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言い間違いは誰にもあることで、言葉の本来の意味を知っていても話をするとき、文字にするときに誤って書いてしまうこともあります。それは年齢のせいだと言い訳をすることもあれば、他人の過ちを指摘するツールとして使われることもあるのですが、決して揚げ足取りで指摘しているわけではありません。

自分にとっては、言い間違いを通じて、人を見分けるためのよい判断基準となることもあります。同じところに所属する人が言い間違いをしていると、これは共通用語として使っているのではないかと思いたくなります。

私には「微表情分析」という、あまり周囲には喜ばれない(というか嫌われることもある)特技があり、隠そうとしても表に現れる微小な変化を見抜く手法を活用しています。これは騙されないために仕方なく始めたところがあります。

これだけでは見抜きにくいこともあります。微表情分析が非言語コミュニケーションだとすると、言語コミュニケーションと組み合わせることによって「腹の底で何を考えているのか」がわかる、というか気づくためのヒントを得ることができます。

その手法については、微妙な特徴や変化を見るためのトレーニング法があり、充分に鍛えられた状態でないと、とんだ過ちを犯すことにもなるので、文章では伝えにくい(伝えられない)ところです。

非言語コミュニケーションと言語コミュニケーションの組み合わせは難しくても、言語コミュニケーションである言葉の言い間違いに気づいて、そこから相手の気持ちを見極めることはできます。

その見極めができないと「足を掬われる」ことになります。これは正しい言葉なのですが、言い間違いの「足元を掬われる」を使っている人が増えています。そのようなことにならないことを願って、次回(言い間違い2)は「足元を掬われる」について考察していくことにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

歩くことによって脳の機能が高まることについて、前回(老いの脳力5)、AMPキナーゼなどの働きから考察してきました。AMPキナーゼの働きに対して、能力を高める効果としてあげられるのはt−PAで、これは30分ほどの運動をすると分泌量が増えます。

t−PAには血栓を溶かす作用があり、血栓は脳血管を詰まらせて脳血管疾患(脳梗塞、一過性脳虚血発作)の原因となることから、認知機能の維持には重要な因子となることが考えられています。

脳の機能を高めることがある一方で、逆に認知症の一歩手前とされる軽度認知障害のリスクを高めることがあります。

軽度認知障害のリスクを高めることとして加齢に加えて脳卒中(隠れ脳梗塞を含む)、心疾患(心筋梗塞など)、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧、メタボリックシンドローム、肥満、甲状腺機能障害、頭部外傷、正常圧水頭症、喫煙歴、アルコール・薬物の影響、ビタミンB₁₂欠乏、過度のエストロゲン、テストステロン欠乏、不健康な食生活、ストレスや不安、うつ病、社会的孤立、そしてエクササイズの欠如があげられています。

エクササイズは一般には身体運動として認識されていますが、精神機能や脳機能の向上にも有効となっています。リスクが高い人は、そのリスク(マイナス要因)を減らすことと同時に、有酸素運動の時間を増やすことが重視されています。

有酸素運動は、ただ運動をすればよいということではなくて、効果的に息を吸い込み、取り込まれた酸素を脳に効果的に届けることが重要となります。そのためには、運動としては中程度と思われるようなウォーキングが最適です。

歩けばウォーキングになるということではなくて、一定の心拍数になり、酸素を吸い込む量が増える状態にすることです。それは、一緒に歩いている人と、なんとか会話ができる程度の速歩(早歩き)だと言われています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、科学的根拠に基づいたシステマティック・レビューを行っています。レビューの方法について紹介します

〔レビューの方法〕
可能な限り科学的根拠に基づいた策定を行うことと基本としています。

システマティック・レビューの手法を用いて、国内外の学術論文や入手可能な学術資料を最大限に活用することとなりました。

エネルギー及び栄養素についての基本的なレビューにおいては、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の策定において課題となっていた部分について特に重点的にレビューが行われました。あわせて、高齢者、乳幼児などの対象特性についてのレビューが行われました。

エネルギー及び栄養素と生活習慣病などの発症予防・重症化予防との関係についてのレビューは、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下、フレイル、骨粗鬆症に関するリサーチクエスチョンの定式化を行うため、可能な限りPICO形式を用いてレビューされました。

