粉物は太りやすい料理とされています。麺類はツルツルと食べやすく、お好み焼き、たこ焼きなどは特有の味付けもあって、これも食が進みやすい料理となっています。食が進むから太りやすいだけでなく、粉物は血糖値を上昇させやすいことも指摘されています。同じ米であっても、玄米は食物繊維が多く、外側が糠に包まれているので消化液が届きにくく、でんぷんに分解されるのにも、ブドウ糖にまで分解されるのにも時間がかかります。それに対して白米は分解されやすく、さらに米を粉にしたビーフン(米粉)は分解がもっと早くなっています。
米だけでなく、小麦を材料にした小麦粉が使われた麺類、パン類などは分解が早く、それだけブドウ糖に分解されるのが早くなります。ブドウ糖に分解されるのが早いと、それだけ早く吸収されて血糖値の上昇速度も早く、そして上昇率も高くなります。
血糖値が上昇すると、そのピークの高さに合わせて膵臓からインスリンが分泌されます。早くブドウ糖が吸収されるほど、多く吸収されるほどインスリンの分泌量が増えます。インスリンは細胞にエネルギー源のブドウ糖を取り込む働きと同時に、肝臓で合成される脂肪を増やし、脂肪細胞に蓄積される脂肪の量を増やす働きもします。ということで、粉物は太りやすいわけです。
そういうこともあって、白米は太りやすいので玄米のほうがよいと言われても、玄米は噛みごたえがあって、消化が悪く、そもそも美味しくないので食べにくくなっています。そこで最近ではロウカット玄米も登場していて、玄米であるのに白米と同じ食感で食べられるというので評判になっています。また、亜糊粉層という白米と玄米の間の薄い層を残した金芽米も消化の時間を延ばして太りにくい米であるのに美味しいということで人気になっています。
これだと白米を食べると太る、粉物を食べると太るということになって敬遠されがちですが、問題となるのは食物繊維の量が少ないことで、食物繊維が多く含まれるおかずを一緒に食べると、消化に時間がかかって血糖値の上昇が抑えられることになります。
では、太りたい人は粉物を多く食べればよいのかというと、それでは血糖値が上昇しすぎて糖尿病の不安があるという人の場合には、あまりすすめられないことになります。粉物を食べても血糖値が上昇しすぎないようにするには、水溶性食物繊維を摂ることが有効になります。海藻、キノコなどに多く含まれる水溶性食物繊維は消化には大きくは影響しないという特徴がありますが、胃の中で水分を吸うとネバネバ状態になり、ブドウ糖がゆっくりと腸に運ばれることから血糖値が上昇しても時間がかかり、急上昇を抑えられるようになります。
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脂肪はエネルギー量が高く、1g当たり約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalに比べると2倍以上もエネルギー量が多いことから、多くの量を食べれば太るのは当然のことです。そこでエネルギーの摂りすぎにならないように脂肪の摂取量が一定量を超えないように指導されます。「日本人の食摂取基準」(2015)によると、1日の摂取エネルギー量のうち脂肪の割合は20〜30%とされています。これを超えないようにすればよいというわけですが、実際には脂肪の摂取量を一定にしていても、いつ摂るかによって太りやすさが違っています。
脂肪は朝食、昼食に摂るよりも夕食に摂るほうが体脂肪が増えることが知られています。その説明としては一般には「夕食後は活動でエネルギーを使う機会が少ない」ということが言われています。それは確かですが、では夕食後に昼間と同じだけの活動をさせた場合には、どんな結果になるのかを実証試験したことがあります。活動量が同じだけでなく、通常の運動量よりも増やした場合でも体脂肪が増える傾向があるという結果となりました。
