処方箋薬を購入するときには「ジェネリックにしますか」と聞かれます。ジェネリック医薬品は、先発薬と呼ばれるオリジナルと一緒という話をされ、しかも安いのでお得だと言われます。先発の医薬品には20〜25年間の特許期間があり、その期間が過ぎたものが後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品です。先発医薬品とジェネリック医薬品で同じなのは有効成分の種類と量のことで、錠剤やカプセルとしての医薬品全体が、まったく一緒ということではありません。
医薬品の有効成分はコーティーングに使われている成分によって溶けやすさに違いがあります。吸収性にも違いがあって、同じように飲めば、同じように効果があるとは限らないわけです。医薬品は早く吸収されればよいというものではなく、ゆっくりと吸収されることで効き目を長くするタイプのものもあります。血糖値や血圧を降下させる医薬品は吸収が早すぎると、血糖値や血圧が急激に下がって危険になることもあります。
週刊誌でジェネリック医薬品の問題点が取り上げられてから、他のメディア関係者からジェネリック関係の質問が来るようになりました。週刊誌ではジェネリック医薬品の危険性にスポットを当てていたので、別の観点の話をするようにしていますが、どうしても安全性絡みの話が多くなりがちです。
ジェネリック医薬品はオリジナルの先発医薬品よりも安いということは、できるだけ安く作ろうとするのは当然のことです。そこで海外での生産を考えるところも出てくることになりますが、有効成分を海外で作り、それを輸入して国内で医薬品の形にする場合と、もう一つは海外で医薬品を作る場合とがあります。
ジェネリック医薬品の半分ほどは海外での製造で、その多くは中国と韓国だと報道されています。中国の医薬品は、ダイエットのためのサプリメントに医薬品が混入していたことや、強壮薬のニセ薬が販売されていたことがあり、だから中国の医薬品は危険だ、という話の流れになっています。中国で製造されたものが危険というなら、日本国内で販売されているビタミンの多くは中国で作られているので、これも危険だという論法になってしまいます。それ以外にも日本で人気のサプリメントの素材の多くが中国で作られているという事実もあり、さらに日本に輸出しているのは他の国であっても有効成分は中国で製造しているということもあります。
有効成分を作っている国は明らかにされず、最終的に製品にしたのが製造国になるので、表示を見てもわかりません。今回の情報を書く前に、知り合いの薬剤師、薬学博士、飛び込みで調剤薬局にも聞いて回りましたが、どのジェネリック医薬品が海外で作られているかは把握されていませんでした。
こういった事実を伝えて、危険を訴えることは簡単なことであっても、では、どういう対応をすればよいかということを伝えないのでは意味がないと考えます。
一つには先発医薬品を選ぶことですが、価格の問題もあります。そこで考えたいのがオーソライズド・ジェネリックです。これはオリジナルの先発医薬品を製造している製薬会社が、子会社や関係会社に作らせているジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品に、そのような表示がされているわけではないのですが、ちゃんとした薬剤師なら、この程度の知識と情報を持っているので、相談してみる価値はあります。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
女性月刊誌の記者から、「七味唐辛子は7食品になるのですか」という質問をされました。これは以前にセミナーでギャグとして話したことと一緒のことだったので、あえて返答させてもらいました。品目数については、以前に“1日30食品”ということが言われ、1日に食べる食品の数を増やすことが栄養バランスを整えることだというので、メディアにも盛んに取り上げられました。
日本メディカルダイエット支援機構は“おかず”は「御加数」と記載されることから、多くの食品を摂ることが必要と伝えてきたことから、「あなたは、どれくらいの品目を食べているのですか」と、よく聞かれたものです。御加数は江戸時代の健康の指南書『養生訓』に書かれている言葉です。
ギャグとして話したことというのは、「30食品なんて簡単。七味唐辛子で7食品、合わせ味噌で2食品、3色の煮豆で3種類、これだけで12食品」などというような内容です。
もちろん30食品が示しているのは、主菜の動物性たんぱく質は肉、魚、卵、豆など複数のものを摂ることで、さらに肉は豚肉、牛肉、鶏肉、魚は赤身、白身、青背魚というように、できるだけ重ならないようにして別の栄養成分が含まれているものを食べることがすすめられています。