このほか、栄養素摂取量との数量的関連が多数の研究によって明らかにされ、その予防が日本人にとって重要であると考えられている疾患に限って、レビューの対象とされています。この際には、研究対象者の健康状態や重症度の分類に留意して検討されています。

これらのレビューは、令和4〜5年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)の「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定に資する各栄養素等の最新知見の評価及び代謝性疾患等の栄養評価に関する研究」を中心に行われています。

こうしたレビューの方法については、今後その標準化を図っていく必要があります。

特に摂取量の基準となる数値の策定を目標とする食事摂取基準で求められるレビューの方法は、定性的な予防および治療指針の策定を目的とする他のガイドラインで求められるレビューの方法とは異なるため、食事摂取基準に特化したレビュー方法の開発、向上、標準化を図る必要があるとしています。

なお、前回の策定までに用いられた論文や資料についても必要に応じて再検討が行われました。ただし、他の医療分野と異なり、エビデンスレベルを判断して明示する方法は、人間栄養学、公衆栄養学、予防栄養学では十分に確立されていません。そのため、得られるエビデンスレベルと栄養素間でばらつきが生じています。

こういった実情を踏まえ、メタ・アナリシスなど、情報の統合が定量的に行われている場合には、基本的には、それを優先的に参考にすることとされました。実際には、それぞれの研究の内容を詳細に検討して、現時点で利用可能な情報で最も信頼度の高い情報を用いるように配慮されました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

1月11日 鏡開き
「塩の日」武田信玄が上杉謙信から塩を受け取った1569年1月11日にちなんで制定。
「アスパラガスビスケットの日」ギンビス(東京都中央区)がアスパラガスビスケットの棒状の形が3つ並ぶことから制定。
「マカロニサラダの日」デリア食品(東京都調布市)がマカロニの形が1に似ていることと、1が3つ並ぶサ・ラ・ダから制定。
「樽酒の日」長龍酒造(奈良県広陵町)が鏡開きの日を制定。
毎月11日:「果物の日」(全国柑橘宣伝協議会、落葉果実宣伝協議会)、「めんの日」(全国製麺協同組合連合会)、「ダブルソフトの日」(山崎製パン)、「ロールちゃんの日」(山崎製パン)

1月12日
「いいにんじんの日」韓国人蔘公社ジャパン(東京都新宿区)が、い(1)い(1)に(2)んじんの語呂合わせで制定。
毎月12日:「パンの日」(パン食普及協議会)、「育児の日」(神戸新聞社)

1月13日
「伊達のあんぽ柿の日」ふくしま未来農業協同組合が、あんぽ柿の最盛期が冬で、普及に携わったのが13人であったこと、発祥地の福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)の13(いさ)にちなんで12月13日、1月13日、2月13日を制定。
毎月13日:「一汁一菜の日」(一汁一菜ぷらす・みらいご飯)、「お父さんの日」(ヤクルト本社)、「登山の日」(ICI石井スポーツ)

1月14日
「褒め言葉カードの日」日本褒め言葉カード協会が褒め言葉の一つのい(1)い(1)よ(4)の語呂合わせで制定。
毎月14日:「ひよこの日」(ひよ子本舗吉野堂)、「丸大燻製屋・ジューシーの日」(丸大食品)

1月15日
「適サシ肉の日」すきやき店ちんや(東京都台東区)が適度な霜降りの入った適サシ肉を使うと宣言した日の2017年1月15日にちなんで制定。
「フードドライブの日」カーブスジャパン(東京都港区)が、い(1)い(1)ご(5)はんの語呂合わせで制定。
毎月15日:「お菓子の日」(全国菓子工業組合連合会)、「惣菜の日」(日本惣菜協会)

1月16日
「囲炉裏の日」囲炉裏の愛好家が、い(1)い(1)炉(6)の語呂合わせで制定。
毎月16日:「十六茶の日」(アサヒ飲料)、「トロの日」(カッパ・クリエイト)