その理由ですが、朝食、昼食と比べて夕食では、食後のエネルギーロスの量が異なっているからです。エネルギーロスというのは、飲食で摂取して体内に取り込まれたエネルギー量のうち、体内で使われなかったものを示すもので、エネルギーロス率10%というと、本来はエネルギーとして使われるべきものが10%も使われなかったということになります。エネルギーロスは何によって起こるのかというと、三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質が他にものに肝臓で合成されるときに使われるエネルギーとなっています。
血液中の三大エネルギー源で余分になったものは肝臓で脂肪に合成されます。これは同じ重量でエネルギー量が高い脂肪にしたほうが少ない容量で多くのエネルギーを蓄積することができるからです。つまり、糖質やたんぱく質を、そのまま蓄積するよりも脂肪に変化させると2倍以上のエネルギー量を溜め込むことができるということです。
食事で摂った脂肪を蓄積する形の脂肪酸に変えるのは、同じ脂肪への合成のために多くのエネルギーは必要としません。そのため、エネルギーロス率は約3%となっています。それに対して糖質とたんぱく質は脂肪とは違った形であるので、多くのエネルギーが必要となり、エネルギーロス率も20%ほどとなっています。そのため、脂肪が多く含まれる肉類を夕食に摂ると余分に使われるエネルギーが少なくなるために太りやすくなるわけです。
やせることを望んでいる人は昼間に肉類を食べて、夕食では脂肪が多く食品は減らすようにするべきです。逆に太りたい人は、夕方に脂肪が多い食品を摂るようにします。このエネルギーロスを活用すると、1日に食べる食品を変えずに、体脂肪の量をコントロールできるようになります。
脂肪合成はインスリンが多く分泌されたほうが進みやすく、インスリンは副交感神経の影響を強く受けるので副交感神経の働きが盛んになる夕方以降のほうが脂肪合成は進みやすくなります。夕食で脂肪が多く含まれる食品を食べると太りやすいのは、こういった理由もあるのです。
“ストレス太り”という言葉があります。一般には、ストレスが高まると、それを解消するために多くの量を食べるようになる、脳の栄養になる糖分を摂るようになって太ることを指しています。これは当然のように起こることですが、メディカルダイエット的には、もう一つの理由があります。それはストレスによって筋肉が減り、脂肪が増える仕組みが私たちの身体の中にあることです。
ストレスは、本来は危機的な状態で起こるものであって、その危機的状況から逃れるために自律神経の交感神経の働きを急激に高めて、身体の変化を起こしています。何が起こるかというと、血圧が上がり、血管が収縮して、呼吸数が高まります。逃れるためにはエネルギーが必要となることから、すぐにエネルギーとして使われるブドウ糖を血液中に多く放出します。放出しているのは筋肉で、筋肉の中にはブドウ糖が結合したグリコーゲンの形で保存されています。このグリコーゲンの結合を解くことで、ブドウ糖が血液中に増え、これがエネルギーとして使われるわけです。
交感神経にはグリコーゲンの分解を解く作用があり、ストレスが高まるほど血液中のブドウ糖が増えていきます。肉体的なストレスなら増えたブドウ糖を使って走って逃げるということもするわけで、ブドウ糖が多くなりすぎることはありません。しかし、精神的なストレスでは増えた分のブドウ糖を使うことはできません。脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖で、全身の消費エネルギー量のうち20%ほどは脳が使っています。だから頭を使いすぎると脳がエネルギー不足になり、甘いものへの欲求が高まるわけです。脳は全身の2%ほどの重量しかないので、相当にエネルギーを使っているといっても、全体でいえば20%なので、フル回転させたとしてもストレスによって増えすぎたブドウ糖を使い切るわけではありません。
そのために、精神的なストレスで増えすぎたブドウ糖は余分なものとして、蓄積されるエネルギーとして肝臓で脂肪に合成されます。その脂肪は体脂肪として蓄積されるので、強いストレスを感じた結果として体脂肪が増えることになるのです。
