文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
〔主な学習内容・活動〕
*体を発育・発達させるための食事について調べ、発表する。
〔指導上の留意点〕
*献立表や、「元気な体に必要な食事」などの資料から、成長期に必要な食品を選択し、なぜ必要かをわかりやすく友達に説明できるようにする。
〔主な学習内容・活動〕
*体を発育・発達させるための運動、休養および睡眠について話し合う。
〔指導上の留意点〕
*体をよりよく発育・発達させるための生活の仕方には、調和のとれた食事、適切な運動、休養および睡眠が必要であることをワークシートに書く。書いたものをもとにグループで話し合うようにする。
*体をよりよく発育・発達させるための生活について、活発に話し合いが行われるよう適宜指導する。
〔主な学習内容・活動〕
*自分の生活を振り返り、適切な運動、調和のとれた食事、休養および睡眠が必要であることが実践できているかを確認する。
*本時の学習のまとめをする。
〔指導上の留意点〕
*ワークシートを基に、運動と食事、休養および睡眠の関係について気づくようにし、今後の生活に生かすように促す。
*学習したことが自分に当てはめるとどうなのかを確認させ、今後のめあてをもつ。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
すべてを鬼のせいにされたら、鬼が可哀想になるような結果、ということを前回は書きました。鬼のせいにするのは平安時代からあったことで、平安という用語が使われていても、鬼を登場させないと仕方がないような不安が渦巻く時代でした。
鬼の語源は隠(おぬ)で、元来は姿が見えないもの、この世に存在しないものを意味しています。そこから転じて人の力を超えたものの意味となり、人に災いをもたらすものという意味が定着しました。一般にイメージされる鬼の姿は、見えないものの本性を絵にしただけのもので、実際には人の心の中に存在している、まさに見ることができないものです。
人の力を超えた存在というと、スーパー経営者がイメージされることがあります。国民全体の頑張りを期待する時代から、一部の優れた人が引っ張り、それに多くの人が付き従っていくという時代に変化していきました。そのアイデアと行動力が通じている時代はよかったのですが、コロナ禍のように災害レベルの出来事があると、これまでの意識を変えなければ生き残れないような状況になっています。
このコラムは岡山で書いています。岡山といえば、地元が意識する意識しないに関わらず、桃太郎のイメージがあります。実際に桃太郎のモデルが実在したのかは別として、桃太郎といえば鬼退治が有名です。桃太郎のモデルとされる吉備津彦は古事記、日本書紀に登場する第7代孝霊天皇の皇子で、西道(今でいう山陽道)に派遣され、鬼と称される温羅(うら)と戦って成敗したと伝えられています。これが時代を経て、世間で知られる絵本の世界の鬼退治に変化しています。
鬼退治というのは支配した側の理屈であって、岡山の吉備地方を治めていた温羅にしてみれば吉備津彦は征服者です。征服した吉備津神社に神様として祀られているのに対して、温羅は犬に喰われて、今は吉備津神社の釜の下に首が埋められて、鳴釜神事の吉凶を占うだけの存在になっています。
鬼は退治されるだけの存在なのか、退治をしてしまえば、それで元のとおりに戻っていてよいのか、という今後の意識については次回に続きます。
脳細胞に取り込まれたブドウ糖は、細胞内でエネルギーを作り出す小器官のミトコンドリアに取り込まれます。ブドウ糖はエネルギー源であって、これを材料にしてミトコンドリアの中でエネルギーを作り出す必要があります。そのために必要なのが、ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むと同時にミトコンドリアの中での代謝を高める働きがあるαリポ酸です。α‐リポ酸は体内で合成されるものの、20歳をピークに合成量が減り続けます。合成量の不足が年齢を重ねるにつれて代謝が低下していく原因となっています。そのαリポ酸が不足した状態では、ブドウ糖のエネルギー代謝が充分に行われなくなり、これが脳細胞のエネルギー不足にもつながっていきます。
ミトコンドリアの中で起こるエネルギー代謝には酸素が必要で、多くの酸素を取り込む運動は脳細胞の働きの維持と向上に重要な要素となります。
日本神経学会から『認知症疾患治療ガイドライン』が発表されていますが、認知症の予防効果があることとしてウォーキング、サイクリング、階段の上り下りなどの有酸素運動があげられています。