30食品に意味があるのかというと、ある食品販売系の調査機関が30食品を食べている人が、実際に、どんなものを食べているのかの調査をしたところ、基礎調査100人のうち2人だけという結果でした。100人の30食品の内容を調べて比較するという目標であったので、これでは無理だろうということで中止となりました。
そもそも30食品は、どうして言われるようになったのかというと、打ち出したのは厚生労働省の健康関連の部署でした。その当時は健康づくりの基本として栄養・運動・休養が掲げられていて、運動の担当からは1日に30分の運動習慣、休養の担当からは夕食から就寝までの間の30分のリラックスタイムがあげられました。これと並んで栄養のほうも30を掲げて、という話になり、そこで考え出されたのが30食品でした。
海外の文献を見ても、多くの食品を食べることは推奨されていても品目数はなく、30食品に特別な根拠があるわけではなかったのです。その後、国民健康・栄養調査によって栄養バランスが取れている人の平均的な食品数が20種類ほどであることが判明してから、いつの間にか30食品は言われなくなりました。
ただ、食品の数を増やすことに意味がないわけではなく、食品の数を増やすことは、さまざまな栄養素を摂ることができるという意味の他に、食の安全性を確保する意味があります。食品の種類が少ないということは、それぞれの食品の量が増えることになります。食品には農薬や添加物などの後で加えられた有害物の他に、食品の中には元々有害性がある成分も含まれています。その成分は通常の食事量であれば問題が出ない場合がほとんどですが、食品の種類が少なく、限られた食品を食べる量が多くなれば摂取量が多くなってリスクも高まっていくからです。
日本メディカルダイエット支援機構では、厚生労働省をはじめとした官公庁、大学などの研究機関の研究成果などの情報を検索して、医師、研究者、団体役員などに健康情報メールとして毎週1回、発信しています。このうち研究成果は、まだ途中の段階のものもあり、ここまで研究が進んでいるということを知ることで、研究が重ならないようにする、さらなる研究の道を目指すといった使い方がされています。研究途中のことなので、同じような研究なのに逆の発表がされることも多々あります。だから、常に最新情報を検索しておかないと、古い情報を正しいことと認識したまま健康情報を発信することにもなりかねません。
そういった点では、いつまでも情報が消えないインターネットは困った存在で、今では間違いとなった情報が、そのまま掲載され続け、それを信じて間違ったことを実践してしまう人や再発進する人もいます。中に初めから間違った情報が掲載されることもあります。“フェイクニュース”とまではいかなくても、もっともらしい研究情報が掲載されて、それを使って誰かに都合のいい情報が出されることも少なくありません。
これはテレビの健康番組でも見られることですが、他局の番組を見ていたディレクターから、紫外線と活性酸素の関係という今では当たり前と思われていることについて質問がありました。紫外線を浴びると体内で活性酸素が発生しますが、活性酸素は目の老化を進めるので日光を浴びすぎないのがよいという情報が紹介されています。その一方で、紫外線を浴びることで体内ではビタミンDが合成されるので日光を浴びるのがよいという情報も紹介されています。どちらも正しくて、問題は、どれくらいの時間、日光に当たるのがよいかということになります。実際には1日に10分、日光を浴びればよいとされています。
その情報を出さないと見ている人を混乱させることになります。もっと混乱するのは情報を発信しているコメンテーターの専門家の存在で、一人の医学者が片方の番組で、例えば日光の有効性を語り、もう一方の番組で日光の有害性を語っていることです。ディレクターからの質問もそこで、「同じ先生が違うことを言っている」という話から始まりました。
テレビ番組はコメントの時間が限られていることからポイントしか伝えられないことがあります。番組側で用意したコメントを語ることしかできないことさえあります。そのために別の番組と逆のことを発言している先生という印象を与えることにもなりかねません。
中には、専門以外のことを、テレビ局側が用意してきたコメントを、間違った伝わり方をする危険性を感じつつもテレビに出たいからと答えてしまう先生もいれば、当方が健康情報メールを送っている先の医師からテレビ局のコメント要請に応えたいので、何を言えばよいか教えてくれ、という先生まで様々です。
医者のコメントだから信じる、というのではなく、まずは発言している先生を信じてよいのかから調べています。調べるのはインターネットという手段があり、過去の発言から信用度がわかるのですが、先に触れたようにインターネット情報が、そもそも正しいのかということもあって、調べるには、それなりの知識と情報網が必要になってくるのは仕方がないことです。
