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「時間銀行」は聞き慣れない用語で、それに対して聞いたことがある「ボランティア貯金」と2つの用語が並んでいると、聞いたことがある用語、聞き慣れた用語のほうが前からあって、聞き慣れない用語のほうが新しいと考えがちです。

しかし、預け入れた時間を相互扶助のために使う時間銀行は、ボランティア貯金よりも先に生まれています。そのことがあまり理解されていないのは、ともに日本で始まったことで、ともに注目されなかった時期があったことが関係しています。

日本で始まった時間銀行は、地域活動としては1990年初頭のバブル経済崩壊の影響を受けて、金銭的・精神的な余裕が国民的になくなったこともあって、意識されなくなったことがあげられます。

バブル経済崩壊の影響は思った以上に長く続き、そのために介護人材の確保が難しくなりました。

時間銀行は、時間的な余裕があるときに自らの時間を介護などに使うことで、介護に充てた時間を貯金のように蓄えておくという仕組みであったことから、国民的に余裕がなくなったことで、“原資”に当たる時間が集まらなくなりました。

これは、お金がない地域で、お金を集めようとしているのと同じようなことで、一定の活動範囲があって、信頼性が高いところが引き受けないことには進めることも、安定させることも難しくなります。

こういった介護人材の確保が難しくなったという背景もあって、各地で始まったのが「ボランティア貯金」でした。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの亜鉛の「生活習慣病等の重症化予防」を紹介します。

〔生活習慣病等の重症化予防〕
糖尿病または糖・脂質代謝異常者に対する亜鉛サプリメント投与効果を検討したメタ・アナリシスが複数存在します。

これらの報告では、亜鉛サプリメント投与が糖尿病患者らの血清生化学検査値を改善させるとしています。

レビューの対象となった研究での亜鉛の投与量はほとんどが30mg/日以上であり、耐容上限量を上回る投与量も散見されますが、低容量(20〜25mg/日)の亜鉛を12週間以上投与した場合に検査値の改善が認められる場合が多いとする報告もあります。

しかし、日本人の成人に20〜25mg/日の亜鉛補給を行うと亜鉛の総摂取量は約30mg/日に達して、耐容上限量に近接します。

亜鉛の過剰摂取が糖尿病発症リスクを高める可能性および血清亜鉛濃度と糖尿病発症リスクに正の相関のあるという報告もあることから、糖尿病や糖代謝異常の悪化防止や改善のために、亜鉛摂取量を30mg/日以上に増やすことには慎重でなければなりません。

CKDから維持血液透析となった患者を対象に、栄養状態、脂質プロファイル、抗酸化療法と抗炎症療法に対する亜鉛補給の効果を調べた研究のメタ・アナリシスでは、亜鉛サプリメント投与によって血清亜鉛濃度とスーパーオキシドジスムターゼ活性が上昇して、C反応たんぱく質濃度が低下したことを示しています。

亜鉛の補給による抗炎症作用と抗酸化作用が示唆されましたが、この報告に含まれた研究での亜鉛投与量は11〜100mg/日であり、その多くが45mg/日以上でした。

以上より、糖尿病、脂質異常症、CKDに対する亜鉛の効果は薬理的なものと考えられることから、重症化予防のための量(下限値)は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの亜鉛の「生活習慣病等の発症予防」を紹介します。

〔生活習慣病等の発症予防〕
亜鉛摂取量または血清亜鉛濃度を指標にして対象者を分割して、糖尿病または心血管疾患の発症リスクを比較している多数のコホート研究をレビューした報告では、高亜鉛状態が心血管疾患発症リスクを低下させるのは、糖尿病を有するか、心血管造影において高リスクと診断されている集団のみであり、一般には亜鉛状態とこれらの疾患の発症リスクとの関連は明確でないとしています。

また、亜鉛摂取量または血清亜鉛濃度によって定義される亜鉛状態と糖尿病発症リスクを低下させますが、発症リスクが高いのは、亜鉛の必要量が充足されていない場合であり、必要量を超える亜鉛摂取が糖尿病の発症リスクを低下させることの明確なエビデンスは存在しないと結論しています。

