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自分が食べている食事量をエネルギーバランスとして把握するためには、100kcalの分量を確認する必要があります。

主食、主菜、副菜、油に分けて、1日に食べている食事量を100kcalに当てはめて、その数から1日に食べている摂取エネルギー量を調べるようにします。

主食、主菜、副菜、油の100kcalに相当する目安分量は、以下のようになっています。

〔主食〕ご飯1/2杯、赤飯1/2杯、もち小1個、そば1/3玉、うどん1/3玉、中華めん1/3玉、スパゲッティ1カップ、パン10枚切り1枚、ポテト中1個

〔主菜〕肉1切れ、魚1切れ、卵1個、豆腐1/2丁

〔副菜①〕牛乳1カップ、乳製品1個(ヨーグルト1カップ、乳酸菌飲料1カップ)

〔副菜②〕果物1個(リンゴ中1個/かき大1個/みかん中3個/もも中2個)

〔副菜③〕サラダ1皿、野菜1皿 小鉢1個 味噌汁1杯
※副菜③は25kcalとして4つで100kcalと計算

〔油〕大さじ1杯 ※通常の使用は大さじ1杯として杯数をチェック

それぞれの分量を重要で示すこともできますが、ここでは手を使った100kcalの簡単な目安の付け方について紹介します。

肉:手の厚さで、手のひら半分(指4本分)
魚:手の厚さで、手のひら半分(指4本分)
卵:手を軽く握れる空間(卵1個分)
豆腐:手を握ったグーの大きさ
果物:手を握ったグーの大きさ
野菜:両手のひらの上に山に載せた量が1日分
揚げ油:材料の10%(100gの豚カツは10gの油)
油大さじ1:13g(てんぷら以外の揚げ物は1人前10g前後)
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

健康維持のためにはバランスのよい食事をすることがすすめられます。バランスのよい食事と言われても、具体的に何をすればよいのかがわからないという人も少なくありません。

バランスのよい食事は、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)が、それぞれ理想的な摂取割合になっていることを指しています。

たんぱく質、脂質、糖質はエネルギー源で、これ以外の食事で摂取する成分は、エネルギーとすることはできません。このエネルギーを構成する三大栄養素(エネルギー源)のバランスはPFCバランスと呼ばれます。

PFCはP(たんぱく質:protein)、F(脂質:fat)、C(糖質:carbohydrate)を並べたものです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2025年版)には成人の理想的な摂取バランスが示されていて、P(たんぱく質)13~20%、F(脂質)20~30%、C(糖質)60~70%の範囲とされています。

エネルギーの単位はkcal(キロカロリー)で、食品のエネルギー量の合計は三大栄養素を摂取した合計ともなっています。しかし、食品の摂取割合は重量(g)で表されることが多く、重量からエネルギー量は把握しにくいところがあります。

エネルギー量はたんぱく質は1gが約4kcalとなっています。脂質は1gが約9kcal、糖質は1gが約4kcalです。わかりやすくするために、三大栄養素をエネルギー量(kcal)に換算して、3種類の比率をパーセントにしたものがPFCバランスとなります。

PFCバランスは、重量ではなく、エネルギー量のバランスとなっているので、脂肪は少なめにするということが基本となります。
エネルギー量から1日の理想的な栄養バランスを食品に分類すると、1日に摂取するエネルギー量のうち50%が主食、25%が主菜、25%が副菜となります。

エネルギーのバランスを取るためには、エネルギー量を知らなければなりません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

「汝の敵を愛せよ」というのは新約聖書のマタイ伝に登場する言葉です。

ダイエットの敵といえば“甘いもの”とされることが多いのですが、これは甘いものを食べると太るという印象が強く抱かれるからです。甘いものには砂糖が多く使われていて、砂糖を構成する分子の半分はブドウ糖です。

ブドウ糖のエネルギー量は1gあたり約4kcalで、脂肪酸の約9kcalに比べると同じ重量では半分以下でしかありません。

多くの量を摂りすぎなければよいわけですが、ブドウ糖は脳の食欲中枢の満腹中枢を刺激するので、ダイエットに限らず精神的なストレスを解消する作用があるため、摂りすぎてしまうことも少なくありません。

また、血液中のブドウ糖が多くなると膵臓からインスリンが多く分泌されるようになります。インスリンはブドウ糖を細胞に取り込むために必要なホルモンですが、それと同時に肝臓での脂肪合成を進める働きもあります。そのために甘いものを食べると太ることにつながります。

