内細菌の善玉菌を増やす方法について話をするわけですが、それが終わってから「腸のためだけでなくて長生きするためには何を食べているのかを教えてほしい」と言われることがあります。要は、「これだけ食べていれば大丈夫」というものを教えてほしいということなのでしょうが、そんなものがあれば誰にもすすめています。
これは私どもの相談役の先生の講演会に同行したときに先生が受けた質問ですが、ある健康食品の素材をあげて、「これは長生きのために役立ちますか」と聞かれ、先生は親切に身体に効果があるメカニズムについて説明をしていました。その数日後のこと、ある販売グループのホームページに「○○先生が私たちの□□を推奨しました」と載っていて驚いたことがあります。先生は商品の推奨もしていなければ、素材の話をしただけで商品のことを誉めたわけでもありません。こんなこともあるので、先生方の中には、質問を受けたときに素材の話もしなくなった方もいます。
健康で長生きするためには何がよいかと聞かれても、それぞれに人によって強いところ、弱いところには違いがあって、効果のある成分を摂ったとしても、それがちゃんと届いて、しっかりと効いてくれるのかはわかりません。ところが、テレビ番組や雑誌記事などを見ていると、この成分は、こういったメカニズムで作用するということを紹介して、“必ず効果がある”と思わせるような表現がされていることがあります。このようなものを何度も見ているうちに、その成分は、まるで薬のように効果があると思い込むようなことにもなりかねません。
それを狙っているのではないか、と思えるような番組やCMもあります。「なかなか素晴らしい健康情報ではないかと見ていたら、青汁の宣伝だった」という話をしていた方もいました。その方から、「どこの青汁が一番よいですか」という質問をされたことがあります。野菜不足の食生活でも青汁を飲んでいれば補えるというような内容の番組やCMですが、どうせ飲むなら一番効果があるものをと願う気持ちはわかります。パッケージに書かれている成分表を見て、成分量が多いものを選びたいという人もいますが、根本的なこととしては青汁を飲んでよい結果が得られる人なのか、そうでない人なのかを判断して摂るべきということを話しています。
生野菜を食べると身体が冷える人がいます。特に夏野菜は冷やす作用が強くなっています。青汁に使われるケールは冬が旬ですが、キャベツの一種なので夏野菜ではないといっても冷えやすいものです。また、大麦若葉も冬が旬ですが、やはり冷えやすくなっています。身体が冷えやすい人には栄養豊富であっても健康にはマイナスになることもあります。こういった情報も知って、健康によいのかどうかの判断をしてほしいものです。
高齢者は65歳以上と定義されています。そして、75歳以上は後期高齢者と区分されています。となると、65歳から74歳までは前期高齢者と区分されるわけです。この区分は、もともとは老年学の世界で使われてきた言葉で、75歳以上になると複数の疾病を発症しやすくなり、入院期間が長くなり、自立した生活を送ることが難しくなることから、75歳が分岐点とされるようになりました。
2006年には「高齢者の医療の確保に関する法律」が成立して、2008年から75歳以上を切り離した後期高齢者医療制度が発足したことで、後期高齢者は一般に使われる言葉となりました。この医療制度によって、医療費の自己負担が69歳までは3割負担、70歳以上は2割負担、75歳以上は1割負担の原則となったわけです。
高齢者の区分については、日本老年学会と日本老年医学会は、75歳以上を高齢者とすることを提言しています。今の高齢者は平均寿命が長くなっただけでなく、心身の状態が10年は若くなっていることを理由としてあげています。この提言では65歳から74歳は准高齢者として、介護ということでは介護を受ける側ではなく、むしろ介護に協力をする立場であるべきとされています。少なくとも介護を受ける立場ではなくなってほしいという願いが込められています。
年齢を重ねても健康で、元気でいるなら介護を受けることなく過ごすことは可能です。しかし、一転して介護をする側になると、それなりの知識と技術、経験は必ず必要です。介護をする専門職である介護福祉士は国家資格で、誰もが代わりができるような仕事内容ではありません。となると、介護する側として期待される内容は何なのかというと、介護のサポートです。専門の介護福祉士が家庭を訪問して、すべてのことをこなすのでは手間がかかりすぎます。今後、高齢者が爆発的に増えて、要介護者も急激に増えていく中では、少しでも専門職の手間を減らして、専門性を活かすことに力を注いでほしいと願うのは当然のことです。
