文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは体育、保健体育の小学校の食に関連する内容を紹介します。
ア 目標
体育や保健の見方・考え方を働かせ、課題を見つけ、その解決に向けた学習過程を通して、心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)その特性に応じた各種の運動の行い方および身近な生活における健康・安全について理解するとともに、基本的な動きや技能を身に付けるようにする。
(2)運動や健康についての自己の課題を見つけ、その解決に向けて試行し、判断するとともに、他者に伝える力を養う。
(3)運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し、楽しく明るい生活を営む態度を養う。
イ 教科の特徴
体育科は、体育や保健の見方・考え方を働かせ、生涯にわたって運動やスポーツを豊かに実践するための資質や能力、健康で安全な生活を営む実践力およびたくましい心身を育てることよって、現在および将来とも楽しく明るい生活を営むための基礎づくりを目指す教科です。
特に、保健領域では、保健の見方・考え方を働かせ、健康・安全についての基礎的・基本的な内容を、グループ活動や実習などを取り入れながら、実践的に理解することを通して、自らの生活行動や身近な生活環境における課題を把握し、改善できる資質や能力を養うことが重要です。
体育科における食に関する指導については、健康に関わる食に関する基礎的な内容について実践的に理解させるとともに、健康的な生活習慣の形成に結びつくように配慮することが大切です。
投稿者「JMDS」のアーカイブ
苦しかったことや辛かったことも、その時期を過ぎてしまえば忘れてしまうことはよくあることで、コロナ禍で死ぬような思いをした人であっても、これからは前のようなことはないだろうと考えてしまうと、特段の対策をしないということで、今回は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という諺(ことわざ)をもじった「喉元過ぎれば暑さ寒さも彼岸まで」を用いてコロナ後を考えていきます。
元となっている「喉元過ぎれば熱さ忘れる」は、とても熱いものを口にしたときに、もう熱いものを食べるのはやめようと思っても、懲りずにまた同じことを繰り返すことだと一般には思われているようです。諺というのは深い教訓が含まれていて、ただ単に同じ過ちを繰り返す人のことを揶揄するものではないはずです。ひどく熱いものを口にして火傷しそうになったということではなくて、他人の前で吐き出すこともできない、かといって飲み込むこともできないという、熱さだけでない苦しい思いのことも指しています。
さらに深い意味もあって、こちらのほうが重要だと思うところですが、「苦しいときに他の人から受けた恩は、そのときにはありがたいと感じても、時が過ぎると、やがて忘れてしまい、ありがたいと思わなくなる」ということも指し示しています。
ただ忘れるだけならまだしも、恩を受けた人に対して、自分が苦しくなってくると「恩を仇で返す」ようなことをする人もいて、コロナ禍で苦しい思いをした人によく見られたことです。このようなことをする人を、このポストコロナのシリーズのコラムでは「オンをオフで返す」という言葉を使って表現させてもらいました。
「喉元過ぎれば暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、“彼岸”の意味がわかれば、なるほどなと理解してもらえるはずです。もちろん、春分と秋分の前後3日を合わせた各7日間の季節のことではなくて、あの世の極楽浄土のことです。
その本来の意味と、コロナ後のつながりについては次回に続きます。
腸内細菌の善玉菌は酸性環境で増殖しやすく、悪玉菌は酸性度が下がると増殖します。つまり、善玉菌が増えると腸内は善玉菌が増えやすく、悪玉菌が減りやすい環境になり、悪玉菌が増えると腸内は悪玉菌が増えやすく、善玉菌が減りやすい環境になります。腸内細菌の総数はほぼ決まっているため、善玉菌が増えた分だけ悪玉菌が減っていきます。腸内環境がよい状態では、腸内細菌は「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合となっています。悪玉菌が増えると日和見菌が悪玉菌の味方をするようになるということは、できるだけ善玉菌が増える環境を作ることが重要になります。
善玉菌も悪玉菌も活動と増殖のためには、それぞれに適した栄養源が必要になります。善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維で、食物繊維は胃では消化されず、小腸から吸収されない特徴がありますが、大腸では善玉菌によって分解されて栄養源とすることができます。また、乳製品に含まれる乳糖も善玉菌が好んで取り込んでいます。悪玉菌の主な栄養源となるのは動物性たんぱく質と脂肪です。肉が多く、調理に脂肪を多く使う洋食は悪玉菌を増やしやすく、食物繊維が多い和食は善玉菌を増やしやすいことがわかります。
