投稿者「JMDS」のアーカイブ

健康づくりの方法というと、栄養、運動、休養が三大要素で、どれを重視するか、どれから始めるかという議論が盛んに行われていた時期があります。しかし、今では、どれも必要で、健康で改善を求めるなら同時に取り組むべきだとされるようになっています。

この連載コラムは「健康デザイン」のテーマで、健康づくりを無理なく無駄なく進めるために何をすべきかということを伝えていきます。初めは健康の考え方についての総論的なコラムです。

健康という概念を説明するのは難しいところがあって、健康そのものを売っているわけでもなくて、買うわけにもいきません。健康ということで思い浮かべることが多い医師のところに行って、「健康にしてください」と希望しても、健康になる方法を施してくれるわけではありません。

私(小林正人)は東京にいたときには、公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事を務めていましたが、スポーツも同じようなところがあり、「スポーツを売ってください」と言ったら、「どんなスポーツか」「どのような用具か」と聞かれるのがほとんどです。

健康とスポーツと曖昧になりがちなものを結びつけた活動に携わっていたので、その定義については常に自問自答していました。

何を持って健康というのか、ということですが、健康についてはWHO(世界保健機関)が次のように定義しています。

「健康とは、肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」

社会的な健康というのはわかりにくかと思いますが、①自分の感情に気づいて表現できること(情緒的健康)、②状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)、③他人と社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)を合わせたものを意味しています。

社会的な健康のためには、心身の健康状態が保たれていることが基本であり、すべての要素が総合的に充実していないことには、健康であると胸を張って生活することも仕事をすることもできないということになります。

総合的な健康づくりとしては25年以上も前から国の方針に基づいて続けられていることがあり、それはTHP運動といいます。このTHP運動を例にしながら、健康になるための、健康であり続けるための健康デザインについて考えていくきっかけに、このコラムが役立つことを願って書き始めました。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

機能性表示食品は機能性を表示して販売できるもので、試験結果によって得られたエビデンス(科学的根拠)が必要です。そのエビデンスに基づいて表示内容が決められます。

その一つに「善玉菌を増やす効果がある」と表示されたものがあります。内容成分としては腸内細菌の善玉菌と同じような種類の乳酸菌が含まれているので、これが腸内(大腸)で善玉菌となって働いてくれると思われがちです。

ところが、そうとも限らないことがあります。腸内細菌は生きている菌です。それに対して乳酸菌の機能性食品は死んでいる菌もあります。中には生きている菌もあるものの、錠剤にした乾燥した状態では生きたまま大腸まで届けることはできません。

生きた菌であったとしても、強酸性の胃液のために生きたまま腸内を進むことは難しくなっています。それなのに大腸で善玉菌を増やすことができるのは、乳酸菌が大腸に棲息している善玉菌の栄養源(エサ)になるからです。

善玉菌が栄養源として食事から取り入れているのは糖質、乳製品、食物繊維です。このほかにも乳酸菌も栄養源になるものの、生きたままの乳酸菌は活動しているので、善玉菌は栄養源にすることはできません。

死んだ状態の乳酸菌なら栄養源とすることができます。そのため、わざわざ乳酸菌を死滅させて機能性食品や健康食品としています。死滅させる方法としては熱、酸、化学物質などがありますが、主な方法は熱によるものです。

そのようなことを表示すると、生きたまま大腸まで届いて、そこで善玉菌として働いてくれるものと期待している人をガッカリさせることにもなるので、「善玉菌を増やす」という表現をしているのです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕

身体の健康状態は、脳の機能も大きく影響してきます。脳が全身の機能を調整していることだけでなく、健康づくりに必要な気力や神経伝達も脳の働きに影響を受けています。脳は正常に機能するために、必要な成分以外は取り込まれないようになっています。

脳の細胞に酸素や必要な成分を運んでいるのは毛細血管ですが、脳の毛細血管には他の毛細血管とは違った特徴があります。それは血液脳関門と呼ばれる特別なゲートがあることです。

血液脳関門(Blood Brain Barrier)は、毛細血管の内皮細胞にあって、ここを通過できるのはエネルギー源ではブドウ糖だけです。脂肪酸もアミノ酸も通過できないので、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源と呼ばれています。

必要なものを通過させるのが原則であっても、アルコール、カフェイン、ニコチンといった摂取量によっては有害にもなる成分も通過しています。医薬品の成分は高分子(分子量が多いもの)であるので通過できないのですが、抗うつ剤のように脳に作用するものは低分子になっていて通過します。

本来なら通過してほしくはない鉛、水銀、アルミニウムは血液脳関門で減らされることはあっても通過しています。これらの有害金属はアルツハイマー病の原因物質ともされています。