ストレスによって筋肉が減り、脂肪が増えるのが“精神的ストレス太り”ということになるわけですが、スポーツをする人や年齢を重ねることによって筋肉が減る傾向がある人には、なんとかしたい身体のメカニズムです。そこでメカニズムを知って、どんな対策をすべきかということですが、ストレスが強いときには、筋肉を刺激する運動をする機会を増やすことです。運動によってストレスを解消しようというのが一つの理由ですが、筋肉運動をしてから食事をすると肝臓でブドウ糖がグリコーゲンに合成されやすくなります。合成されたグリコーゲンの一部は肝臓にも蓄積されますが、筋肉にも蓄積されるので、筋肉から出て行った分を補うためには食事の前の筋肉運動が有効になります。
入浴のダイエット効果は、浮力と水圧によって血流が高まって筋肉に酸素と脂肪燃焼のために必要となる栄養成分のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)や三大ヒトケミカル(α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10)が効果的に運ばれるようになることが一つにはあげられます。もう一つは温熱効果で、筋肉が温まることで筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼの働きが盛んになって脂肪の燃焼が進むようになるからです。
これらの効果は、どんな風呂でも同じなのかというと、深さがある浴槽では水圧が強くなるので深い風呂のほうが優位になります。浮力は、どこまでお湯の中に浸かっているかで変わってきます。首から上を湯面から出した状態では体重は10分の1ほどになります。浮力によって身体が軽くなった分だけ筋肉の負担が減り、血流もよくなっていきます。
温度が同じなら温熱効果も同じというように感じるかもしれませんが、お湯の量によって身体の温まり方が大きく違ってきます。
煮物をしたことがある方なら感覚的にわかるかと思いますが、煮物は小さな鍋で煮るよりも、大きな鍋で煮るほうが早く軟らかくなります。これは熱量の違いで、お湯が多ければ、それを温めるために使われた熱が多く、熱量も高くなっていて、その熱量が材料に伝えられて短時間で軟らかくなります。
それと同じことが入浴でも起こります。家庭用の浴槽よりも銭湯の浴槽のほうが身体は温まります。銭湯は衛生のために温度が高くされていますが、温度だけで身体が温まりやすく、冷めにくいわけではなかったのです。熱量の違いを実感できるのは温泉場の浴槽で、ぬるめのお湯なのに身体が温まりやすく、冷めにくくなっています。温泉の温熱効果というと、温泉成分のおかげという印象があります。もちろん、それもあるのですが、お湯が多く熱量が高いことが大きく影響しています。
熱めのお湯では脳が温まることになり、それがのぼせの原因になります。のぼせは“逆上せ”と書くように、脳の興奮状態が行きすぎたような感じになりますが、これは身体が温まることで脳に届けられる酸素が一時的に減ることが関係しています。大きな温泉のゆるめのお湯なら長く入っていても脳が急に温まりすぎるようなことはないので、のぼせに関しては安心して入浴することができます。
熱量が高いお湯に入っているとやせやすいわけですが、なかなか太りにくいことを悩んでいる人にとっては、脂肪が多く燃焼して減ることは問題となります。脂肪が燃焼されすぎないようにするには、熱量の影響も考えて、長湯をしすぎないこと、入浴後の食事では脂肪が含まれている食品を食べることなどにも気を使いたいものです。ただ、ぬるめの温度では熱量が高くても、自律神経の副交感神経の働きが盛んになり、そのために胃液とインスリンの分泌が盛んになることから、入浴後の食事ではインスリンの働きによって肝臓での脂肪合成が進みやすくなるので、心身のリラックス効果を感じる程度の時間は入浴するようにします。
