女性誌のライターから質問が寄せられました。これまでも何度もあったことですが、「ダイエットするには和菓子がよいと言われますけど、それってエネルギー量が洋菓子より低いからですよね。同じエネルギー量だったら、どちらがダイエット向きですか?」というものでした。同じエネルギー量なら同じように太りそうな感じがするかもしれませんが、圧倒的に和菓子のほうが太りにくくなっています。
和菓子にも洋菓子にも砂糖が使われています。砂糖に含まれるブドウ糖によって血糖値が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンにはブドウ糖を細胞に取り込んでエネルギーにする働きと同時に、肝臓の中で中性脂肪を合成して脂肪細胞に中性脂肪を蓄える働きがあります。インスリンが分泌されたときに、血液中に洋菓子で摂った脂肪(中性脂肪)があると、これも脂肪細胞に取り込まれるので、洋菓子のほうが太りやすいということが言えます。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
日本酒のことを続けて書いていると、日本酒の突っ込んだ質問が寄せられるようになります。日本酒は新酒を有り難がる風潮があり、製造から半年も過ぎると古いと言って返品が相次ぐことがあるほどです。これに対して、古いほど有り難がられるのが“古酒”です。
日本酒は透明か少し色づいているものが古酒になると褐色になる、長く寝かせるほど色が濃くなるものというのが一般的な印象です。
寝かせるほど色づくのは米から出たたんぱく質が変性するからで、普通酒を寝かせたものとなっています。これに対して色づかない古酒は吟醸酒が使われています。酒の種類だけでなく、温度も色に関係しています。常温で保存すると色づきやすく、冷温で保存すると透明のままです。透明であっても古酒の独特の美味しさに変わりはありません。
すべての古酒を知っているわけではないので、これが良いとは言いにくいのですが、秋田銘醸の爛漫の古酒は透明で、通常の店舗には置いてありません。秋田銘醸に注文がきてから冷温保存している蔵から出して、ラベルを貼って、冷温状態のまま発送するという徹底した温度管理が行われています。
色づかない古酒というのも酒好きなら知っておきたいところです。酒の話と健康は、どこに関係があるのかというツッコミも寄せられますが、美味しい酒を少しだけ飲んで、健康に役立ててもらいたいとの願いからです。
日本酒は日本で作られていると以前に説明しましたが、その原材料が「国産である」ということは触れていませんでした。というのは、原材料の酒米に輸入米が使われていることを知っているからです。輸入米は中国産、オーストラリア産、アメリカ産などがありますが、通常の食用米と酒米は種類が異なるので、あまり輸入品という印象がないようです。しかし、輸入米は酒米としても使うことができます。あまり旨い日本酒にはならないといわれるものの、大量生産の場合には、すべてではなく、一部混入させる方法なら使っても気づかれることはありません。
原酒に加えて使われる醸造アルコールは、米を使用するものと、米以外の穀類を材料とするものとがあります。米だけを用いて醸造アルコールとしたものは本醸造酒(本醸造清酒)と呼ばれています。“本当に醸造した”という意味だとしたら、ちょっとイメージが違っています。
輸入米を酒米として使ったものは、そのことが表示されて入れば見抜くことができるのでしょうが、日本では表示が義務づけられていません。醸造アルコールの原料の米となると、何が使われているのかまったくわかりませんが、これも米そのものではないものを使うことさえできます。
日本酒を作るときには、酒米は外側を削っています。酒米は、食用の米よりもたんぱく質が少なく、糖質が多い米が使われています。麹菌は糖質で増殖しやすいので、たんぱく質は多い部分を削って、糖質が多い部分を使うようにしています。この削られた部分は加工用の米としても使われていますが、醸造アルコールの材料ともなっているのです。
「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」が厚生労働省から発表されました。これを見て、ネットメディアから、「どこが新しい点ですか」との問い合わせがありました。国民栄養調査の時代から、ずっと変遷を見てきましたが、新しいことというと「社会環境の実態とニーズの状況」という重点項目が新たに発表されたところと、参考資料の「エネルギー及び主食・主菜・副菜に関連した栄養素摂取量の年次推移」です。
これまで各年の発表データから年次推移を自ら作ってきたので、公式データの発表はありがたく、これから徹底活用したいものです。年次推移は平成7年から平成27年までの21年分ですが、国民健康・栄養調査結果で男女別のデータが発表されたのは平成11年からです。それまでの4年間の基礎データから男女別データを出し直したということです。
その中で、まず注目したのはエネルギー摂取量の平均値の年次推移です。平成7年から平成27年の間の変化は、20歳代は2,333kcalから2,222kcalに、30歳代は2,422kcalから2,161kcalに、40歳代は2,370kcalから2,168kcalに、50歳代は2,440kcalから2,186kcalに、60歳代は2,265kcalから2,180kcalに、エネルギー摂取量が減っています。これはメタボ対策や生活習慣病対策が成功したとも言われているものの、経済状態から食費が減っていることとも関係していると考えられています。