ストレスの解消だけなら甘いものを少しだけで食べて、脳を落ち着かせればよいわけで、何も多くの量を食べる必要はないはずです。

ただ、甘いものといっても洋菓子は砂糖とともに脂肪も多く使われています。それに対して、和菓子は砂糖が中心で、炭水化物が多くを占めているものの脂肪はほとんど使われていません。

和食は調味料の順番は「さしすせそ」と呼ばれるように砂糖が初めに使われます。洋食ではほとんど砂糖が使われないので、血糖値が上昇しにくいので、最後にデザートとして甘いものを食べます。

ご飯が中心の食事では、血糖値が上昇するので、食後の甘いものはなくてもよいはずですが、それなのに食事の後に甘いものがほしくなるのは血糖値が上昇しきれていないからです。

食事を始めてから血糖値が上昇して満腹中枢が働くまでには15〜20分の時間がかかるので、甘いものを食べないようにするため、もしくは少しの量にするためには、食事をゆっくりと食べることも大切になってきます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

免疫を高めるためには、体温を上昇させることが重要であるということを前回、紹介しましたが、日本人は体温が低めの体質です。血液温度は36.5〜37℃ですが、欧米人や北方系アジア人は血液温度が1℃ほど高くなっています。これは全身の細胞の中で作り出されるエネルギー量が少ないために、血液が温まりにくくなっているためです。

基礎代謝は消費エネルギーの70%を占めていて、基礎代謝のうち70%は体温の上昇に使われているので、「70%×70%=49%」で、約半分が体温の維持に使われているということになります。

体温を高めるためには、つまり細胞の中で発生するエネルギーを増やすには運動をすればよいということになるのですが、運動量を増やすには時間が自由になる生活でないと難しいところがあります。少なくとも入院していたり、介護施設などに入所していたら、自由に運動量を増やして体温を高めるわけにはいかなくなります。

有酸素運動のウォーキングは、身体を温める効果が高いといっても、施設内に活動範囲が限られていれば、長く歩く、勢いよく歩くという効果的な歩き方をしようとしても、これは無理というものです。

身体を温めるためには入浴も効果的です。熱い(熱めの)お湯に入ればよいということではなくて、ぬるめの温度(38℃程度)のお湯に長めに浸かって、じわじわと体温を高めていくほうが体温は高まりやすくなります。

笑うことは免疫を高めることが確認されています。心の底から、大きな声で笑うほうが免疫を高めるとされていますが、これも施設内で音出しに制限があるところでは難しいことです。

免疫を強化することが知られている多糖類が含まれる健康食品(きのこ類など)を摂るのもよいとはいっても、入院中に好きな健康食品を摂ることはできないのが、ほとんどの施設です。

免疫を高めるためには。自由に行動ができる自宅で過ごせる期間を長くするのが、一番の方法といえるかもしれません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

免疫は外敵と戦う能力を指していますが、免疫は年齢を重ねていくと低下していきます。免疫のピークは20歳代とされていて、40歳では70%、50歳では50%に低下して、70歳では10%に低下するとの報告があります。これは平均的なことであって、もちろん個人差はあります。

高齢者の場合には、日本老年学会と日本老年医学会が従来に比べて10〜20歳分も心身ともに若くなっていることから、65〜74歳は高齢者ではなく、准高齢者とするように提言しています。それくらい若返っているので、免疫の低下も少なくなっていることが考えられています。

体温は免疫に大きな影響を与えます。体温が1℃低下すると免疫は30%下がるとされています。個人差はあるものの、わずか1℃の差で20歳分の年齢が進んだのと同じような状態になるかもしれないということです。

では、逆に体温が1℃上昇すると30%上昇するのかというと、その程度ではなく、研究報告では5〜6倍にもなるとされています。それだけ体温は重要ということですが、体温を高めるためにはエネルギーが必要になります。

食品のエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)は、全身の細胞にあるミトコンドリアでエネルギー化されますが、作り出されたエネルギーの半分ほどは体温の維持に使われます。その根拠とされているのは、基礎代謝は消費エネルギーの70%を占めていて、基礎代謝のうち70%は体温の上昇に使われているからです。

70%×70%=49%で、約半分と考えられているわけです。

体温を上昇させるにはエネルギー源を摂取して、身体を動かして酸素を多く取り込み、酸素によって進んでいくエネルギー代謝を高めることがすすめられます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

