「高齢者は魚を食べるべきで、肉は減らしたほうがよい」と言われたのは昔の話で、今では「高齢者は肉を食べろ」と言われています。肉のたんぱく質はアミノ酸のバランスがよく、体を構成する成分になりやすい“良質なたんぱく質”で、人間の体は動物性のたんぱく質なので肉を食べたほうがよいという話です。
これを言い出したのは東京都健康長寿医療センター研究所で、「老化予防を目指した食生活指針」が発表されていますが、この場合の高齢者は65歳以上を指しています。高齢者というと現在の高齢化社会というか、「化」どころか“高齢社会”に突入してしまった日本では、65歳というと、まだまだ若いような感じがしますが、65歳以上の人口が4人に1人の割合を超えていて、この65歳から生活改善に取り組んでもらいたいという考えのようです。
こういったことについてもメディアからの質問は寄せられています。「肉には良質なたんぱく質だけでなく、これまで体にはよくないとされてきた飽和脂肪酸も含まれているけれど大丈夫か」というものです。
脂肪はおいしく感じるので、食欲をそそる肉ほど動脈硬化のリスクを高める飽和脂肪酸が多く含まれています。それを減らすには、脂身を少なくすればよいという人もいますが、赤身の中にも脂肪は含まれています。その量は見た目ではわからないので、対策を取りたいものです。その対策として、肉を食べた分だけ、脂肪を燃焼させるためにL‐カルニチンのサプリメントを摂ることもすすめられています。L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。
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「これまで教えたことは全部ウソです」
ある教育現場をテーマにしたドラマで、卒業の日に熱血教師が生徒に話した印象的な言葉ですが、これを健康教育のときに当法人の講師もよく用いています。
健康、医学、科学の世界は進展スピードが速すぎて、今覚えたことを、そのまま伝えたらウソになるという意味ですが、例えば医学関係の資格認定者が厳しい更新制度による講習と試験を受けていれば、常に新しい情報を取得して、発信していくことも可能でしょう。しかし、医師国家試験に合格すれば、それから先はアメリカのように定期的な更新教育と試験はありません。学会に所属したり、独自に勉強して自ら更新していかなければなりません。それぞれの医師が、どんな更新をしているのかは外部からはわからないので、発信している情報が最新のものなのか、古くて今では間違っている情報なのかはわかりにくいのが実情です。
情報が変化していくことについて卑近な例として、よくあげられるのが健康食品のアガリクスです。ブラジルのキノコで、免疫細胞の栄養源になる多糖類が豊富ということで、がんを予防することを願っている人に使われてきました。メディアに登場した当初は、強火で加熱するとビタミン、ミネラルが壊れるので、初めは弱火で煮出したものを第一液として、次に強火で煮出して多糖類が出たものを第二液として、混ぜて飲むということが紹介されました。
しかし、アガリクスの細胞膜は硬くて、煮たくらいでは中身の成分は外に出てきません。今では発酵技術や圧力による細胞膜の破壊などによって成分を抽出できるようになりましたが、その情報が完全に更新されているわけではなく、未だに無駄な摂り方をしている人もいます。新たな抽出法によって多糖類とは違うアガリクスの成分によって発がん性が認められたという逆効果になったという報道もあって、何を信じてよいのか迷わされている人も少なくありません。
無酸素運動の筋肉トレーニングをすると乳酸が発生します。エネルギー源のブドウ糖や脂肪酸が細胞の中のミトコンドリアの中で酸素を使って効率的に燃焼をすると乳酸が発生しにくいのですが、無酸素運動は、その名のとおり酸素を使わない運動のために不完全燃焼を起こして乳酸が多く発生するようになります。
乳酸は無酸素運動を30秒間続けると発生が始まるので、無酸素運動を30秒間やった後に有酸素運動を取り入れている運動メニューがあります。30秒間ずつ無酸素運動と有酸素運動を繰り返すメニューを取り入れているのがサーキットトレーニングです。