運動をすることによって、生理活性物質が増えることが確認されています。運動をすることによって増える生理活性物質としては、ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、テストステロン、エンドルフィン)、神経伝達物質(アセチルコリン、ドーパミン、トリプトファン)、神経栄養因子(BDNF)、酵素(AMPキナーゼ、KAT)、生理活性物質(t−PA)、血管新生因子(VEGF)が知られています。これらの物質は運動時に安静時の1.2〜1.5倍も増えていて、脳内でも同様に増えていると考えられています。
アセチルコリンには脳で記憶を司る海馬の神経細胞新生促進があり、神経細胞が増えることによって記憶力を改善させる作用があります。神経栄養因子のBDNFにも同様の作用が認められています。ドーパミンは意欲や活力を向上させる脳内ホルモンで、アミノ酸のトリプトファンには神経伝達物質のセロトニンを増やす作用がありますが、セロトニンは抗うつ作用があることから抑うつ状態を改善させる作用があります。
カルシウムは小腸からの吸収率が30%ほどで、吸収されなかった分は大腸まで届けられます。カルシウムには腸壁を刺激して蠕動運動を起こす作用があります。そのため、サプリメントとしてカルシウムを摂ることによって便通が促進されるものの、多く摂りすぎることによって下痢や軟便を起こすことがあります。
カルシウムは血液凝固、筋肉収縮、神経系の調整のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄によって血圧調整をする作用があります。不足すると骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こします。さらに、カルシウムの摂取が大きく減少すると脂肪酸合成酵素が活性化して、肝臓で合成される中性脂肪が増加するとの研究成果が報告されています。食品では、小魚、干しエビ、海藻類、牛乳、乳製品などに多く含まれるので、下痢や軟便が起こるときには、食品からの摂取量を増やすようにします。
マグネシウムは300種類以上の酵素に作用する補酵素であり、筋肉の収縮、神経の興奮抑制、血管拡張による血圧降下、腸の蠕動運動の促進などの作用があります。マグネシウムは下剤の成分でもあって、多く摂りすぎると下痢を起こすことがあります。そのため、マグネシウムが多く含まれる食品の海藻(ひじき、わかめ)、アーモンド、ピーナッツ、大豆などから補給して、サプリメントの摂取は減らすようにします。
ミネラルウォーターの硬水はカルシウムとマグネシウムの含有量が多いものを指していますが、ヨーロッパの多くは水道水も硬水となっています。イギリスだけが例外的に軟水です。フランスなどで水道水を飲むと下痢を起こすと言われるのは、そのためです。腸の調子に合わせて、サプリメントとともにミネラルウォーターの内容にも注意をするべきです。
視覚情報処理が正常な状態ではないことから充分に学ぶことができない子どもにタブレットを活用する方法については前回触れましたが、そのことを周囲の子どもたちにも伝えておくことが必要です。見え方が違っているのが一人だけでという場合だけではなくて、見え方が違っている子どもが複数いても、それぞれ見え方は異なっているので、説明がないと理解されず、そのことが識字障害のある子どもに大きなプレッシャーを与えることにもなります。
視力が弱いために文字が見えにくい子どもには眼鏡が使われるのは普通のことですが、それと同じように最新のツールを使うことも普通のこととして捉えられるようにすることが重要と考えます。
このような方法を取り入れたとしても、まだ充分ではないこともあります。発達障害がある子どもの中には感覚過敏があり、その中の視覚過敏によって文字が読み取りにくい場合もあります。白い紙に書かれた黒い文字は、明暗が明らかで、読みやすいというのが一般の印象です。しかし、視覚過敏があると白い紙が、まるでLEDライトを後ろ側から当てられているように眩しく感じて、見えにくいという子どももいます。
どの程度の眩しさなのかは、それぞれの子どもによって大きな違いがあり、紙に書かれた文字を読もうとすることでさえ苦痛に感じるということもあります。それなのに何も工夫をすることなく文字を読むように強要することは、まるで拷問をされているような感覚にもさせてしまいかねません。
眩しさのために、紙に書かれた文字をすべて読むことができずに、1行がまるごと見えていないという例もあります。白い紙ではなく色がついた紙にすること、文字も黒ではなく違った色にすることで見えやすくなる例もあります。これもタブレットのソフトに使用で改善されることはあるものの、完全に改善されることは少ないことから、複数の対応が求められることもあります。