メディア関係者から、以前に返答したことと同じ質問が来ることがあります。教えてもらったことを忘れたということではなく、記録や資料を調べるよりも、もう一度聞いたほうが簡単に済むということもあるようです。そういった質問に再び答える当方の姿勢がメディアの方々を安易にさせてしまうのかもしれませんが、このコーナーでも同じことを繰り返して紹介させてもらいます。少しだけ書き方を変えますが。
その質問というのは、このコーナーで再三繰り返してきた「三大ヒトケミカルは医薬品として使われている」ということで、サプリメントとして知られているα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は医薬品としては何に対して使われているのかということです。
α‐リポ酸は、チオクト酸と呼ばれる代謝促進の補酵素で、肉体疲労などでチオクト酸が大きく不足したときの補給のほか、リー(leigh)症候群(亜急性懐死性脳脊髄炎)、騒音性内耳性難聴の治療に使われます。L‐カルニチンは、カルニチン欠乏症、プロビオン酸血症、メチルマロン酸血症の治療に使われます。コエンザイムQ10は、ユビデカレノンの名称で、うっ血性心不全治療薬となっています。
今回、質問してきた方は、医薬品としての記事を書くためではなく、サプリメントの記事のためで、「医薬品として効果があるのに、サプリメントとして効果が出にくいのは、どうしてか」というのが主意でした。医薬品とサプリメントというと、“サプリメントは薬を薄めたもの”という誤った認識の人もいるのですが、医薬品よりも有効成分は少ないというのが一般的な認識です。
それは真実なのかというと、医薬品としてのコエンザイムQ10(ユビデカレノン)の1日の摂取上限量は30mgとなっていますが、サプリメントとしては1日の推奨量を100mgとしている商品もあります。医師の中には、医薬品では多くの量を使えないからとサプリメントをすすめている人もいます。
L‐カルニチンは効果が出にくいというのは海外の話で、そのような論文は数多くあります。しかし、日本人の場合にはサプリメントとしては逆に効果が出やすくなっています。というのは、L‐カルニチンは肉類に多く含まれていて、肉食が多い欧米人や北方系のアジア人などは体内にL‐カルニチンが多く蓄積されています。だから、サプリメントを摂っても効きにくいのです。それに対して日本人は蓄積量が少ないので、サプリメントとして摂った場合に効果が出やすいのです。
α‐リポ酸は、体内で必要になるのは天然タイプのR体です。ところが、サプリメントでは非天然型(人工型)のS体を、R体と組み合わせたものが多くなっています。これはR体のα‐リポ酸は胃液で分解されて吸収されてもα‐リポ酸として働かないために、分解されにくいようにS体とR体を組み合わせているのです。このタイプはR体が半分となっているので、摂取量に比べて効果が出にくいのは当然のことです。
α‐リポ酸は胃液で分解されやすいので空腹時に摂るのが原則です。L‐カルニチンは水溶性なので、いつ摂ってもよいのですが、たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まる特性があるので、たんぱく質が含まれた食品を食べるときが摂取タイミングです。コエンザイムQ10は脂溶性なので食後に摂るのが原則です。しかし、これらの成分が一緒になったサプリメントがあり、それはいつ摂ればよいのかわからなくなります。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
2020年に高齢化率30%に達することが予測される日本は、それから30年後の2050年には高齢化率40%の超高齢社会に突入すると予測されています。中国の高齢社会が世界の経済に大きな影響を与えることが懸念されていますが、その中国は30%の高齢社会に達するのも2050年と予測されています。中国の高齢対策プロジェクトに参加しているアドバイザーから「中国は金もある、土地もある、人もいる。日本に期待するのは高齢社会に対応するソフトだけ」と言われたことがあります。
中国の大病院は日本と遜色がない医療機器があり、その操作を熟知した技術スタッフもいても、医学知識が高齢の人たちに完全に対応できるところまでは至っていません。個々の施設の対応ではなく、施設がある高齢地域ごとの対応が大きな課題となっています。
その対応といっても、数多くの高齢者が暮らす地域では、従来の医療と福祉ではこなすことができなくなっています。自宅で、自分たちが暮らす地域で、全住民の健康度を高めて、健康寿命を延ばし、医療と介護の負担を全体的に減らしていくことが強く求められています。そのために地域の健康づくりのリーダーを育成して、限られた専門家に頼るのではなしに地域住民が知識を持って当たっていく“地産地消型”活動が注目されています。具体的には、健康づくりに関する資格認定です。資格認定教育によって地域ごとに先生(リーダー)がいて、各地で会長・役員になって活動することを目指しています。
