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ウォーキングはスポーツかどうかという議論は前から、そして今でも続いています。競わないスポーツである市民スポーツの国際市民スポーツ連盟に日本も所属していて、日本市民スポーツ連盟の活動の中心はウォーキングです。

日本市民スポーツ連盟と連携しているのは日本ウオーキング協会です。ウォーキングは一般名称で、ウオーキングは日本ウオーキング協会の固有名詞です。

何を競うかというと、それは時間です。一定の距離を同じ歩くという手法で、時間を競い、それを記録するというイベントもあるのですが、日本ウオーキング協会が記録するのは一定の距離を歩いたということだけで、出されるのも完歩証だけです。

これに対してスポーツとして実施されるウォーキングは、距離を定めて時間を記録していますが、時間を短くするために走ることは禁じられています。あくまで歩くことによる時間となるので、認められるのは早歩きです。

早歩きはスポーツと同じ身体機能の向上が認められています。走らないものの必死になって歩くスピードでは、ジョギング以上の消費エネルギー量となります。しかし、早歩きも慣れていない人が行うと、スポーツと同様、場合によってはスポーツ以上の負担がかかります。

そこで運動効果が高い早歩きと、普通歩行を繰り返す歩き方が行われ、この歩き方だと効果が高いまま、長く続けることができます。このような早歩き(速歩)と普通歩行を繰り返す方法はインターバルウォーキングと呼ばれています。

インターバルウォーキングは、歩行時間を定める場合と、定めない場合があります。ただ、歩くだけではなくて、歩いている途中で呼吸を整えないと実施できない吹き矢やボールの的当てなどを入れることによって、時間と点数を組み合わせる方法もあります。これはクロスカントリースキーと射撃を組み合わせたバイアスロンを参考にして考えられたものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

食事と運動という健康づくりの基本は、別々に語られることもあるものの、両方を組み合わせることによって、その効果を高めることができます。その説明にも複数の根拠が示されていますが、私たちが研究するメディカルダイエットではエネルギー代謝を高めることを目的として食事と運動を組み合わせた実践をすすめています。

食事と運動の組み合わせというと、私たちのNPO法人(特定非営利活動法人)が日本メディカルダイエット支援機構という名称であることもあって、ダイエットについて発想されることが多くなっています。

それは体重や体脂肪の増減のことで、食事量が増えるか運動量が減れば太る、食事量が減るか運動量が増えればやせるといった単純な考えです。それは事実ではあっても、できることなら食事量を減らさずに好きなものを食べて、運動をするにしても無理がない範囲にしたいというのは多くの人が望むことです。

「それが可能であったら、もっとダイエットに、そして健康づくりに取り組む人が多いのに」と言われることも多く、それを可能にしたのがメディカルダイエットの食事と運動のタイミングです。

このタイミングの効果を高めるためには、食事でいうとエネルギー代謝を高めるための栄養素の摂取であり、運動でいうとエネルギー代謝を進めるために必要な酸素摂取量を増やす有酸素運動です。

詳しい内容については徐々に説明させてもらいますが、これはメディカルダイエットに関する資格認定講習の中心テーマであり、この食事と運動の組み合わせを知ることで、健康リテラシーの向上につながっています。そのモチベーションは、無理なく、無駄なく続けられる健康法があることに気づくことによって高まります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

1日に必要な摂取エネルギー量は、性別、身長、体重、活動量などによって異なりますが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年)に計算法が示されています。これを参考に、多すぎず、少なすぎないエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を摂れば健康が維持されるというのは基本的な考えです。

エネルギー源が不足していてはエネルギーも多く作り出せないということになるのですが、それだけで可能なのかというと、そうではありません。1日分の摂取エネルギー量で不足する分を補うエネルギーチャージという方法もあるものの、エネルギー源を摂っても、これがエネルギー化されないのでは、エネルギー源が余分なものとして脂肪に合成されてしまいます。

エネルギー源を摂って、身体を動かしていても太ってしまう、やせないという人は、エネルギー源を代謝させるために必要な栄養成分が不足していることが考えられます。

糖質はブドウ糖に分解され、脂質は脂肪酸に分解され、たんぱく質はアミノ酸に分解されたのちに、細胞のミトコンドリアに取り込まれて、高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化します。その後にミトコンドリアの中でエネルギー代謝が行われるTCA回路に入ります。