1月17日
「おむすびの日」米穀安定供給確保支援機構(東京都中央区)が阪神淡路大震災でおむすびの炊き出しが喜ばれたことから震災発生の1月17日を制定。
毎月17日:「減塩の日」(日本高血圧学会)、「いなりの日」(みすずコーポレーション)、「国産なす消費拡大の日」(冬春なす主産県協議会)、「森のたまごの日」(イセ食品)

1月18日
「カップスターの日」サンヨー食品がカップスターが初めて販売された1975年1月18日にちなんで制定。
「ひらく、いい鼻の日」グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(東京都港区)がブリーズライトを使って鼻呼吸を普及するために、ひ(1)らく、い(1)いは(8)なの語呂合わせで制定。
「いい菌バランスの日」オハヨー乳業(岡山県岡山市)が、い(1)い(1)バ(8)ランスの語呂合わせで制定。
「寒の土用丑の日」うなぎのまち岡谷の会(長野県岡谷市)が寒の土用丑の日にもうなぎを食べる食文化を築こうと土用に制定。
毎月18日:「防犯の日」(セコム)、「おにぎりの日」(中能登町)

1月19日
「大阪いちじくの日」はっぴいおかん(大阪府羽曳野市)が、いち(1)じく(19)の語呂合わせで制定。
「イチジク浣腸の日」イチジク製薬がイチ(1)ジク(19)の語呂合わせで制定。
「いいくちの日」花王が、いい(11)くち(9)の語呂合わせで制定。
「信州・まつもと鍋の日」おいしい信州ふーど・信州まつもと鍋開発プロジェクトチーム(長野県松本市、松本大学、JA松本ハイランド、JA松本市)が温かい鍋がおいしい冬の12月、1月、2月で、食の語呂に合わせて19日を制定。
毎月19日:「いいきゅうりの日」(いいきゅうりの日プロジェクト)、「松阪牛の日」(やまとダイニング)、「熟カレーの日」(江崎グリコ)、「シュークリームの日」(モンテール)、「クレープの日」(モンテール)、「食育の日」(食育推進会議)、「イクラの日」(カッパ・クリエイト)

1月20日
「血栓予防の日」日本ナットウキナーゼ協会が寒い季節に血栓ができやすいことから大寒になることが多い1月20日とツ(2)マル(0)の語呂合わせから制定。
「ぬか床の日」全国ぬかづけのもと工業会が大寒の日にぬか床を作るとよいとのことで制定。
「甘酒の日」森永製菓が大寒のころに甘酒が飲まれていることから制定。
毎月20日:「ワインの日」(日本ソムリエ協会)、「信州ワインブレッドの日」(信州ワインブレッド研究会)、「シチューライスの日」(ハウス食品)、「発芽野菜の日」(村上農園)

「明太子の日」ふくやが明太子を初めて販売したことから制定。

「糸引き納豆の日」全国納豆協同組合連合会が1と10で糸の語呂合わせから制定。

「ひものの日」太助(愛知県名古屋市)が干物の干が一と十に分解できることから制定。

毎月10日:「植物油の日」(日本植物油協会)、「糖化の日」(AGE測定推進協会)、「パンケーキの日」(日本ハム)、「コッペパンの日」(全日本丸十パン商工業協同組合)、「アメリカンフライドポテトの日」(米国ポテト協会)

発達障害の特性がある子どもにとって、最も苦しく、受け入れにくいのは「根拠のない励まし」であるということを前回(日々修行132)書かせてもらいました。

発達障害の特性は、現在の通常の教育環境では学ぶことに大きな困難さがあり、それを克服しようとしているチャレンジャーのような捉え方もあります。そこで応援や励ましをしようと考える気持ちはわからないではありません。

また、子どもが持って生まれた才能に期待するのは、親であれば“普通に”抱いている感覚で、“普通と比べて”少し劣っているところがあれば、それを上回る才能があることを期待しがちです。

発達障害の中には“ギフテッド”と呼ばれる優れた才能の持ち主が存在しているのは事実です。しかし、その確率は(調査によって差はあるものの)10%くらいだとされています。

