精神的ストレスの緩和に効果があるとして特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の成分ともなっているGABAは、γ−アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acide)というアミノ酸の一種です。GABAは血液脳関門を通過することができないため、脳細胞に入ることはできません。だから、脳に直接作用しているのではなくて、血圧を抑制することで脳のストレスを解消していると考えられています。
GABAは脳内で合成されて自律神経の副交感神経の働きを高める作用が確認されています。GABAの合成を進めるためには、その材料になるアミノ酸のグルタミン酸が必要です。グルタミン酸には脳を興奮させる作用がありますが、興奮が進みすぎないようにするGABAを合成して、脳の機能のバランスが取られています。
グルタミン酸は非必須アミノ酸なので、体内で合成されます。ただし、グルタミン酸からGABAを合成するためにはビタミンB₆が必要となります。
ビタミンB₆は水溶性ビタミンで、ピリドキシンとも呼ばれています。糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特にたんぱく質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると貧血や肌荒れ、湿疹、神経系の異常などを引き起こします。腸内で腸内細菌によって合成されます。食品では魚や肉に多く含まれますが、調理したり、加工食品にすると失われやすくなっています。
ビタミンB₆は体内では12時間ほどしか保持できないので、朝食と夕食で摂取する必要があります。食事だけでは摂取できないときにはサプリメント(栄養機能食品)から摂ることがすすめられています。
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ビーガン(Vegan)は、肉や魚のほかに卵や牛乳・乳製品などの動物由来の食材を使った食品を食べない生活をしている人を指しています。宗教上や主義主張だけでなく、体調管理やアスリートが成績向上のために実践する例も増えています。完全菜食主義とも呼ばれます。動物を殺すことがない卵や乳の摂取を認めている菜食主義もありますが、すべての動物性食品を避けることから栄養バランスの問題だけでなく、エネルギー代謝にも影響を与えることが懸念されています。
エネルギー源としては糖質、脂質、たんぱく質を植物性の食品から摂ることができます。また、身体を構成するたんぱく質の材料となるアミノ酸は、大豆・大豆製品からすべての必須アミノ酸(20種類)を摂ることが可能です。エネルギー源の摂取が多ければ、余分になったものは肝臓で脂肪合成されて、脂肪細胞の中に蓄積されていきます。
脂肪細胞に蓄積される中性脂肪は、動物性食品でも植物性食品でも同じで、この中性脂肪を活動や身体調整のエネルギー源とすることができます。そのためには、中性脂肪が分解されて脂肪酸として血液中に放出される必要があり、その脂肪酸が細胞のミトコンドリアに取り込まれなければなりません。脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するときにはL‐カルニチンと結びつく必要があります。
L‐カルニチンが不足しなければ、ビーガンであってもエネルギー不足になることはありません。しかし、L‐カルニチンの体内での合成量は20歳前半をピークに減少していくので、年齢を重ねるとエネルギー産生が低下していきます。そこでL‐カルニチンをサプリメントとして摂ることがすすめられます。
L‐カルニチンは動物性食品に多く含まれる成分ですが、材料は必須アミノ酸のリシン(リジンともいう)とメチオニンで、植物性食品からも作られます。国内で8割のシェアがあるL‐カルニチンは植物性です。吸収性がよいカプセルに納められたL‐カルニチンもありますが、これが動物性の材料では仕方がありません。前出のL‐カルニチンの製品には動物性の材料は使われていないので、安心して摂ることができます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
講習の対象者は誰でもよいはずなのですが、あえて「レベルの高い人には教えない」と言い切っています。こんなことを話すと、教えている内容に自信がないのではないか、レベルが高い話ができないからではないか、と言われることがあるのですが、そんなことはありません。“あえて”と、わざわざ言っているのはレベルが意味するところが一般の認識とは違っているからです。
私たちが口にする「レベル」というのは年齢のことです。若いうちこそ年齢を重ねていくのはレベルアップしていくという印象があるものの、ある程度の年齢に達すると進歩が止まって、そこから先はレベルが低下していくだけ、などという印象が抱かれがちです。体力や気力、記憶力は年齢を重ねると低下していくことはあり、それは認めるところです。