地域の健康づくり施設として中国の方々に注目され、日本で見学が増えているのは温泉施設です。温泉といっても入浴に簡単な食事が提供されるレベルのものではなく、スパランド、健康ランドのような滞在して楽しみ、その中にある健康に関わるサービスやショップ、レジャーなどを楽しみにして何度も通える施設です。そういった施設が各地の大都市部に、大規模なものが計画されています。
日本にはスパランドは増えてきました。しかし、その多くはファミリー層を狙ったもので、高齢者に特に優しい施設と内容ではありません。中国側が日本でモデルとして望んでいるのは、高齢化率が高くて、高齢者へのサービス対応が進んでいるハイレベルの施設ですが、高齢化率が高い地域では、いわゆる“ひなびた”施設が多くて、ホテルのようなサービスは望みにくくなっています。
温泉ホテルであって、中国にサービスのモデルとして導入したくなるようなところで、周辺に健康づくりができる施設と人材がいて、しかも高齢化率が40%になっても自治体として高齢化対策に真剣に取り組んでいて、しっかりと学べるとなると、ごくごく限られてきます。限られているものの、ないわけではありません。
今は健康寿命延伸への取り組みが途中であっても、完成を目指して頑張っているところとして海外に紹介できるのは岡山県和気郡和気町です。和気郡は現在では和気町だけです。以前は備前町、三石町が合併して備前市となり、これに日生町、吉永町が合併して離れて和気町と佐伯町が残りました。この両町が平成17年に合併して現在の和気町となりました。
両町の合併によって健康づくり、観光、文化、物産などの施設がすべて揃いました。町内には廃線を活用したウォーキング・サイクリング専用道(34km)のメインロードが通っていて、過去に私鉄が走っていたところだけに駅前(JR山陽線)から温泉ホテル、運動施設、病院、学校、福祉施設の近くを通っています。住民のための買い物ができる施設も揃い、高齢化率がもうじき40%に達しようというのに“元気に頑張っている町”です。
それぞれの施設を見学するだけでなく、施設の結びつき、活用のされ方、それらを活かした健康づくり活動、子供への教育支援までを全体的に見てほしいのです。
30年以上も世界一の長寿を誇っていた日本が、香港に抜かれて男女平均が世界2位となりました。日本の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳と過去最高を更新しましたが、香港の延びは急速で平均寿命は男子が81.32歳、女性が87.34歳となりました。そのことが発表されてからテレビ番組で香港の長寿の秘訣が取り上げられる機会が増え、香港で健康を維持している元気な高齢者の運動と食生活が紹介されています。
その内容を見ていて気になったのは、多くの番組で太極拳を楽しんでいる人が紹介され、肉類が多い食事をして、漢方薬を取っていることで、確かに、これは長寿の秘訣であることは正しいのでしょうが、これは香港だけに限った話ではありません。中国人が当たり前にやっていることで、香港と同じものを食べている中国人の平均寿命は男性が44位、女性が80位、男女平均で53位です。
香港が中国本土よりも優れているのは、貧富の差が少なく、教育レベルも高く、漢方薬の消費量の多さがあげられています。食事と漢方を大切にしていることから“医食同源”があげられることも多くなっています。“医食同源”を最大の原因としている番組もありました。その指摘は当たっていると思いますが、問題は“医食同源”という言葉で、そのような言葉は中国文化圏にはありません。中国にあるのは“薬食同源”です。食が医というより、食が薬という考えのほうがしっくりときます。
これに加えて、坂道が多いことによる歩行数の多さ、高齢者を敬う風潮の強さなどがあげられていますが、それだけでなく特徴的に食べているものがあるはずと、その理由探しが行われてきました。
ある番組が、太極拳の帰りに飲茶を楽しんでいた高齢者の集団がデザートとしてナッツ類を持ち込みで食べていました。これこそが健康長寿の秘訣であると長寿科学の研究者がコメントしていましたが、その番組の後で、他局のディレクターから「香港の人たちの長寿食であることは間違いないですか」との問い合わせがありました。
ナッツ類は中華料理にも多く使われますが、確かに香港では多く食べられています。塩分の摂取量が多めになる心配がありますが、肉類を食べすぎるよりは健康度を高める可能性があります。ナッツ類を多く食べているのが理由なのか、他のものを食べている上にナッツ類を食べていることがよいのか、そこのところはわかりません。中国本土に比べると空気や水の環境がよく、喫煙率が低いこともあげられます。