介護保険制度の分類では、要介護と要支援に分かれます。要介護は介助が必要な状態で、程度によって5段階に分けられています。要支援は食事や排泄などは自分でできるものの日常生活の一部に介助が必要な状態で、2段階に分けられています。介護保険制度の改正によって、要介護については専門職しか担えないのは過去と同じですが、要支援は専門職以外も担うことができるようになりました。まさに専門職には専門の仕事をしてもらうための改正です。
要支援としては室内の掃除や洗濯、買い物、外出の補助など、家族が同居していれば家族が担っているような内容ですが、これは人手がなければ実施できないことです。これを地域の方々がグループを作り、自治体との連携によって、それなりの手当てをいただきながら実施しています。介護にかかる費用を実際に必要なところに手厚くするために要介護での介護事業者が受け取る金額は増えました。そして、要支援の金額は減りました。それによって介護事業者の収入が増えればよいのですが、要支援の受け手がないところでは介護事業者が担うしかなく、かえって介護事業者の負担を増やす結果ともなっています。
このようなことがないように、制度改正をよい方向に持っていくためには、要支援を65歳から74歳が担うことが期待されるわけですが、その人材が健康で元気でなければ実現することも、それを継続させることも難しくなります。そこで私たちは、65歳以上だけでなく、60歳くらいの年齢から自らの健康づくりのためと、身につけた健康づくりの手法を要支援者に活かすことができるように、歩くことをスポーツにするインターバルウォーキングを資格認定方式によって実施しています。
「栄養・運動・休養」は健康づくりの基本として厚生省の時代から言い続けられています。厚生省と労働省が統合して厚生労働省になった2001年以降、運動の重要性が強く認識されるようになり、2010年に「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」が健康増進の標語として採用されました。「栄養・運動・休養」の時代から、それぞれは健康づくりの3要素として掲げられるだけでなく、どの程度のことが求められているのかを示すために、「適切な栄養」「適度な運動」「充分な休養」ということも掲げられました。
充分に休養を取るといっても、ただ身体を休めていればよいというわけではなくて、それ以外にも入浴やリラックスタイムを設けることが大切で、一般には30分ほどの入浴時間、夕食から就寝までの間に30分ほどは心身を休める時間が必要と言われています。このことは1日の健康習慣として「1日に30食品」「1日に30分の運動」と並んで、「1日に30分の休養」として示されました。
これだけで充分な休養になるのかというと、ストレスが溜まりに溜まった状態で夕食後に身体を休めたとしても自律神経の交感神経が過剰に働いている状態ではリラックス作用のある副交感神経の働きが悪くなって、身体を休めたつもりでも脳も内臓も休んでいない状態になりかねません。興奮状態で食事をすると、胃液の分泌量が減り、食後に血糖値が上昇したときに分泌されるインスリンの分泌量も減少します。インスリンはブドウ糖を細胞に取り込んでエルギーとして使う働きとともに、余分な栄養を脂肪に合成して重要なエネルギー源として蓄積するという重要な作用があります。
日が昇っている時間帯には交感神経がメインに働き、日が沈んでからは副交感神経がメインに働くという切り替えが体内では行われています。そのため夕方以降は、副交感神経によって脳も内臓も休みモードになり、寝つきやすくなり、深い眠りにつけるようになり、翌朝には心地よい目覚めが得られるという流れになっています。夕方以降にリラックスして食事をして、30分間のリラックスタイムを作り、ゆっくりと入浴すれば、それで充分な休養ということではありません。入浴も温度によって自律神経の働きは逆になります。40℃以下の入浴では副交感神経が強く働き、42℃以上では交感神経が強く働くようになります。
ダイエットをしようと考えて、高めの温度で入浴すると交感神経に切り替わって、さらに消費エネルギー量が増えるようになりますが、その後に食事をすると胃液とインスリンが減って、太りにくくなるのは確かなことです。しかし、これではリラックスした状態で過ごすことはできにくくなります。ダイエットが必要な人には、この方法をすすめることはありますが、その場合には就寝前に一気に副交感神経の働きをメインにできるように、テレビは早めに消す、パソコンやスマホも早めにオフにする、リラックス効果がある飲み物や音楽を楽しむといった工夫をすることも求められます。