体内に入ったアルミニウムは解毒機能によって99%は分解、排泄されるものの、1%は残ることが報告されています。その残る部分が脳です。脳に入ると分解されることは少ないので、これが認知機能に大きな影響を与えると考えられています。

有害金属は脳に蓄積されて影響を与え、身体年齢にも影響するだけに、若いときから有害金属を避ける生活が重要とされているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

血圧は血管の動脈にかかる圧力のことで、心臓から送り出された血液の勢いによって高まっていきます。血圧が上昇する原因は複数あるのですが、内臓脂肪の蓄積によっても上昇します。

内臓脂肪が蓄積すると悪玉の生理活性物質のアンジオテンシノーゲンが分泌されます。この生理活性物質はインスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上昇させることが知られていますが、それと同時に血管を収縮させ、さらに血液中の塩分濃度を高めるために、血圧を上昇させます。

血圧の上昇を抑えるために、高血圧の原因とされる塩分(ナトリウム)の摂取量を減らすことがすすめられるものの、アンジオテンシノーゲンによって塩分濃度が高まってしまうと、その効果が充分には得られなくなってしまいます。

肥満と呼ばれるほどに太ると、血管の外側にある脂肪細胞が膨らむことになり、血管が圧迫されて血液が送り出されたときに弾力をもって膨らみにくくなります。そのために血液による圧力が血管に強くかかるようになって、血圧が高くなっていきます。

また、肥満になると、脂肪細胞の中にたまっている脂肪を血液中に放出するために自律神経の交感神経の働きが盛んになり、脳から興奮作用があるアドレナリンが多く分泌されるようになります。アドレナリンは血圧を上げるホルモンでもあるので、多く分泌されるほど血圧は上昇していくようになります。

20歳のときよりも10kg以上も太った人は、脂肪細胞が肥大増殖型になっています。脂肪を多くためているのは正常な状態ではないために、常にアドレナリンが多く分泌され、常に血管が収縮して血圧が上昇することになります。

内臓脂肪を減らすのに効果があるのは有酸素運動です。有酸素運動は、酸素を吸いながらの運動で、酸素を体内に多く取り込みます。脂肪を分解する働きをする酵素のリパーゼの働きによって分解された脂肪酸は、細胞のミトコンドリア内で酸素を使ってエネルギー代謝されます。細胞の中でも代謝によって多くのエネルギーを作り出しているのは筋肉細胞です。

有酸素運動にはウォーキングやサイクリング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、運動をしなれていない人にとってはジョギングやエアロビクスは身体への負担が大きくなります。その結果として負荷がかかりすぎると、通常の酸素摂取では間に合わずに無酸素運動と同様の状態にもなりかねません。

リパーゼは平常の体温では、それほど働きがよくはなくて、身体を動かして筋肉が温まってくることによって働きがよくなっていきます。歩き始めてから10分くらいまではブドウ糖が盛んに代謝していて、その後に脂肪の代謝が盛んになっていきます。

有酸素運動は、無酸素運動に比べると血管への負担が少なく、血管の弾力性を高めることにも役立つため、血圧が高めの人でもウォーキングなら安心して続けることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

私たちが研究・実践指導しているメディカルダイエットは、生理学を基本としているので分類でいうと西洋医学の範疇となります。それなのに、発想は東洋医学的で、同じ治療、同じ医薬品なら同じ結果になるとは考えていません。

西洋医学の治療であっても受け手側の状態によって結果が違うのは当たり前のことです。東洋医学では証という体質があり、体質によって同じ手法(薬や療法)であっても身体によい結果を与えたり、逆に悪い結果を与えることにもなります。だから、東洋医学には、医薬品(漢方薬だけでなく)は体質が違うと、どんなものでも悪くなる可能性があるという考えがあります。

健康づくりの手法(食事、運動、休養など)にしても、個人の状態を考慮すると合うものもあれば合わないものもあって、ピッタリと合うための“健康デザイン”を行うためには、数多くの手法を研究して、さらに体質の研究も進めていくことが必要だと考えています。

私が東洋医学の発想をするのは、妻が鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っているからだと言われることが多くなっています。私の栄養学の師匠(当時は国立病院勤務の管理栄養士)が東洋医学国際研究財団の副会長も務めていたこと、主治医(有名私立大学の医学部教授)が日本未病学会の理事長を務めていたこと、子どものときに親元を離れて母の実家の寺で暮らしていたこと、親と暮らすようになったのが山奥で医療機関がないところで野草・薬草に親しんでいたことなども関係しています。