ビフィズス菌や乳酸菌が含まれた乳製品を摂ることによって腸内まで届けることはできますが、外部から取り込んだものは大腸では1〜日ほどしか生き残ることができず、定着はしてくれません。これらの細菌は毎日、補うことが大切になります。有益な細菌を取り込むものはプロバイオティクスと呼ばれます。
腸内に棲息する善玉菌を増やすためには、栄養源となるものを摂ることが必要で、その役割をするものはプレバイオティクスと呼ばれますが、善玉菌の代表であるビフィズス菌に対するプレバイオティクスとなっているのはオリゴ糖です。オリゴ糖は2〜10個の単糖(ブドウ糖や果糖など)が結びついたもので、胃では分解されず、大腸で分解されてビフィズス菌の栄養源となります。
銅は約10種類の酵素の活性に必要で、さまざまな働きを生体内でしています。赤血球のヘモグロビンの合成に必要であることから貧血予防には欠かせません。抗酸化作用がある酵素の構成成分であることから活性酸素対策には欠かせないミネラルです。また、免疫細胞を産生する酵素の構成成分ともなっています。
1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。銅の女性の推奨量は年齢によって異なります。
〔女性:銅推奨量〕
1〜2歳:0.3mg、3〜5歳:0.4mg、6〜7歳:0.4mg、8〜9歳:0.5mg、10〜11歳:0.6mg、12〜14歳:0.8mg、15〜17歳:0.7mg、18〜29歳:0.7mg、30〜49歳:0.7mg、50〜64歳:0.7mg、65〜74歳:0.7mg、75歳以上:0.7mg。
銅の女性の許容上限量は年齢によって異なります。18歳未満では許容上限量が掲載されていませんが、多くの量を摂取してもよいというわけではありません。推奨量を参考にして適度な摂取が求められます。
〔女性:銅許容上限量〕
18〜29歳:7mg、30〜49歳:7mg、50〜64歳:7mg、65〜74歳:7mg、75歳以上:7mg。
推奨量、許容上限量ともに男女でほとんど差はありません。
銅の吸収率は摂取量によって大きく異なり、44〜67%とされています。
魚介類、肉類、豆類に多く含まれていますが、これらの食品が不足している人や運動をして貧血になりやすい人、活性酸素が多く発生する人は多く摂ることがすすめられます。
銅と亜鉛は拮抗作用があり、血液中に亜鉛が多くなると銅の吸収が抑制され、その逆に銅が多いと亜鉛の吸収が抑制されます。そのため食事内容に合わせて、摂りすぎないように注意しなければなりません。
識字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*形の似た文字を間違って読む(“め”と“ぬ”)
ひらがなの文字は形を認識して、その読み方と合わせて記憶として蓄積されていきます。形を正確に認識する機能が充分に働いていないと、細かな部分までの記憶ができず、似た形の文字が混同するようになります。“め”と“ぬ”のほかに、“わ”と“れ”、“ろ”と“る”、“ま”と“も”も混同しやすいひらがなです。また、“さ”と“ち”のように左右が逆転した形で記憶されることがあります。
*拗音(きゅ、しゅ)、促音(きって)が読みづらい
五十音のひらがなを一文字ずつ読むことができても、拗音や促音は2つの文字が組み合わされていて、五十音とは異なる規則性があることから、これが理解できないことがあります。読むことが苦手であると拗音と促音が見えただけで思考が止まる、読むのに時間を要することもあります。また、濁音の規則性がわからず、もしくはわかっていても言葉に出すまでに時間がかかるという例もしくなくありません。文字を理解して読むことができても、“お”と“を”、“わ”と“は”のように別の文字が同じ発音であることから混乱が起こり、見てから読むまでに時間がかかることも少なくありません。
*読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
文字を言葉として捉えるための変換に時間がかかると、読んだ文字や言葉の意味を理解するのに時間がかかります。文章の意味を理解するのは、文字の理解の積み重ねの上に成り立っているので、意味の理解が遅れるか、一部が理解できないということが起こります。
*早く読むと内容が理解できない
ひらがなの文字を読むことができても、言葉として読むのに時間がかかることが多く、一定の時間内で読むことが求められると脳の負荷が大きくなります。早く読むのは特に負荷がかかることから、読むことへの拒否感が強まることにもなります。