すべての子どものうち発達障害児が10%とされ、その10%であるので、全体では1%、発達障害に限っても10人に1人いるかという状況です。

自分の家族の子どもにギフテッドの才能があったとしても、それを発揮させることができるか、環境を整えてあげることができるのかは保護者の考えと接し方にかかっています。

期待して、応援することは大事なことであっても、それが過剰になったり、子どもに苦労をさせるようなことを期待することは、できることなら避けてもらいたいことです。

今回のお題の“自業苦”と“業苦楽”については、先にも説明をさせてもらっています。

私が生まれ育った寺院の宗派の浄土真宗には地獄はなくて、亡くなったら信者は極楽に行くことができます。

浄土真宗の開祖の親鸞聖人は、自らがやってきた自業によって苦しむことが“自業苦”(じごく)としています。子どもの場合には保護者がやってきたこと、今やっていることも自業です。

保護者の過剰な期待だけでなく、発達障害の特性を充分に理解することなく、これまでの自分の常識から対応をすることも、それがマッチしない子どもにとっては“自業苦”と考えられています。

そのような反省をもって、自業による苦を楽な状態、つまり的確な対応によって楽な状態にしていくことは、親鸞聖人の言葉を借りると“業苦楽”(ごくらく)となります。

この考えを保護者や発達障害児を支援する方々に押しつけるのではなく、気づいてもらえるような環境づくりをすること、そのために学ぶ機会を設けていくこと、これが私たちの目標であり、今年の初めから心に刻んでいることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

専門的な話を対面でしているときに、「よく勉強されていますね」と言われたら、これは通常では褒め言葉ととらえられます。こちらから「よく勉強されていますね」と言ったとしたら、それを貶す(けなす)ような意味で取られることは、よほどの変わり者でもない限りはないはずです。

そう考えるのは、私が京都の出身ではないからです。

京都出身の方々との仕事はPHP研究所の書籍の編集者にしても、島津製作所やオムロンにしても、ずっと続けてきました。島津製作所の子会社の広告代理店も、オムロンの子会社であったプリントシール機などの会社も、「勉強されている」というフレーズは使わないように注意をしていると話していました。

それは京都の特有の表現が、全国的にも、かなり知られてきているから、とのことです。

京都では「よう勉強してはりますな」というのは、知識が豊富なことを指しているのではなくて、「余計なこと言うな!」という意味で使われます。これは京都での“慣用句”というよりも、京都人の特有な表現法です。

これと似たようなことでは、「よう知ってはるな」というフレーズがあり、これも知識が豊富なことを褒めているわけではありません。端的に表現するなら、話し過ぎであること伝える気持ちが含まれていて、中には「黙れ!」の意味で使っている人もいます。

京都では、取材や打ち合わせだけでなく、講演やセミナーで訪れたこともあります。観光のときには、相手の反応を気にすることはないのですが、仕事で訪れて、対面で話すときには、どうしても話し過ぎになることもあります。

それは京都人を相手にしているときだけの注意点ではなくて、余計なことは言わないようにする、むしろ話す内容を抑えるように用意するのは当然の注意です。そんな気持ちで、抑えているつもりでも、無口な人、静かに聞くことを美徳としている人には、それでも口数が多く受け取られることがあります。

よく知っている、よく勉強していると言われないように、まだまだ気をつけなければならないことはあるようです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

体内には数多くの神経伝達物質がありますが、脳の機能に大きく影響するのはセロトニンです。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから5‐ヒドロキシトリプトファンを経て、セトロニン(5‐ヒドロキシトリプタミン)に合成されます。

セロトニンは体内には約10mgがあり、腸内に約90%、血小板中に約8%、脳内の中枢神経系に約2%が存在しています。

セロトニンは脳の神経伝達物質であることから脳幹の縫線核で合成されますが、多く合成されるのは腸内です。腸内細菌の善玉菌の働きによって合成が進むことから、善玉菌を増やすことが重要とされています。

しかし、腸で作られたセトロニンは血液脳関門を通過することができません。血液脳関門は血管と脳の間で物質を交換する部分で、脳に有害となるもの、必要でないものは通過させないようにして、脳の正常な働きが保たれています。

それにも関わらず、腸内環境が整えられると脳内のセロトニンが増加して、認知機能が高まることが確認されています。その理由として考えられているのは、セロトニンの前駆体である5‐ヒドロキシトリプトファンのまま血液によって血液脳関門まで運ばれることで、5‐ヒドロキシトリプトファンが血液脳関門を通過することが確認されています。