一方、亜鉛サプリメント投与と血清脂質との関連についてのメタ・アナリシスでは、亜鉛サプリメント投与が健康な人の血清総コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪を有意に減少させるとしています。

しかし、このメタ・アナリシスの対象となった研究では、亜鉛サプリメントの投与量が15〜240mg/日の範囲であり、耐容上限量を上回る投与量も散見されます。

さらに、高血圧患者において血清亜鉛濃度が高血圧のない者よりも有意に低いという報告がありますが、亜鉛摂取による発症予防効果は明らかではありません。

以上より、亜鉛摂取と生活習慣病予防との関連については定量的なデータが不足しており、目標量(下限値)は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病の治療というと血糖値を降下させる医薬品を飲めばいい、と安易に考えがちな人が多いのですが、医薬品に頼っていては改善できないのが糖尿病の難しいところであり、そのような考え方をする人を増やしてしまった医療関係者の責任も問われるところです。

糖尿病の治療は、食事療法を行い、改善結果が得られないときには運動療法も併せて行い、それでも充分な改善がみられなかった場合には医薬品(抗血糖薬)を使用するという手順となっています。

それは医薬品だけでは効果が得にくく、場合によっては悪化させる可能性もあるということで、いきなり医薬品を使ってはいけないという当たり前に行われるべきことが、実際にはなされていないことを示しています。

血液検査によって血糖値を調べて、糖尿病の診断域に達していると、よほどの重症でない限りは、いきなり血糖降下の作用がある医薬品を使うことは原則的にはありません(ないはずです)。

まずは食事療法を指示して、それで様子をみることになります。食事療法は食事から摂取するエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)の量を全体的に少なめにするエネルギーコントロール食から始めます。

それでも思ったような効果が得られなかったときには、運動療法も行います。血糖(血液中のブドウ糖)を減らすために食事と運動の両方で取り組むわけです。それでも充分な効果が得られなかったときに、医薬品が使われます。

ここで間違ってはいけないことは、医薬品を使えば血糖値が下がるので、食事療法も運動療法もしないで済むとわけではない、という原則的なことです。この重要なことを、わかっているはずの医師が伝えずに、医薬品の服用だけの指示をする例が少なくありません。

それどころか、食事療法も運動療法も指示することなく、初めから医薬品を使う医師がいます。“医師がいる”というレベルの話ではなくて、初めから医薬品を使う医師のほうが多いくらいです。

その理由(原因)としてあげられているのが、日本の医療費の“出来高払い”の制度です。

このことを理解するために、次回は日米の医療制度の違いを紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病は血液検査によって血糖値とヘモグロビンA1c値を測定すれば診断することができます。血糖値とヘモグロビンA1c値に影響を与えるのは血液中のブドウ糖の割合で、原因がわかっているので、治療法も明らかになっています。

それなのに国民病と言われるほどに患者数が多く、「国民健康・栄養調査」(令和6年調査)では、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病患者)は約1100万人、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)は約700万人と発表されています。

これは成人人口(約1億人)に対する推計人数ですが、これほどまでに多くなっているのは、健診によって血糖値が高いこと、すでに糖尿病の領域に入っていることを医師から告げられても、治療を受けていない患者や予備群が多いことが一つの理由としてあげられています。

「国民健康・栄養調査」(令和6年調査)では、糖尿病患者のうち男性は26.9%、女性は39.5%が治療を受けていないとの結果になっています。

検査も大事ではあると同時に、その後の医師や医療スタッフのフォローも重要ということが示されている結果です。

糖尿病は早期発見だけでなく、早期治療が行われてこそ国民の健康を維持することができるだけに、何かが足りていないために患者数が増えることになっています。

平成28年調査では糖尿病患者は約1000万人であったので、7年間の間に100万人(10%)も増えた原因は何かということですが、それは血糖値が高い状態がわかった段階で対応すべきことが充分に伝わっていないことです。

糖尿病になっていても治療をしない人が多いということは、糖尿病予備群の段階では、さらに真剣には考えていない、ということで、基本的な情報の伝達が不足していて、自分の身体のことを知って、いかに行動するかという健康リテラシーの向上が望みにくい状況にあるということが言えます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病は血管の老化を進める大きな要因で、全身に影響を与えるだけに、平均寿命が短いことは以前から言われてきました。