細胞の中のミトコンドリアはエネルギー産生の小器官で、一つずつは小さな存在ですが、数が多くて、細胞によって差は大きいものの、200〜2000個ものミトコンドリアが存在しています。

全身の細胞のミトコンドリアの重量を合わせると、全体重の10%にもなります。それくらい重要な器官であり、エネルギーが多く作り出されないと正常な働きができないことになります。

ミトコンドリアでエネルギーを作り出すのはTCA回路というエンジンのような働きをする部分で、三大エネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)はTCA回路で使われる高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化します。

そして、アセチルCoAがTCA回路の中で9段階を経て別々の酸になり、一周してくるとATP(アデノシン三リン酸)は発生します。これはエネルギー代謝として、一般に説明されているメカニズムです。

ATPが発生するというと、何もなかったところからATPが作り出されるようにイメージする人もいるかと思いますが、ATPはアデノシンにリン酸が3つ結びついた形をしていて、その一歩手前ではリン酸が2つ結びついたADP(アデノシン二リン酸)となっています。

TCA回路では複雑な変化をしながらリン酸を1つ増やしているだけということも言えるわけですが、ATPからADPになるとき、つまりリン酸が1つ離れるときにエネルギーが発生しています。

ATPはエネルギーではなくて、あくまでエネルギー物質というエネルギーを含んでいる物質でしかありません。ATPからADPになるときには酵素が必要で、その酵素を働かせるためには補酵素のコエンザイムQ10が必要になります。

サプリメント成分でもあるコエンザイムQ10はダイエット成分としても知られていますが、実際には全身の細胞でエネルギー産生の最終段階で必要になる代謝促進成分だったのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

三大エネルギー源と呼ばれるのは、糖質、脂質、たんぱく質だけで、それ以外のものは体内でエネルギーとして使うことはできません。糖質はブドウ糖に、脂質は脂肪酸に、たんぱく質はアミノ酸に分解されて、小腸から体内に吸収されます。

これらの3種類がエネルギー源になるといっても、たんぱく質(アミノ酸)は身体を構成する成分になり、全身の細胞を正常に働かせるために必要な酵素などの材料になるので、エネルギーとして使われないほうがよいわけです。

ブドウ糖と脂肪酸が不足したときにアミノ酸がエネルギー源として使われるので、身体の健康を考えるならブドウ糖も脂肪酸も不足しないようにしなければなりません。

それなのに健康維持のために糖質制限をしてブドウ糖が不足する、太らないことを考えて脂肪が含まれた食品を避けるということをしていると、体内のタンパク質が減ってしまうことにもなりかねません。

では、糖質と脂質のうち1種類だけ摂っていればエネルギー不足にならないのかというと、器官によっては機能が低下することも起こります。それはブドウ糖を減らしすぎた場合のことで、脳細胞だけはブドウ糖なしには正常に働くことができなくなります。

脳細胞に栄養素を送り届ける血管には、血液脳関門という部分があります。これは脳細胞に必要なものだけを入れ、不要なものを入れないようにするための重要な役割をしているゲートです。この血液脳関門が通過させられるエネルギー源はブドウ糖だけなのです。

脳細胞のブドウ糖は不足することがなければ正常に働くと思いたいところですが、実際には充分な量のブドウ糖がなければ脳細胞の機能が低下することになります。

食事で摂ったブドウ糖が脳細胞の機能を低下させないように充足されているのは15時間ほどで、通常の1日に3食の摂取なら不足することはありません。

ところが、朝食を抜くと17時間の空腹時間になることから、ブドウ糖の保持時間を超えてしまい、脳細胞の機能が低下することになります。だから、朝食では糖質が含まれているご飯、パン、麺類などを摂らないといけないということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

「エネルギー代謝は全身の細胞の中で行われている」との説明は、私たちも生理学講習の中で話していることです。「全身の細胞の中にはミトコンドリアがあって、その中で生命活動に必要なエネルギーが作られている」とも話しています。

これは概ねは正しいことであっても、正確な話となると、ちょっと違ったところがあります。全身には60兆個以上の細胞があって、身体を直接的に構成する細胞ということでは細胞の中にエネルギー産生器官のミトコンドリアがあって、エネルギー源を取り込んで、酸素を用いてエネルギー代謝が行われています。

