投稿者「JMDS」のアーカイブ

大手広告代理店から、久しぶりに企画の依頼がありました。東京にいたときに健康分野で付き合ってきた会社であり、私がウォーキングの仕事をしていたことを知っていて、さらに依頼をしてきたところが地方創生のイベントを仕掛けてきた部署でもあったので、軽い気持ちで引き受けました。
「長く歩き続けるための方法について書いてほしい」という話をされたときに、間違った理解ではいけないと思って、「長く歩くための体力づくりと技術を中心にすればよいか」と質問をしました。それに対して「日々のウォーキングと暑き続けるための健康づくりの方法も」という指示があったので、ウォーキングの達人にインタビュー取材をしました。
その達人は全国各地で開催される24時間100kmウォーキングに積極的に参加していて、これを継続するために日々のウォーキングトレーニングも続けていて、いつまでの参加できるようにということで健康づくりにも励んでいました。24時間で100kmを完歩するには体力、気力が必要で、健康に対する考えもしっかりとしていなければ続けられるものではありません。
インタビュー取材の内容をもとにして、地域のウォーキングイベントの提案をしました。Tころが、ハイレベルなウォーキングのイベントは後々にして、先に小規模な範囲でのウォーキングイベントについて提案してほしいということを言われました。これは私の勘違いなのか、双方の勘違いが絡まったことなのか、「長く歩き続ける」というのは1回に長く歩くのではなくて、「生涯にわたって長い年月歩き続けられるようにすることを目指す」ということだったのです。
そんなことは、これまでも行われてきたことで新しいことではなくて、何も今さら大手広告代理店が打ち出すようなことではないだろうし、それを提案することもないだろうということで、次の企画は出さないまま終了としました。ただ歩くのではなくて、身体の状態や疾病などに合わせたウォーキングの方法を紹介して、「生活習慣病によって歩けなくなるようなことをなくそう」という企画も考えたのですが、それは地域で実践するために取っておくことにしました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

バウンドボールに座って、バランスが取れるようになったら、背筋を伸ばし、腹筋に力を入れ、足(脚部)の力を使って上下に弾ませるようにします。バウンドによって身体が前後左右に大きく揺らさないようにして、できるだけ頭が上に吊り上げられるイメージで動かします。
上下動が大きくなるほど運動量も大きくなり、体内に取り込まれる酸素が多くなります。上下動を始めて5分ほどで呼吸数が多くなります。平常時の呼吸数は1分間に16〜18回であったのが、運動時には24〜30回に増加します。
1分間に発揮することができる心拍数は最大心拍数と呼ばれます。その心拍数は「200−年齢」で求めることができます。50歳の人は170回、60歳の人は160回となります。適度な運動とされる有酸素運動では最大酸素摂取量の60%が目標となります。50歳の人なら102回、60歳の人なら96回が目安となります。平常時の心拍数は60〜70回であるので、運動時には40%前後の増加となっています。
酸素摂取量は心拍数に比例して増加するため、心拍数から酸素摂取量を計算(推測)することができます。一般に使われている計算方法はカルボーネン法で、以下の式によって計算されます。
「目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×目標運動強度(%)+安静時心拍数」
年齢による最大心拍数は一般に(220-年齢)で求められます。また、使用する安静時心拍数は、呼吸同様に環境(運動、飲食、入浴など)の影響を受けるため、寝起きや場合により就寝前の椅子に座った安静時に測った値を使用します。
例えば、50歳で、1分間あたりの安静時心拍数が60拍/分、目標の運動強度を60%に設定する人の場合では、以下のように求められます。
「目標心拍数 =(170-60)×0.6+60=126(拍/分)」
 *最大心拍数170(拍/分)=220-50(歳)
60歳で、1分間あたりの安静時心拍数が65拍/分、目標の運動強度を40%に設定する人の場合では、以下のように求められます。
「目標心拍数 =(160-65)×0.4+65=103(拍/分
 *最大心拍数160(拍/分)=220-60(歳)
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