脳内で合成されるセロトニンと腸内で合成される5‐ヒドロキシトリプトファンを増やすためにはトリプトファンが含まれる食品を摂ることが必要になります。

トリプトファンは肉、魚、豆(特に納豆)、チーズ、そば、アーモンドなどに多く含まれています。これらの食品を食べてトリプトファンを多く摂っていれば脳内でセロトニンが多く合成されると一般に説明されていますが、血液脳関門はアミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンと共通の輸送体によって脳内に取り込まれます。

バリンはマグロやカツオ、レバー(豚・牛)、牛肉、チーズ、豆腐に多く含まれています。ロイシンはカツオ、レバー(豚・牛)、鶏むね肉、鶏卵に多く、イソロイシンはマグロ、豚ロース、鶏卵、牛乳に多く含まれています。

フェニルアラニンは牛レバー、マグロ、鶏むね肉に多く、メチオニンはマグロ、鶏むね肉、豚ロース、豆乳に多く含まれています。

ここまでは体内で合成できないために食品から摂取しなければならない必須アミノ酸です。チロシンは体内で合成される非必須アミノ酸で、マグロ、豚ロース、豆腐に多く含まれています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「ジャマイカブルーマウンテンコーヒーの日」ジャマイカコーヒー輸入協議会がジャマイカから日本に初めてブルーマウンテンが大量出荷された1967年10月9日にちなんで制定。

毎月9日:「クレープの日」(モンテール)

浄土真宗の開祖の親鸞聖人が残した言葉の“自業苦”と“業苦楽”は、発達障害の特性がある子どもを支援する活動では、心の中に刻んでいます。自業苦(じごく)と業苦楽(ごくらく)については前回(日々修行131)紹介させてもらいました。

発達障害の特性がある子どもは、それぞれの困難さがあるだけでなく、その困難さを理解してもらえないこと、改善を願ってもかなえられないことがあって、それだけでも“苦”を感じています。

自業苦の自業(自業自得の自業)は自らがやってきたことを主には指していますが、子どもの場合には自分のことに加えて、家族も自業の対象となります。子どもは親を選んで生まれてくることはできないため、自らが生きていく環境は家族が作り出したもの、家族を含めた周囲が作り出したものと考えられます。

その自業によって苦しむのは子どもであれば発達障害の特性がある子どもも、定型発達の子どもも変わりがないことです。定型発達は、発達障害に対する普通を意味する言葉で、あまり使いたくはないのですが、児童発達支援の世界では“普通に”使われています。

ここで言う自業は、発達障害の原因の一つが遺伝であることを指しているわけではなくて、生活環境を大きく示しているだけです。発達障害の改善を考えても、生活環境によって受けられる程度が変わってくることは、ある意味で仕方がないことです。

発達障害の支援は、さまざまなことが実践されていますが、それを把握できなかったために、支援が受けられなかったとしたら、これは保護者や親戚縁者、地域の責任と言われるようなことで、それによって改善の程度に差が出てきます。

このことは発達障害児の支援を実施する複数の法人(NPO法人、一般社団法人)の役員を務めさせてもらっている経験から強く感じていることです。

支援を受けることができたとしても、それが子どもに“苦”を感じさせることになる例も数多く見てきています。発達障害の特性がある子ども、その保護者を安心させるため、励ますために、発達障害は悲観するようなことはないと発言する方がいます。

「発達障害の子どもは大物になれる」「天才性が発揮される」「むしろ定型発達よりも優れている」ということを一般の発達障害をよく知らない人が口にするならまだしも、小児科医や精神科医という発達障害の特性がある子どもを診断する医師が口にしている例もあります。

それを保護者(家族)に言うだけでなく、子どもと一緒の保護者にも、時には子どもに向かっても言っている例があります。

発達障害の特性がある子どもにとって、最も苦しく、受け入れにくいのは「根拠のない励まし」であることを保護者も、場合によっては医師もわかっていないことがあることから、私たちは本当の理解を進めることを願って、関連する団体などと連携して活動を始めています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