「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンKの欠乏の回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*高齢者(目安量)
高齢者では、胆汁酸塩類や膵液の分泌量低下、食事性の脂質摂取量の減少などにより、腸管からのビタミンK吸収量が低下すると考えられます。
また、慢性疾患や抗生物質の投与を受けている場合には、腸管でのメナキノン産生量が減少することやビタミンKエポキシド還元酵素活性の阻害によるビタミンK作用の低下が見られます。
このような理由から、高齢者に対してはビタミンKの目安量をさらに引き上げる必要があると考えられます。
ただ、高齢者では、より多量のビタミンKを要するとの報告もあり、この点に関する報告がいまだ十分に集積されていないため、成人と同じ値としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕





