投稿者「JMDS」のアーカイブ

ブルーエコノミーは、革新的な思考と意識で新たな価値を生み出すことであり、社会に大きな変化をもたらす活動と言えます。

しかし、これまでの経済成長や快適な生活を生み出すために自然環境に対して、回復しきれないほどの負担をかけてきました。

自然の回復力が発揮されなくなるほど負担がかかるようになった結果は、自然環境の中で暮らしている人間にも大きな負担をかけ、心身の健康を保つことが難しいほどの悪影響が与えられている人も増えてきました。

身体の構造や働きは、自然環境の中で生き抜くために変化をしてきました。

植物は光合成によって成長をしていますが、その原材料となっているのは二酸化炭素と水です。二酸化炭素と水を葉緑体が取り入れて、光エネルギーを活用して、光合成の結果として酸素を作り出しています。

動物は酸素と炭水化物(糖質)、脂肪を取り入れ、細胞内のミトコンドリアで代謝を行い、二酸化炭素と水を作り出しています。

この植物と動物の相互作用が自然環境を作り出し、その中で進化してきた人間の活動を支えてきました。植物による自然環境を保持する力が低下することは、人間の健康にも影響を与えます。
〔小林正人〕

地球温暖化の原因とされているのは温室効果ガスの存在です。

地球の平均気温は14℃前後となっていますが、大気中に水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどの温室効果ガスがないとするとマイナス19℃になります。

太陽光は地面を温めるものの、地表から放射される熱は温室効果ガスがなければ大気外に放出されます。温室効果ガスによって地表から放熱される熱が吸収され、大気が温められています。

産業活動が盛んになるまでは、温室効果ガスは気温を一定に保ち、その環境の中で植物も動物も成長し、進化をしてきました。

ところが産業活動によって温室効果ガスが大量に排出されることによって、大気中の濃度が高まり、熱の吸収が増えたことによって気温が大きく上昇するようになりました。

その中でも気温上昇に最も影響を与えているのは二酸化炭素です。温室効果ガス別の地球温暖化への影響の割合は、二酸化炭素76.7%、メタン14.3%、一酸化二窒素7.9%、フロン類1.1%と報告されています。

これはIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change=気候変動に関する政府間パネル)によるもので、IPCCは世界気象機関と国連環境計画によって1988年に設立された政府間組織です。

石油や石炭などの化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素が温暖化の最大の原因とされていますが、植物による二酸化炭素を取り込み、酸素を放出する能力の低下、つまり森林の減少も大きな要因となっています。

二酸化炭素濃度は、産業革命前の1750年の278ppmから2013年には400ppmに、2022年には418ppmと50%も増加しています。

国別の二酸化炭素排出の変化を見ると、熱帯アジアでの森林減少が大きく進み、熱帯アメリカ、熱帯アフリカと合わせて、世界的な排出量が増えています。アメリカの森林減少は20%世紀初めには歯止めがかかり、中国においても森林の過剰伐採による空気汚染、洪水の頻発の影響を受けて森林伐採にブレーキがかかっています。

森林減少の原因としては、伐採、焼畑、森林火災、農地転換、都市化などがあげられています。経済発展・人口増加が進んでいる途上国で森林開発が進んでいることから、今後も森林減少、二酸化炭素増加のリスクが高まることは容易に想像できることです。
〔小林正人〕

ブルーエコノミーは、「自然環境の回復力、人間の自然治癒力の限界を超えない経済活動」であり、その達成のためには持続可能な社会形成に向けた教育の構築が重要となります。

ブルーエコノミーは、革新的な思考と意識で新たな価値を生み出すことであり、社会に大きな変化をもたらす活動と言えます。

しかし、これまでの経済成長や快適な生活を生み出すために自然環境に対して、回復しきれないほどの負担をかけてきました。

自然環境を破壊してでも経済発展を優先させてきた背景には、資源は無限大と考えられていたことがあげられます。しかし、今では「石油は50年で枯渇する」と言われるほど可採年数は短くなってきています。

これは資源としてなくなるわけではなく、埋蔵量は充分であっても採算が合う方法で採掘することができなくなることを踏まえての年数です。石油生産は2030年頃にピークを迎え、その後は減っていく一方になるという考えがあり、これはピークオイル説と呼ばれています。

ピークオイル説では、ピーク以降は生産量が減っていくのに対して、発展途上国で需要量が大きく増え、そのギャップが急速に広がり、危機的な状況になることが予測されています。

このことは世界人口の増加も大きく影響しており、産業革命(1760〜1840年)以降に人口は急速に増加の一途をたどりました。
1950年には25億人、1987年には50億人、1998年には60億人、2010年には70億人となり、2023年には80億人を超えました。2100年には101億人に達すると予測されています。

これまで1位であった中国は14億2570万人となり、インドの14億2860万人にトップの座を譲りました。アジアの人口増は激しく、今では世界人口の60%を超えています。

アジアの人口増加は産業発展の結果であり、産業発展は二酸化炭素の増加と密接に関わっています。
〔小林正人〕

27億年前に光合成を行う藍藻(シアノバクテリア)が海中に誕生して、二酸化炭素と水から酸素が生成されると二酸化炭素はさらに減少して、酸素が増え始めました。

生物が進化して海から陸上に進出すると、植物によって光合成が活発に行われるようになり、酸素は増え続け、数十億年をかけて窒素と酸素を主成分とする現在の大気の組成となりました。

酸素が急速に増えた結果、5億年前の古生代には海洋生物が陸上に進出することができるようになり、中世代の2億3000万年前に人間の祖先である哺乳類が誕生することになりました。

サルからヒトへの進化は200万年前とされ、現生人類のホモ・サピエンスは40万年から25万年前とされています。

古生代の海洋生物の陸上進出が可能になったのは、太陽光に含まれる紫外線の影響を抑えるオゾン層の生成が大きく影響しました。

オゾン(O3)は酸素原子が3個で構成される気体で、地上から10〜50kmの成層圏に多く存在しています。オゾン層と呼ばれるのは20〜25kmで、大気中の酸素が増加するようになってから増えていきました。

酸素の一部は紫外線によって化学反応を起こすことでオゾンに変化します。オゾン層には生物にとって有害な太陽からの紫外線(UV–B)の多くを吸収することから、海で誕生した海洋生物が陸上に進出することができるようになりました。

その奇跡のような変化(進化)は、植物による光合成によってもたらされました。
〔小林正人〕

植物は太陽の光エネルギーを浴びて、光合成によって二酸化炭素(CO₂)からデンプン(糖)などの有機化合物物を合成しています。

光合成が行われるのは葉緑体で、その中でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が合成され、ATPを利用して有機物が合成されています。

光合成には水も必要で、ATPによって二酸化炭素と水から酸素が合成されています。植物が二酸化炭素を吸って、酸素(O₂)を吐いているという一般に言われることは、生命の営みによる結果です。

地球が誕生したばかりの46億年前の大気は、高温・高圧の水蒸気が占め、他には二酸化炭素や窒素などが含まれていたと考えられています。

その後、数億年をかけて地表が冷え、水蒸気が雨となって降り注いで海ができると、大気の成分は二酸化炭素と窒素となりました。

二酸化炭素は海に溶け込み、一部がカルシウムイオンと結合して石灰岩(炭酸カルシウム)として海底に堆積することによって大気の二酸化炭素が減少して、大気の主成分は窒素になりました。
〔小林正人〕

人間が求める便利さ、快適さが大きく進みすぎて、自然環境を構成する植物や微生物などの回復力が限界に近づきつつあり、自然界の回復力に期待するのは難しい時代になってきました。

自然環境の変化が行きすぎたとしても、人間の身体には自然に回復することができる自然治癒力が備わっていて、あまりよくない環境の中でも活動して、健康を保つことはできました。

ところが、人間の自然治癒力が低下するようなことが多くなり、それが重なって、良好な環境の中でなければ、健康度を高めておくことができにくくなっています。

自然治癒力を低下させることとしては、農薬・食品添加物・化学物質の多用、空気や水の汚染、紫外線の影響、ストレスの増加など、いくらでも数え上げられるようになっており、それは止まるどころか、これからも増え続ける可能性が高くなっています。

植物の回復力も人間の自然治癒力も、内部で発生させているエネルギーによって成り立っています。正常にエネルギーを発生できる状態であれば、植物の回復力を期待することができます。

身体で作り出したエネルギーは成長や健康の維持・増進に使われ、免疫、解毒といった重要なことに使われています。そのエネルギーによる対応ができにくくなるほど、環境破壊が起こり、エネルギーの限界を超えている状態となっています。

植物も動物も、エネルギー効率を高めるための進化を遂げてきました。生命維持の根幹であるエネルギー効率を低下させるようなことを望んで、経済発展をさせてきたわけではないはずです。

私たちが実施してきた社会活動、経済活動は、結果としてエネルギー代謝を阻害する原因ではなかったのか、そのことを立ち止まり、振り返り、新たな発想のもとに進んでいくことが必要であり、そのベースとなるのが、水活と共通するブルーエコノミーの思考であると、私たちは考えています。
〔小林正人〕

周囲を取り巻く自然は、変化をしていないようでも常に小さな変化を繰り返しています。その変化を目にして実感することができないだけで、植物が生きている限りは着実な変化が連続して起こっています。その代表的なものが光合成です。

植物は太陽光を浴びて、光エネルギーを植物の内部の葉緑体で使って、光合成を起こして成長しています。それぞれの植物の中で起こっていることは小さな出来事であっても、複数の植物が同時に変化を起こしていくことによって植物の成長だけでなく、環境にも影響を与えていきます。

植物が環境に対して行っているのは、二酸化炭素を取り込んで、内部で化学合成をして酸素を発生させていることです。一つひとつの植物が発生させる酸素の量は少なくても、数が多くなり、それが何年も何十年も積み重なることによって、植物にとって好ましい環境を作り上げてきました。

植物の作り出す環境は、その自然環境の中で生きている動物にとっても好い条件を作り出してきました。人間をはじめとする動物は、酸素を取り込んで、体内で化学反応を起こしてエネルギーを発生させると同時に二酸化炭素を発生させています。

この二酸化炭素が植物を成長させるエネルギー源となり、動物が発生させる二酸化炭素が植物のエネルギー源となるという共生関係によって、長い歴史の中で、ともに成長して進化することができて、人間の社会活動も経済活動も発展させてきました。

このバランスが取れているときには、植物と動物の変化は、ともに支え合う良好な関係といえました。ところが、人間の社会活動、経済活動が便利さ、快適さを追い求めるあまりに、自分たちが生きていく土台となる環境を崩していくことになったのは、さまざまな歴史が証明していることです。

これまで以上に自然環境の変化が起こったとしても、自然界には回復力が備わっており、その範囲内であれば、時間はかかったとしても元の状態に近づき、元の状態に戻すことは可能でした。
〔小林正人〕

グリーンは緑、ブルーは青と明確に区別するのは世界的に共通していることですが、日本人は緑のことを“青”と表す特徴的な感性があります。

青々とした緑、青物野菜や青菜といった使い方がされており、緑色のリンゴは青リンゴ、緑の葉は青葉、それを絞った緑色の液体は青汁、緑色の竹は青竹、緑色の海苔は青海苔と呼ばれます。これは古語ではなく、現在も普通に使われています。

日本語に緑が現れるのは平安時代末期(1200年前)からのことで、それ以前は色は赤、黒、白、緑で表現されていました。赤は明るい色、黒は暗い色、白ははっきりと見える色、そして緑は淡い色を示していました。

青の中に緑も含まれており、その歴史的な伝統は緑色の信号を青信号と呼ぶ感性に受け継がれています。

万葉集に出てくる奈良(あをによし奈良の都は咲く花の薫うがごとく今盛りなり)の枕詞の「あをによし」の「あを」は木々に新緑を指しています。青には自然、新鮮、若さ、成長といった意味が持たせられています。