メディカルダイエットの手法では、夕食前の入浴温度が重要で、ぬるめのお湯に、ゆっくりと浸かり、そのあとに食事をすることには注意を呼びかけています。厳しく体脂肪コントロールをしなければならないスポーツ選手の場合には、ぬるめの入浴だけでは体脂肪が増えることになるので、浴室から出る前に42℃以上になるように追い焚きするか、熱めのシャワーを浴びることを指導しています。ぬるめの入浴は38〜40℃の湯温を指していますが、この温度で入浴すると自律神経の副交感神経の働きが盛んになります。副交感神経によって胃液とインスリンの分泌が盛んになっていくのですが、ぬるめの入浴は食べたものの消化を進め、膵臓から分泌されるインスリンによって肝臓での脂肪合成が進むことから、これが太る要因となっています。
年齢を重ねて、なかなか太れなくなってきた人は、ぬるめの入浴はインスリンの分泌量を増やして、脂肪合成を進め、そして体脂肪を適度に増やすことを考えたいものです。ぬるめの入浴は、もちろん副交感神経の作用によってリラックス効果があり、心身の疲れを取り、安定した状態で睡眠までの時間を過ごせるというメリットもあります。
単純に太るということなら、これだけでもよいのでしょうが、体脂肪が増えることで筋肉の割合が減ったり、体脂肪の増えすぎでメタボリックシンドロームになってしまうのでは、“健康のために太る”という目的とは離れてしまうことになります。体脂肪を増やすけれど筋肉も増やしたいという人には、入浴前の筋肉運動がすすめられます。メディカルダイエットの手法では、運動直後の入浴は、ぬるめのお湯であっても30分間は禁止しています。運動後に30分してから入浴するのは筋肉の中にあるリパーゼという酵素は運動によって筋肉の温度が高まると働きが盛んになり、脂肪の分解が盛んになっていきます。分解が進めば燃焼しやすくなるのでダイエット効果も高まります。
リパーゼの働きは運動を終えてから徐々に低下しながら30分間は続いています。何もしなくても脂肪が燃焼している時間なので、やせたい人は入浴せずにシャワーだけにしておきます。シャワーは筋肉までは温めないので、リパーゼに影響しないわけです。筋肉運動によって筋肉を刺激して、そのあとに脂肪の燃焼を減らしたいという人は入浴をしたほうがよいということです。
ぬるめの温度での入浴なら問題はないのではないか、ということは以前にテレビ番組のダイエットコーナーの監修をしたときにディレクターから聞かれましたが、運動によって筋肉の温度が高まったところに、ぬるめであっても身体を温めるだけの温度がプラスされると筋肉の温度が高まり、やはりリパーゼの働きが低下していきます。
太りたくない人にとっては、太る方法を教えるというのは違和感がある情報かもしれませんが、太るメカニズムを知っていれば、それを避けることで無理なく、健康的にダイエットすることもできるようになります。ダイエットはやせることだけではなく、人によっては太ることもダイエットだということを繰り返し紹介していますが、医科学の理論に基づいて個人に合った体脂肪量をコントロールするのがメディカルダイエットであり、その普及を私たちは行っています。
一番コントロールしやすいのは夕食前の時間帯で、夕食の30分ほど前に空腹を感じたからといって砂糖が含まれた甘いものを食べると、血糖値が上昇したまま食事をすることになるため、太りやすくなります。砂糖はブドウ糖と果糖が1対1の割合で含まれていますが、血糖は血液中のブドウ糖のことで、身体はブドウ糖の量に反応して上昇していきます。血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは全身の細胞にブドウ糖を取り込む働きをするホルモンで、細胞はインスリンを用いてブドウ糖を取り込み、細胞のエネルギー源としています。細胞に入ったブドウ糖を細胞内のミトコンドリアに取り込んでエネルギーとするために必要な成分がα‐リポ酸です。
ブドウ糖が含まれた甘いもの、つまり砂糖が使われた菓子類などを食べると、血糖値が上昇してインスリンが多く分泌されます。菓子類ではインスリンが多く分泌された割には通常の食事に比べるとブドウ糖の量が少ないために、血液中にはインスリンが濃い状態となっています。インスリンには細胞へのブドウ糖の取り込みのほかに、肝臓での脂肪の合成を進める働きもあります。