西洋医学と東洋医学の両方の仕事で中国の医療機関を取材したときに、西洋医学の医薬品を東洋医学の発想で使っている病院が多いことを知りました。日本では健康食品の扱いのキノコ加工品が、国家プロジェクトで医薬品として病院で広く使われることも知りました。

西洋医学は重要であることを認めつつも、自分の身体の状態に合わせたアレンジ、デザインが必要だと強く認識したことが、今も影響を与えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康食品の購入数は、季節によって変化することがあります。それは気候によるものではなくて、年中行事が関係しています。出費が多い年末年始、春の連休、夏休みのお盆などは、他の出費を抑える傾向があり、健康食品の購入を少し延ばそうとする人が多くなります。

これは通常の消費行動ですが、高齢者の場合には特に強く現れることがあり、孫が訪問してくる時期には、お小遣いやお土産に費やす金額が増える分だけ、購入数、購入金額が下がりがちです。

ところが、そんな出費が影響する時期であっても販売数が減らないものがあります。それは痛み関連の健康食品で、膝に痛みがある高齢者の場合には続けて購入しようとします。定期的に購入している健康食品は続けて購入するものの、いろいろと試している段階では、安い商品に代えることもあります。

といっても効果を感じて、気に入っている商品の場合には、痛みがぶり返してはいけないからと、他の出費を削ってでも購入しようとします。孫の前では元気なおじいちゃん、おばあちゃんでいたいという心理も働くこともあって、なおさら摂り続けようとします。

膝の痛みを軽減させる健康食品の素材といえば、グルコサミン、コンドロイチンが有名ですが、「膝の痛みを軽減させる」と表現して販売することはできません。医薬品的な効能効果を表示することは法律で禁止されているからです。

そのため、機能性が研究によって明らかにされている機能性表示食品であっても、「軟骨を再生」「炎症を抑える」「痛みを軽減」とは表示できないため、「歩行機能を保つ」とか「歩行をスムーズにする」といった表現になって、初めて使う人にとってはわかりにくくなっています。

グルコサミン、コンドロイチンが効いて軟骨が再生されるまでは期間がかかるので、早く効果を感じてもらうために、痛みを軽減させる成分が加えられているのが膝関連商品の特徴です。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕

認知症対策の世界では、以前から2025年問題が叫ばれてきましたが、目の前に迫ってきました(2023年7月現在)。

2025年は認知症の高齢者が700万人となり、65歳以上の高齢者の5人に1人に達すると推定された年だったからです。また、認知症予備群とされる軽度認知障害も同数程度になると考えられています。軽度認知障害になると5年で半数が認知症に進行するとされています。

2025年は団塊の世代が全員、75歳以上になる年でもあり、75歳は介護対象者が増えていく分岐点ともなっています。

これまで高齢者の介護というと、身体の介護が主な課題とされてきましたが、今後は身体とともに認知症による介護も重要になっていきます。

それを踏まえて、2023年6月14日に、認知症基本法が成立しました。法律が成立すると一般的には1年以内の施行とされてきましたが、認知症は急を要するとの認識から6か月以内の施行とすることが明記されています。

認知症基本法については前回(Age free岡山25)、概要を紹介しましたが、これを実施するために、それぞれの責務が定められています。

〔国の責務〕認知症施策を総合的に策定し、実施する責務を有する。

〔地方公共団体の責務〕認知症施策に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有する。

〔保健医療サービス、福祉サービスを提供する者の責務〕国・地方公共団体が講ずる認知症施策に協力するとともに、良質かつ適切なサービスを提供するよう努めなければならない。

〔日常生活・社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者の責務〕国・地方公共団体が講ずる認知症施策に協力するとともに、サービスを提供するに当たっては、事業の遂行に支障がない範囲内において、認知症の人に対して必要かつ合理的な配慮をするよう努めなければならない。

〔国民の責務〕認知症に関する正しい知識を持ち、認知症の予防に必要な注意を払うように努めるとともに、認知症の人の自立・社会参加に協力するよう努めなければならない。

認知症予防は国や自治体、事業者が取り組むだけでなく、国民は自分や家族、地域の直接的な問題として、予防に効果があるとされる食事や運動、休養などに積極的に取り組むことが求められているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

100kcal単位の運動量を知るためには、METS(メッツ)を用いて消費エネルギー量を計算する方法を活用します。METSは運動や生活活動の強度の単位で、安静時を1としたときと比較して何倍のエネルギーを消費したかで活動の強度を示したものです。