糖尿病の合併症は血管が傷むことによって起こりやすいだけに、血管にダメージを与える他の要因が加わることによって、合併症が起こりやすくなることが指摘されています。
最も合併症に影響を与えているのは血圧の上昇です。糖尿病によって血管の弾力性が低下してくると、血流を確保するために心臓の圧力が高まり、高血圧になりやすくなります。このことが動脈硬化の危険性を高めています。
国民健康・栄養調査(2010年)によると、高血圧患者(高血圧症有病者)は男性の60.0%、女性の44.6%と、生活習慣病の中でトップの数となっています。
血圧の抑制目安である降圧目標値を見ると、糖尿病の合併症がある人の場合には、拡張期血圧は130mmHg、収縮期血圧は80 mmHgと『高血圧の治療ガイドライン』では、過去に比べて最も低く設定されています。通常の降圧目標値は、拡張期血圧は135mmHg、収縮期血圧は85 mmHgとなっています。
糖尿病になると高血圧になりやすいだけではなく、両方の病気が重なることで動脈硬化が進みやすくなることが指摘されています。
心臓病のリスクは、健康な人の危険度を1とした場合に、肥満、高血圧、高血糖、高中性脂肪血症の危険因子の1つがある場合には5.14倍、2つある場合は5.76倍、3つから4つを併せ持つ場合には35.80倍と大きく跳ね上がることが知られています。
糖尿病になると血管の負担が高まわけですが、肥満では血糖値や中性脂肪値が高まりやすくなるだけでなく、肥満と呼ばれるほど太っていると内臓脂肪が動脈を圧迫するようになります。血管は弾力性があることによって血圧の高まりを抑えていますが、動脈が脂肪細胞で圧迫されていると弾力が弱まって、圧力が強くかかるようになります。やせるだけでも血圧が下がるだけに、太り過ぎの人にはダイエットもすすめられます。

酵素は細胞の中で生化学反応を起こす成分で、酵素が正常に働くことで細胞の働きを活性させ、消化・吸収・循環・代謝・排泄などの機能を正常に保つことができます。体内の酵素はタンパク質であり、肝臓でアミノ酸から合成されていますが、合成量は若いうちは多いものの、40歳を過ぎたころから減少していく傾向があります。
酵素は、動物の細胞にも植物の細胞にも含まれていますが、それらの食品を食べれば、それが体内の酵素となって働くわけではありません。しかし、酵素が多く含まれた食品を食べることで、体内の酵素を増やしていくことができます。
食品に含まれているたんぱく質が、胃でアミノ酸に分解され、小腸から吸収されたあと、肝臓に運ばれて、酵素をはじめとした身体に必要なタンパク質に合成されます。食事で良質なたんぱく質を多く摂り、肝臓で合成される酵素が増えることによって、体内の酵素を増やしていくことができます。
肝臓で合成される酵素は、維持酵素(潜在酵素)と呼ばれています。維持酵素の合成量は、たんぱく質の摂取量によって変化はするものの、ほぼ一定しています。維持酵素は、細胞内の酵素である代謝酵素と、食べ物を消化する消化酵素に大きく分かれます。
食品に含まれる消化作用がある酵素(消化酵素)が少ないと、その分だけ胃から分泌される消化酵素が多く必要になり、代謝酵素として使われる酵素の量が減ることになります。食品から消化酵素を多く摂ることで、消化酵素の分泌を減らして代謝酵素を増やすことができるようになるというわけです。酵素を多く摂ることで代謝が高まり、体内の細胞からの老廃物の排出が進み、血液中に出された老廃物を肝臓で解毒化する能力も、腎臓で濾過して排出する能力も高めていくことができます。