これは、ただ言われてきたというレベルではなくて、19か国の151万人を対象にした調査でも明らかにされていることで、30歳で糖尿病の診断を受けた人は平均寿命が14年短くなるという結果が発表されています。

一般に「糖尿病では14年も短命」と言われているのは、この調査結果がもとになっています。日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳であるので、男性なら67歳、女性なら73歳で亡くなるという計算となります。

糖尿病の期間が長くなるほど血管のダメージが蓄積されていくことから、50歳で糖尿病の診断を受けた人の場合には平均寿命の短縮の度合いは6年との結果が出ています。これをもとに計算すると、男性は75歳、女性は81歳となります。糖尿病の期間が短いほうが平均寿命は高くなるということです。

こういった理論上の平均寿命の違いではなくて、実際の統計調査も行われています。日本糖尿病学会は2011年から2020年までの糖尿病患者の平均寿命(亡くなった年齢の平均)を発表しています。

それによると、男性は74.4歳、女性は77.4歳となっています。理論上の平均年齢と比べると、男性はあまり変わらず、女性は4年ほど短くなっていることになります。

それでは、糖尿病になると短命になるのは仕方がないことなのかというと、2型糖尿病患者の18万人調査では、ある条件をかなえていると、糖尿病でない人よりも長生きだという結果が得られています。

その条件というのは、食事療法、運動療法を続けながら、治療を続けている場合です。

糖尿病の治療は、食事療法を行い、改善結果が得られないときには運動療法も併せて行い、それでも充分な改善がみられなかった場合には医薬品(抗血糖薬)を使用するという、当たり前に行われるべきことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」は、2001年の発表から現在の名称となっています。それ以前は「国民栄養調査」でしたが、そのきっかけとなったのは中央省庁再編によって2001年に厚生省と労働省が統合されて厚生労働省が発足したことでした。

国民の健康づくりのための基礎調査として、栄養摂取の調査に、広く健康に関わる調査も加えられました。糖尿病についても、栄養摂取と運動習慣の両方の取り組みが重要となっています。

糖尿病に関する調査結果として、5年ごとの発表を原則としている「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病患者)と「糖尿病の可能性を否定できない者」(糖尿病予備群)の推計人数を前回紹介しました。毎年発表されているのは男女別と年齢層別(20歳以上)の割合だけです。

令和6年(2024年)の「国民健康・栄養調査」の結果を見ると、糖尿病が強く疑われる者は男性では17.7%、女性では9.3%となっています。糖尿病の可能性を否定できない者は男性では8.2%、女性では8.2%です。

糖尿病の可能性を否定できない者が、男女ともに8.2%というのは偶然であって、一致するのは極めて珍しいことです。全体の患者数が多い男性は、その予備群の数も多いというのが一般的なことで、なぜ一致したのかは、今後に考察すべき重要項目と指摘されています。

もう一つ注目すべき点は、糖尿病の治療に関する調査結果で、「糖尿病を指摘されたことがある者」のうち、治療を受けているのは男女平均で67.4%であって、3人に1人は糖尿病であることを告げられていても医療機関で治療を受けていません。

男女別では、男性は73.1%、女性は60.5%が治療を受けています。つまり、男性は26.9%、女性は39.5%が治療を受けていないということで、女性は糖尿病患者の割合が低いのに、治療を受けていない人が多いという結果になっています。

このことが将来的に、どのようなことが起こるのか、それも健康施策の重要なポイントとなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省の国民健康・栄養調査(平成28年:2016年)の結果から、「国民の5人に1人が糖尿病か予備群」という衝撃的な数字がメディアなどで盛んに報道されたときに「翌年は増えるのか、それとも減るのか」ということもメディアの話題となりました。

しかし、その結果が出るのは翌年ではありません。

国民健康・栄養調査で“推計人数”(20歳以上、男女計)が発表されるのは5年に1回のことで、それ以外の年は「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病患者)と「糖尿病の可能性を否定できない者」(糖尿病予備群)の男女別の割合が発表されるだけです。

平成28年の5年後というと平成3年(2021年)の調査となるわけですが、実際には令和6年(2024年)調査の結果が令和7年12月に発表されました。8年ぶりの発表でしたが、これはコロナ禍の影響で3年間、調査を実施することができなかったためです。