インスリンが濃い状態で夕食を食べると、そのインスリンによってブドウ糖の取り込みが行われるわけですが、食事によって再び分泌されたインスリンによって、脂肪の合成が大きく進むことになります。これが夕食前に甘いものを食べると太る理由となっています。
では、なかなか太れないために効果的に太りたいと思っている人は、ただ甘いものを食べてから食事をすればよいのかというと、それでは余計な体脂肪が増えることになります。健康的に太りたいと願っている人は筋肉を減らさずに太りたい、できれば筋肉も体脂肪も増やしたいと考えています。それに対応するためには夕食前に軽くでもよいので筋肉運動をすることです。空腹時に筋肉運動をすると筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンがブドウ糖に分解されて、これが運動のためのエネルギーとして使われます。そのあとに食事をすると肝臓でグリコーゲンが多く合成されるために、血液中のブドウ糖の量が減って、血糖値の上昇が抑えられます。このことによって筋肉が増えるようになり、体脂肪を減らせるようになります。これは少しずつの変化でしかないかもしれませんが、毎日やり続けることで望むような状態に近づけていくことができるようになります。
メディカルダイエットの資格認定講習では、こんなことをしたら太るということを紹介して、それをやらないようにするためのアドバイスと、生理学的な反応を上手に利用して効果的に体脂肪を減らす方法を紹介しています。人間の身体は、重要なエネルギー源である脂肪を、できるだけ蓄積するようにできているので、それに逆らうようなことをしないと、やせないようになっています。その仕組みを充分に把握しているので、「太らせてほしい」というオファーがあったときにも、簡単に答えることができます。
ただ太ればよい、体脂肪が増えて、筋肉が減ってもよいということなら、こんなに簡単なことはないのですが、太りたい人の多くは筋肉の量を減らさずに体脂肪を増やしたいということを言われます。中には筋肉の量を増やして体脂肪も増やしたいというオファーもあります。普通に考えると難しいことに思えます。筋肉を増やすと代謝が高まり、脂肪の燃焼量が増えて、どうしても体脂肪が減っていくからです。適度な量の筋肉をつけて、それを超える脂肪合成を進めるようにしなければならないわけですが、それができるのは太るメカニズムを知っているからです。
脂質のエネルギー量は1g当たり約9kcalで、糖質の約4kcalに比べて2倍以上になっています。アルコールは約7kcalで、飲みすぎればエネルギー過剰となり、太る原因となります。といっても100%アルコールの話で、25%の度数なら4分の1のエネルギー量となります。
肝臓には糖質、脂質、たんぱく質を材料にして脂肪を合成する働きがあります。その脂肪合成はアルコールによって促進されやすく、飲酒によって合成される脂肪の量が増えていきます。筋肉を増やすために動物性たんぱく質が豊富に含まれる肉類を食べて、そのときに適度な量の飲酒をすると蓄積される脂肪の量を増やすことができます。肉類を食べれば、それで筋肉が増えるわけではなく、筋肉運動をすることで男性ホルモンの分泌量が増えます。また、熟睡することで、さらに分泌量が増えるので休息も重要になります。
筋肉運動をするときに使われるサプリメント素材のL‐カルニチンは、脂肪の燃焼を進める成分として知られていますが、同時に筋肉を増やす作用もあり、筋肉を増やしながらの体脂肪減少というメディカルダイエットを成功させるためには、L‐カルニチンは有効な素材となっています。L‐カルニチンは水溶性のために、いつ摂っても吸収されやすい性質があります。L‐カルニチンは肉類に含まれている成分で、動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まることが知られています。運動をして動物性たんぱく質を多めに摂って、L‐カルニチンも摂って、その後に熟睡するという方法がすすめられています。