鬼を新型コロナウイルス感染症に例えた話を前回しましたが、コロナ禍で被害を受けている人に、追い討ちをかけるように経済的に立ち行かなくなるようなことをした人は、まさに「鬼の片棒」を担いだと非難されても仕方がないことです。
機能性がある食品を輸入して販売している会社が、国内シェアのトップとなり、販売価格の決定権も握って、営業社員を増やしてデパートなどで試食を繰り返して販売量を大きく伸ばし続けていました。配送センターも独自に立ち上げ、そこでも社員を増やして対応してきました。ところが、経営者が輸出元との関係がうまくいかなくなり、契約を打ち切られるだけでなく、輸出元が別の会社と販売契約を結びました。
そこで輸出先の国に製造・輸出会社を立ち上げ、同じ商品を輸入できるようにしました。これは国内で販売しているデパートなどが、これまでの付き合いから、その会社の商品の販売を継続してくれるとの期待があったからです。しかし、デパートなども消費者も信頼を寄せているのは、これまでのブランドであって、同じような原材料であっても、別の商品に切り替えることを望むのは厳しいことです。実際に、そのとおりの結果となり、デパートは別の会社から以前のブランドを購入して販売することとなりました。
ここで一気に回復するように動こうというタイミングで、新型コロナウイルス感染症の拡大が起こり、試食販売ができなくなりました。その食品は機能性が高くて、価格が非常に高く、味も独特であることから試食なしでは売りにくいものです。これまでは機能性の高さからメディアも記事や番組で取り上げてくれていたのですが、コロナ報道が盛んに行われた結果、メディアで見聞きする機会も減りました。また、食品のよさを海外旅行で経験して、それで国内で購入するということも海外に行けない時期が長く続いたことで、それも期待できなくなりました。
コロナ感染が大きなダメージを与えたといっても、もとは経営者の判断のせいであって、これまでは社員を大事にする会社というコンセプトで首切りはしてこなかったのですが、すべて新型コロナウイルス感染症という“鬼”のせいにして整理を始めました。これこそ「鬼の片棒」を担いだ所業で、このような例は、いたるところで見聞きしました。
すべてを鬼のせいにされたら、鬼が可哀想になるような結果です。
日本メディカルダイエット支援機構は特定非営利活動法人です。14年前に内閣府によって認証されました。特定非営利活動法人はNPO法人と略して呼ばれます。NPOはNon Profit Organizationの頭文字をとったもので、直訳すると利益を得ない団体ということになります。とはいえ、利益がなければ活動はできないのが世の常で、そのために特定非営利活動法人であっても収益活動をすることができます。
特定非営利活動法人の事業は営利活動と非営利活動に分類されているのですが、日本メディカルダイエット支援機構の場合には非営利の公益活動が100%となっています。これは法人名と関係があって、メディカルダイエットという名称を使うなら、その名称によって推奨されると勘違いが起こる可能性があるということで、内閣府によって公益活動だけに限られてしまいました。
公益活動100%なら、セミナーなどの講習は無料でやってもらえるのではないかということで、講師料なし、出しても交通費だけという依頼が来たりします。しかし、それは断っています。というのは、公益活動100%とされたときに、収益を得ても公益活動とされたのが教育と情報発信だったからです。
日本メディカルダイエット支援機構が特定非営利活動法人として活動して生き残ってくることができたのは、教育と情報発信を徹底して実施してきたからで、収益が得られない活動を受け入れてしまうと、自分たちの存在を否定することにもなりかねないからです。
とはいっても、そこは特定非営利活動法人なので、高い金額を請求することはできず、教育と情報を実施する相手も、公益団体かソーシャルビジネスを実施している企業に限らせてもらっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
ウォーキングは認知機能を改善する方法として実践されていますが、その効果を高めるために歩くことだけでなく、栄養との組み合わせ、休養との組み合わせによる方法を採用して健康ウォーキングとして実践しています。この組み合わせの手法は、メディカルダイエットの研究に基づいたもので、エネルギー代謝を高めるために始められたものです。
*ウォーキング×栄養