これは乳酸が疲労物質であり、筋肉の働きを低下させるという研究に基づいて開発されたものですが、乳酸は悪い働きをするだけのものではなく、エネルギー物質でもあって、有酸素運動によってエネルギーとして使うことができます。乳酸を蓄積させる無酸素運動のあとに有酸素運動をすれば、運動によるエネルギーの発生量を増やすことができます。このエネルギーは活動のためだけでなく、全身の細胞の働きを高め、免疫を高めるためにも使われるので、パワーを持って元気に動くことができるようになると考えます。
当法人は、無酸素運動のあとの有酸素運動としてノルディックウォーキングを提唱しています。
近道をするショートカットは急いでいるときには仕方がないことかもしれませんが、都市部では電車を降りたときに、あまりに急いでいる人が多いのか、改札を通過した直後に直角に曲がる人をよく見かけます。以前から見かけてはいたものの、「急に増えてきたのは、どうしてなのか」という質問をWEBメディアから受けました。歩くことに関する情報を発信していますが、こういった質問も関連で寄せられています。
改札の近くに誰もいない状態なら、どんな進み方をしても危なくはないでしょうが、隣の改札を出ようとしている人、つまり同じ方向に進んでいる人がいても直角に曲がって、その人の目の前を通過して足止めをさせています。そんなシーンを何度も目にしました。また、これから駅構内に行くために改札を通過しようとしたときに隣の改札から出た人が直角に曲がって、ぶつかりそうになった人を見るだけでなく、実際にぶつかった経験があります。
“スマホ歩き”は周りが見えなくなって危ないので注意喚起がされていますが、スマホを見ているわけでもない人が周りの状況に気づかずに直角曲がりをしています。
どうしてなのか、という問いへの返答は、それぞれの専門家によって異なるのでしょうが、スマホを見ながら歩いているのが癖になると、視線を広げて歩くことが徐々にできなくなり、狭い範囲しか見ないで歩く癖になっていくのではないかと考えます。
歩くというのは身心に問題がなければ誰もができることと認識されているようですが、足腰の動き、上半身と下半身のバランス、路面の確認、周りの人の動き、周りの風景への目配り、急な飛び出しへの注意、さらに考え事など、さまざまなことを同時に行いながら歩いています。
スマホを見てばかりだと、次々に飛び込んでくる情報が第一優先になり、他のことへの注意が散漫になります。目的の情報があると、そこに目をやり、クリックするのが優先されるようになって他のことが見えなくなる特徴が“スマホ脳”とか“スマホ認知症”といった言葉で表されていますが、目的のところに向かうのが優先になり、周りが見えにくくなっているから直角に曲がってしまうのではないでしょうか。
平成27年国民健康・栄養調査の結果概要が発表され、その中に21年間で糖質の摂取が減少し続けているというデータが掲載されていることから、糖質制限の影響についての質問がメディアだけでなく、サイト閲覧者の方々からも寄せられています。
脳のエネルギー源は糖質の中に含まれるブドウ糖だけで、1日のエネルギー消費量のうち20%ほどが脳で使われています。1日に飲食で摂るエネルギー摂取量の60%ほどは糖質で、脳で使われる分を除いた40%が全身のエネルギー源として使われることになります。糖質制限をして糖質の量が半分になったとすると30%の量となり、20%分が脳には必要な量となるので、全身に回るのは10%に大きく減ることになり、これは4分の1の量にもなる計算になります。
実際には、そんなことはなくて、脳の機能を保持するために必要なブドウ糖の量を減らして全身の臓器や器官が最低限の働きをするために使って対応することになります。重要なエネルギー源のブドウ糖が不足した状態で脳をフルに働かせることはできなくなり、脳の機能が低下するのは仕方がないことです。
こういったことを考えると、まったく糖質をカットすることだけでなく、半分に減らすことでも大きな影響が出ることがわかります。
代謝は、細胞のミトコンドリアの中でブドウ糖や脂肪酸を原材料に、酸素を使って燃焼させることをいいます。ミトコンドリアは筋肉細胞の中に多く存在していて、筋肉が活動代謝の35〜40%ほどを消費しているので、筋肉を動かすほど代謝が高まると考えがちです。しかし、ミトコンドリアにブドウ糖と脂肪酸を効果的に取り込むことができないと、運動をしても燃焼効果が高まりにくく、不完全燃焼によって活性酸素が多く発生することにもなります。
