膝の軟骨の成分であるグルコサミンと、軟骨の潤滑成分であるコンドロイチンを摂っていれば膝の痛みは解消されるように思いがちですが、期待どおりの効果が得られない人も少なくありません。前に触れたようにグルコサミンもコンドロイチンも膝が動かないと軟骨を包んでいる滑膜の中に入っていかないので、膝を適度に動かしていることが有効性を高めるために必要になります。
では、膝を動かす運動をすれば軟骨に定着するのかというと、摂取タイミングによっては効果を感じるのは難しくなっています。健康食品は薬と同じような形をしていることもあって、グルコサミンとコンドロイチンも食後に摂る人が多くなっています。しかし、これは最悪のタイミングです。
以前のグルコサミンとコンドロイチンは高分子構造で、腸壁を通過しにくいことから効果を得にくくなっていたのですが、そのことがわかり、改良が進んで、今では吸収されやすい低分子となっています。
グルコサミンもコンドロイチンも粘度が高い成分です。錠剤型になっているときには粘ってはいなくても、胃の中で水分を吸うと粘度が高まります。食後に摂ると、食べたものに吸着されて構造が大きくなります。そのために吸収性が低下します。だから、グルコサミンとコンドロイチンは空腹時に摂るべきものです。最近、人気が高まっているII型コラーゲンなどの成分も同じ特徴があります。
しかし、健康食品には摂取タイミングを表示することが許可されていません。いつ摂るか、どれくらい摂るかの用法用量を表示できるのは医薬品だけに許可されています。表示されないなら、自分で情報を知って、効果的な摂取を心がけるしかないわけですが、その摂取タイミングは食事との間隔が長い昼食と夕食の間か、就寝前ということになります。
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書字障害は、識字障害があるために起こっているのか、それとも識字障害がないのに書くことにだけ困難さがあるのかによって対応は違ってきます。それなのに、文字がうまく書けないことがわかると繰り返し書く練習をさせて、多くの文字を書くことによって改善させようとすることも見受けられます。文字を認識していて、それを表現するために書こうとしても手指の不器用さから書けないということであれば、繰り返し書かせることでバランスのとれた文字を書くことができることも期待できます。
ところが、文字を正しく認識して、それを書くための動きも理解できていない場合には、繰り返し書かせることでは効果が上がりにくく、そして苦痛を強いることにもなります。学習は書くことによって成果を確認して、解答を出させるという目的があることから、どうしても書くことが注目されがちです。しかし、文字を認識するというインプットに困難さがあり、覚えたことを脳から引き出すことにも困難さがある場合には、文字としてアウトプットすることを求めても、期待どおりの結果とはなりません。
書字障害であることが確認されたら、識字障害があるのかを確認します。識字障害があった場合も、どの程度の状態なのかを知り、その状態に合わせてアウトプットができるようにしていきます。アウトプットの状態に合わせて、識字障害の改善に取り組み、その結果としてアウトプットの内容が変化するのかを見極めて、再び識字障害の改善に取り組むようにしていきます。
このような繰り返しをすることによって、アウトプットだけに時間をかけるという苦痛を強いるような教え方から脱却して、より成果を出しやすくすることができます。
コロナ禍で、時間的にも経済的にも厳しくなった影響を健康づくりの教育と情報発信の活動も受けています。今、学ばなければ生きていけない、暮らしていけないというものではないものであると認識されやすいこともあって、多くの団体が苦戦しています。私たちの講習も生理学研究に基づいてメディカルダイエット、生活習慣病対策、発達障害児の支援と、さまざまな教育と情報発信を行ってきました。
手を広げすぎではないかと言われることもある中で、一つだけ研究成果を講習として実施してこなかった分野があります。それは高齢者の認知機能の維持法についてですが、その基礎となる日本人の体質、生活習慣病、未病、長寿科学、運動科学、栄養学などは研究済みです。脳科学については、発達障害の支援をする中で研究し続けてきました。それを組み合わせて研究対象としたのは「脳の健康寿命延伸」です。
超高齢社会は、ただ長生きになったというだけでなく、健康度も高まり、健康寿命も延びてきました。しかし、脳の機能だけは年齢につれて低下していくので、これを抑えるのが本当の意味での健康寿命の延伸につなげることになると考えています。