消費エネルギー量は、以下の計算式となっています。

「消費エネルギー量(kcal)=体重(kg)×METS×運動時間(h)×1.05(係数)」

この計算式を逆算する方法で100kcal単位の運動をする時間がわかります。

「100kcal÷体重(kg)÷METS÷1.05(係数)=運動時間(h)」

普通歩行(67m/分)は3METSで、体重50kgの人は、以下の計算となります。

「100kcal÷50(kg)÷3METS÷1.05(係数)=0.6349(h)」
1時間(60分)×0.6349は約38分です。

速歩(95〜100m)は4METSで、体重50kgの人は、以下の計算となります。

「100kcal÷50(kg)÷4METS÷1.05(係数)=0.4761(h)」
1時間(60分)×0.4761は約28分です。

ジョギングの場合は7METSと運動量が多く、同じく体重50kgの人が100kcalを消費するための運動量は以下の計算で求められます。

「100kcal÷50(kg)÷7METS÷1.05(係数)=0.2721(h)」

1時間(60分)×0.2721は約16分となります。

性別や年齢によって差は生じるものの、100kcal単位の運動は、概ね以上のように計算されています。体重が多いほど身体を動かすために多くのエネルギーが必要となることから運動の時間が短くなっていきます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

日本人の健康づくりについて、目標値を定めて国民運動として実施しているのが厚生労働省による「健康日本21」です。正式名称は「21世紀における国民健康づくり運動」といって、10年間での達成目標を定めています。

健康日本(第一次)は2000年から2010年、健康日本21(第二次)は2013年から2023年で、第二次の最終評価は2023年5月31日でした。この評価の発表を受けて、令和6年度から健康日本21(第三次)が始まる予定となっています。

健康日本21の項目は、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康、たばこ、アルコール、歯・口腔の健康、糖尿病、循環器病、がんとなっています。その中から、このコラムのタイトルの「噛む噛むeverybody」に合わせて、ここでは歯・口腔の健康について紹介していきます。

健康日本21(第二次)では10項目について目標を定めています。

1 口腔機能の維持・向上(60歳代における咀嚼良好者の割合の増加)
 策定時(2009年)の73.4%に対して、80%(2022年)

2 歯の喪失防止①80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加
 策定時(2005年)の25.0%に対して、50%(2022年)

3 歯の喪失防止②60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加
 策定時(2005年)の60.2%に対して、70%(2022年)

4 歯の喪失防止③40歳で喪失歯のない者の割合の増加
 策定時(2005年)の54.1%に対して、75%(2022年)

5 歯周病を有する者の割合の減少①20歳代における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少
 策定時(2009年)の31.7%に対して、25%(2022年)

6 歯周病を有する者の割合の減少②40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少
 策定時(2005年)の37.3%に対して、25%(2022年)

7 歯周病を有する者の割合の減少③60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少
 策定時(2005年)の54.7%に対して、45%(2022年)

8 乳幼児・学齢期のう蝕のない者の増加①3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加
 策定時(2011年)の6都道府県に対して、23都道府県(2022年)

9 乳幼児・学齢期のう蝕のない者の増加②12歳児の一人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県の増加
 策定時(2011年)の7都道府県に対して、28都道府県(2022年)

10 過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加
 策定時(2009年)の34.1%に対して、65%(2022年)
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

身体の健康を保つには血管の健康状態を保つことが大切で、そのためには動脈硬化の要因とされるコレステロールの過剰摂取を抑えることが訴えられていた時代があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに新たなものが発表されています。2010年版までは1日のコレステロール摂取量は200mg未満にすることが推奨されていました。

そのため、卵の摂取量は1日に1個までと言われていました。卵はMサイズで約230mgのコレステロールが含まれていることが、その根拠とされました。

2015年版では、食事によるコレステロール摂取は血液中のコレステロール値に直接的に影響を与えないことと、コレステロール摂取が動脈硬化に影響を与える根拠が証明されていないとのことでコレステロールの摂取上限値がなくなりました。

これを受けて、卵は何個食べても動脈硬化にはならないということが広まりました。

ところが、2020年版では脂質異常症の人ではコレステロールの過剰摂取が重症化の原因になるとの理由で、脂質異常症では1日のコレステロール摂取量は200mg未満にすることが推奨されました。

脂質異常症は以前は高脂血症と呼ばれていました。脂質異常症は高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症を指しています。血液検査をして脂質異常症でないことを確認したら、良質なたんぱく質を比較的安価に摂取できる食品である卵は多めに摂ってもよいことにはなります。

しかし、日本人はコレステロール値が高めの体質で、脂質異常症の患者数だけでも220万人を超えています。女性の患者が多くて、男性の2.4倍にもなっています。高齢になるほどコレステロール値が高いことによる動脈硬化のリスクが高まっていくので、検査結果なしには「何個食べても大丈夫」ということは言えないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