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖は、通常は膵臓からインスリンが分泌されることによって細胞にブドウ糖を取り込むGLUT4(グルコース輸送体)が細胞膜に移動します。インスリンの分泌以外では、負荷がかかる運動をしてAMPキナーゼという酵素が作用することでも移動して、ブドウ糖が取り込まれます。
認知機能を維持・向上させるためには、適度な量のブドウ糖を摂取して、早歩きやノルディックウォーキングなどの適度な負荷がかかるウォーキングをすることによって脳細胞にブドウ糖を効率よく届けることができます。AMPキナーゼによってブドウ糖の取り込みが盛んになるのは、すべての細胞でも起こっているので、ウォーキングを継続するためのエネルギーを全身で作り出すためにも有効となります。
*ウォーキング×休養
適度なウォーキングは筋肉の中の脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させて代謝が高まっていきますが、この後に体を休めることによって、運動をしていない30分間にも脂肪分解が進み、脂肪のエネルギー代謝が継続しています。
この運動の後の休養によって、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにすることができて、アクティブリラクゼーションとなることで、脳を活性化させることができます。
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
〔主な学習内容・活動〕
*前時までの学習(体の発育・発達、思春期の心と体の変化)について確認する。
〔指導上の留意点〕
*前時の学習を想起することによって、体の発育・発達や思春期の心と体の変化について再確認し、成長することへの期待をもつことができるようにする。
【体をよりよく成長させるために、大切なことを考えよう。】
〔主な学習内容・活動〕
*よりよく発育・発達するために必要なことを知る。
〔指導上の留意点〕
*第3学年の保健学習を想起させ、学習したことを提示することで、よりよく発育・発達するための生活の仕方を擬態的に考えられるようにする。
〔主な学習内容・活動〕
*学校給食の献立表から、さまざまな食品が使用されていることを考える。
〔指導上の留意点〕
*献立表や、たのしい食事つながり食育P16「元気な体に必要な食事」など、わかりやすい資料を提供し、さまざまな食品が使用されていることを見つけたり、彩りなども考えたりしながら、給食の献立の素晴らしさについて理解できるようにする。
コロナ後を考える連続コラムのテーマの「鬼の片棒」を見て、「鬼に金棒」の変換ミスでないかと思われるかもしれませんが、ちゃんと“鬼の”“片棒”と打ち込んでいます。「鬼に金棒」は素手でも最強の鬼は金棒を持ったら、もっと強くなって手に負えない状態になってしまうということで、優れた人にふさわしいものが加わると、一段と引き立つことを指しています。
今回はメインテーマの「鬼の片棒」ではなく、サブテーマの「鬼の金棒」から書き進めていきます。「鬼に金棒」はプラスの意味合いですが、「鬼の金棒」となるとマイナスにもなりかねません。鬼の金棒は、金棒そのものを指しています。鬼が持っていれば「鬼に金棒」ですが、持っていないときには「鬼の金棒」となります。金棒が置いてあっても、鬼がいなければ恐れることはないというのは普通の感覚であっても、その鬼が新型コロナウイルスであり、それに感染した人、つまり感染させていく人となると、鬼がいない、もしくは収束と思えるほどに感染者が減ってきたときにも、金棒を安心して見ていることができなくなります。
金棒とは何を指しているのかというと、新型コロナウイルス感染症のせいにして、これまでならできなかったような厳しい処置をすることで、その処置をした人を鬼だとしています。
「鬼の所業」という言い回しがあります。本来の使い方は「鬼畜の所業」ですが、人間らしさが感じられない振る舞い、人でなしと非難されるような行いのことです。
商売がうまくいかなくなり、それは社会的状況のせいというよりも経営者の判断であるのに、周りのせいにする人がいます。それでも事業を縮小する、社員を首切りする、会社を売却するということを決断したら、非難をされる、まさに「鬼の所業」と言われかねないはずです。ところが、コロナ禍は、すべての国民(といってもいいくらい)が我慢を強いられる状況になって、社会的意義がある企業を守らなければならないという理由(言い訳)で、これまでならできなかったことをバッサリと実行した例があり、その被害者はコロナ禍の苦労に加えて、収入がなくなるという最大級の困難に見舞われた、まさに「鬼の金棒」の所業の被害者を増やすことになりました。
具体的な話については、メインテーマの「鬼の片棒」として次回に続きます。