認知機能を低下させないための方法は、各団体の活動の中で積み上げられてきています。それは健康づくりに直接的に関わる分野だけではありません。栄養、運動(有酸素運動)、ウォーキング、体操、スポーツ、ダンス・踊り、呼吸、ストレス管理、腸内環境、音楽、笑い、免疫、入浴、睡眠、噛む、習い事(茶道、華道、手作り)、野草・薬草、サプリメント・健康食品、禁煙、禁酒・適酒、ツボ療法、温熱療法などなど、これまで付き合ってきた団体だけでも順不同で、こんなにもあります。
これらの団体のノウハウの一部を提供してもらい、学ばせてもらい、これに私たちの研究成果を組み合わせて、「脳の健康寿命」をテーマにした地域活動と講習を実施するために、新たな資格認定と、その実施団体を立ち上げることが必要と考えます。その健康に基づいた講習こそが、認知症になるような生活から逃げるようにすることが重要だということを示すために、「逃げるが価値」という言葉を使っています。
発達障害児は、発達障害があるだけで発達障害児となっているわけではありません。発達障害があることに加えて、社会的障壁があることによって生活や行動に支障が出ることになって、初めて発達障害児となっています。もしも、社会的障壁がなければ、発達障害児として困難さを抱え、苦しむことがないということです。
しかし、実際のところは、発達障害がある子どもは、発達障害児となっています。つまり、社会的障壁は、ずっと続いているということです。社会的障壁は法律や制度、学習環境、就職、結婚など、さまざまなものがあげられていますが、それを生じさせているのは社会的な理解の不足です。
発達障害のことが正しく理解されていない、発達障害の特性が理解されていない、そのために発達障害がある人を苦しめる原因となっているということで、発達障害がある子どもを発達障害児にさせているのは、充分に理解していない人、場合によっては自分自身ということもあるということです。
認知症サポーターは厚生労働省が主導して、全国で養成講習が実施されているのに、発達障害を支えるサポーターは、まだ誰も着手していません。もしかして自分が発達障害児を増やしているかもしれないとしたら、個人が率先して発達障害児のサポーターになるべきであって、国の主導ではなくて、個人が率先して養成に取り組んでいくのが当然のことではないでしょうか。
ということで、発達障害児を理解して支える立場として「児童発達サポーター」を養成するための講習を、個人レベルの集合体である地域から始めていくことを目指して、協力者の組織化と講習の準備を進めているところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
活性酸素は全身の細胞を傷つけ、細胞レベルから徐々に健康度を低下させる要因となっています。吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素になります。それは安静にしていて普通に呼吸しているときでも、運動をして酸素を多く吸い込んでいるときでも、割合としては変わりません。だから、多くの酸素を吸い込む運動ほど活性酸素が発生するようになります。
これは運動の身体的な負荷とは関係がなくて、酸素の量に関わってくるので、有酸素運動のウォーキングでは活性酸素も多く発生します。しかし、ウォーキングで、しかも無理のかからない適度な負荷のウォーキングでは、活性酸素の健康被害は、あまり考える必要はありません。というのは、活性酸素を消去する抗酸化酵素が体内には備わっていて、適度なウォーキングでは発生と同時に消去も行われているからです。
一定の時間に体内に取り込むことができる酸素の量は最大酸素摂取量と呼ばれています。この最大酸素摂取量の70%ほどまでは、活性酸素は少しずつしか増えていきません。抗酸化酵素が働くためには酸素が必要で、適度に吸い込んだ酸素が抗酸化酵素の働きを高めてくれるからです。ところが、70%を超えると抗酸化酵素では抑えきれなくなるために、活性酸素が急に増えるようになります。抗酸化酵素は酸素が送られてくれば、どこまでも働くというものではありません。限度があって、それが最大酸素摂取量の70%ということです。
70%というのは速歩のレベルです。これは会話をしながら、なんとか歩けるという速度のウォーキングのことで、5〜10分なら何度でも続けられる強度です。このような状態なので、ウォーキングは無理さえしなければ、活性酸素によって細胞が破壊されて、健康被害が出るようなことはないということです。
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
〔主な学習活動〕
*自分の1日の食生活を振り返る。
〔指導上の留意点〕