夕方以降は興奮状態にならないようにするほうがよいと頭ではわかっていても、それができないのが現実であるので、積極的にリラックスを求める“アクティブリラクゼーション”も取り入れるべきだと健康志向が強い方々に話をしています。
「断然」は肯定語が続いて前向き、イエス(YES)という意味の時に使われ、「全然」は否定語が続いて、後ろ向きどころかノー(NO)の意味のときに使われると国語の授業で習いました。語尾がうまく聞き取りできなくても「断然」と言われたらYES・OKのつもりで言っていることがわかり、「全然」と言われたらNO・NGのつもりで言っていることがわかります。その知識に基づいて意味合いの判断をしていると、まったく逆のことを言っていたのだということが後になってわかり、慌てて訂正に回ったこともあります。
若者言葉として使われているだけなら仕方がないか、と言って済ませることもできるでしょう。大人にまで広がっても、話し言葉の中で使われるだけなら、これもまだ許せるかもしれません。ところが、テレビ番組の中で、ちゃんとしたコメンテーターが全然を肯定の意味として使っていると違和感を感じます。全然と断然が混同して使われ始めたばかりのときには、アナウンサーが直したり、テレップを「断然」に変えて表示したものです。話したことは「すごい」でもテロップには「すごく」と示されるのと同じようにです。
しかし、いつの間にかアナウンサーが直すことがなくなり、テロップにも「全然」と示されるようになりました。これがテレビの中のことだけだったら「まだまだテレビは不親切」などといって受け流すことができるのでしょうが、雑誌やネットの記事に断然と書かれていないといけないところが、「全然」となっているのを見かけることになりました。そのうち、ほとんどが「全然」となることも“全然近い”のかもしれません。今では当たり前に使われ、辞典に載っている言葉も、間違いとされたものが使われているうちに定着してきて、正しい使い方と認識されるようになったことは多々あります。
現在の辞書を見てみると、「全然」は否定の意味だけでなく、強調の意味で使われると書かれたものもあります。さすがに肯定の意味だとは書かれてはいないものの、明治時代までは「全然」は強調の意味で使われていたという事実があります。昔、使っていたから、どちらでもよい、という考え方が正しいのかどうかには議論が分かれるところです。もしも、「全然」が肯定と否定の、どちらに使ってもよいとなると、ますます「日本語は難しい」と言われることにもなりかねません。
健康のために野菜を食べているという人は多く、お酒を飲むときにも野菜中心という人もいます。糖質制限の流行から、お酒を飲むときにも糖質が少ない日本酒やビールを選んでということも目立ってきています。糖質制限居酒屋なるものも登場していて、お酒もアテ(つまみ、おかず、肴)も糖質制限にして、シメの糖質もやめているという人もいます。
しかし、糖質制限をすると満腹感が得にくくなります。脳が満腹感を得ているわけですが、それは血液中のブドウ糖の量に反応して、満腹中枢が刺激され、満腹になったので、これ以上は食べないでよいというサインが出されます。空腹を感じさせているのもブドウ糖で、ブドウ糖が不足すると空腹となって、ブドウ糖が多く含まれているもの、つまり糖質(炭水化物)への食欲が高まります。
飲酒をすると肝臓はアルコールを分解することが優先されるために、日常的に行われている血糖値の調整ができにくくなります。血糖は血液中のブドウ糖のことです。日常的に肝臓は何をしているのかというと、血液中で多くなったブドウ糖の一部を蓄積して、血液中で不足したときに血液中に放出する役割です。これによって飲食による糖質が不足したときに血糖値が大きく低下しないようにしています。飲酒時の糖質制限は一時的に血糖値を低下させて、糖質への欲求を高めます。だから、お酒を飲んだ後には、たくさん食べているのに甘いものやラーメンが食べたくなってしまうわけです。
飲酒をしているときの糖質制限は血液中のブドウ糖が減って、空腹を強く感じるようになるので、シメのご飯、麺類はおいしく食べられます。