要は、原因は一つや二つだけでなく、いろいろなことが重なって好結果を生み出しているのであって、これが原因だと決めつけて、そればかりを食べて安心するようなことではいけないと講習で伝えています。
読み間違いを防いで正しく伝えることはテレビ番組、ラジオ番組だけの話ではなく、書籍や雑誌、WEBサイトでも、あってはならないことです。誤字、脱字は気をつけていても、ある程度は仕方がないものです。原稿を書いている段階で誤字、脱字、変換ミス(パソコン使用)があっても、しっかりと校正をしてから公開すれば正しくなるだろうし、WEBサイトなら文字修正可能なソフトが入れ込んであれば、いつでも簡単に直すことができます。
手書きやワープロ打ちをした原稿を別にパソコンに打ち込んでいた時代には、原稿が存在していたので、それを見ながら校正をすることもできました。間違いの多くは変換ミスであるので、同じ音、つまりひらがなにすると同じ文字になるものを特に注意していれば、間違いの多くは防げたものです。ところが、パソコンで原稿打ちをしたものは、そのデータが原稿となることから間違いが、間違ったまま出てしまうことも少なくありません。
これが文章的におかしく感じるものであれば、他の人の目を通して発見できます。書籍や雑誌、新聞など校正者がチェックをします。テレビならディレクターが書いてプロデューサーがチェックします。WEBサイトだと専門的にチェックする人がいないこともあって、一番間違いが起こりやすいと指摘されています。しかし、実際に間違いを目にする機会が多いのはテレビのテロップ、雑誌記事、WEBサイトです。
なぜ、このようなことを書くのかというと、「・」と「、」が混同しているのが気になるからです。そして、固有名詞の読み間違いが起こっているからです。
例えば、ビタミンとミネラルの話をするときに、別々のものなので「ビタミン、ミネラル」と書くべきです。ところが、「ビタミン・ミネラル」と書かれていることがあります。ビタミンとミネラルは別のものだという知識があれば、これは「、」と書くべきを「・」と書いてしまったことに気がつきます。ところが、その知識がないと「ビタミン・ミネラル」という固有名詞と感じるかもしれません。
かもしれませんと書いたのは、実際には間違う人はいないだろうという思いがあるからですが、見知らぬ言葉が「・」でつなげられていたら、これは一つの固有名詞と思ってしまいます。ジョンとスミスではなく、「ジョン・スミス」という名前だと思って、間違いを記憶することにもなります。「岡山・赤磐」となっていたら、岡山市と赤磐市のことなのか、岡山県の赤磐市のことなのかわからなくなってしまいます。
健康番組のテロップでテーマに沿った健康に役立つ食べ物として「黒糖・くるみ」と出ていました。ナッツ類のくるみ(胡桃)に黒糖をまぶした人気のスイーツがあるので、そのことかと思ってスーパーマーケットを探し歩いたことがありますが、後になって、黒糖とくるみを別々に示したことがわかり、「・」ではなく「、」だとわかったところです。
このような「・」と「、」の書き間違いがあっても、耳で聴くラジオの場合は「・」で書かれていても見えるわけではなく、「・」は続ける感じで読み、「、」は離した感じで読まれるので、意味を違えるようなことはないはずです。テレビでは言葉で表現したことをテロップとしても流すので、間違いにくいとも考えがちですが、テロップが出ていると耳で聞いても頭に入ってきにくいので、「・」と「、」の使い分けは正確にしてほしいものです。
70歳という年齢は健康について考えるときのターニングポイントです。男性は平均寿命が80歳を超えましたが、平均寿命まで、あと10年ということになり、この10年間を如何に過ごすかというのが人生の締めくくりを幸せとできるのか、それとも不幸と感じながら最期に向かうのかの大事な分かれ目になります。幸せな10年間のためには、入院することもなく、介護を受けることもなく自由に暮らしたいものですが、実際には健康寿命は男性では平均寿命よりも9年間も短くなっています。女性は12年間ですが、これは平均寿命が長いことと関係しています。
男性を例に話を進めますが、健康寿命と平均寿命の差の9年間は寝たきりまではいかなくても家の近くしか出歩けない、他人の助けがないと好きなことができないという状況になります。そのために、この期間は生活や趣味などのための消費が極端に減り、その分が医療や介護に使われます。その証拠の一つとしてあげられるのが生涯医療費です。生涯医療費は2600万円(男女平均)となっています。これは本人が医療費として医療機関に支払う金額ではなく、医療機関が受け取る金額で、国や自治体などが支払う分も含まれています。その2600万円の半分が70歳以降に使われているのです。平均寿命までの10年間だとすると年間130万円もかかっていることになります。
