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「はらわたが煮え繰り返る」という表現は、メディアでも日常的な会話の中でも、よく耳にすることです。はらわたを漢字にすると、腹わたと書くこともあるのですが、正式の漢字は「腸」です。

他にも臓、腑と書くこともありますが、はらわたは腹のわた(曲)の意味で、わたは曲がりくねったところを指します。そこから転じて曲がりくねった腸を指すようになり、さらに内臓の総称とされるようになりました。

こう考えると、体内にある内臓が煮え繰り返るというのは、よほどの刺激があったということだろうと想像することがあるかもしれませんが、「はらわたが煮え繰り返る」というのは間違った表現(誤用)です。

正しくは「腹が煮え繰り返る」で、我慢できないほど激しい怒りや憤りを感じている状態を表しています。

腹を腸と読み間違い(書き間違い)して、腸は“はらわた”と読むことから、間違った使い方をしたのが今に伝わっていると説明している辞書もあります。さらに辞書の中には、腹が煮え繰り返る、を誤用だとしているものもあります。

この場合の辞書は紙の辞書を指していますが、ネット検索では「腹が煮え繰り返る」と打ち込んで変換すると正しい表現として「はらわたが煮え繰り返る」が出てくることもあって、ますます混乱に拍車をかけています。

そのうちデジタルの世界では「はらわたが煮え繰り返る」が正しい表現で、「腹が煮え繰り返る」が誤用とされるのではないかとの不安も湧き上がってきます。

ちなみに「はらわたが煮え繰り返る」も「腹が煮え繰り返る」も、同じ意味(我慢できないほど激しい怒りや憤りを感じている状態)が出てきます。もちろん表現は、それぞれ少しずつ違っているところがあるのですが、概説としては同じです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から生活習慣病等の発症予防の「生活習慣病及びフレイルとの関連」の目標量の策定方法を紹介します。

〔目標量の策定方法〕
*成人・高齢者・小児(目標量)
推奨量と目標量のそれぞれの定義から考えて、そのいずれか一方を満たすのではなく、推奨量を満たした上で、主な生活習慣病やフレイルの発症予防を目的とする目標量を満たさなければなりません。

1歳から64歳の年齢区分(非妊婦・非授乳婦)において、性・年齢区分・身体活動レベル「低い」の推定エネルギー必要量(kcal/日)を用いて、たんぱく質の推奨量(g/日)を%エネルギーで表現すると、19〜29歳女性と50〜64歳女性の値は、11.8%エネルギーと最も高い値となります。

65歳以上の男女については、その性・年齢区分・身体活動レベル「低い」の推定エネルギー必要量(kcal/日)を用いて、たんぱく質の推奨量(g/日)を%エネルギーで表現すると、11.4〜13.8%エネルギーとなります。

ただし、高齢者においては特にフレイルとサルコペニアの発症予防も考慮した値であることが望まれます。

65歳以上の男女については、その性・年齢区分・身体活動レベル「低い」の推定エネルギー必要量(kcal/日)を用いて、フレイルとサルコペニアの発症を予防する可能性があるたんぱく質量(1.2g/kg 体重/日)を%エネルギーで表現すると、14.9〜16.6%エネルギーとなります。

以上より、目標量(下限)は、1歳から49歳(男女共通、非妊婦・非授乳婦)では、13%エネルギー、65歳以上(男女共通)で15%エネルギーとしました。

なお、50〜64歳(男女共通、非妊婦・非授乳婦)では、1歳から49歳までと65歳以上の値の間をとって、14%エネルギーとしました。

目標量(上限)は、耐容上限量を考慮すべきです。たんぱく質には耐容上限量は設定されていませんが、20〜23%エネルギー前後のたんぱく質摂取については、成人においては各種代謝変化に、高齢者においては腎機能に好ましくない影響を及ぼす可能性が考えられることから、検証すべき課題として残されていることがスシテマティック・レビューによって結論づけられています。

以上より、十分な科学的根拠はまだ得られていないものの、目標量(上限)は1歳以上の全年齢区分において20%エネルギーとすることとしました。

なお、特定の疾患の管理を目的としたたんぱく質摂取量の制限や多量摂取が必要な場合は目標量ではなく、そちらを優先すべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から生活習慣病等の発症予防の「生活習慣病及びフレイルとの関連」の続きの後半を紹介します。

