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健康増進法というと、以前の栄養改善法に代わるものとして定められたもので、基本的には栄養改善法の条文が踏襲されています。健康増進法が発表されたときには、メタボリックシンドロームの予防を目的とした健診事業や受動喫煙の防止などが注目されていましたが、栄養表示の延長で健康食品についても規制する法律となっています。
健康増進法には、健康食品の広告規制をする第31条を新設して、誇大表示の禁止について、次のように定めています。
「何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他厚生労働省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。」
健康増進法の厚生労働省令は、健康増進法施行規則を指しています。
食品の製造業者、販売業者等だけでなく、新聞社、雑誌社、放送事業者等の広告媒体事業者のみならず、広告媒体事業者に対して広告の仲介・取次をする広告代理店、プロモーションサービスプロバイダーも対象となっています。
自分たちは、あくまで情報の提供をしただけという言い逃れは以前なら通用したかもしれませんが、健康増進法の規制によって、販売の意図があることは知らなかった、違反しているとは思わなかったという言い訳は通じないことになりました。
特定の食品、成分の健康保持増進効果等に関する書籍、冊子、ホームページ等の形態をとっていても、その説明の付近に販売業者の連絡先ホームページへのリンクを一般消費者が容易に認知できる形で記載している場合は、広告等に該当して規制されます。これによって、いわゆるバイブル本は出しにくくなり、書店から効いた、治ったというタイトルの書籍は激減しました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

ストレスを感じるほど太りやすくなる、いわゆる“ストレス太り”について複数の理由があげられていますが、ストレスホルモンのコルチゾールがダイエットに悪影響を与えることが明らかにされています。
コルチゾールは、ストレスが高まるにつれて分泌が高まっていくホルモンで、ストレスに対抗するためのホルモンとなっています。
コルチゾールは副腎皮質から分泌されていて、主な働きは肝臓での糖新生、筋肉でのタンパク質の代謝、脂肪細胞での脂肪の分解などの代謝の促進です。また、抗炎症や免疫抑制など身体のための必須ホルモンとなっています。医薬品としては、炎症を抑える働きから、ステロイド系炎症薬として使われています。
コルチゾールが分泌されると、セロトニンの分泌が減少することが知られています。セロトニンは食欲を抑える働きがある脳内ホルモンであるため、分泌が低下すると食欲が増進します。
また、コルチゾールには脂肪酸の合成を促進する働きがありますが、さらにコルチゾールにはインスリン分泌の調整を乱し、血糖値の上昇以上にインスリンを過剰に分泌させる働きもあります。インスリンは肝臓での脂肪合成を促進し、血液中の中性脂肪を脂肪細胞に取り込む働きがあるため、分泌が高まることによって体脂肪が多く蓄積されるようになります。
コルチゾールには、成長ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、筋肉の増強を妨げ、代謝が低下して脂肪が代謝しにくくなることもあげられます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

第1章 エネルギー代謝の基礎知識
1 エネルギー代謝の基本
1.エネルギー代謝のメカニズム
2.エネルギー代謝向上
2 栄養代謝
1.エネルギー源の代謝
 1)糖質の代謝
 2)脂質の代謝
2.代謝補助
 1)ビタミンの代謝
 2)ミネラルの代謝

第2章 運動代謝の基礎知識
1 運動代謝の基本
1.適正なエネルギー量
 1)消費エネルギー量の計算
 2)運動と生活の中でのエネルギー消費
2.筋肉の種類と特徴
 1)白筋と赤筋
 2)赤筋の増やし方
2 無酸素運動と有酸素運動
1.無酸素運動と有酸素運動の違い
2.無酸素運動と有酸素運動の組み合わせ

