コロナ禍の収束は今度こそは終息に向かうと信じて(信じたい気持ちで)我慢に我慢を重ねてきたのに、さらに我慢を強いられることになり、終息どころか収束もしていないことが痛いほどわかった、という厳しい経験をしてきた人も少なくありません。
そんな状況にある飲食店の経営者と話をしたときに、「国は“自業自得”かもしれないが、そのために自分たちは“事業地獄”だ」と言っていたことが頭から離れません。地獄のような、という表現はよく使われるとしても地獄そのものというのは、これまでは聞かれることは少なかったのですが、“退くも地獄、進むも地獄”と常に思いながら仕事のしている人の心身の負担は如何許(いかばか)りかと推測します。
“事業地獄”ではなく、ここでは「自業地獄」という言葉を使って話を進めます。これは「自業自得」をもじったものですが、自分の行いの報いが自分に返ってくることを指しています。その自業が地獄になるように感じているのは、コロナ禍による国民的な健康面の低下です。コロナ前の状態でも、超高齢社会、極端な少子化で、社会的な支えが少ない中で増え続ける高齢者の支援をしなければならないのは、すでに厳しい状況でした。
厳しい社会といっても経済的な成長があれば支えるための資金を稼ぐことはできましたが、社会活動は低迷して、海外からの旅行客も期待できなくなりました。支える人材として海外の働き手を期待していたものの、それも入国制限で、いつ必要な人材が確保できるのかが見えてきません。コロナが収まればと期待しても、海外の働き手は、すでに他の国々に流れていて、過去の期待値がかなえられることはないとの予測があります。
自分たちがやってきたこと、リーダーがやっていることを許してきたという“自業”が地獄にならないように、少ない人数で増える一方の高齢者を支えていくための老若男女の国民的な健康度を高める活動をすぐにも始めるようにしなければならないと強く認識しています。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
発達栄養学では、現状の食事の状況を把握するために食事内容のチェックが行われます。食事内容を把握する方法というと、一般には食事で出される食材の種類と量を調べて、その中に含まれている栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)の量が調べられます。そして、それぞれの年齢や性別、活動や体調などに合わせて不足する栄養素を割り出して、それを補うために必要な栄養素を知り、メニューの提案をするというのが一般的です。
この方法は栄養調査の定番で、厚生労働省による国民健康・栄養調査でも同じ手法が使われています。1週間分のメニューを出してもらい、その期間に食べたものの栄養素を計算していきます。急に訪れて、1週間分のメニューと分量を聞き出すわけではなくて、協力者には事前に知らせがあるので、準備期間があり、あまり栄養不足というメニューは出しにくいという心理状態もあって、どうしても普段の食事よりも豪華とまではいかないものの、手抜きの跡がみられないものになりがちです。
それだから栄養が不足しているという結果にならないのかというと、それでも各栄養素の推奨量との比較をしてみると不足が指摘される状況です。全年齢層で特に不足しているのはカルシウムです。
このように調査に参加する家庭の状況を考えて、できるだけ正しい把握をするために、栄養調査票を見直して、私たちは食生活調査票を使用して調査を行っています。これは主食は1日に食べたものの1週間の平均の回数を聞き、それ以外の主菜、副菜などは1週間に何回食べたかを聞いています。調査はチェックが中心で、食品の種類を一部は記載してもらうようにしています。
これを見るだけで、何が不足しているのか、何をプラスで食べればよいのかが簡単に指導できるだけではなくて、自分でチェックしているうちに、これは食べるべきだ、減らすべきだということを気づくことができるように作ってあります。
日本臨床栄養学会の理事長であった板倉弘重先生に監修をしていただきましたが、子どもから高齢者にいたるまで食事の内容の実態把握と具体的な改善点がわかりやすい調査票として実に重宝しています。この食生活調査票は、日本メディカルダイエット支援機構のメディカルダイエットとサプリメントの講習でも使い方と評価法を伝えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
ダイエットというと、やせるための行動(食事、運動、生活習慣)の実施と同時に、太らないための行動も重要になります。そんなときに「太るためのメディカルダイエット」というタイトルにあるようなことを言うと、逆説的なことを言って注意を呼びかけているのではないか、と言われがちです。しかし、実際のところは、要望を受けての情報発信です。