ダイエット(diet)に“やせる”とか“やせるために食べない”というような意味はありません。元々の意味は“作成、戦略、方針”などで、それが転じて正しい生活をすることがダイエットという言葉になり、さらに正しい食生活、食事療法がダイエットとなりました。欧米人が使うダイエットのほとんどの意味は食事による体重コントロールです。つまり、太っていてやせなければならない人にとっては食事のコントロールによって、または食事と運動を組み合わせて健康的にやせることがダイエットとなります。
ということは、やせるために無理をして身体を傷めるようなことになるのはダイエットとは言えません。さらに言うなら、今よりも太ったほうがよい人が食べる量を増やして、体重(筋肉と体脂肪)を増やすこともダイエットとなります。通常は、この説明だけでも納得してくれる人が多いのですが、これがテレビのディレクターとなると違った反応をするもので、「健康的に太る方法を高齢者に教えたい」と言ってきました。
確かに、高齢者は無酸素運動の筋肉運動をしても筋肉がつきにくく、脂肪を燃焼させる有酸素運動をしても体脂肪がつきにくいという特徴があります。一般的な運動では対応しにくいことですが、これにはメディカルダイエットの手法が役立ちます。
ただ太ればよいのだったら、食べて、身体を動かさないようにすれば体脂肪の蓄積量が増えます。高齢者の場合には代謝が低下しているので、体脂肪の量を増やしたら、なかなかやせずにメタボリックシンドロームにもなりかねません。筋肉の量を増やしながら体脂肪を増やしていくには、運動による筋肉増強と同時に脂肪の増加も必要になります。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長がメディカルダイエットの理論を実際に証明したのは、格闘系スポーツの国際チームの体重コントロールに加わったときで、そのときのオファーは「同じ食事量と運動量で、片方は体重を減らし、片方は体重を増やす」というものでした。普通に考えれば、体重を減らすためには食事量を減らすか運動量を増やすか、ということになります。その逆に体重を増やすためには食事量を増やすか運動量を減らすかということになるわけですが、その人の食事量も運動量も変えずに体重を減らしたり増やしたりを自在に行うには、食事と運動のタイミングによる生理学的な身体の反応を活用するしかありません。
これは最も関心があることでしょうが、今回のテーマとは違うので、これについてはダイエット最大のSNSサイトの「ダイエットクラブ」の“ラボ”を参照してください。これは日本メディカルダイエット支援機構が提供しているコンテンツで、メディカルダイエットの資格認定の講習テキストの内容を若い女性向きにアレンジしたものです。
具体的な健康的な太り方については次回以降に詳しく説明していくことにして、今回は食事と運動の組み合わせによる体重の減らし方を一つ紹介します。
夕方の空腹時に筋肉運動をすると、血液中のブドウ糖が不足していることから筋肉の中に蓄積されてるグリコーゲンが分解されて、血液中のブドウ糖が補われます。その後に食事をすると肝臓で合成されるグリコーゲンが増えて、その分だけ血液中のブドウ糖が減って血糖値が下がります。血糖値が上昇すると膵臓から多くのインスリンが分泌されるわけですが、インスリンには脂肪の合成を進める働きもあるので、太る要因になります。それとは逆のことで、インスリンが減って、脂肪の合成量が減ることから体脂肪を減らすことができるようになるというわけです。
健康に関する教育には、講演会、講習会、セミナー、通信教育などがありますが、実施方法としては座学講習と通信講習に大きく分けられます。同じ講習スタイルで実施しても、そのあとのフォローのあるなしの違いもあり、フォローがあるものの代表的なものとしては資格認定があります。日本メディカルダイエット支援機構では座学講習も通信講習も資格認定方式で実施しています。資格認定は講習料の他に審査料(試験と採点)、認定料、場合によっては登録料もかかり、さらに年会費、更新のための講習料と審査料なども加わるので、どうしても受講者は費用が多くかかります。そのために受講者を集めにくいというデメリットもあります。