〔生活習慣病及びフレイルとの関連〕
たんぱく質が直接的に大きく影響するとともに、サルコペニアの診断基準項目の1つである筋量に着目した、70歳以上の高齢者男性を対象にした10週間の無作為化比例試験では、たんぱく質推奨量(0.8g/kg 体重/日)を摂取する群では四肢筋量が減少した一方で、推奨量の2倍量(1.6g/kg 体重/日)を摂取する群では、四肢筋量が維持されたことが報告されています。

また、過体重または肥満の高齢者を対象に実施した無作為比較試験では、通常たんぱく質摂取群(0.8g/kg 体重/日)と高たんぱく質摂取群(1.4g/kg 体重/日)の両者ともに体重が減少した中で、高たんぱく質摂取群のほうが四肢筋量の減少量が少なかったことが報告されています。

これらを踏まえると、現段階ではたんぱく質摂取量とフレイルおよびサルコペニアの罹患率や、それらの判定に含まれる項目を評価した研究の質・量ともに十分ではないため、フレイルおよびサルコペニアの発症予防を目的とした望ましいたんぱく質摂取量を策定することは難しいものの、少なくとも高齢者においては、推奨量の値よりも多めに摂取するほうが(1.2g/kg 体重/日以上)、フレイルおよびサルコペニア発症を予防できる可能性があると考えられます。

なお、若年成人を対象にエネルギー摂取量を増やした上で、たんぱく質摂取量の違いが除脂肪量の変動に及ぼす影響を検討した無作為化比較試験においても、0.68g/kg 体重/日のたんぱく質を含む食事を摂取している群は除脂肪量が減少した一方で、1.8g/kg 体重/日のたんぱく質を含む食事を摂取している群は除脂肪量が増加したことを報告しており、若年成人においても筋量を維持するためには推奨量以上のたんぱく質を摂取することが望ましいと考えられます。

しかしながら、通常の食事の摂取範囲を逸脱した研究デザインや、付加したたんぱく質量は明らかなものの、通常の食事を含めたたんぱく質の総摂取量が明らかでない介入研究が多く受け取られたことから、それらを食事摂取基準の策定根拠として用いることが困難でした。

今後、通常の食事からのたんぱく質摂取量がフレイルやサルコペニアの罹患率に与える影響を明らかにする介入研究の実施が課題です。

このほか、多量のたんぱく質摂取が2型糖尿病の発症リスクとなる可能性がアンブレラレビューによって報告されているものの、2型糖尿病の発症リスクとなり得るたんぱく質摂取量についての結論は得られていません。

また、たんぱく質摂取量と血圧の関連についてのレビューでは、各報告の結果が一貫していないため、十分な結論を出すことは難しいとされています。

さらに、たんぱく質摂取量と骨密度の関連についてのレビューにおいても、研究の成果は一貫していないため、十分な結論を出すことは難しいことが報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康づくりのために身体の状況を知っておくためには、健康診断で実施される血液検査や身体測定などがあげられますが、健康デザイン活動では身体年齢測定を健康づくりの基本としています。

それは心身の機能低下や疾病は年齢との関わりが大きく、「疾病の最大のリスクは加齢」との考えがあるからです。

身体に負荷がかかることをしていても年齢が若いときには問題なく過ごすことができるのは、対応力があるからです。回復力も免疫力も高く、心身のトラブルがあっても無理なく回復する能力が備わっています。

日本人は世界一の長寿国(男女平均)ですが、日本人の平均寿命が50歳を超えたのは1947年(昭和22年)のことです。そのときから78年が経過して、平均寿命(2025年)は男性が81.09歳、女性が87.13歳になったことは日本人の健康度の高さを示す一つの裏付けデータになっています。

考え方を変えると、日本人は急激に寿命が延びたことで、対応力が追いついていなくて、それが健康寿命(医療や介護に頼りきりにならず自由に動ける期間)との差が男性が約9年、女性が約12年という結果にもなっています。

そのようなことから把握して対応すべきは、実年齢(暦年齢)ではなく、身体年齢ということになります。身体年齢測定は現状の身体の年齢を知ることができるだけでなく、身体年齢を改善するため、つまり実年齢との差を短くするために、よりも若くするためにすべきことが明らかになります。

自分の工夫と努力によって身体年齢を若くすることができるので、これは疾病のリスクを低く抑えて、本当の意味での健康寿命を延伸させることにつながっていくということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「パイナップルの日」ドールが、パ(8)イ(1)ナ(7)ップルの語呂合わせで制定。