ダイエットの講習などで太るための方法を話すと、疑問の声があがることもあるのですが、反発の声はありません。というのは、講習の初めに「太ることもダイエット」と話して、理解を得てからスタートさせているからです。
ダイエット(diet)は、もともとは方針、政策、作戦、戦略などを意味する言葉で、国の方針を決定する国会は「the Diet」といいます。東京メトロの国会議事堂駅の英語表記は「National Diet Building」です。やせるためのビルではありません。正しい方針に基づいた正しい方法を実行するのがダイエットであり、それが健康面では食事療法、運動療法を指す言葉となりました。
それが日本では、なぜかやせること、やせるために食べないことという間違った認識が広まっていますが、健康のためにやせなければならない人にはやせるための方法がダイエットであり、逆に太る必要がある人には太ることがダイエットとなります。とはいえ、ダイエットのイメージは完全に定着していることから、あえてメディカルダイエットという用語を使っています。
健康の維持には、一定の体脂肪は必要で、やせのレベルまで体脂肪が減った人には蓄積される脂肪を増やすのは重要なことです。ただ太るようにするためには、体脂肪を減らすことと逆のことをすればよいわけですが、それだけでは健康面でマイナスにもなります。筋肉を減らさないように、できれば筋肉を増やしながら脂肪も増やすという方法が重要になります。
その重要な方法を、医学と科学の研究に基づいて実施しているのがメディカルダイエットで、その具体的な方法として運動と食事、運動と休養、食事と休養の組み合わせによる手法を使っています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
サプリメントのもともとの意味は不足しているものを補充、補助するということですが、これが食品として摂るものの場合には通常の食事では不足するものを補うものとなり、一般に認識されているサプリメントの役割そのものです。
何が不足しているのか、よくわからないという人や、偏食や食事抜きのために栄養バランスが崩れている人の場合には、バランスが取れているものを食べることがすすめられるのですが、その中でも安心してすすめられるものとされているのが大塚製薬のカロリーメイトです。
ブロックタイプは見た目はお菓子で、他のバランス栄養食と同じに見えるものの、製薬会社が製造・販売しているのには理由があります。これだけ食べていれば大丈夫として代替食に使われたり、複合的なサプリメントの代わりに使われるカロリーメイトの原型は病院で入院患者に使われる濃厚流動食のハイネックスR(現在はハイネックスイーゲル)です。
これは寝たきり状態であっても、これだけ取っていれば栄養補給ができるという口から取り入れる(飲む)流動食で、初めて登場したカロリーメイトのリキッド(ドリンク)タイプはハイネックスRを薄めたものというイメージでした。その後、ブロックタイプのお菓子のようなものが登場して、今は流行のゼリータイプも登場しています。栄養的には同じで、これ1つで1食の代わりになる、つまり1日に必要なビタミンは2分の1、ほかのミネラルなどは3分の1ほどが補給できるという内容となっています。
ブロックタイプは1箱が200kcal(1個100kcal)、リキッドタイプは1缶、ゼリータイプは1袋が200kcalとなっていて、エネルギー量が計算しやすいのも人気の一つになっています。
私の経歴を見て接触してきた方の中に、話している内容に関心を示しながらも、著名人の言葉でないから他人に通じない、有名になるための本を発行したほうがいいとアドバイスした人もいます。そして、本を書くのは大変だから手伝ってあげる、料金は……と切り出されたこともあります。
本を書くのが大変だということは、身に染みてわかっています。大手出版社の一角を占める会社でゴーストライターとして150冊、他の数社からも34冊を書いてきた経験があるのですから。
接触してきたコンサルタントの中には、やたらと著名人の書籍に書かれていることを引き合いに出して、自分の語っていることは正しいということを強調している方もいました。話を聞いているうちに、どこかで聞いた言葉だなと思っていたら、それに続く言葉が頭に浮かんできて、それを口にしました。あなたも読んだのですか、と聞かれましたが、まさか私がインタビューをして書いたとも言えないので、「だいたい、そんな流れでしょうね」と言葉を濁した記憶があります。
ゴーストライターは契約で、誰の代わりに書いたのかは言えないことになっています。150冊のうち私が許されているのは、初めに書いた「松下政経塾 塾長講話録」だけで、これは講話のテープを渡されて、そこから原稿に起こしたので、編集の延長みたいな仕事だったことからです。
ゴーストライターは本人が話したことを、そのまま書くわけではなくて、資料を受け取って、インタビューをして話を引き出す、一緒に中身を考えていくということもあり、中には私が想像を膨らませて書いたことが採用されたこともありました。