しかし、年齢を重ねるほど高まっていくことはあります。社会人としての生活時間が長くなるほど経験や知識、人脈は増えていって、これはレベルアップの基礎となります。あくまで基礎であって、それを活かさなければ“宝の持ち腐れ”にもなりかねません。それに気づいて、基礎を活用して新たな道を作り、新たな成果を生み出すことに挑んでいる人は数多くいます。
こういった高いレベルを目指している人は、年齢を重ねるほどレベルアップをしています。そんな方々を見習って、私たちは自分の年齢を伝えるときには「○○歳」とは言わずに、「レベル○○」と言うようにしています。これは、年々レベルアップしていく、そのための努力を続けていくという覚悟の表れです。
自分たちよりも高いレベルの先輩方に対して話をさせてもらうためには、まだまだレベルアップが必要と感じているので、あえて「レベルの高い人には教えない」ということを掲げているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
健康食品は1種類の素材だけでなくて、複数の素材を組み合わせるのが一般的ですが、それに対して医薬品は1つの種類には1つの成分しか使われていないのが原則です。複数の働きが必要な場合には、複数の医薬品が使われます。
それぞれの医薬品の成分はターゲットとなる臓器や器官などが定められています。例えば肝臓の機能を高める医薬品成分の効き目を高めようとしたら、肝臓そのものが元気な状態であることが求められることから、肝臓によいとされる健康食品を同時に摂ろうとする人が少なからずいます。
医薬品は肝臓で分解されて、残ったものが体内で使われるようになっています。そのために医薬品は肝臓に負担をかけています。健康食品の成分なら安心できるように思われがちですが、肝機能を高める健康食品の中には医薬品的な成分もあり、中にはウコン(鬱金)のような東洋医学の医薬品として使われているものもあります。そのために、かえって肝臓に負担をかけるものも存在しています。
肝臓に負担をかけずに、全身の細胞の働きを高める成分としては代謝促進成分のL‐カルニチンがあげられています。L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な成分で、脂肪酸と結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過させています。生命維持には欠かせない成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから肝臓で合成されているのですが、合成のピークは20歳代前半で、それを過ぎると合成量が減っていきます。その結果としてミトコンドリアへの取り込みが減り、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が低下していくことになります。
全身の細胞の働きを高めて、医薬品成分が効きやすくする成分としてL‐カルニチンは注目されています。
L‐カルニチンが、もともとは医薬品の成分であったということを聞くと、複数の医薬品成分が重なることによって起こる副作用が心配されることもあります。その心配は体内で合成されない成分でされることであって、L‐カルニチンのように体内で合成される成分については副作用が起こらない成分として認識されています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
糖尿病は認知症にリスクを高めます。それは糖尿病が血管を老化させる大きな要因であるからですが、その事実を知って、血糖値を測定することがすすめられます。
糖尿病の血糖値による判定基準は、日本糖尿病学会によって定められています。それによると、以下の、いずれかを満たしているものが糖尿病と判定されます。
正常値と糖尿病域の間が境界域で、空腹時が110~126mg/dl未満、食後2時間血糖値が140~200mg/dl未満となっています。
血糖値は血液中のブドウ糖濃度のことで、血液1dl(デシリットル)当たりのブドウ糖の量がmg(ミリグラム)で表されます。健康な人は早朝の空腹時の血糖値は100mg/dl以下で、食後でも160mg/dlを超える例はほとんどありません。
ヘモグロビン(Hb)A1cは、赤血球の中にあるヘモグロビン(血色素)のうちブドウ糖と結合しているグリコヘモグロビンの割合をパーセントで表した指標です。グリコヘモグロビンはブドウ糖と結びつきやすく、血液中のブドウ糖が多くなるほどヘモグロビンA1cの割合が高まっていくため、1~2か月間の血糖値の状態を知ることができます。健康な人のヘモグロビンA1cは4.3~5.8%とされています。
血糖値は食事内容や体調、ストレスなどによって常々変化しています。健康診断の数日前からブドウ糖が多く含まれる糖質の摂取量を少なくすることで、血糖値を低めに抑えることができます。しかし、ヘモグロビンA1cを測定することで、長期間の血糖値が、どのような状態であったのかを知ることができるため、糖尿病の重要な指標とされています。
腸は小腸と大腸に大きく分けられます。