毎月17日:「減塩の日」(日本高血圧学会)、「いなりの日」(みすずコーポレーション)、「国産なす消費拡大の日」(冬春なす主産県協議会)、「森のたまごの日」(イセ食品)

「甲州の“ず”言葉」と呼ばれる独特の方言があります。

山梨の「ず弁」とも呼ばれていて、語尾に「ず」や「ずら」をつけるのは国中弁です。

国中弁の「ず」は「〜しよう」の意味があり、行くことは「行かず」となります。「ずら」は「〜でしょう」の意味で、「いい天気ずら」といった使われ方をします。

国中というのは山梨県の中・西部で、笹子峠より西側の甲府盆地が広がるのが国中地方、東側の急峻な山林が多い郡内地方と一般には分けられています。

郡内弁では「だんべ」や「べ」が語尾につけられます。

今回の話は、現地の方ではなくて、他の地域からきた人の戸惑いのもとになる「ず」のことで、このことを教えてくれたのは横浜出身で、山梨の国立病院の栄養部門のトップで、赴任したばかりのときに経験したことがベースとなっています。

以前にも触れたことがある「酒のまず」は「酒を飲むな」ではなくて、「酒を飲みましょう」という宴席などで飲酒をすすめるときに出る言葉です。

道を尋ねたときに「右いかず、左いかず、真っ直ぐいかず」と言われたら、どう行けばいいのかわからなくなる人もいるでしょうが、これは道を右に曲がって、次に左に曲がって、その後は真っ直ぐに行く」という親切な道案内です。

このことは半分笑い話として伝えられているところもあるのですが、実際に山梨県を巡ったときに、似たような経験をしました。言葉のニュアンスがわかれば、笑い話で済ますことができる、とも感じたものです。

ところが、他の地域では、約束をした日の認識が地元の人と違っているという切実な間違いが起こることもあります。

それは三重県の伊勢志摩がよく例として出されるのですが、岐阜県の飛騨のほか愛知県や富山県の一部などでも使われる、ややこしい地域表現です。

それは「ささって」の存在です。この地域の方との約束をするときには実際の日にちを確認することが必要になってきます。

今日の次の日は「あした」、2日後は「あさって」、3日後は「しあさって」というのが一般的な認識です。しかし、前出の地域では「あさって」と「しあさって」の間に「ささって」が入ります。

つまり、3日後が「ささって」、4日後が「しあさって」となります。漢字では、あさっては明後日、ささっては再明後日となります。しあさっては一般的には明々後日と書きますが、ささってを使う地域の場合には、ささっての次の「しあさって」は「四明後日」となります。

このような地方ルールがわかっていれば、約束の日を間違えることもなくなり、日にちで確認するようにするのですが、今、知っている地域以外でも「ささって」が使われている可能性もあります。

ひょっとすると他の表現があるかもしれないので、いつも会う日を約束するときにはドキドキしてしまいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害は本当に障害なのかという議論があります。脳の発達の特徴から凹凸があり、凹の部分が学習障害の原因となっている場合には、欠けている部分を補うことで改善することができます。

医療の介入ではなしに、自らの努力で欠けている部分を埋めることができるなら、これは障害でもなく、病気でもなかったと考えることができます。

発達障害、学習障害という診断名がつけられたからといって諦めることはありません。ここで例に出すのは病名がつけられている糖尿病です。“病”という文字がついているので、これは病気だと認識されがちです。

健康と病気の間を“未病”として捉える考え方があります。

これは日本未病学会によって定義されていることで、検査数値が上昇して薬を使わなければ血糖値が下がらない状態であっても、自分の努力、つまり食事、運動を続けることで合併症(網膜症、腎症、神経障害)が発症しなければ、糖尿病でなかったのと同じように一生涯を過ごすことができます。

糖尿病で使われる血糖値を下げる医薬品は、それだけでは効果が弱く、食事療法、運動療法を続けたうえで使用することが前提条件となっています。自分の努力で元の状態に戻ることができるのが未病状態で、合併症が出てしまったら自分の力では元には戻れなくなるので、これが病気の段階という考え方をしています。

発達障害を障害としているのは、その障害を自分では超えられないような環境が原因となっています。身体障害の場合には、車椅子で2階に行きたくても階段しかない、サポートしてくれる人もいないという環境こそが障害です。