そんな苦労の末に世に出た本であることを知ってか知らずか、私が言葉にしたことを名言として持ち出されて、他人を感動させるために使われていると、そんなことをしてよいのかと考えさせられてしまいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
他人の話を聞くときに顔を見ない、むしろ顔を背けるという子どもがいます。これはコミュニケーション力や発達障害の特性が関係していることが多いのですが、これを理解するために筆者(日本メディカルダイエット支援機構理事長の小林正人)の経験を書かせてもらいます。筆者の小学校時代の話で、そのときには発達障害という概念もない時代だったので、今のように改善のための支援が受けられず、改善の機会が失われたまま発達障害の困難さを抱えて生活することが少なくありませんでした。それは成人になっても続いていました。
同級生で、学習に身が入っていないわけでもないのに、集中して先生の言うことを聞くようにと注意ばかりされている男児がいました。今の時代なら、生徒の身体的な特徴は教師にしっかりと伝えられて、それを配慮した授業が行われるのは当たり前ですが、その当たり前がなかった時代のことです。
その同級生は集中しようとすると、正面から教師を見るのではなくて、横を向きます。その理由は片方の耳の聞こえがよくないことで、周囲に雑音があると聞こえなくなるので、できるだけ集音をしようとして耳を教師に向けた結果が、顔を背ける結果となっていました。
そのことを教師が知ったのは、保護者から理由を聞いたことで、それまでには何回も叱られた後でしたが、そういった事情がある子どもが存在していることを身近で知ったことが、後々の発達障害児の支援に力を注ぐことにつながっていきました。
同級生は耳に聞こえがよくないことは気づいていて、遊ぶときにも注意をしていました。そのことを教師に本人以外が伝えるということは、教師が怒っているときには言いにくい雰囲気があり、授業が終わってからクラスの代表が勇気を持って伝えに行くということもしにくい時代だったのですが、今は違うはず、と思って、子どもたちの学習環境を整えることに取り組んでいます。
甘いものはダイエットの大敵とされるものの、我慢をしてストレスがたまるとキレてしまい、ドカ食いをして急に太る原因にもなります。我慢をしすぎないように甘いものを活用する方法をメディカルダイエット講習では伝えていますが、受講者の中には砂糖が使われたお菓子ではなくてフルーツを食べているから大丈夫ということを言う人がいます。
それが正しいのかどうかということですが、砂糖に多く含まれているのはブドウ糖です。ブドウ糖は血糖値を上昇させて、膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌されます。インスリンにはブドウ糖を細胞に取り込む働きと、肝臓で脂肪合成を進める働きがあります。いけないのは甘いものではなくてブドウ糖の量ということになりますが、フルーツに多く含まれているのは果糖(フルクトース)です。
果糖は血糖値には影響しないとされて言われていることを信じて、ダイエットのためにフルーツを多く食べる方法も人気となっているのは事実です。しかし、ブドウ糖と果糖の割合を見てみると、ぶどうやいちご、キウイ、オレンジ、グレープフルーツの場合には果糖がブドウ糖よりも多いものの、バナナはブドウ糖のほうが多くなっています。果糖のほうが圧倒的に多いのは、りんご、なし、スイカなどです。
果糖の糖度は砂糖の1.2〜1.7倍もあるために甘いものによる満足感を得やすいのですが、甘くておいしいフルーツはブドウ糖も多くなっていることを知っておいてほしいのです。
また、果糖は他の糖に比べて肝臓で脂肪酸を多く合成して、中性脂肪に合成されやすい特徴があります。果糖なら太らないわけではなくて、食べすぎると太ることになるということを知っておいてほしいことです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
脳の健康寿命を延伸させるためには、高齢者の身体的特徴について理解しておくことが大切となります。生理学的変化のうち脱水は、案外と見逃されがちで、その特徴について紹介します。
*高齢者の脱水の特徴
高齢者は脱水が起きやすい生理機能と脱水をもたらす要因を多く持っているので、脱水になりやすい特徴があります。生理機能が低下しているので、脱水がきっかけで意識障害をきたしたり、基礎疾患の悪化を起こしたりすることがあります。また、自覚症状が乏しく、初期に発見することが難しくなっています。
*高齢者の脱水の要因
体液量の中でも特に細胞内液が減少し、腎臓の濃縮力の低下、口渇感の減弱、活動力の低下が起こります。
*脱水を起こしやすい疾患