このうちエネルギー源から脂肪酸、アミノ酸に分解されるときに水溶性ビタミンが必要になります。また、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸からアセチルCoAに変化するときにも水溶性ビタミンが必要になります。

さらに、TCA回路でエネルギーが発生するときには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

早食いは太る、健康に悪影響を与えると言われますが、このことについての研究も、さまざまな機関で行われてきました。食べるのが早く、飲み込むまでの咀嚼する回数が少ないほど、体重、BMI(体格指数)が増加することは知られたことであり、早食いが食べ過ぎに関係すること、食事誘発性体熱産生量を減らすことが理由として説明されています。

しかし、固体について飲み込むときの食べ物の大きさと食事誘発性体熱産生量については、明らかにされてこなかったところがあります。

その食べ物の大きさと食事誘発性体熱産生量については、早稲田大学の研究グループが液状の食物でも同じようなことが起こるかの研究に取り組み、その結果を発表しています。

被験者は11名、平均年齢は23歳で、安静時の値を測定した後に、全員に日をあけて3回ずつ異なる試行方法で、同じ飲料を5分間で摂取してもらっています。その飲料は20mlのコップに分けた10杯のココア味の飲料で、合計200mlです。

一つ目は、飲料20mlを30秒ごとに1回飲み込むことを10回繰り返しました(対照試行)。二つ目は、飲料20mlを30秒間、口に含んだ後に飲み込むことを10回繰り返しました。そして、三つ目は、30秒間、口に含んでいる間に、1秒に1回噛んでから飲み込むことを10回繰り返しました。

各回ともに摂取前から摂取90分後まで、ガス交換変量を計測して、その値からエネルギー消費量を算出して、食事誘発性体熱産生量を求めました。食事誘発性体熱産生量は食後のエネルギー消費量から、食事前の安静時を引いたものを表しています。

その結果は、食後90分間の食事誘発性体熱産生量の総計は対照試行の場合は平均3.4kcalでした。味わう時間を長くした試行では平均5.6kcal、咀嚼を加えた施行では7.4kcalと高い値を示しました。

この結果から、固形のものだけでなく、液状のものであっても、ゆっくりと味わい、よく噛んで摂取することによって食事誘発性体熱産生量が増加することが明らかにされました。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

よく噛んで食べることによって消化が進み、食後の糖代謝が促進されることは以前から知られていました。具体的な数値についての研究が複数進められていて、今回紹介するのはキユーピーと早稲田大学が共同して実施した研究成果です。

研究テーマは、野菜を「咀嚼して食べるとき」と「咀嚼せずに食べるとき」の食後の代謝への影響でした。

試験は19人の健康な成人男性を被験者として、咀嚼条件(千切りキャベツ+ゼリー飲料)と非咀嚼条件(キャベツ粉砕物+ゼリー飲料)に分けて行われました。ゼリー飲料は血糖値を上昇させるもので、噛まずに摂取できる食品です。

食べ始めを0分として、0分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分後に、それぞれに条件で採血を行い、血糖、インスリン(血糖値を下げるホルモン)、インクレチン(インスリンの分泌を促進するホルモン)の血中濃度が調べられました。

インスリンとインクレチンは血糖値変動メカニズムの指標で、食後90分までの経時変化を比較すると、インスリンとインクレチンの値が咀嚼によって高まることが確認されました。その一方で、血糖では明らかな差は確認されていません。

その結果から、よく噛んで食べることは血糖値を下げる作用があるインスリンの分泌を促進することがわかりました。

また、食事をするときには野菜を先に食べる“野菜ファースト”が、インスリンの分泌を促進させて血糖値を安定させる可能性が示されました。

インスリンは血糖値の上昇に応じて多く分泌されることから、糖質が含まれたものを減らすことが考えられがちですが、同じ分量の糖質を摂っても、よく噛んで食べることで血糖値の急上昇を抑えられることが明らかになったということです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康食品の中でも機能を表示して販売できる機能性表示食品は、どんな機能なのかわからないような機能が表示されていることがあります。中でもわかりにくいのは目の機能で表示される「ぼやけの解消」です。

文字を見ていて、ぼやけを感じるのは、いわゆるピントが合わなくなった状態で、カメラのレンズを通した画像が“ぼやけた状態”であればピント調整をして、くっきりと見えるようにします。