発達障害者の人材活用は、IT分野だけに限ったことではなく、将来的に人材不足となることが明らかな医療・福祉分野にも期待されています。厚生労働省の「厚生労働白書」(令和2年版)では、超高齢社会における社会の変容の中で働き場について触れられています。
推計の年は2040年(令和22年)で、そのときには高齢化率は35.3%(高齢者数3921万人)と推計されています。2020年が28.4%(3589万人)、30年前の1989年(平成元年)が12.1%(1489万人)と大きく増えていくことがわかります。
これだけの高齢者を支えるためには、そのための人材も増やしていく必要があり、1989年の医療・福祉の従事者は221万人(総就業者数の3.6%)だったのが30年で843万人(12.5%)に増え、そして20年後には1070万人(20%)にもなるとしています。初めの推計では海外の人材も確保して17.7%で抑えられる見込みも立てていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大で海外の人材を期待するのは難しくなり、国内の人材に頼るしかなくなったことで5人に1人が医療と福祉で働かないと超高齢社会を支えられないという実態が明らかになってきました。
この人材として期待を向けているのが発達障害者で、発達障害の人が働き手にならなければ将来の社会を支えられなくなるほど状況は逼迫しています。しかも、サブの仕事に甘んじているのではなく、発達障害の特性を他の人にはない優れた能力に変えていくことが可能となっています。
医療と福祉の世界で中心的に働くためには専門の資格が必要で、発達障害の人に、その位置取りで働くことを求めるのは大変なことだと認識されています。しかし、全就業者の20%も必要となると、資格者の仕事の周囲に新たな働き場が着実に増えていきます。現場仕事だけでなく、商品開発、商品流通、情報提供など、これらの周辺事業を的確に実施するためにはIT化が必要であり、その人材を担うことも期待されています。
医療・福祉分野のIT業務を担うことができる技能を身につける機会を設けるために、医療・福祉の事業分野との交流による視野や世界観を拡げるための知識取得と、IT技能の習得を可能とする教育の提供は、今後の新事業として重要度が増すものと認識されています。
令和3年3月30日の世界自閉症啓発デーに合わせて、民間シンクタンクの野村総合研究所が、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害を人材として活用できていないことによる経済損失が年間2兆3000億円になるとの推計を発表しました。
少子・高齢化が急速に進む我が国では、今後40年間で生産労働人口が約35%も減少すると推計されています。2020年の生産労働人口は7406万人ですが、これが2060年には4793万人にも減少するとみられています。成長市場であるIT業界では10年後の2030年でさえ、需要数約192万人に対して供給数は約133万人と、約79万人不足すると試算されています。
産業人材の確保のためには、現段階では充分に働けていない人材の活躍機会を生み出すことが重要で、その人材として発達障害の人が着目されています。野村総合研究所の約10万人を対象とした調査結果によると、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害の診断を受けた18〜65歳の生産労働人口は約140万人いると推計されています。
アメリカでは自閉症スペクトラム障害のある人を活用しないことによる年間経済損失は円換算で19兆〜21兆円、注意欠陥・多動性障害では11兆〜21兆円と推計されています。海外の大手企業では発達障害人材の職務適性に着目して、IT、金融、製造などの分野で高度IT専門職として採用・育成を積極的に進めています。
日本の1年間の経済損失は自閉症スペクトラム障害で1兆3000億円、注意欠陥・多動性障害で1兆円とされていて、少子・高齢化による生産労働人口が少ないことを考慮してもまだまだ少ない数値です。この発表では学習障害は調査対象となっていませんが、世界に先行して少子・高齢化が進む日本こそ、発達障害をポテンシャルのある多様な人材として切り開いていくことが強く求められていることが明らかにされた調査結果といえます。
その活躍の場は、会社内だけでなく、コロナ禍で拡大したサテライトや自宅でも実施できる内容も増えていて、モニター、PR、コンテンツ作成、企画提案などは今後も拡大していく業種とされています。この中から好きなこと、興味があることを学び、仕事にしていくことも可能となっています。
肉に含まれる脂肪酸は飽和脂肪酸が多いのに対して、魚に含まれる脂肪酸は不飽和脂肪酸が多くなっています。飽和脂肪酸は常温では固形で、血液中で多くなると固まりやすく、血流を低下させ、動脈硬化のリスクを高めます。不飽和脂肪酸は植物油や魚油に多く、常温では液状で、血液中は固まりにくく、多く摂ることで動脈硬化のリスクを抑えることができます。