70歳以上だけは1,975kcalから1,986kcalに増えていますが、これはロコモ対策のための筋肉強化、生活習慣病対策の一環の血管強化のために、「高齢者は肉を食べろ」という栄養改善の施策が広まった結果と考えられています。
「生」というと加熱をしていない食品の代名詞となっています。日本酒の“生酒”は、まったく加熱をしていないものですが、通常の日本酒は搾りを行った後に火入れ(加熱処理)を行い、貯蔵をして瓶詰めの前に火入れをします。つまり二重に加熱処理が行われているわけです。だから、常温で保存をすることができます。
このことも、よくメディアから質問、問い合わせが寄せられています。
生酒のほかに“生”がつく日本酒が2種類あります。それは“生貯蔵酒”と“生詰め酒”です。生貯蔵酒は搾りの後に加熱をせずに貯蔵をするもので、瓶詰めの前に火入れが行われます。生詰め酒は搾りの後に火入れをして、その後の貯蔵から瓶詰めの前には火入れをしないものです。ひやおろしという一夏寝かしたものがありますが、これは生詰めがされています。
“生”と名前がついても、これだけ違いがありますが、“生酒”と表示されていれば、本当の生であることに違いはないわけです。
ところが、ビールの場合は“生ビール”には2種類あって、その中身が異なっています。
昔からあった生ビールは店で出るジョッキの生ビールのことで、加熱をしていないので酵母が生きています。加熱をすると酵母は死んだ状態になるので、瓶ビールにしても栓をしておけば吹き出ることはありません。それに対して、店で飲む生ビールは栓をしたくらいでは圧力に負けてしまうため、アルミの容器で圧力をかけて保存しています。
これに対して、瓶ビールの生ビールは加熱をしていないのに、栓が吹き飛ぶようなことはありません。というのは、瓶入りの生ビールは酵母を濾過して取り除いています。だから、加熱しなくても吹き出すことはありません。酵母が入っているものも、取り除かれたものの加熱をしていないことが同じなので両方とも“生ビール”となっているのです。
ちなみに、この取り除かれた酵母は、健康食品のビール酵母の材料となっています。
日本酒について醸造アルコールの話を書いたところ、日本酒が嫌いなのか、と聞かれました。好き嫌いではなく、本当のところを知って飲んでもらいたいという気持ちからの情報提供でしたが、本当のことを書くと嫌いなのかと思われるほど日本酒の中身を知らずに飲んでいる人が多いようです。
当法人の理事は今、人気急上昇中の酒米の雄町米の産地の岡山の出身で、その地は理事長も第二の故郷と公言しているほど日本酒好きです。雄町米は酒米の元祖で、他の酒米との掛け合わせがされていないので、酒本来の味が楽しめるというところが人気の要因です。
日本酒は日本で作られているだけのものを指すのではなく、海外で日本酒の製造法に従って作られたものも日本酒となりますが、ワインほどわかりにくくはありません。日本酒はラベルを見れば、どこで作られたものかが示されているからです。
日本国内で製造されているワインは、日本産ワイン(日本ワイン)と国産ワインがあります。どちらも作られているのは日本国内であることに違いはないのですが、日本産ワインはブドウの産地も、これを材料として作られるのも日本国内です。これに対して国産ワインは、海外で作られたワインを輸入して、日本で作られたワインと混ぜたものも含まれています。そこで最近では、日本産ワイン、日本ワインという表示を打ち出して、混ぜ物が含まれているワインとは区別して販売されるようになっています。
こういったことはビンに入った状態では表示を見ればわかるものの、グラスに注がれたらメニューやワインリストを信じるしかないので、安心できる店で飲みたいものですね、とは当たり前のアドバイスですが、仕方がないことです。
ダイエットを扱った番組を見たメディア関係者から、「糖質制限をして痩せるとリバウンドするというのは本当ですか」という質問がありました。この答えをする前に、リバウンドとは何を指すのかという話から始めますが、リバウンドはダイエットをした後に体重が増えて元に戻ったことを一般には指しています。しかし、実際にはダイエットによって筋肉が減り、糖(ブドウ糖)と脂肪(脂肪酸)を燃焼させる筋肉のミトコンドリアが減ることによって代謝が下がり、そして前よりも太りやすく、痩せにくくなることを指しています。
テレビ番組では、糖質制限によってウエスト周りの脂肪が減少していくところを強調していましたが、さすがにダイエットのネタを多く扱っているディレクターは違っていて、筋肉量の変化に注目して、脂肪と同時に筋肉も落ちていること、運動をしないで食べるものだけのダイエットはリバウンドの原因になる、と気づいていました。