ダイエットは太っている人がやせるものというイメージがあるかもしれませんが、実際には“やせたほうがよい人がやせたがらない”、“太っていない人がやせたがる”ということがあります。特にダイエットに強い関心をもって、サプリメントを使ってダイエット効果を高めようとするのは、標準的な体型よりもやせている人のほうです。
一般の健康食品として販売されているダイエットサプリメントは、有効性が認められているものであって、このような対象者に対して試験を実施したということは書かれていません。製品の試験ではなくて、素材について研究したものを、パッケージやチラシ以外で見られるようにするという方法が取られます。
これに対して機能性表示食品は商品パッケージなどに機能性を表示できる制度で、その裏付けは消費者庁に提出する資料として示さなければなりません。そのデータは消費者庁のホームページに掲載されているので、確認することができます。
それを見ると、例えばブラックジンジャーによってエネルギー代謝を高める機能性表示食品には、「BMI23〜30の人の内臓脂肪と皮下脂肪を減らす」ということが根拠として示されています。BMI(Body Mass Index)は体格指数のことで、日本人で最も健康状態が高いのはBMIが22だとされています。BMIが25〜30は肥満1度で、30を超えると肥満2度になります。身長と体重の関係では170cmでBMIが23だと66.5kgですが、BMIが30だと86.7kgにもなります。
これだけの体重の人なら、その機能性表示食品を使えば効果があるということで、それよりも体重が少ない人の場合には、試験が行われていないので、BMIが22以下では効果があるのか、それともないのかはわからないということが、データを見ることで判断することができます。

1日の食事による摂取エネルギー量がわかったところで(Medical Diet118で紹介)、体脂肪を落としたい人に対しては、次のような運動のアドバイスをします。
運動による消費エネルギー量は性別、年齢によって同じ運動をしても結果が違ってきますが、さらに筋肉量や代謝量によっても結果が大きく違ってきます。中でも代謝促進成分のL‐カルニチンの体内保持量は個人差が大きく、L‐カルニチンが少ない人の場合には運動による脂肪代謝の効果が現れにくくなっています。
L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を取り込むのに欠かせない成分で、脂肪酸と結びつくことでミトコンドリアの膜を通過していきます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、合成のピークは20歳代前半で、それ以降は減少する一方です。以前は医薬品の成分としてしか使うことができなかったのですが、今では食品の成分としても許可されているため、サプリメントとして摂取して、不足分を補い、代謝を高めることができるようになっています。
消費エネルギー量は100kcal単位で示されています。不足している分の活動量を補うための運動の種類と時間については、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が一般的な消費エネルギー量を発表しています。
ここにあげる例は、体重60kgの人が100kcalを消費するために必要な時間です。
軽い散歩・軽い体操  30分前後
ウォーキング(速歩) 15分前後
自転車(平地)    20分前後
ジョギング(強い)  10分前後
テニス        10分前後
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