それなのに、わざわざ資格認定方式にしているのは、もちろん講習内容に実施を持っていて、資格認定者として普及していってほしいという思いもありますが、受講後の情報提供が一番の理由となっています。資格認定を行うということは、認定した方々の知識レベルに責任を持つということです。同じ資格を持っているのに知識レベルに大きなバラツキがあったのでは、資格の信頼、認定機関の信頼にも関わってきます。それだけでなく、講習している内容が医学・科学に基づいた健康に関わる知識であることから、情報の移り変わりが極めて早く、古い情報が間違いともなりかねないことが大きな理由となっています。
日本の資格認定の代表的といえば国家試験で、その最高レベルはいうまでもなく医師国家試験です。これに合格すると医師免許が与えられますが、これは更新制ではなく、合格すれば、ずっと医師として仕事ができるわけです。口が悪い人に言わせると、「何十年も前に勉強したままで、情報を更新することなく、時代が変わって古くなった情報のままに治療して、患者にアドバイスしている」ということで、その指摘が合っている場合も起こり得るわけです。アメリカの医師免許は更新制で、最新情報を得て、常に勉強をしていないと合格することができず、医師を辞めなければならないことになります。
もちろん、日本の医師でも専門の学会に所属して、認定医を取得し、最新情報入手し続けている場合もあるわけですが、民間の資格認定となると勉強をしようにも、どこから情報を得てよいのか、何が重要ポイントなのかもわからないことも少なくありません。本来なら更新情報は資格認定団体が、しっかりと収集、分析、研究して発信していればよいのでしょうが、情報提供をしていても、そこまでの情報にはなっていないところもあります。
だから、私たちは資格認定方式にして、情報発信に力を入れています。それと同時に、健康関連の団体の支援活動として、各団体の資格認定者に提供する情報を、私たちが代わりに作成するということもやっています。こういったことをしているのは、日本メディカルダイエット支援機構が特定非営利活動法人(NPO法人)で、内閣府から認証された全国を対象として教育と情報発信をしている団体だからです。
漢方薬に使われる植物の素材が、健康食品の素材として使われていることがあります。例えば、田七人参(三七人参、田三七人参)は肝機能の改善効果がある漢方薬の重要な素材となっています。そんなに効く漢方素材であるなら、単独で使ったらよいのではないか、という考えもあるかと思います。その考えの通りの質問をしてきた雑誌記者がいたので、そのやり取りの内容を文章にしてみました。
漢方薬は、ただ効く素材を選んで、それを多く飲めばよいというものではありません。効くものは、他の臓器に悪影響を与える可能性があるものもあって、その“副作用”のような反応を抑えるために別の素材が組み合わされることがあります。これによって、多くの量を継続的に使うことができるようになります。
漢方薬はピンポイントでターゲットにする臓器がありますが、その臓器だけに作用するのではなく、関係する臓器に複合的に作用することで、より効果を高めるという組み合わせもあります。肝臓と腎臓は連動して働いている臓器で、ともに血流が盛んになることで改善効果が高められます。そのため、肝機能を高めるために、これらの効果がある素材が組み合わされます。
こういった組み合わせのおかげで、漢方薬は西洋医学の医薬品とは違って、長く使い続けることができます。西洋医学の医薬品は長く使い続けると身体が慣れてきて効き目が弱くなったり、副作用が強く出るようになることもありますが、安全に、効果が得られるのが漢方薬の特徴と言えます。
漢方素材を複合的に組み合わせたものは方剤と呼ばれます。漢方薬と一般に呼ばれるときは方剤を指すことが多くなっています。方剤でなく、単独で使われるものは単味と呼ばれますが、この例外となっているのは人参だけを煎じた独参湯(どくじんとう)と甘草だけを煎じた甘草湯(かんぞうとう)だけです。
健康食品では漢方薬の素材を煎じるのではなく、そのまま単独で使ったものが多くなっています。これは2種類以上の素材が使われると漢方薬と同じようになるからと説明されています。