そのイメージで「ぼやけの解消」が表示された機能性表示食品を使うと、期待と違った結果になるかもしれません。というのは、「ぼやけの解消」を表示した機能性表示食品に使われているのはルテインや、ルテインから合成されるゼアキサンチンだからです。

ルテインはブロッコリーやケール、マリーゴールドなどに豊富に含まれる抗酸化作用のあるカロテノイドで、眼の網膜の黄斑部や水晶体のほか、乳房、子宮頸管部に蓄積されています。

体内には約20種類のカロテノイドが存在していますが、黄斑部に存在しているのはルテインと、ルテインから合成されるゼアキサンチンだけで、この2種類のカロテノイドが黄斑部と水晶体に蓄積され、活性酸素による酸化から眼を守っています。

ルテインは、日光による眼のダメージを防ぎ、黄斑変性症や白内障のリスク低減などの作用があります。また、色のコンストラスト調整作用があり、機能性表示食品は、このコンストラスト調整作用のことを「ぼやけの解消」と表示しているのです。

それなのにピント調整を期待しても、それは期待のほうが間違っているということは、消費者庁に届け出された機能性表示食品の内容を専門のホームページを見ればわかることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ダイエットの元々の意味は「方針、戦略、戦術、作戦」で、正しい方針に基づいた戦略や戦術はダイエットとなり、これは食事療法、運動療法を指していると前回(メディカル×ダイエット1)で説明させてもらいました。

そして、メディカルの本質とダイエットの本質を調和させた健康づくりの基本(真理)を「メディカル×ダイエット」と表現して、このコラムのタイトルとしたことについても書きました。

ダイエット(diet)が、そのような意味となった語源はギリシャ語の「δiaita」で、これは「生き方、生活習慣」を指しています。ダイエットは食事と運動で健康になるという考え方=生き方が重要であり、その実践として食事と運動を習慣化することが重要であるということを意味していると認識しています。

メディカル(medical)のほうは、病気の原因に合わせて治療・予防を確実に行うことを指していて、学問としては「健康を守り、病気に向き合って、どう生きていくかを導き出す研究分野」となります。

生活習慣というと、“生活習慣病”のほうが聞き馴染みがある人も増えています。それだけ食事、運動、休養、飲酒、喫煙などの生活習慣が深く関与して発症する疾患である生活習慣病が急激に増えていることの証拠ともいえます。

ダイエットを「やせる」という意味と考えている人にとっては、多すぎる食事量を減らし、運動の機会を増やすというプラス・マイナスのバランスとなりますが、これができていないから生活習慣病(肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)のリスクが高まるというのが一般的な認識です。

これは「メディカル×ダイエット」でも基本となるのは原理原則(真理)ですが、ダイエットが生活習慣であるなら、継続が大切で、日々の実践、毎日の効果は少ないとしても、それを止めることなく積み重ねていくことが重要となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

たんぱく質は身体を構成する重要な成分で、筋肉や内臓を成長させるためにも、ホルモンや酵素などの身体の調整をする成分の材料となっています。摂取すべき栄養素の3要素の一つで、そのほかはエネルギー源となる糖質と脂質、身体を調整するビタミンとミネラルです。

たんぱく質がバランスよく、豊富に含まれている食品は「良質なたんぱく質」と呼ばれていて、それに該当するのは肉類、魚類、卵類、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品です。これらの中から選んで食べるようにすればよいわけで、そのように栄養指導が行われています。

ところが、前回(発達栄養128)、便通も考えた栄養摂取が必要という説明をしたように、発達障害がある子どもは、自律神経の副交感神経の働きが弱い特性があるために、消化、吸収、蠕動運動、排泄の機能が低下しやすくなっています。

便通に大きく影響する腸内環境は、腸内細菌のバランスで大きく変わってきます。善玉菌の栄養源(エサ)を多く摂り、悪玉菌の栄養源を減らすようにすることで、善玉菌を増やして腸内での発酵を進めていくことができます。

たんぱく質のうち動物性たんぱく質である肉類、魚類、卵類は悪玉菌の栄養源になって、悪玉菌を増やすことになります。便通に困難さがある子どもには、たんぱく質を多く摂ればよいわけではないということですが、動物性たんぱく質であっても牛乳・乳製品には乳糖という善玉菌の栄養源になる糖質も含まれています。