第3章 代謝促進実践法
1 代謝促進の実践知識
1.適正な食事と運動
 1)運動なしダイエットの弊害
 2)朝食抜きは太りやすい
 3)夕食前の甘いものは太りやすい
 4)夕食後のデザートと満腹感
2.食事と運動のタイミング
 1)食事と運動のタイミングと脂肪代謝
 2)夕食前の運動の効果
 3)夕食後の運動の効果
2 温度調整によるコントロール
1.入浴とシャワーの活用
 1)温度で切り換わる自律神経
 2)食前のシャワーの活用
 3)効果的なシャワーの浴び方
2.食後の血糖値を下げる工夫
 1)食後のシャワーの活用
 2)血糖値を抑える食べ方
3 リパーゼコントロール
1.運動前のアドレナリン分泌
 1)ブドウ糖と脂肪酸の代謝の割合
 2)運動前のお茶の活用
2.運動効率を高める準備
 1)運動前のストレッチ
 2)運動前のシャワー
3.脂肪代謝の効果を高める方法
 1)発汗と脂肪代謝
 2)10分×3回のウォーキングの効果
4.運動後のリパーゼ効果
 1)運動後の入浴
 2)運動後のシャワー
 3)半身浴の効果
4 ホルモン分泌とエネルギー代謝
1.成長ホルモンと筋肉増強
 1)成長ホルモンと筋肉増加
 2)筋肉増加と脂肪代謝
2.睡眠時間と脂肪蓄積
 1)コルチゾールのマイナス作用
 2)コルチゾールのプラス作用
 3)インスリンと脂肪蓄積

第4章 エネルギー代謝促進成分
1 代謝促進成分の実践知識
1.代謝促進成分による代謝
 1)ミトコンドリアと代謝科学
 2)代謝による活性酸素の発生
2.代謝促進成分の特徴
 1)医薬品成分からの転換
 2)三大代謝促進成分の補給
2 L‐カルニチンの基礎知識
1.L‐カルニチンの特性
 1)肉類の含有量の違い
 2)L‐カルニチンの評価の変化
2.L‐カルニチンの活用
 1)L‐カルニチン製品は含有量の差
 2)L‐カルニチンの摂取タイミング

第5章 食生活改善によるエネルギー代謝
1 食生活判定の活用
1.食生活チェックの意味
2.食生活チェック表
2 バランス栄養の基礎知識
1.PFCバランス
2.100kcalダイエット

第6章 エネルギー代謝ウォーキング
1 インターバルウォーキング
1.インターバルウォーキングの概要
 1)健康増進の歩数目標
 2)中之条研究の成果
2.健康ウォーキング
 1)インターバルウォーキングのプログラム
 2)生活習慣病に対応した歩行法
 3)インターバルウォーキングの手法
3.効果を高めるウォーキング
 1)ウォーキングの基本
 2)目的に合った歩き方
4.ノルディックウォーキング
 1)ノルディックウォーキングの基本
 2)ノルディックウォーキングの用具
 3)ノルディックウォーキングのテクニック
2 ウォーキングの効果を高める運動
1.代謝能力を高めるスクワット
2.バランスボールを使った有酸素運動
3.ポールスクワット