*ある1日の自分の生活について、食生活を中心に振り返り、どんな問題があるか考えるようにする。
【健康な生活を送るために、どのような食生活を行えばよいか考えよう。】
〔主な学習活動〕
*バランスのとれた食事とは、どんなものか考える。
〈参考資料〉
・食品別エネルギー量
・作業・運動別の消費エネルギー量
・栄養素の不足やとりすぎによる障害例
〔指導上の留意点〕
*資料を基に、自力で考えた後、年齢や運動量に応じて栄養素のバランスや食事の量などに配慮することが必要なことを話し合ったり、考え合わせたりする。
*参考資料からわかった問題点について、専門的な立場から具体的な助言をする。
〔主な学習活動〕
*規則正しい食生活について考え、まとめたことを発表する。
・朝食の欠食が与える影響
・夜遅くの食事
・過度のダイエット
・部活動に必要な栄養
・間食の必要性 など
〔指導上の留意点〕
運動などによって消費されたエネルギーを食事によって補給することが必要なことを助言する。
・朝食欠食や過度のダイエットの問題点について専門的な立場から助言する。
・年齢や運動量に応じた栄養のバランスや食事の量について、学校給食の献立を例にアドバイスする。
〔主な学習活動〕
*食事と健康について話し合う。
〔指導上の留意点〕
*健康の保持増進や疾病の予防をするためには、調和のとれた食事が必要であることを話題の中心として、話し合わせる。
*仲間の意見から改めて気づいたことを、これからの生活に生かすよう指導する。
これまで続けてきたことを続けようとしても、コロナ禍で思うように前進できない状況に追い込まれたのは、何も飲食業や旅行業だけでなく、教育や健康づくりに取り組む団体も同じことです。私たちは健康づくりに関わる教育と情報発信に取り組んできました。通信が充実してオンラインが普通になってきた状況では、教育も情報発信も外出せずに家庭にいてもできることなので、新型コロナウイルス感染症の影響を受けなかったのではないか、とよく言われます。
ましてやコロナ禍による外出自粛、家庭内での食べ過ぎ・飲み過ぎ、健診・検診の減少などによって健康度が大きく低下した中にあっては、健康の維持・増進について学ぶことは、むしろ盛んになったのではないか、とも言われます。
ところが、実際には健康関連の講習を求める人は増えてはいません。それどころか、集客がうまくいかなくなっているところも多く、最も学んで、実践してほしい時期なのに、期待とは違うことになっています。
国民の意識がコロナ禍を経験して大きく変わり、健康について学ぶという自分にも家族にも地域にも役立つことが、断捨離の対象にもなっているようです。学んだからといって、すぐに稼げる、すぐに効果が出るというものではないものは、目先の利益から考えたら断って、捨てて、離れるものに見えるのかもしれません。しかし、超高齢化は進むだけ進み、超高齢社会を支える子ども世代が減る一方の中では、絶対に必要なことです。
では、なぜ関心が高まらないのかというと、これは従来の方法で教育と情報発信をしてきた立場として反省しなければならないことでもあるのですが、絶対に学びたくなる内容でなかったのかもしれないということと同時に、教育を推し進めるグループの規模と勢いが足りなかったのではないかと考えています。その考えを現実化させるための私たちの行動については次回に続きます。
広く健康に関わる記念日について紹介します。
12月21日 バスケットボール解説者の島本和彦氏がアメリカで正式ルールでバスケットボールの初試合が開催された1891年12月21日にちなんで「バスケットボールの日」と制定。
12月22日 高橋助作酒造店が冬至は杜氏を連想させることから酒風呂で健康増進をしてほしいと「酒風呂の日」と制定。日本スープ協会が温かいスープをより温かく感じることができる冬で、1つ(12)もフーフー(22)とスープを飲むという語呂合わせで「スープの日」と制定。東京都蒲鉾水産加工業協同組合が冬至の日に「ん」の字が2つ以上ある食べ物を食べると運が向上して無病息災に効果があると言い伝えられていることから、はんぺんを食べてもらうことを目的に「はんぺんの日」と制定。ジェネリック医薬品協議会がジェネリック医薬品承認のための科学的根拠を厚生労働省が定めた1997年12月22日にちなんで「ジェネリック医薬品の日」と制定。毎月22日は「禁煙の日」(禁煙推進学術ネットワーク)、「カニカマの日」(スギヨ)。
12月23日 毎月23日は「乳酸菌の日」(カゴメ)、「不眠の日」(エスエス製薬)、「国産小ねぎ消費拡大の日」(小ねぎ生産県協議会)。
12月24日 「クリスマスイブ」。BTLjapan(大阪府大阪市)が尿失禁治療機器のエムセラの普及を目的に尿(2)失(4)と禁にちなんで24日が金曜日になる日を「エムセラ・尿失禁改善の日」と制定。毎月24日は「ブルボン・プチの日」(ブルボン)、「削り節の日」(東京鰹節類卸協同組合)。