ミトコンドリアにブドウ糖を取り込むにはα‐リポ酸が、脂肪酸を取り込むにはL‐カルニチンが、そしてブドウ糖と脂肪酸の燃焼を高めるためにはコエンザイムQ10が必要になります。この3種類の成分は三大ヒトケミカルと呼ばれますが、代謝に必要とされるだけに体の中で合成されています。しかし、20代をピークに減少していくため、年齢を重ねることによって代謝が低下するのも、細胞の働きが低下して内臓や器官の機能が低下していって廊下が進むのも、三大ヒトケミカルが不足していくからです。
三大ヒトケミカルが不足した状態で運動をすると、三大ヒトケミカルが使われて、もっと減少していくことになります。これでは老化が進むし、代謝も低下し続けることにもなります。
三大ヒトケミカルは、以前は医薬品成分としてだけ使用がされていたのが、今ではサプリメント成分として使用できるように許可され、サプリメントとして補給しながら運動をすれば、運動による代謝を高めることができるようになります。
三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、当サイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。
ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違いについては、よくメディアから聞かれます。
ノルディックウォーキングは2本のポールを使って歩く北欧発祥のスポーツ的な運動で、クロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まっただけに、ポールをグイグイと後ろに引く感じで勢いよく前進する歩き方をします。それに対してポールウォーキングと呼ばれるものは日本で誕生したウォーキングの延長で始まったもので、ポールは体の横か少し前に突いてポールを補助具のように使って歩きます。
“本家”のノルディックウォーキングを実践している方々の中には、「ポールウォーキングはテニスに対するソフトテニス(軟式庭球)のようなもので、“似て非なるもの”」ということを話す人もいます。
ノルディックウォーキングを普及する日本ノルディックウォーキング協会、日本ノルディックフィットネス協会、日本ノルディックウォーキング振興会は、ポールの先が45度の角度になったものを使い、勢いよく歩くための形になっています。
これに対して日本ポールウォーキング協会はポールの先が丸いものを使い、安定して歩くための形になっています。このポールを使った団体が、すべてポールウォーキングと名乗っていればよいのですが、ポールウォーキングを初めて取り入れた団体が全日本ノルディック・ウォーク連盟というので、勘違いする人もいるようです。
ノルディックウォーキングは、ポールを使って自然と親しみながら歩き、健康の維持・増進を図るのが本来の目的で、どちらの種類のポールを使っていても、自分の状態や体力に応じた歩き方ができれば、それはノルディックウォーキングだと考えています。継続が重要であり、そのためには自分の歩き方に合ったポールを選ぶべきで、ポールの種類でノルディックウォーキングかポールウォーキングかを分けて、ポールに合った歩き方をするのが正しいというようなことを言うべきではないと認識しています。
ウォーキングに適した季節になると、メディアから歩くことについての問い合わせが多くなります。国民健康・栄養調査の結果概要を見ると、日本人の食事からのエネルギー摂取量は減っているのに生活習慣病は増える一方です。それは1日の歩数が減っているなど運動不足が関係しているのか、という質問が新聞記者からありました。“1日1万歩”というのは昔の話で、今は国民的には7000歩も歩いていない状況なので、「健康のために、あと1500歩増やそう」という目標が掲げられています。
健康のためには実際に、どれくらい歩けばよいのかというと、中之条研究(群馬県中之条町)によると65歳以上の高齢者約5000人のうち500人を対象とした実証調査で、1日に8000歩を歩き、そのうち20分間は中強度の歩行をすることで生活習慣病が予防できることが明らかにされています。中強度の歩行は、ギリギリ話をしながら歩ける程度の速度を指しています。