日本メディカルダイエット支援機構では、メディカルダイエットと冠する資格認定ができる特定非営利活動法人(NPO法人)として、メディカルダイエットアドバイザーの資格認定講習(初級、中級、上級)を岡山で始めています。
栄養学、運動科学、生理学などを駆使した手法であるメディカルダイエットの理論講習が中心となっていますが、これは学んだことから自分に合ったもの、仕事に役立てられるものを選択してもらい、それぞれの生活や仕事に役立ててもらいたいとの思いから始めました。
実践編としては、これまでインターバルウォーキングやサーキットトレーニングを中心に、有酸素運動と無酸素運動の指導を行ってきました。理論講習にも実践講習にも共通しているのは「エネルギー代謝」です。
日本メディカルダイエット支援機構のサイトの最新情報で毎日更新掲載している「MedicalDiet」、「サプリ概論」、「発達栄養」、「学習支援」、「脳の健康寿命」は、どれもエネルギー代謝科学に基づいた成果を、対象によって異なる情報を加えながら書き分けてきたものです。
メディカルダイエットアドバイザー講習を受講した方や講習を応援してくださっている方から、メディカルダイエットの実践体験講習を求められてきましたが、このたびエネルギー代謝科学に基づいた実践指導ができる指導者である「エネルギー代謝スペシャリスト」の認定講習を始めることとしました。
実践講習といっても継続のためには理論の理解は重要で、エネルギー代謝科学の理論を学んだ上で、エネルギー代謝を促進する有酸素運動と、有酸素運動と無酸素運動を繰り返して効果を高める方法を紹介しています。そのための講習テキストも完成間近となっています。
エネルギー代謝は、余計なものとなりかねない体脂肪(脂肪細胞の中に蓄積された中性脂肪)を重要なエネルギー源として、細胞のミトコンドリアでのエネルギー代謝を進めるもので、ダイエット効果が高いのは当然のことですが、細胞内で作り出したエネルギーを心身と脳の健康の維持増進のために使ってもらうことも目指しています。もちろん、やせている人にも筋肉を増やして全身の健康度を高める効果がある方法となっています。
このエネルギー代謝スペシャリスト講習を始めるきっかけとなったのは、コロナ禍による健康度の低下で、この国民的な健康度の低下から健康度を一気に高めるために、再び厳しい外出自粛が求められるような状況になっても各人が続けられる方法を提供したいと考えてのことです。
資格認定方式にしたのは、会員として情報を送り続け、どのような社会情勢になったとしても対応できる資質と情報が得られるようにするためです。
エネルギー代謝スペシャリストの講習を勢いよく進め、できるだけ早く社会に貢献するために、活動資金を得るソーシャルファンディング方式を採用しました。
エネルギー代謝スペシャリストとソーシャルファンディングの趣意書は、相談の段階から関係各所の方々に目を通してもらい、すでに関わってきていただいた方々には趣意書を送らせてもらいました。
さっそく問い合わせとともに、ソーシャルファンディングのリターンについての意見が寄せられました。個人の支援者に2口(2万円)につき、エネルギー代謝スペシャリストの講習の受講を1人としていたのですが、2人に増やしました。受講料は1万5000円なので、3万円分になります。
団体・企業の支援に対しては、1口(10万円)で5人の受講を認めることにしました。これだけで7万5000円分です。それに加えて、団体・企業の支援者には、講習などの収益を配分することとしていて、予定どおりに進めば、1年で支援の金額以上のリターンとなります。ここまで厚くするのは、支援団体などとは一緒に活動をしてほしいとの思いがあるからです。
趣意書が見てみたいという方には、messengerで連絡先をいただければ、送るようにします。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

「石橋を叩いても渡らない」という前回の話に続いて、別の会社で起こった石橋を叩きすぎて渡れなくなった会社の話です。朝令暮改というと、あまりよい意味では使われていないでのですが、その会社の社長は何が過去にあったのか、よい意味だと思って言葉としても使い、行動としても起こしていました。
朝令暮改の本来の意味は、朝に命令を出して夕方に変えることで、方針などが絶えず変わって方向性が定まらないことを指しています。ここから転じて、あてにならない、迷惑だ、信じるに値しないという意味に使われています。元は中国の漢書に出ている言葉で、現在の中国ではコロナ対応などで朝令夕改が使われることがあります。
今回の石橋は、会社の営業方針というよりも会社組織そのものを指していて、新たな方針が示されるたびに、営業方針や戦略、それを実行するメンバーを叩いてチェックするのではなく、会社として大丈夫なのかと違った心配をするということがみられました。利益を上げるための行動として正しいだけでなく、会社の歴史や社風に合っているのかを再確認するというのは決して悪いことではありません。むしろ、儲けることよりも大事なことでもあって、社会的な評価をプラスにさせることもあればマイナスにさせることもあります。
今回のテーマの「石橋を叩いて壊す」というのは、慎重になりすぎて、よくない結果になるということを意味していますが、社風などを気にしすぎて行動が遅くなり、結果としてうまくいかなかったというのはコロナ禍で疲弊した時代には起こりやすいことです。叩きすぎて壊すことがないように、今の時代は過去の歴史や経験にこだわりすぎることがないように、というのは正しいことにように聞こえます。
しかし、これまでの経験を無視して、あまりに目先の利益に向かって進むような朝令暮改はコンサルタントとしては諌めるところですが、厳しい時代を乗り切るためという一言で、これまでの実績である石橋を叩いて壊すようなことをしているのに気づかない経営者も少なくないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害児の支援には、発達障害児支援施設で実施される機能訓練もあれば、発達障害の中でも大きな問題とされている学習面での支援もあります。どちらも実施する人が信念に基づいて、ブレることなく運営をし続けることが大切で、誰にも同じように支援をして、できれば同じ結果が得られる、つまり発達障害の改善につながることが期待されます。
自分の子どもを安心して預けて、信頼して通わせることができる施設とその運営者は、ブレない、しっかりとした考えを持っている人であってほしいと願われていて、まさに自分本位であることが重視されます。自分本位というと、自分勝手と勘違いされることがあります。
自分本位は、自分を中心に物事を考えることで、正しい発想であれば、その人が自分を大切にして行動するのは身勝手でなくて、世の中のためを思ってのこととなります。それに対して自分勝手というのは、他人のことを考えずに自分のことだけを考えることを指していて、自分中心ということでは同じであっても、それに続いて他人のことを考えないというのが付け加えられています。
物事を勢いよく、大きく前進させるためには、周囲の意見を聞きすぎてはいけないこともあります。“聞く力”を強調して国のトップに上り詰めた人もいますが、聞いているうちに決断ができなくなる、タイミングを失うということがあるのも事実です。しかし、周囲の意見を聞き、それを受け入れるかどうかの判断を後になってするというのは大切なことで、その判断基準として“他人のことを考える”ということを忘れてはいけないはずです。
自分勝手な人が、なぜ他人のことを考えないのかということを、その性格から考えてみると、「自分の考えを変えたくない頑固さ」、「感情の起伏が激しい」、「周りの意見に耳を傾けることは相手に負けたという気持ちになる勝気・負けん気」という共通点がみられます。
そんなこだわりがなくて、他人のことを考えて行動する自分本位の活動ができるように、もっと発達障害児支援施設、学習支援塾などを応援する人が増えていくことを願っています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