動物の血液中で飽和脂肪酸は溶けた状態で流れています。それは動物の血液温度が高いからです。血液温度は羊が約44℃、鶏は約42℃、牛と豚は約40℃となっています。それに対して日本人の血液温度は37℃前後で、低い温度の血液に入ると飽和脂肪酸は固まりやすくなります。
欧米人や北方のアジア人などは血液温度が38℃ほどと高くなっています。そのため日本人には肌寒い季節でも欧米人などは半袖で出歩くことができます。スポーツの国際大会の開会式で、外のスタジアムで小雨が降ってくると欧米人の周りだけ湯気が立ち上っていることを見ることがあります。
その理由は歴史的に脂肪の摂取が多く、エネルギー代謝がよいからで、日本人に比べると飽和脂肪酸が固まりにくく、同じだけの脂肪を摂っても動脈硬化のリスクが低くなっています。
飽和脂肪酸の摂りすぎが動脈硬化のリスクを高めるのに対して、不飽和脂肪酸が多い魚は多く食べても問題がないように思われがちです。しかし、脂肪酸は種類が異なっても1gあたり約9kcalのエネルギー量があります(糖質もたんぱく質も約4kcal)。
余分に摂った脂肪酸は肝臓で中性脂肪やコレステロールに合成されるため、動脈硬化のリスクが高まります。魚だから多く食べてもよいというわけではないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
腕を大きく前後に振って、足を前に大きく踏み出すと勢いよく前進することができます。勢いよく歩いているときには、身体が左右にブレることが少なくなります。歩くことによって同じように筋肉を使っていても、左右にブレると、その分だけ前進するためのエネルギーが余分なところに使われてしまいます。
前進するために筋肉を効果的に使うには、スピード感を持って、かかとから着地して、足裏を徐々に地面につけていって、最後は指を使って蹴り出すという動きが必要です。しかし、長年、ゆっくりと歩き、左右に力が逃げている歩き方を続けてきた人に、前進するための筋肉の使い方を説明しても、そのとおりにやってくれる人は少ないはずです。
では、どのようにして勢いよく前進する筋肉の使い方を身につけさせるかというと、前傾姿勢を保って、グイグイと進むことを体感させることで、そのために使われるのが2本のポールです。2本のポールを使った歩き方は、ノルディックスタイルのウォーキングで、前方にポールを突くディフェンシブスタイルは一般にはポールウォーキング、後方にポールを突くアグレッシブスタイルは一般にはノルディックウォーキングと呼ばれています。
どちらのスタイルでもポールの支えによって前進の推進力は高まります。もちろんアグレッシブスタイルのほうが勢いよく前進できるのですが、スポーツ感覚のウォーキングでなくてもポールの支えがあれば、正しい歩行姿勢を保って、前進するための筋肉を効率よく使うことができます。
左右にブレない歩き方が身についてきたら、これをポールなしでも同じように歩くことができるように、かかと着地、指先での蹴り出しを意識した歩き方を行います。これを続けることによって、足腰の筋肉を効率よく使って、筋肉によるエネルギー代謝を高めていくことができるようにすることができます。
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
(エ)他教科などとの関連
*「食事の役割と中学生の栄養の特徴」や「中学生に必要な栄養を満たす食事」の学習では、特別活動における学級活動(2)オ「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成」の学習や理科[第2分野]「生物の体のつくりと働き」や保健体育[保健分野]「健康な生活と疾病も予防」の学習と関連を図ると効果的です。
エ 栄養教諭の関わり方
*給食に用いられている食品、献立の工夫、給食ができるまでの過程、生徒の給食の摂取状況および課題などについて説明したり、食品を実際に見せたりすることにより、生徒の日常食や地域の食材への関心を高めたり、中学生の時期の健康と食事との関わりについての理解を一層深めたりします。
*給食の献立を取り上げながら、中学生の時期の栄養や食品の組み合わせ、日常食としてふさわしい料理について説明したり、1日分の献立作成の方法や、作成した献立に具体的なアドバイスを行ったりします。また、生徒の作成した献立を、給食の献立の中に組み込むことなどにより、生徒の献立作成への意欲や関心を一層高めます。
*給食における食中毒予防のための衛生管理の取り組みや工夫について知らせ、調理実習で使用する食材や用具、食器の安全で衛生的な取り組みについての理解を一層深めます。また、食物アレルギーを有する生徒がいる場合は、材料にアレルギーの原因となる物質を含む食品がないかなどを確認し、事故の防止に努めるようにします。