小腸は、十二指腸、空腸、回腸から構成され、細く全長が6~7mの管で、栄養素の一部を消化するとともに、90%以上の栄養素を吸収する働きがあります。食塊(食べたものの塊)が通過する腸管内腔側には輪状ひだがあります。輪状ひだは絨毛の構造になっていて、絨毛の中には血管(動脈、静脈)、リンパ管、神経が走行しています。
食塊と接触する側の絨毛の管腔側の細胞は粘膜上皮細胞といい、ここには細胞膜が細い毛のように伸びた突起の微絨毛があります。こういった構造によって、同じ太さ、長さの管と比較すると、その表面積は輪状ひだで約3倍、絨毛で約30倍、微絨毛で約600倍にもなります。このように複合的にひだ状になっていることで食塊と接触する面積を広くし、効率的に吸収できる仕組みになっています。
小腸の表面が平らな管状だったとすると内部の表面積は約0.4㎡でしかないのに、絨毛構造の小腸の表面積は約200㎡と、テニスコート1面(約195㎡)と同じくらいの面積になっています。このような仕組みのため、低エネルギーの食事だった時代には、少しでも多くのエネルギー源を取り込むことができたものの、腸壁の面積が広いことでエネルギー源の糖質や脂質を取り込むことができるようになるため、食べた量に比べて血液中に入ってくる糖質や脂質の量は多くなります。
小腸の温度は37℃となっています。それと同じ温度の環境で食品を放置すると腐敗しますが、消化管で腐敗が起こらないのは、胃液がpH(酸度)1~2の強酸性となっているからで、十二指腸はpH5~6の弱酸性となっています。空腸はpH6~7の中性、回腸はpH8のアルカリ性となっています。空腸、回腸に長時間、食塊が存在していると腐敗することになるものの、空腸、回腸で消化、吸収されているため、腐敗は起こりません。
GABAはストレス解消の成分として、健康食品や機能性表示食品に使われています。GABAはγ−アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、Gamma-Amino Butyric Acideの頭文字をとった略称で、ギャバと呼ばれています。カカオに多く含まれることから食品としてはチョコレートやココアのほかに、トマトや発芽玄米にも含まれています。
ストレス解消といえば、脳への作用であることから、脳に取り込まれて直接効果があるように思われがちですが、脳に取り込まれることはありません。脳には余計なものを取り込まれないようにするための血液脳関門というゲートがあり、ここをGABAは通過することができません。それなのに特定保健用食品(トクホ)の成分ともなっています。
特定保健用食品としての有効性の表記を見てみると、血管収縮作用伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑制することによる血管降下作用が確認されています。血圧を下げる作用が、間接的に脳のストレスに影響を与えるのではないか、ということです。
機能性表示食品にもGABAが使われていて、機能としては「血圧が高めの方に適した機能があることが報告されています」などと表示されています。このほかにもストレスについての機能性表示がされたものもあり、「デスクワークによる一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する機能があることが報告されています」と表示されています。
ここで気になるのは、「機能があることが報告されています」という表現です。特定保健用食品は、商品そのものを用いて試験をした結果が必要ですが、機能性表示食品は商品そのものの試験結果だけでなく、論文に掲載された有効性の結果があれは、それと同じ成分を同じだけ含まれている商品は同じ有効性があるという前提のもとに認められるものです。後者の場合には「機能があることが報告されています」と表示されています。
最大酸素摂取量の60%以上の強度の有酸素運動をすることで、運動後の脂肪代謝を高めることができるEPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果は、短時間だけのことではなくて、運動法によっては12時間も効果を高めることができることが研究によって明らかになってきています。
最大酸素摂取量は全力で運動したときに体内に取り込む酸素量のことですが、その60%という最大酸素摂取量が高めの運動をすると、体内への酸素の取り込みの能力が高くなります。この酸素を使って細胞のミトコンドリア内のTCA回路で脂肪酸をエネルギー化していきます。
TCA回路でのエネルギー化が高まったといっても、ミトコンドリアに取り込まれる脂肪酸が減ったのでは、せっかくの有酸素運動によるEPOC効果を活かすことができなくなります。そこで考えたいのがL‐カルニチンによる脂肪酸の取り込みです。L‐カルニチンは脂肪酸と結合してミトコンドリアの膜を通過させるために欠かせない成分で、体内で合成されています。