ただし、脂肪は悪玉菌の栄養源であるので、脂肪の含有量が多い通常の牛乳ではなく、脂肪が少ない低脂肪牛乳を利用することです。牛乳以外の乳製品でも今は低脂肪のものも増えてきています。

また、植物性たんぱく質の大豆・大豆製品は悪玉菌の栄養源にはなりにくく、食物繊維が豊富に含まれていて、食物繊維は善玉菌の栄養源となります。ただし、豆腐は大豆から食物繊維が多い部分のおからを取り除いたものなので、できれば大豆を丸ごと使った大豆の煮物、納豆を食べることがすすめられます。

ただし、納豆を苦手な子どもも多いので、食品の選択には注意が必要になります。

イミダゾールジペプチド(imidazole dipeptide)は、略してイミダペプチドや、さらに略してイミダとも呼ばれますが、長距離を飛ぶ渡り鳥の持久力の元として紹介されることが多くなっています。鳥の胸肉に多く含まれるのは事実ですが、そのほかにも動物の筋肉に多く含まれているカルノシン、アンセリン、バレニンに代表されるジペプチドの総称です。

ジペプチドは2つのアミノ酸がつながったもので、カルノシンはβアラニンとヒスチジン、アンセリンはβアラニンと1メチルヒスチジン、バレニンはβアラニンと3メチルヒスチジンから構成されています。

アラニンは2種類あり、αアラニンは体内の細胞に含まれるタンパク質を構成する成分で、βアラニンは動物の筋肉中にあるアミノ酸です。

ジペプチドのうち健康食品のイミダゾールジペプチドに使われているのはカルノシンで、2003年の産学官連携の抗疲労食薬開発プロジェクトによって研究が始まりました。
トリ由来のイミダゾールジペプチドが配合された健康食品は、機能性表示食品として届出されていて、「日常生活で生じる身体的な疲労感を軽減する機能がある」と機能性が表示されています。

体内では、乳酸の分解促進、尿酸量の調整、筋肉pH低下の緩衝作用、抗酸化作用が認められています。

これを摂取することで筋肉中に蓄積して、筋肉運動のパワー低下を防ぐことができたというパフォーマンス向上の研究成果もあります。体内に吸収されるときには2つのアミノ酸に分解されるものの、体内でイミダゾールジペプチドに再合成されます。

イミダゾールジペプチドを4週間摂取した後に4時間の自転車漕ぎ運動をして、肉体疲労の負荷を測定する試験が行われています。その結果、摂取しなかったグループと比べて1.5〜2倍の疲労予防の差が出ました。また、疲労回復力を高める効果も確認されています。

厚生省と労働省が統合されて厚生労働省が発足したのは2001年のことで、厚生労働省の英語表記は「Ministry of Health,Labour and Welfare」です。これは健康に(Health)、働き(Labour)、安心して生活を送る(Welfare)との厚生労働行政の考え方を示しています。

統合しての取り組みは厚生労働省となってから始まったわけではなく、1988年に労働安全衛生法の改正に伴い、健康保持増進が事業者の努力義務となったことをきっかけにして始まったTHP活動でも統合の動きがありました。

THPは 「Total Health Promotion Plan」の略称で、働く人の心身の健康づくりを目指して、企業が取り組む計画のことで、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」が策定されました。

THP活動は、当時の厚生省と労働省が協力して実施され、推進のために5つの職種の連携が進められました。それは健康測定を担当する医師(産業医)、運動指導のヘルスケア・トレーナー、栄養指導の産業栄養指導者、保健指導の産業保健指導者、メンタルヘルスケアの心理相談員が設けられました。

それぞれの専門家による団体(ヘルスケア・トレーナー会、産業栄養指導者会、産業保健指導者会、心理相談員会)は1992年に相次いで設立されましたが、私は産業栄養指導者会の設立に参加しました。設立を主導した国立病院出身の管理栄養士が代表であった病院栄養管理研究所で、当時は主任研究員を務めていました。

それぞれの専門家が専門性を活かして活動するためには、他の専門家の基礎的な知識が必要であるとの考えから、4つの資格者による心とからだの健康づくり指導者(THP指導者)が設けられて、合同の講習や各団体の交流学習が盛んに行われました。

これが健康づくりを食い合わせて実施する活動の始まりであって、健康づくりのパーツを個人に合わせて組み合わせていく健康デザインの基本となっています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