令和6年調査では、糖尿病が強く疑われる者は約1100万人となりました。これを示して「10%も増加した」と報道したメディアもありましたが、糖尿病予備群は約700万人と30%も減りました。

つまり、糖尿病患者と糖尿病予備群の合計数は約1800万人と、20%の減少となっています。この結果を受けて、「その間に何があったのか?」という疑問を投げかけた一部のメディアもありました。

国民全員に調査をしたわけではなくて、国民健康・栄養調査の調査対象は約2万人、そのうちの回答者は約1万人で、その人たちの結果を20歳以上の人口に当てはめた結果が発表されています。

そもそも国民健康・栄養調査は、国の健康施策の基本とするために実施された調査のデータであることから、各回の結果に一喜一憂するのは正しい判断ではありません。長年の推移を見て、今後の対策について考えていくことが重要という認識を持ってデータを見てもらいたいということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

糖尿病が国民病と呼ばれるようになったのは1970年代のことですが、その当時の患者数は約100万人と推計されていました。

新たな調査結果が発表されるたびに糖尿病患者は増加傾向となり、平成28年(2016年)調査の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)では、糖尿病患者は約1000万人と発表されました。

国民健康・栄養調査では、糖尿病患者は「糖尿病が強く疑われる者」とされていて、一般に“糖尿病予備群”と呼ばれている人は「糖尿病の可能性を否定できない者」とされています。

国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」はヘモグロビンA1cの値が6.5%以上の者、または医療機関や健診で糖尿病と言われたことがある者を指しています。

一方の「糖尿病の可能性を否定できない者」は、ヘモグロビンA1cの値が6.0%以上6.5%未満の者となっています。その人数は、平成28年調査では約1000万人と発表されました。

糖尿病患者が約1000万人、糖尿病予備群が約1000万人、合計で約2000万人となります。

国民健康・栄養調査は成人人口約1億人のうちの推計値であることから、「国民の5人に1人が糖尿病か予備群」という衝撃的な結果がメディアなどで盛んに報道されました。

この結果を受けて、「翌年は増えるのか、それとも減るのか」といったことも語られていたのですが、その発表は無理なことでした。

このことについては、次回に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

私が中学3年生だった1970年に父親は糖尿病と診断されていますが、その年は日本万国博覧会(通称「大阪万博」「EXPO70」)が開催された年で、食生活の洋風化が大きく進んだ時期でした。

1970年にはケンタッキーフライドチキン、すかいらーくの第1号店、1971年はマクドナルド、ロイヤルホストの第1号店が開店しています。

その1970年が糖尿病にとって大転換の時期であったということは、後に病院栄養管理の研究所のメンバーになった時に知ったことです。

大転換というのは、糖尿病患者が1970年には約100万人となり、患者数は増え続ける一方でしたが、従来は糖質の摂取量が多くなるほど糖尿病患者は増えるということが常識として伝えられていました。

ところが、1970年前後は米の摂取量が大きく減少して、その代わりに肉類や乳製品の摂取量が大きく増えた時期で、1日の摂取エネルギー量の平均がピーク(2226kcal)に達したのは1975年のことでした。

そして、現在の1日の摂取エネルギー量の平均が約1900kcalと、終戦直後(80年前)と同程度になっています。

糖質の摂取量が減っただけでなく、全体の摂取量エネルギー量が減ったのに、糖尿病患者が増え続けて、2016年には糖尿病患者は約1000万人と発表されました。

これほどの短期間のうちに大きく患者数が増えた国は、他にはみられないことです。

私が病院栄養管理の研究所の主任研究員になったのは1986年のことですが、その年は我が国の糖尿病治療の歴史の記念すべき年となりました。

それは血糖自己測定が健康保険適用となったことで、これによって自宅で血糖値を測定して、自己管理ができるようになりました。

食事内容と血糖値の変化を見比べることで、高血糖の原因となる食べ物と摂取量を確認することができるようになりました。

そして、生活習慣が大きく影響していることが徐々に認識されてきて、その10年後の1996年に、厚生省(のちの厚生労働省)は、従来の呼び名の成人病を生活習慣病と改称しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