しかし、合成のピークは20歳代前半で、それ以降は年齢が進むほど合成量が減り、体内の蓄積量も減って、代謝が低下していきます。そこでL‐カルニチンを摂取するという方法がとられます。L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でしたが、今は食品の成分としても認められていて、サプリメントとして摂取することができるようになりました。
L‐カルニチンを摂るだけで脂肪酸が多く取り込まれるようになり、TCA回路でのエネルギー代謝が高まることが確認されています。この機能を高めてくれるのがEPOC効果であるので、有酸素運動をするときにはL‐カルニチンの活用も考えたいところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
「何をしに岡山に来たのか」ということは何度も聞かれていて、日本メディカルダイエット 支援機構のホームページの中でも、いろいろなテーマのコラムの中で書いてきました。メディカルダイエットの資格認定講習のときにも、ほぼ毎回聞かれるので、そこから書き始めることにします。
東京から岡山に家族ごと移住したのは5年前です。移住を決意したのは介護施設を開設するということで、私は臨床栄養、運動科学をやってきたことと、親戚に著名な福祉学者がいて勉強をさせてもらっていました。妻は鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が3つあり、妻の妹は音楽教育と演奏のプロなので、3人がいれば運営できると判断しました。妻の父は著名な薬学博士で、健康分野の研究と著書が多く、妻の母は日本画家で、こういった経験も介護の世界では役立つとの思いがありました。
ところが、介護施設から介護予防施設、最後は運動設備がある娯楽施設へのコンセプトが変わり、専門性を活かす内容ではなくなってしまいました。東京の戻るという選択もあったのですが、判断する時期が移住から3年が過ぎ、みんなが岡山を気に入っていて、定住を決意しました。
東京を出るときに、それまでの継続の仕事は関係者に振ってきましたが、よい条件の仕事ばかりだったこともあり、「戻ってくることがあれば返す」とか「岡山で困ったことがあれば一緒にやろう」ということを言ってもらっていました。まさに岡山で予定していた仕事がなくなったので、困った状態であるので連絡をしたのですが、それがコロナ感染の始まりの時期と重なり、前の約束が守られない状況になりました。
多くの関係者が仕事が減ったり、なくなったりして、もっと稼がなければならないということで、仕事を返す、仕事を分けるということができなくなっていました。実際に、どこまで厳しい状態なのか、本当に仕事を少しでも分けられない状況なのかは確認のしようがなかったのですが、仕事を引き継いでくれた方の言葉を全面的に受け入れることにしました。
それで岡山で始めたのが発達障害児支援施設と学習障害児支援の学習塾との関わりで、さらに自分が一からできるメディカルダイエットの資格認定講習でした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
健康食品は1種類の素材だけでなくて、複数の素材を組み合わせるのが一般的です。これは目的を定めて、その目的に合った素材を選択しているからですが、組み合わせる素材によって有効性が高まるものがあれば、逆に有効性を低下させる結果となるものもあります。他の素材と一緒にすることで機能を低下させたり、吸収が低下することもあるからです。
機能を向上させるものとしては、それぞれの目的によって選択するものが違ってくるのは当たり前のことですが、これを使えば、それぞれの素材の有効性を高めることができるとして研究が進められている成分があります。それは代謝促進成分のL‐カルニチンです。
L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な成分です。脂肪酸と結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過することができます。生命維持には欠かせない成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから肝臓で合成されています。しかし、合成のピークは20歳代前半で、それを過ぎると合成量が減り、ミトコンドリアへの取り込みが減って、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が低下していくことになります。
全身には60兆個以上の細胞があり、細胞のミトコンドリアで作り出されたエネルギーは、それぞれの細胞の中でしか使われません。電気のように他に細胞に流れていって使われることはないのです。
細胞の中では生化学反応が起こっています。この生化学反応を正常に働かせるために、ミトコンドリアで作り出されたエネルギーが使われています。細胞レベルから健康を保つにはエネルギー産生を高めることが必要で、L‐カルニチンによってエネルギー産生が高まることによって、細胞に影響する健康食品の成分の働きを高めることにもなるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)