学習障害の場合は凹を埋めるための支援ツールがあって、これを使えば学習障害がないのと同じように学べる、同じとはいかなくても目標を達成するだけの学力を身につけることができれば学習にとっての障害とはならないとの考え方をしています。

学校教育の中で定められた合格ラインでは、残念ながらクリアできなかったとしても、サポートツールを使うことによって他に負けない知識、知恵、子どものときには実感できないかもしれないような人脈を得ることができたら、これは障害ではなく、その子どもの特徴にしていくこともできるということです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕

健康食品は1種類の素材だけでなくて、複数の素材を組み合わせるのが一般的ですが、それに対して医薬品は1つの種類には1つの成分しか使われていないのが原則です。複数の働きが必要な場合には、複数の医薬品が使われます。

それぞれの医薬品の成分はターゲットとなる臓器や器官などが定められています。例えば肝臓の機能を高める医薬品の効き目を高めようとしたら、肝臓そのものが元気な状態であることが求められることから、肝臓によいとされる健康食品を同時に摂ろうとする人が少なからずいます。

医薬品は肝臓で分解されて、分解されずに残ったものが体内で使われるようになっています。そのために医薬品は肝臓に負担をかけています。

健康食品の成分なら安心できるように思われがちですが、肝機能を高める健康食品の中には医薬品的な成分もあり、中にはウコン(鬱金)のような東洋医学の医薬品として使われているものもあります。そのために、かえって肝臓に負担をかけるものも存在しています。

肝臓に負担をかけずに、全身の細胞の働きを高める成分としては代謝促進成分のL‐カルニチンがあげられています。L‐カルニチンは細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な成分で、脂肪酸と結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過させています。

生命維持には欠かせない成分であることから、必須アミノ酸のリシンとメチオニンから肝臓で合成されているのですが、合成のピークは20歳代前半で、それを過ぎると合成量が減っていきます。その結果としてミトコンドリアへの取り込みが減り、ミトコンドリア内のエネルギー代謝が低下していくことになります。

全身の細胞の働きを高めて、医薬品成分が効きやすくする成分としてL‐カルニチンは注目されています。

L‐カルニチンが、もともとは医薬品の成分であったということを聞くと、複数の医薬品成分が重なることによって起こる副作用が心配されることもあります。

その心配は体内で合成されない成分によって起こることであって、L‐カルニチンのように体内で合成される成分については副作用が起こらない成分として認識されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

健康デザインでは、健康を維持するために食事と運動の中から適したものを選択して、組み合わせることを基本としています。これに休養(入浴、睡眠など)を加えていますが、運動も有酸素運動と無酸素運動では目的も効果も違っているので、2種類の運動が必要な人もいます。

運動のパーツが決まったら、有酸素運動に必要な栄養素、無酸素運動に必要な栄養素を示します。有酸素運動だけでよい人と無酸素運動も組み合わせたほうがよい人がいるので、摂るべきものも違ってくるのは当然のことです。

前回は糖尿病を例にして糖質と脂質の両方の摂取が血糖値に影響することを紹介しましたが、今回も糖尿病を例にして組み合わせの必要性について説明をしていきます。その組み合わせるものは食事と運動です。

糖尿病と診断されると、初めに指示されるのは食事療法で、糖質だけでなく脂質もたんぱく質も摂取量を調整して、全体的なエネルギー源の摂取量を減らすことが指示されます。この方法だけで血糖値が充分に下がらない場合には、食事療法も続けながら運動療法が実施されます。

血糖値を下げるのならブドウ糖が主に代謝される無酸素運動でもよいことになりますが、糖尿病はエネルギー摂取が全体的に多いことが原因であることから、脂肪酸を主に代謝する有酸素運動も必要になってきます。

それでも血糖値が下がらない場合に、初めて医薬品(血糖降下剤)が使われるのが原則で、それは糖尿病治療のガイドラインにも書かれていることです。

ところが、食事療法も運動療法も指導することなく、いきなり医薬品を処方する医師も少なくありません。

このことからわかるのは、糖尿病に限らず、さまざまな健康づくりには食事も運動も必要で、その組み合わせによって他に実施すべきことが明らかになってくるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

毎月16日:「十六茶の日」(アサヒ飲料)、「トロの日」(カッパ・クリエイト)