9種類の微量ミネラルのうち前回の2種類に続いて4種類について紹介します。
◎銅
微量元素の必須ミネラルの一種で、鉄の赤血球を作り出す働きを補助する成分であり、赤血球のヘモグロビンの合成には銅が含まれた酵素が必要になります。骨、筋肉、血液の中に約80mgが含まれます。体内の過酸化物質を分解する酵素(SOD=スーパーオキシドディスムターゼ)の成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。食品では、カキ、スルメ、レバー、ナッツ、大豆、ココアなどに多く含まれます。
◎ヨウ素
甲状腺ホルモンの構成要素として甲状腺に集まる性質があるミネラルです。不足すると甲状腺機能低下、甲状腺腫が起こります。新陳代謝を高め、成長期の子供の発育の促進に欠かせません。食品では、こんぶ、わかめ、あまのりなどの海藻に特に多く含まれます。魚類では、イワシ、サバなどの青背魚に多く含まれます。
◎セレン
微量元素の必須ミネラルの一種で、体内の過酸化物質を分解する酵素(グルタチオンペルオキシターゼ)の構成成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。血圧を調整するホルモンのプロスタグランジンを作るために欠かせず、セレンの補給で細胞の老化を遅らせ、生活習慣病の予防につながります。ビタミンEとともに摂取すると抗酸化作用が高まります。食品では、アジ、イワシなどの魚介類、動物の内臓、肉類、卵黄に多く含まれます。
◎マンガン
微量元素の必須ミネラルの一種で、骨の形成、消化の補助、糖質と脂質の代謝、成長や生殖を補助する成分であり、体内に12~20mgが含まれます。体内の過酸化物質を分解する酵素の成分であり、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。吸収率は0.5~3%と低くなっています。食品では、全粒穀類、豆類、ナッツ、茶葉などの植物性食品に多く含まれています。

「石橋を叩いて渡る」というのは、堅固に見える石橋でも安全を確かめてから渡ることで、どんなに安全そうなことでも充分に確認してから行動することを示しています。それよりも慎重な人のことは「石橋を叩いても渡らない」と評されることがあります。
石橋を叩いて渡るというのは結果としては渡るので、確認に時間がかかっても、行動を起こそうと決断するのが遅くなっても行動は起こしてくれます。石橋を渡るように命じた人のことを信じていれば、何も叩く必要もないはずです。絶対に崩れない石橋を、命じた人に隠れて叩いてから渡るようにするのは、石橋を信じていないのではなくて、命じた人のことを信じていない結果といえます。
社長が命じたことを、すぐに社員が行動をしなくて、少し時間が経ってから行動するという会社があります。その時間の経過は社長の態度によって変わってきていて、よく知っている会社では1週間後というのが定番でした。その会社は全員が月曜日の朝に報告会があって、遠い場所にいる社員はオンラインで参加していました。なぜ1週間後に行動を起こすのかというと、1週間後に社長が前言を翻すことがよくあったからです。1週間後に、前に命じたことの進捗を聞かれることがあり、何も手をつけていなかったとしても1週間なら準備や取引先との日時調整に時間がかかっているということで誤魔化しができるからです。
2回命じられて初めて行動を起こすのは、それまでに1回目の命令で動いたのに、前言を翻されたことで痛い目にあった経験があるからです。そんな風潮というか社風のようなものを作り出した原因は、前言を翻す社長にあるのですが、そのことに本人が気づいていないのが問題です。前言の翻しの中には言ったことを忘れていたということもあって、これでは社員の行動が遅くなって、チャンスを逃すことにもなります。
しかし、これを役員がいけないことと判断して苦言を呈することもなくて、その原因を探ってみたら、役員も同じように痛み目にあった経験をしていました。なるほど、こうして困った社風が作られていくのかと感じたことでした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