広く健康に関わる記念日について紹介します。
7月19日 クラシエフーズが知(7)育(19)の語呂合わせで「知育菓子の日」と制定。山梨県果樹園芸会が1月1日から200日目(百が2つ)であることから「やまなし桃の日」と制定。JAあいち経済連が、いちじくが出回る7〜10月と、いち(1)じく(9)の語呂合わせで「愛知のいちじくの日」と制定。毎月19日は「食育の日」(食育推進会議)、「いいきゅうりの日」(いいきゅうりの日プロジェクト)、「松阪牛の日」(やまとダイニング)、「熟カレーの日」(江崎グリコ)、「シュークリームの日」(モンテール)、「クレープの日」(モンテール)。
7月20日 日本マクドナルドが1971年7月20日に第1号店を銀座に開店したことにちなんで「ハンバーガーの日」と制定。キリンビールが夏に洋酒などを炭酸や好きな飲み物で割る夏割り普及のために夏(72)割り(0)の語呂合わせで「夏割りの日」と制定。毎月20日は「シチューライスの日」(ハウス食品)、「発芽野菜の日」(村上農園)。
7月21日 デリカスイトと烏骨鶏本舗(ともに岐阜県大垣市)が1942年7月21日に烏骨鶏が天然記念物に指定されたことにちなんで「烏骨鶏の日」と制定。毎月21日は「木挽BLUEの日」(雲海酒造)。
7月22日 ベル食品(北海道札幌市)がスープカレーを夏に汗をかきながら食べてほしいと夏(2)ふーふー(22)の語呂合わせで「夏ふーふースープカレーの日」と制定。全国木製はきもの業組合連合会が下駄の寸法が七寸七分など7がよく使われ、下駄の歯の跡が二になることから「げたの日」と制定。大暑は「天ぷらの日」(制定者は不明)。毎月22日は「カニカマの日」(スギヨ)、「禁煙の日」(禁煙推進学術ネットワーク)、「ラブラブサンドの日」(日糧製パン)。
7月23日 HARUNA(東京都中央区)がナッツ類の植物性ミルクの普及を目的にナッ(7)ツ(2)ミ(3)ルクの語呂合わせで「ナッツミルクの日」と制定。日本カシス協会が大暑になることが多い日に合わせて「カシスの日」と制定。大暑の日に天ぷらを食べて元気になってもらいたいと大暑になることが多い日に合わせて関係業界が「天ぷらの日」と制定。毎月23日は「乳酸菌の日」(カゴメ)、「不眠の日」(エスエス製薬)、「国産小ねぎ消費拡大の日」(小ねぎ生産県協議会)。
7月24日 日本OTC医薬品協会がセルフメディケーションは1週間の7日間、24時間取り組むものとして「セルフメディケーションの日」と制定。日本スポーツアロマトレーナー協会が東京オリンピック開幕日に合わせて「スポーツアロマの日」と制定。明治が5月第2日曜日の母の日と6月第3日曜日の父の日に続く7月第4日曜日を「兄弟姉妹の絆の日」と制定。毎月24日は「ブルボン・プチの日」(ブルボン)、「削り節の日」(東京鰹節類卸協同組合)。
7月25日 グラクソ・スミスクラインがシュミテクトの普及を目的に夏(72)氷(5)と読む「夏氷の日」に合わせて「知覚過敏の日」と制定。日本うま味調味料協会が昆布だしのうま味のもとがグルタミン酸であることを突き止めて特許を取得した1908年7月25日にちなんで「うま味調味料の日」と制定。毎月25日は「プリンの日」(オハヨー乳業)、「歯茎の日」(佐藤製薬)。

内閣府が20代の独身者の約4割がデート経験がなくて、20代男性の約7割、女性の約5割が恋人や配偶者がいないという調査結果を発表しました。これは男女共同参画白書によるものですが、これでは少子高齢化がさらに拍車がかかるのは当然のことです。
人口ピラミッドという言葉があって、この言葉が生まれたときには子どもの数が多くて、年齢が進むほど死亡者が増えることで、その数はピラミッドの形に似ているということで名付けられたものです。これは世界的な傾向でしたが、高齢化が進むと上のほうが膨らみ、少子化で下のほうが減って、形が歪(いびつ)になっていきます。
今の日本の人口ピラミッド(と呼べるのか?)を見ると、横長のラグビーボール型になっていて、さらに将来的には縦長のラグビーボール型になると推定されています。
2021年の1年間だけで減った日本の人口は62万人を超えています。これが、どれくらいの人数なのかというと、国内で一番人口が少ない鳥取県の人口や約54万人を超える数で、それだけの人口が減っていけば、歪な人口比率になるのは仕方がないことです。
結婚して子どもを作るよりも、自分の親を世話する、その親(祖父母)の世話もしなければならない時代が迫っている中で、結婚するように働きかけても、なかなか難しいことだということがわかります。
結婚をしても子どもがいらないという声の中には、子どもの障害化は以前からあげられていました。発達障害が子どもの10人に1人もいて、発達障害は特性が生涯変わらないということを考えると、発達障害を心配して出産が考えられないという人が増えてくるのも理解できるところです。発達障害児の保護者は、とにかく大変で、それに親や祖父母の介護が加わったら、もう耐えられないことです。
発達障害児の誕生が不安視されるのは、その支援策だけでなく、社会的な理解が不足していることも大きく関係しています。発達障害者支援法では、発達障害があって、社会的障壁があることで発達障害者・発達障害児になると定義されています。社会的障壁をなくす(減らす)ためには、まずは理解を進めることが重要なのですが、それさえも進まない中では結婚しない、子どもを作らないという選択は増える一方ではないかと認識しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