一方、海外では青(blue)は、「ブルーな気分」(feeling blue)と表現されるように、憂鬱や陰気といったイメージがあります。色彩イメージとしては海、空、晴れといった自然の色であり、落ち着いた印象を与える色であるものの、グリーンに比べるとマイナスイメージとして捉えられることがあります。

自然界の食品には青色のものは少ないこともあり、食べ物の色とは認識されにくいことから美味しさとつながりにくいこともあって、「青は食欲が湧かない色」とされています。

天然の着色料にはクチナシ色素、スピルリナ色素、チョウマメ色素があり、食品添加物として使用が許可されていますが、食品として馴染みがあるものではありません。また、食品にまつわる青い色では、餅やパン、魚肉練り製品などに生える青カビがあげられます。

青カビはカビ毒を発生させることから、有害なカビとして認識されています。チーズにも青カビは生えますが、ブルーチーズの場合は有害な成分を発生させないので、これは安心して食べられるとしても、それ以外のチーズに発生した青カビはアレルギーや内臓疾患などの要因となります。

水活が注目するブルーエコノミーは、詳細に分類された色彩のブルーだけでなく、広範に自然を表す青も緑も含めたブルーと認識して、新たな経済活動に取り組むことが大切だと考えています。
〔小林正人〕

微生物は栄養源を取り入れて、これを内部で代謝させてエネルギーを作り出し、代謝によって発生した不要なものを外部に排出しています。その排出物が人間にとってよくない結果になる場合が腐敗であり、よい結果になる場合が発酵と考えることができます。

食品は発酵が続いているときには、腐敗はしません。糠味噌漬けは乳酸菌によって発酵し続けている間は、腐敗菌の活動は抑えられ、発酵が進んでいきます。この環境を保つことが大切であり、環境が乱れると腐敗菌が増えて、発酵が遅くなり、環境が完全に崩れると発酵が腐敗に変化しかねません。

人間の体内でも同じようなことが起こっています。その一例が腸内細菌で、善玉菌と悪玉菌に大きく分けられています。

善玉菌は栄養源を代謝して酸性物質を排出しています。この酸性物質は善玉菌を増殖させる環境を作り出し、善玉菌が増えるほど悪玉菌が減っていくことになります。

悪玉菌は栄養源を代謝してアルカリ性物質を排出しています。アルカリ性物質によって腸内環境の酸性度が低下すると善玉菌は増殖しにくくなり、悪玉菌が増殖していくことになります。

ブルーエコノミーは、自然の営み(物理学的変化)を利用する方法であり、これまでの生命を科学的に操作する発想から抜け出した行動の結果です。これまでの効率性を追求する立場から、多様性を認めた効率性に向かって進化していくことを指しています。

多様な課題に同時に対処する複合的な手法への転換が求められており、そのための総合的な計画の重要となるのがブルーエコノミーの発想です。
〔小林正人〕

人間の身体は、自然環境に適合させ、効率よく働かせるように徐々に変化してきました。それは遺伝によって長い年月を経て効率性と多様性に向かって変化させてきたものだけに、今の形と働きが完成形と言えます。

ブルーエコノミーは、自然と環境の中にある生態系をモデルにした経済活動を指していて、その仕組みを最大限に活かすとともに、エネルギー資源を効率的に利用することを意味しています。これは人間の心身にも優しい経済活動となります。

現在あるモノを、心身のプレッシャーなしに次につなげていく活動であり、欠乏のない状態を無理なく、無駄なく求めていく人間追求の経済活動とすることができます。

産業廃棄物を自然の力を用いて分解・処理をしていくことはグリーンエコノミーと同じようであっても、これまで活用されてこなかった廃棄物を利用し、それに適した栽培植物を選択して、微生物などが力を発揮できるように環境を整えることによって、ブルーエコノミーへと変えていくことが可能となります。

自然に放置した食品の残渣は腐敗していくのに対して、環境を整えることによって発酵へと変えていくことができます。腐敗と発酵は異なるように見えても、微生物の特性に注目すると同じことがされています。
〔小林正人〕