飲みながら、いくら質問が出たからといっても、このような話をすると興ざめをしたりもしますが、「酒を飲んでも糖質なしで平気」と言っている広告代理店の営業マンがいました。糖質制限をしているというわりには太っているのが気になって、どんなアテを食べているのかと思って、“観察のために”一緒に飲食をしました。「糖質制限」と言っているのに、糖質制限をしている人がよく話す「野菜を食べている」と話していたのに、初めに注文したのはポテトサラダでした。これを注文するときに「マカロニサラダは糖質が多いからポテトサラダにしている」とも言っていました。
サラダというと野菜に調味料をかけるか、和えたものを指します。だから、サラダという名称は野菜に使われる言葉のはずです。しかし、ポテトサラダは、サラダと呼ぶのが正しいのかと疑問も抱かれます。ポテトサラダの材料のジャガイモは食品の分類では野菜ではなくイモ類です。イモ類というと食物繊維が豊富な食品としても語られるので糖質だというイメージがないのかもしれませんが、イモ類は糖質食品そのものです。
ジャガイモの糖質は100g当たり16gを超えています。市販のポテトサラダは120g程度なので、20gの糖質が含まれていることになります。アテとして出されたポテトサラダは山盛りで、200gほどはありそうでした。これでやめておいてくれればよかったのですが、飲酒も峠を越えて、そろそろ糖質が欲しくなってくる時間帯になったとき、「お代わり」と言ってポテトサラダを注文した段になって、黙っているわけにいかず、ポテトサラダを食べたら糖質制限にならないことを話しました。
営業マンは他人と話すのが仕事で、飲酒の機会が多く、飲むたびに糖質制限のことを話しているようなので、ここでポテトサラダの話をしておかないと、間違ったことが広まってしまうと感じたからでした。また、糖質制限に詳しい人に出会ったら恥をかかせることにもなります。本当なら、糖質制限などやめにして、摂取した糖質はエネルギーとして使うように、アルコールもエネルギーとして燃焼させて、活動のためのエネルギーを増やす方法について話をして理解して欲しいところですが、酒が好き、食べるのが好きという人には、なかなか通用しないものです。
花王のヘルシアやハウスウェルネスフーズのウコンの力などに使われている環状オリゴ糖は、シクロデキストリンと呼ばれるブドウ糖8個が環状につながったオリゴ糖です。ブドウ糖が輪っかになったものですが、この技術は有機化合物合成のトップメーカーであるドイツのワッカーケミー社によるものです。このワッカーの輪っかになったオリゴ糖のおかげで、濃い有効成分の味を抵抗なく摂ることができるようになりました。
ブドウ糖は糖質の単糖の一種で、環状オリゴ糖はトウモロコシのブドウ糖から作られます。トウモロコシというと昨今では遺伝子組み替えを不安視する人もいます。確かに遺伝子組み替えによるトウモロコシもありますが、遺伝子組み替えで有害となる可能性があるのはたんぱく質です。
遺伝子組み換えは特定の遺伝子を別の植物に組み込むことで、これによって影響を受けるのはたんぱく質だけです。たんぱく質以外には組み換えの遺伝子が入り込むことはないので、遺伝子組み換えが行われたトウモロコシであったとしても問題は起こらないわけです。健康に役立つ素材を、わざわざ不安視される遺伝子組み換えされたものを使うことはないわけですが、遺伝子組み換えの世界に絶対はありません。というのは、遺伝子組み換えがされていない植物を栽培していても、種が紛れ込む可能性があるからです。
一時期は遺伝子組み換えというとアメリカが中心でしたが、今では世界中に遺伝子組み換えした植物は広まり、そこから種が広がって、遺伝子組み換えの可能性がない大豆やトウモロコシなどはなくなってしまっているのです。だからこそ遺伝子組み換えがされている植物のたんぱく質には絶対の安全ということはできないわけですが、たんぱく質が含まれていない、ブドウ糖がつながっただけのオリゴ糖は安全性が高いわけです。
「安全性が高いということは絶対に安全ではないということなのか」ということを聞いてきたメディア関係者がいましたが、わざわざ“安全性が高い”という表現をしたのは、ブドウ糖を加工するときに使われる酵素がたんぱく質だからです。この酵素が、もしも遺伝子組み換えの影響を受けていたら絶対ということは言えないわけです。
しかし、環状オリゴ糖を合成するときに使われる酵素は徹底的に調べて選び抜くことができます。それもあって、環状オリゴ糖は遺伝子組み換えの不安もなく、安心して使えるものであり、だからこそサプリメント成分を体内に効果的に届けるものとして使われているのです。