ただ歩けばよい、8000歩以上で健康になれるということではなく、一定の負荷がかかる歩き方を1日に20分間、取り入れることが大切だ、ということです。
20分間の早歩きをすると歩幅が広がることもあり、2400〜2500歩ほどになります。8000歩から2500歩を引くと5500歩。このうち家の中で動くだけでも1000歩ほどにはなるので4500歩、この分を歩行でこなすと40分ほど普通に外を歩くと達成できる計算になります。
この話に続いて、20分間の早歩きのために何をやればよいかという話になりましたが、当法人ではノルディックウォーキングをすすめています。ノルディックウォーキングは2本のポールを持って歩くもので、4点支持の歩行となるので安定して、速度を高めやすく、上半身も使う全身運動のために普通の歩き方よりも20%ほどエネルギー消費が高まります。本人が感じているよりも心拍数が高まるので、“無理なく、無駄なく”の当法人のモットーそのものの状態で歩くことができます。
健康食品やサプリメントに使われている素材は、摂取のタイミングが明らかになっています。空腹時に摂らないと吸収されないものと、食後に摂らないと吸収されないもの、そして、どちらに摂っても吸収されるものがあります。空腹時に摂るべきものを食後に摂ると吸収されにくいわけですが、その情報は商品やパンフレットなどを見ても書かれていません。健康食品やサプリメントは食品であるため、医薬品のように摂取のタイミングを記載することが法律で禁止されているからです。
例えばカルシウムはイオン化してから吸収されますが、食後に摂ると胃液が薄まっているのでイオン化しにくく、吸収されにくくなります。そこで、カルシウムのサプリメントは朝起きた直後や就寝前の空腹時に摂るのがよいわけです。
この話は出版社の方に話をさせてもらったことですが、カルシウムは吸収率が低く、空腹時にカルシウムを摂った場合でも30%ほどの吸収率となっています。成人は1日に200mgほどのカルシウムが必要なので、吸収率から1日の摂取量が650mgとされています。食事ではカルシウムは充分には摂りにくいので、サプリメントの使用も考えたいものです。
このサイトの「サプリメント事典」の中にあるシクロデキストリンは、まだ広く知られていないのですが、実際は多くの食品に使われていることもあり、メディアから質問が多く寄せられます。メディアに理解してもらえないと、一般には広まらないので、質問には丁寧に答えています。
シクロデキストリンは環状オリゴ糖とも呼ばれていて、環状オリゴ糖の名前で花王のヘルシアやファンケルの大人のカロリミットなどに原材料として使われています。これは高濃度茶カテキンやブラックジンジャーの強烈な味を弱めて飲めるようにして、吸収されるようにするためのカプセル役として使われています。なぜ吸収されやすくなるかというと、シクロデキストリンはγタイプ(γ−シクロデキストリン)が8個の糖が環状につながったもので、サイズは0.9〜1.0nm(ナノメートル)となっています。この1nm以下の環状の中に体内に届ける成分が入り、腸壁から1nm以下のサイズのまま吸収されていきます。
シクロデキストリンのαタイプ(α−シクロデキストリン)が6個の糖が環状につながったもので、サイズは0.5〜0.6nm(ナノメートル)と1nmよりも小さくなっています。αタイプは環状の中に有効成分を入れて届けるのではなく、そのままで使われますが、体内に吸収されたくない脂肪を吸着するように取り込んで、吸収されないようにして体の外に捨てる役割をしています。
ナノサイズというと小さいものを示すときに使われますが、一般にはナノサイズというと100nmとなっています。これを聞くと1nmの100倍かと思うかもしれませんが、縦が100nm、横が100nm、高さが100nmの立方体となっています。つまり、「100×100×100=1,000,000nm」で、100万倍のサイズになります。100万倍といったら、あまりに大きな差すぎます。
1nmは1mm(mm)の100万分の1のサイズですが、あまり想像できない大きさです。他のものと比べてみると細胞が1000nm、ウイルスが100nm、タンパク質が10nm、DNAが1nmです。これよりも小さな分子や原子は0.1nmで、いかに小さいかがわかるかと思います。