高齢者に多くみられる脱水を起こしやすい疾患としては、脳血管障害・認知症、慢性呼吸器疾患、糖尿病、高血圧・うっ血性心不全、嘔吐・下痢・発熱・発汗を伴う疾患があげられます。
*脱水症の種類と症状
①高張性脱水症(水欠乏)
高齢者に多くみられる脱水で、経口的な水分摂取量の不足、皮膚や肺から不感蒸泄としてナトリウム以上に多量の水が失われた場合や、高血糖のときにみられます。
②低張性脱水症(食塩欠乏症)
主として下痢、嘔吐、瘻孔からの流出、発汗などで体液が失われ、ナトリウムを喪失することによって生じます。
③混合性脱水症
水とナトリウムの両方が欠乏したもので、嘔吐や下痢、多量の発汗があって、しかも水分を補給しなかった場合にみられます。
健康食品には、その内容量を示すために強調表示がされるものがあります。この強調表示をする場合には、どれくらいの量が含まれているかを基準に従って確認して、それがクリアされることで初めて表示することができます。
強調表示には、補給ができる旨の表示と、含む旨の表示があります。
補給ができる旨の表示の一つは「高い旨の表示」で、「高」、「多」、「豊富」などの用語を使うときには基準をクリアしていなければならない絶対表示となっています。高い旨の表示をする場合は、100g当たりの分量か、飲用する液状の食品では100ml当たりの量を示すこととなっています。
「含む旨の表示」は「源」、「供給」、「含有」、「入り」、「使用」、「添加」などの用語で、これも絶対表示となっています。こちらも100g当たりの分量か液状では100ml当たりの量を示すこととなっています。その量は概ね高い旨の表示の半分ほどの量となっています。
このほかに適切な摂取ができる旨の表示があって、含まない旨の表示と低い旨の表示があります。
「含まない旨の表示」は「無」、「ゼロ」、「ノン」などの用語で、絶対表示となっていて、こちらも100g当たりの分量か液状では100ml当たりの量を示すこととなっています。
「低い旨の表示」は「低」、「ひかえめ」、「少」、「ライト」、「ダイエット」などの表示で、絶対表示)として、同じ基準が示されています。
絶対に基準となる量が確保されていることが条件となる絶対表示に対して、相対表示となっているものがあり、それは強化された旨の表示と低減された旨の表示です。
「強化された旨の表示」は、他の食品と比べて栄養成分の量や割合が「多い」ことを強調する表示のことで、強化された旨の表示である栄養成分の「増加量」が補給できる旨の表示の基準値以上であることが必要となっています。〔「○○g(%)強化」、「増」、「アップ」、「プラス」「倍」など〕
「低減された旨の表示」は他の食品と比べて栄養成分の量や割合が「少ない」ことを強調する表示のことで、低減された旨の表示である栄養成分の「低減量」が適切な摂取ができる旨の表示の基準値以上であることが必要となっています。〔「○○g(%)減」、「オフ」、「カット」「ハーフ」など〕
発達障害児は、すべての脳機能が定型発達の子どもに比べて劣っているわけではなくて、一部だけに特性があることもあれば、一部の機能は学習などをするためには低くても他の部分では優れた才能を発揮するということもあります。中にはギフテッド(gifted)と呼ばれる特別な能力を持っている子どもも存在しています。
ギフテッドのことを知ると、自分の子どもにも同じような特別な能力を期待する保護者も少なくありません。子どもに期待を寄せて、その才能を伸ばすために積極的な支援をすることを否定するものではありませんが、期待のしすぎが、かえって子どもに負担をかけて、発達障害の状態を重くすることも起こります。
発達障害児は、発達障害の状態の重さが、そのまま日常生活や社会生活に影響を与えているわけではありません。発達障害者支援法では、発達障害があり、社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限が生じている18歳未満の子どもを指しています。社会的障壁がなければ、発達障害があったとしても発達障害児にならないというのが法律の根本的な主旨となっています。
親が過剰な期待をかけることで負担が強まり、その期待に応えようと頑張ることで、さらに負荷が強まるということもあります。発達障害とギフテッドをイコールと考えている保護者もいるのですが、ギフテッドは発達障害児だけでなく、定型発達の子どもにもいます。アメリカではギフテッドの定義が明らかで、診断基準が確立されていて、その支援のためのプログラムがあり、指導の専門家も存在しています。
ところが、日本では専門家どころか定義も明らかではなくて、それが親の過剰な期待につながることになっています。子どもに無用な負担をかけるようなことは、社会的障壁ともなりかねないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)