全身の細胞というときには、2つの考えがあって、1つは身体を構成する細胞で、もう1つは身体を流れている細胞です。後者の代表的なものは、血液成分の赤血球と白血球です。全身の細胞と言われたときには、身体を構成する細胞だけなのか、それに血液成分も含まれているのかを確認すべきです。

先に白血球から説明すると、白血球は独立した細胞で、エネルギー源を取り込んで、免疫機能を発揮しています。免疫には白血球のミトコンドリア中で作り出されたエネルギーが使われているわけです。

赤血球のほうは、骨髄で誕生したときにはミトコンドリアはあるものの、それが失われて酸素を運ぶ役割をするようになります。ミトコンドリアは酸素を用いてエネルギー源からエネルギーを作り出しているので、ミトコンドリアがあったら酸素を使ってしまい、酸素を運ぶという役割ができなくなってしまうからです。

このことからいうと、全身の細胞にはミトコンドリアがあって、エネルギーを作り出しているというのは、実際に正しくはないということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

エネルギー代謝というと、身体が激しく動いていることを想像させることから、自律神経でいうと交感神経が盛んに働いている状態を思いうかべるかと思います。

これは事実であって、興奮系の交感神経の働きが盛んになると、脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪の分解が進んで、血液中に脂肪酸が放出されます。

中性脂肪は脂肪酸が3個、つながった形をしていて、貯蔵型の脂肪となっています。これが分解されるためには、神経伝達物質のアドレナリンが必要で、脂肪細胞にあるアドレナリンの受容体が反応して、脂肪酸に分解されるという流れになっています。

これに対して、抑制系の副交感神経の働きが盛んになっているときには、脂肪の分解は抑えられています。そのために、エネルギー代謝は低下しているわけですが、この副交感神経が優位になっている時間帯はエネルギー代謝のためのエネルギー源を体内に蓄積する重要な機会を作り出しています。

それは胃での消化、小腸での吸収、血液循環という栄養の吸収と活用に必要なことで、これが進むことによって、多くのエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を体内に取り込んでいます。その大事な働きを進めていくのが副交感神経の働きです。

同じだけのエネルギー量のものを食べても、夕食で食べる量を増やしたほうが太りやすいのは夕方以降には副交感神経が盛んになっているからで、副交感神経によって胃液も膵臓からのインスリンも分泌量が多くなります。インスリンには、細胞にブドウ糖を取り込む作用、肝臓で脂肪合成を進める作用があります。

ストレスがかかった状態では、交感神経の働きが盛んになっています。そのために消化、吸収が低下します。また、交感神経の働きが盛んになっているときには、血管が収縮して血圧が高まった状態になるので、このことが血液循環を低下させることになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

体内でエネルギーを作り出すには酸素が必要です。酸素がなければエネルギーが作られないようなことが言われることがあるのですが、正確にいうと酸素がなくてもエネルギーは作られます。

ただ、そのエネルギー量は少ないので、かろうじて生命維持ができる程度のエネルギーしか発生していません。

体内でエネルギーを作り出しているのは、細胞の中にあるミトコンドリアというエネルギー産生器官です。非常に小さなものですが、数が多くて、全身のミトコンドリアを集めると全体重の10%を占めるほどにもなっています。それだけ重要な器官だということです。

ミトコンドリアの中でエネルギー代謝が行われるときに必要な化合物はアセチルCoAで、これはブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸が変化して作られています。

アセチルCoAはミトコンドリアの中のTCA回路に入ってからクエン酸になり、そこから9段階の化学変化をして、またクエン酸になります。この1周の間にエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。

このTCA回路でのエネルギー産生には酸素が必要で、ブドウ糖を例にすると1分子について36分子のATPが作られます。酸素がなかった場合には、TCA回路の外側で2分子のATPが作られます。いかに酸素を使ったエネルギー代謝が必要かということがわかります。

酸素が不足した状態では、エネルギー源のブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸がミトコンドリアに取り込まれたとしても多くのエネルギーは作られなくなります。運動をして多くの酸素を吸い込むと、多くのエネルギーが作られます。

では、酸素が不足した生活をしていると、どうなってしまうのかというと、同じように身体を動かしていてもエネルギーの発生量が減ってしまいます。
成長のためにも、健康を維持するためにも必要なエネルギーが多くは作られない状況になったのは、コロナ禍の3年間のマスク生活だと言われています。それだけに、酸素を多く取り込む有酸素運動が必要とされるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)