バウンドボール(バランスボールのバウンド活用)による運動は、複数の筋肉を同時に刺激して強化する効果が期待されています。筋肉は白筋と赤筋に大きく分けられますが、それ以外にピンク筋(桃筋)と呼ばれる特別な筋肉も存在しています。
白筋は無酸素運動で使われる筋肉で、赤筋は有酸素運動で使われる筋肉です。筋肉の性質に合った刺激を与えることで、それぞれの筋肉を強化していくことができます。筋肉の数は誕生したときから変わることがなくて、どちらの筋肉を刺激したのかによって筋肉の太さが変化していきます。年齢を重ねてからは筋肉運動をしても筋肉が増えないと思われがちですが、どんな年齢であっても筋肉を刺激することによって強化することができるのです。
赤筋が赤い色をしているのはミオグロビンが多いからで、ミオグロビンには鉄が多く含まれ、赤血球が運んできた酸素を筋肉に届ける役割があります。鉄が赤血球もミオグロビンも赤い色にしています。
白筋は無酸素運動をしているときには白筋のままですが、有酸素運動を長く行っていると酸素を多く取り込むためにミオグロビンが増えて、徐々に赤い色がつくようになります。ミオグロビンが増えた筋肉は、その色からピンク筋(桃筋)と呼ばれます。
このピンク筋が増えると、有酸素運動によるエネルギー代謝が大きく進んでいきます。ピンク筋を増やすためには白筋に適度な負荷がかかりながら継続される有酸素運動が有効になります。最も効果が得られるのはバウンドボールによる下半身を中心としたバウンド運動です。
ミオグロビンによって酸素が多くミトコンドリアのTCA回路に運ばれると、脂肪酸が多くエネルギー化されるようになります。この状態で脂肪酸が赤筋とピンク筋に取り込まれると、エネルギー代謝がより盛んになります。このエネルギー代謝は、代謝促進成分のL‐カルニチンが体内に多くあることで高めることができるようになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

糖尿病は認知症のリスクを高めますが、それには免疫の低下も影響を与えています。
免疫は、免疫細胞の白血球とリンパ球によって行われていて、身体を構成する成分と異なるものや有害なものを外敵とした攻撃して排除する仕組みです。糖尿病によって免疫が低下するのは血流の低下が一つの原因です。
高血糖状態では赤血球の色素であるヘモグロビンとブドウ糖が多く結びついていきますが、このときに活性酸素が多く発生することが確認されています。活性酸素は血管壁を傷つけるとともに、血液中のLDL(低比重リポ蛋白)を酸化させて動脈硬化を進めていく要因となります。LDLは全身にコレステロールを運ぶ役割をしています。
コレステロールは全身の細胞膜の材料で、ホルモンや胆汁酸の原料となっています。これを運ぶためのLDLは身体に必要なものであることから、白血球が外敵として攻撃することはありません。しかし、活性酸素によって酸化すると性質が変わり、これを白血球が外敵と認識して攻撃を始めます。特に大きいのが白血球の働きで、酸化したLDLを内部に取り込んで処理していきます。限界まで取り入れると白血球は活動を止めて、血管の内部に入り込みます。これが続くと、血管が硬くなり、狭くなっていく動脈硬化のきっかけとなります。
糖尿病になると血液中のブドウ糖濃度が高くなり、赤血球がブドウ糖によってベタついたり、赤血球同士がくっついた状態になって血流が悪くなります。そのために血液中の免疫細胞(白血球、リンパ球)の流れも悪くなり、免疫力が低下していくことになります。これも影響して糖尿病患者の10人に1人ほどが感染症で亡くなっています。
日本人の平均寿命は女性が約87歳、男性が約81歳となっていますが、糖尿病患者の平均寿命は男女ともに10~12歳も短くなっています。それだけ糖尿病は血管を傷つけ、全身に影響が出やすい病気だということがわかります。