糖質制限の食事を続けていると、代謝のために必要となるブドウ糖が不足します。ブドウ糖なしにはミトコンドリアの中で代謝を行って、生命活動のためのエネルギーを作り出すことはできません。そこで、ブドウ糖が不足すると中性脂肪を分解してエネルギーを作り出すようになり、それでダイエットができるわけですが、それと同時にブドウ糖を確保するために筋肉の中に蓄えられているグリコーゲンを分解して、ブドウ糖を作ります。糖質が不足した食事が続くと筋肉が減り、代謝が低下して太りやすく、痩せにくくなるのは当然の体の仕組みなのです。
テレビ番組で、ダイエットが特集的に取り上げられた後には、これまで返答したメディアからの問い合わせが続きます。今回あった放送の後には初めての問い合わせもありました。2時間の糖質抜きダイエットの特集だったので、ツッコミどころ満載のようで、4種類の内容について13人からの問い合わせでした。
その一つは、前にも返答したことがあるコンニャクについてです。コンニャクは水溶性食物繊維なので、お腹も膨らみ、ダイエットによい食材ということで、作り置きの料理に使われていました。コンニャクは蒟蒻芋を粉にしたものは水溶性食物繊維で、水分を吸収して膨らむので、胃を圧迫して早く満腹を感じさせる効果があります。一般に食べられているコンニャクは凝固剤を使って固められていますが、固めると不溶性食物性と同じ性質に変化して、これ以上は変化しなくなります。噛んで、飲み込んだまま胃から腸へと通過していきます。
この事実を知っていれば、水溶性食物繊維という表現はしないと思うのですが、まだメディアにも充分に広まっていないので、これからも同じ問い合わせが続くかと思います。
日本酒は米と麹、水を原料として作られています。吟醸酒、大吟醸酒が人気のようですが、日本酒好きは純米酒を好むといいます。ただ吟醸酒、大吟醸酒と表示されたものは醸造アルコールが加えられています。これは増量、品質調整、アルコール度数調整に使われるもので、吟醸酒や本醸造酒は白米の重量の10%以下の添加量と上限が定められています。
醸造アルコールというと、かつては“三倍増醸酒”なるものがあり、よくないイメージがありました。これは出来上がった日本酒の原酒の2倍の量の醸造アルコールを加えたものですが、今では二倍増醸酒しか許可されず、これは普通酒と呼ばれるものです。二倍増醸酒は原酒に同量の醸造アルコールを加えたものです。
こういった状況から「純米酒なら本物の日本酒ですね」と雑誌社の編集者に聞かれましたが、Yesとは言いにくいところがあります。日本酒の原酒はアルコール度数が20度(%)ほどで、今では製造法によって16度くらいのものもあります。日本酒の通常の度数は15度ほどとなっていますが、これは原酒に水を加えて薄めています。加えた水は日本酒ではないからと酒税がかからなければよいのでしょうが、水で薄めた後の日本酒に酒税がかかるので、「水に税金を払って飲んでいる」と言う人もいます。
醸造アルコールを同量だけ加えたら原酒は半分になると考えがちですが、醸造アルコールは100%アルコールなので、「(原酒20%+醸造アルコール100%)÷2=60%」となります。これを15%に薄めるときには3倍の水を加えることになります。
水を加えていないのが原酒です。吟醸酒、大吟醸酒にも純米のものはあり、原酒もあります。これを知ってから、前出の編集者は純米吟醸原酒を飲むことにした、と報告がありました。
運動好きの医師は運動をすることは体によい、健康に役立つと言います。運動が苦手な医師は、体に悪いとは言わないまでも頑張ることはないと言います。これは酒好きの医師は患者の飲酒を禁止するのではなく控えるように言い、飲まない医師は禁止するのと同じ感じのことです。
運動好きの先生にインタビューしたテレビ局のディレクターから助けを求められました。どうして運動が体によいのかという質問をしたところ、「運動は健康によいのだから、どうしてよいかということを考えるのではなく、どうやって運動をすればよいかを考えるべき」と言われたとか。
運動が健康によくないことの説明をするときに、私たちがよく例に出すのは、教育系大学の卒業生のうち、体育系と文化系の平均寿命を調べた報告があります。それによると体育系の卒業生は文化系と比べて6年ほども平均寿命が短いという結果となっていました。体育系の卒業生のほとんどが体育教師で、アスリートほど負荷がかからず、ストレスも少ないはずなのにです。
運動をすると筋肉が壊れます。壊れたままではなく修復されるのですが、修復するための材料があれば、壊れる前よりも筋肉が増え、丈夫になります。これは超回復と呼ばれます。修復するための材料は、たんぱく質だけでなく、脂質も糖質も必要です。ビタミンもミネラルも必要です。修復をするためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーとして使われているのは細胞のミトコンドリアの中でブドウ糖と脂肪酸を原料に作られたATP(アデノシン三リン酸)です。ミトコンドリア内でATPを多く作り出すには三大ヒトケミカルが必要になります。
運動をすると活性酸素が多く発生します。活性酸素は細胞を傷つけるため、運動するほど活性酸素の被害を受けます。これを防ぐためには、活性酸素を消去する作用がある抗酸化成分を摂ることが有効となりますが、三大ヒトケミカルによってブドウ糖と脂肪酸が完全燃焼していれば活性酸素の発生量を減らすことができます。
ということで、運動を健康に役立つようにするために、ヒトケミカルの活用をすすめているところです。