12月25日 「クリスマス」。毎月25日は「プリンの日」(オハヨー乳業)、「歯茎の日」(佐藤製薬)。
12月26日 毎月26日は「プルーンの日」(サンスウィート・インターナショナル日本支社)、「風呂の日」(東京ガス)。
12月27日 伏見寒天記念碑を建てる会が12月末に寒天の元となるところてんが伏見で提供されたとの資料から12月とふしみ(24+3=27)から「寒天発祥の日」と制定。毎月27日は「ツナの日」。
認知機能の研究が進む中、脳の健康によい食品が明らかになっています。理論での解明だけでなく、大規模調査によって実際に認知症の発症率が低い人が食べている食品が判明しています。それは野菜、海藻、魚介類、大豆製品、乳製品で、これまで栄養バランスがよい食品として取り上げられてきたものです。
脳神経細胞の維持には、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が有効であることが確認されています。DHAとEPAの有効性だけでなく、血管の老化を予防する意味でも重要性が認められています。
血管の老化を進める最大の要因は加齢ですが、それと同時に大きな要因となっているのは、血糖値や中性脂肪値、LDLコレステロール値の高さです。血糖値が異常に高くなって発症する糖尿病は高血糖状態が長く続いたことで血管の老化が進む疾患です。多くなりすぎたブドウ糖が血管壁の細胞に入り、細胞の中で糖アルコールに変化すると細胞内の水分バランスが崩れて、細胞の機能が低下して、細胞の再生が遅れるようになります。
このことによって細胞が徐々にもろくなっていきます。糖尿病の合併症である網膜症、腎症、神経障害は細くてもろい細小血管が傷むことによって発症します。糖尿病では細小血管だけでなく、動脈硬化も進んでいきます。
中性脂肪とLDLコレステロールは血液中で多くなると直接的に動脈硬化を進めていきます。中性脂肪は脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついた構造をしていますが、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、動脈硬化のリスクには違いがあります。飽和脂肪酸は血液温度が高い動物に多く、血液温度が高いために動物の体内では溶けています。
それに対して人間は血液温度が低く、中でも日本人は欧米人や大陸のアジア人に比べて血液温度が低いために飽和脂肪酸は血液中で固まりやすく、ドロドロ状態になって流れにくくなります。そのために血管内にたまりやすく、これが動脈硬化の要因となります。
カフェインが含まれた飲み物(緑茶やコーヒーなど)を飲むと興奮作用から脂肪が燃焼すると説明されることがあります。カフェインが含まれる特定保健用食品や機能性表示食品もありますが、カフェインは脂肪酸をエネルギー化させるものではありません。カフェインの役割は、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を分解して、脂肪酸として血液中に放出されるのを促進することです。
脂肪細胞の中の中性脂肪は重要なエネルギー源で、そう簡単には消費されないようになっています。脂肪酸が多く必要になるのは、身体を動かして興奮状態になったときで、そのときには興奮作用があるホルモンのアドレナリンが多く分泌されます。このアドレナリンによって中性脂肪の分解が起こる仕組みになっています。
中性脂肪が多く分解されて、血液中の脂肪酸が増えれば、それが全身の細胞に運ばれて、エネルギー代謝が進むようになります。脂肪酸をエネルギー化させる細胞内のミトコンドリアは筋繊維(筋肉細胞)の中に特に多く存在しているので、筋肉が動くことによって多くのエネルギーが作り出されるようになります。
アドレナリンが多く分泌されて、脂肪酸が多く血液中に放出されても、身体を動かさないと多くのエネルギーは必要ないことになり、脂肪酸は肝臓に運ばれて、そこで中性脂肪に合成されて、また脂肪細胞の中に蓄積されることになります。ただ、カフェインを多く摂ればやせるわけでもなく、ましてや脂肪酸は燃焼していないので不当表示にもなりかねません。
アドレナリンを分泌させるものとしては、カフェインのほかにカプサイシンがあります。これは唐辛子の種子や果肉に含まれる辛味成分で、血液中に入るとアドレナリンの分泌を促進します。アドレナリンの分泌だけでなく、皮膚温を上昇させて血液循環を促進する作用があり、脂肪代謝の作用はカフェイン以上となっています。