なぜ、こんなにも医療費がかかるのかというと、免疫の低下が大きく影響しています。免疫は病原菌やがんなどの外敵と闘う力とされています。実際には敵と味方を区別して、敵だけを攻撃する能力を指していますが、免疫が低下するとがんにも細菌にも侵されやすくなります。免疫のピークは20歳代で、これをすぎると年々低下していきます。40歳には免疫は半分になり、70歳になると10分の1にも低下すると考えられています。10分の1になるということは、がんなどになる可能性は10倍になるということになります。
人間の身体には約60兆個の細胞があるとされていますが、1日のうちに新たにできる細胞は約1兆個です。1日に6分の1もの細胞が入れ替わっているわけです。この入れ替わりは、古い細胞が壊れ、新しい細胞が分裂してできています。いわばコピーのようなもので、1兆個もコピーされるとコピーミスも起こります。このコピーミスががん化で、約5000個のがん細胞が毎日できています。1兆と比べると2億分の1の数ですが、がん細胞は一気に増殖する特徴があります。
細胞は誕生から20年かけて60兆個に増えていきます。一気に増殖するときには倍々に分裂して増えていきますが、一定量に達すると分裂するたびに1個の細胞が増える1枚ずつコピーの状態になります。こういった増え方をするように規制がかかっているのですが、がん細胞は規制がかかっていないので、倍々に増えていきます。そのため、がんは一気に増殖をしていくのです。
免疫は免疫細胞と呼ばれる白血球、リンパ球が担っています。この免疫細胞が正常に働いていればよいのですが、免疫細胞も老化していきます。老化といっても細胞なので新たに誕生しています。それなのに老化するのは、細胞を働かせるためのエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出すために必要な三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が加齢に伴って減っていくからです。この三大ヒトケミカルの減少の曲線は免疫低下の曲線と似たような形を描いています。そのために、三大ヒトケミカルの減少が免疫を低下させると考えられているわけです。
三大ヒトケミカルは体内で合成される成分ですが、医薬品だけでなく食品として摂ることも許可されているので、サプリメントとして摂取することができます。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
三大栄養素とは糖質、脂質、たんぱく質のことで、食事から摂ることによって細胞のミトコンドリアの中でエネルギーとなることから三大エネルギー源とも呼ばれています。三大といっても、四つ目があるわけではなく、三つの種類しかありません。この三大エネルギー源をエネルギーに変換するのがエネルギー代謝で、単に代謝とも表記されます。代謝というと新陳代謝という言葉があって、細胞の再生、入れ替わりの意味に使われる事が多いので、エネルギー産生(細胞内でのエネルギー発生)を指すときには面倒でもエネルギー代謝と呼んだほうが合っています。
エネルギー代謝を行うときに必要になるのが代謝促進成分で、通常はビタミンとミネラルがあげられます。ビタミンは糖質、脂質、たんぱく質がミトコンドリアに取り込まれるアセチルCoAに変化するときに必要です。ミネラルは細胞を働かせるための補酵素となり、中でもマグネシウムは細胞の約300種類の補酵素、亜鉛は約200種類の補酵素となっています。
ビタミン、ミネラルと同様に代謝促進成分として欠かせないのがヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。ヒトケミカルはホルモンや生理活性物質などの細胞内で合成される成分ですが。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10はヒトケミカルの中でも重要な成分ということで三大ヒトケミカルと呼ばれています。ビタミンもミネラルも食品から摂る必要がある栄養素ですが、三大ヒトケミカルは食品にも含まれていて、合成量、体内の保持量が減ったときには食品から補うことができます。
ビタミン、ミネラルに続く言葉としては食物繊維が一般的で、三大栄養素と合わせて、六大栄養素とも呼ばれています。食物繊維は腸内活性に必要なもので、胃では消化されなくても腸内細菌によって分解されて腸内細菌のエサにもなります。だから、必要なものであることは誰もが認めることです。
しかし、エネルギー代謝という生命維持に必要な栄養素ということになると、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの次に並ぶべきは三大ヒトケミカルとなることは明らかです。