「笑う門には福来る」と対で使われる諺(ことわざ)といえば「渡る世間に鬼はなし」があげられます。「笑う門には福来る」をもじって「笑う門には福は内」という言葉を考えたときに、同時に考えられたのが「渡る世間に鬼は外」でした。節分の「福は内」と「鬼は外」に合わせたもので、認定講習で「笑う門には福は内」と言ったときには、必ずといっていいほどセットで使うようにしています。
講習で使ったときに、「渡る世間に鬼ばかり」ではないかという質問をされたことがあります。講習の本題ではないのでスルーしてもよいことでしたが、余計な諺もじりを使った手前、答えさせてもらいました。「渡る世間に鬼ばかり」というのはネット検索してもよく出てくる言葉ですが、これはテレビ番組の橋田壽賀子ドラマの「渡る世間は鬼ばかり」に影響されたようです。
「渡る世間に鬼は外」は「笑う門には福は内」と対だと書いたものの、「渡る世間は鬼ばかり」の影響も受けていて、鬼ばかりの世の中であったら、なおさら「鬼は外」は必要であろうとの考えもありました。
メディカルダイエットの資格認定講習をするときには、追い払いたいのは余計な体脂肪であったり、ダイエットが続けられない弱い気持ちだったりするので、自分のこととして「鬼は外」はわかりやすい表現になります。だから、細かな説明をする必要がないこともあります。
ところが、発達栄養の資格認定講習で、発達障害のこととなると、「渡る世間に鬼は外」の鬼は社会的障壁の話にもなって、なぜ社会的障壁があるのか、社会的障壁とは何なのか、なぜ社会的障壁があると発達障害がある子どもは発達障害児とされてしまうのか、ということまで話さないと理解が進まないことになります。だから、あまり発達栄養、発達障害、学習障害の講習のときには、余計なことを言わないようにするつもりであっても、ついつい口走ってしまい、説明に時間が取られて、途中から早口になってしまったこともあります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

健康食品を規制する法律というと医薬品医療機器法(薬機法)が一番にあげられますが、正式名称は「医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。あくまで医薬品を規制する法律であるので、健康食品の取り締まりには「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」を設けています。医薬品は承認と許可が必要ですが、許可も承認もない医薬品というのは偽薬であり、違反した健康食品は偽薬の扱いとなって、厳しい取り締まりが行われるということです。
医薬品医療機器法と監視指導マニュアルにだけ従っていればよいのかというと、健康食品の販売業者は売るために、あの手この手の手法を繰り出してくるので、別の法律も使って規制を強化することになりました。それが健康増進法による規制です。
健康増進法は、国民の健康増進と現代病予防を目的として2002年に制定されました。
のちに健康増進法に第31条が追加され、健康増進法によっても健康食品の表示の規制をする項目が設けられました。これは出版物の形態をとっていても、実際には効能効果を述べる広告表示となっている書籍などを規制するために新たに設けられたものです。
健康増進法では、広告とみなされるものについて医薬品医療機器法よりもさらに踏み込み、医薬品医療機器法では規制しきれない販売のための表示を規制するものとなっています。
また、規制のガイドラインとして当初設けられた「食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)」では、健康増進法と薬事法(当時)、景品表示法の三位一体で取り締まるとの一文があり、これによって取り締まりが強化されることとなりました。薬事法が改正によって現在の医薬品医療機器法となっています。
現在の規制のガイドラインは、景品表示法と健康増進法を横断的にまとめた「いわゆる健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」が用いられています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)