環状オリゴ糖にはタイプがあって、サプリメントに主に使われているものは6個のブドウ糖がつながったα型(α‐シクロデキストリン)と8個のブドウ糖がつながったγ型(γ‐シクロデキストリン)です。α‐シクロデキストリンは消化酵素によって分解されず、形を変えずに胃腸を通過することから余分なものを吸収させない性質があります。難消化性デキストリンも同じ性質がありますが、一般の難消化性デキストリンに2倍以上の効果があることが確認されています。
γ‐シクロデキストリンは輪の中に有効成分を取り込む包接によって、有効成分を分解されにくい状態にして、腸壁に密着して腸壁から効果的に吸収させる働きがあります。これによって効果的に摂取できるようになったのが天然型のα‐リポ酸と、コエンザイムQ10です。
シクロデキストリン、α‐リポ酸と、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
「ウコンは肝臓によいといわれても、苦くて、とてもじゃないが飲めない」と言われた時代がありました。ウコンはショウガ科ウコン属の多年草で、苦味があるといっても、春ウコンならお茶にしても粉末でも飲めないほどではありません。しかし、有効成分のクルクミンが多い秋ウコンになると春ウコンの6倍も含まれていて、色も春ウコンが黄色であるのに対して秋ウコンはオレンジ色になっています。春ウコン、秋ウコンという呼び名は花が咲く時期から来ています。
有効性が高いウコンほど飲みにくくなるわけですが、お酒の友のウコンの力は秋ウコンが使われ、クルクミンは30mgも含まれているので、普通なら飲めるようなものではありません。それなのに楽に飲めるのは環状オリゴ糖によってマスキングされているからです。飲みやすい上に、吸収性もよくなっているので、肝機能の低下が気になる人に選ばれています。
日本メディカルダイエット支援機構では、サプリメント・健康食品の講習を実施していますが、ウコンについては種類の違いがあることと、ウコンの機能性、それに追加して摂るべきでない条件についても説明しています。種類については春ウコン、秋ウコンの他に紫ウコンがあり、これにはクルクミンが含まれていないので紫っぽい白色となっています。
ウコンの機能性は肝機能の向上と一般に言われていますが、アルコールを分解することによって肝臓の負担を減らすのが主な働きとなっています。よく「飲む前に飲む」ということが言われますが、アルコールの分解がよくなることから、飲みすぎの傾向がある人は飲酒の前に摂ると、かえって飲みすぎになって悪酔いする可能性が指摘されています。それが心配な人は、「飲んでから飲む」というタイミングとなります。
ウコンは誰もが摂って効果があるものなのかというと、そうとは言えないこともあります。飲酒をしない人が肝機能によいということを聞いて、摂ることによって肝臓に負担をかけることもあります。ウコンは漢字では鬱金と書かれる漢方薬の素材となっています。漢方は身体に優しいような印象があるものの、薬であることには違いがなく、これを分解するために肝臓に負担がかかります。健康食品を摂ることで健康被害が起こった人の報告例で最も多いのはウコンです。これを見て、危ないものと主張しているというよりも、それだけウコンが多くの人たちに期待され、使われているということです。
高齢者は肝機能が低下している人が多くなっています。そもそも日本人は歴史的な食事によってコレステロールが少ないことから、肝臓に必要なコレステロール不足から肝機能が低く、年齢を重ねると肝臓が小さくなっていきます。加齢によって肝臓が小さくなるのは、どの国民も同じですが、日本人は特に小さくなりやすいのです。さらに女性は、男性よりも小さくなりやすいので、肝機能によいと聞くと飛びつく傾向が見られます。
飲酒しない人の場合にはタウリンがよい、オルニチンがよいなどと言われますが、根本的な解決のためにすすめられるのは三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。これらを補給することで、細胞のミトコンドリアで作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)によって肝細胞の分解能力が高まります。肝細胞が分裂して再生されていくときのエネルギーもATPです。
ウコン、オルニチン、タウリン、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。