といっても、六大栄養素の中に加えると栄養学的に混乱が生じるので、代謝成分に注目して、「三大代謝成分」と呼ぶことにしたいと思います。その三大代謝成分の中でビタミンとミネラルは充分な栄養摂取をしていれば不足することはないはずです。国民健康・栄養調査によると日本人はカルシウムとカリウムの不足が特徴的で、他の栄養素は食品の選択と摂取量が間違っていなければ補うことができます。問題は三大ヒトケミカルで、体内での合成量は20歳代をピークに減少する一方です。今でこそ長寿を誇る日本人は歴史的な長生きしたことがないこともあって、高齢になると三大ヒトケミカルが大きく不足して、通常の食事だけでは不足分を補うことができません。
幸いなことにα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は2001年から2004年の間に、医薬品成分だけでなく食品として摂ることが許可された成分であり、サプリメントとして摂ることができます。サプリメント成分としては種類による選び方、摂るタイミング、加工法による吸収性の違いなどの問題もありますが、その情報を知れば効果的に補って、エネルギー代謝を高めることができるので、その情報は是非とも入手したいものです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10に情報については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。
「様」といえば名前を後につける敬称で、手紙やメールにしか使わないという人も少なくありません。講演で講師を務めたときに「先生」と呼ばれるのではなく、「様」をつけて呼ばれたときには慌てましたが、その様が「様に」というようにテレビのテロップで使われ、頻繁に目にするようになりました。本当は「ように」と表示したいところなのでしょうが、テロップは短くて文字数に限りがあるので、漢字を使っているわけです。
同じような使い方がされているのは「風」です。風といえば空気の流れのことかと思ったら、「という風に」というように書いて「ふうに」と読ませています。パソコンの文字変換を使えば簡単に出てくるものの、「テロップは聴きながら読むのだから、読み間違いはしないのでは」と、そのテロップを作っているディレクターから言われました。確かに文字だけを出されているわけではないので、その言い分もわからないではありません。しかし、テロップが出ているときに、流れている言葉は耳には入ってくるものの、その意味までは充分に伝わってこないというのは、よくあることです。
言葉では「すごい」と言っていても、テロップに「すごく」と出ていると、印象に残るのは「すごく」のほうです。以前に、番組の監修をしたときに話している内容が違っていましたが、放送まで時間がないというのでテロップを書き換えて通すようにしたことがあります。その番組を当方の知人で見てくれたうち、話した言葉とテロップが違っていたことに気がついたのは、たった1人、わずか1%でした。
最近、テロップで増えてきたのが「沢山」です。これは「たくさん」を漢字にしたものですが、普段は使う漢字ではないので、沢山と書かれていたら疑問が先に立って、その後のことは頭に入ってこないということもあります。我々は疑問が、というよりも、どうしてこの使い方をしたのかということが気になって、頭に入ってこない感じです。
以前、番組の台本の読み合わせをしているときに、「たくさんあおい」と読む人がいて、何だろうと思って台本を見たら「沢山葵」と書かれていました。「さわわさび」の読み間違いです。これも「沢山」を「たくさん」と読ませていることの弊害の一つかと思います。
この他に、「様々」、「色々」、「十分」というのも気になります。このコーナーでは数字を扱うことが多いことから「十分」と書いたら「じゅうぶん」というよりも「じゅっぷん」と読まれかねないので、わざわざ「充分」と書き分けています。正しい漢字使いからしたら「じゅうぶん」は「十分」と書くのが相応しいのですが、意味の間違いを防ぐのが重要なことであるので、当然のことと考えます。
テロップでは漢字変換は仕方がないとしても、これを読み間違えしないように記事として読まれるための原稿を書くときには、わざと漢字とひらがなを混ぜることがあります。これはありだとしても、「人ごと」という表記は問題です。「ひとごと」とは「他人事」の読み仮名で、これを「たにんごと」と読まないように振り仮名をつけることはあっても、漢字とひらがなを混ぜて「人ごと」ということはあり得ません。むしろテロップに表記するなら「ひと事」になりそうですが、「他人」を「ひと」と読む機会が少なくなってきたせいなのか、「人ごと」というテロップは頻繁に登場しています。





