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文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは理科の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
〔各学年の食に関連する内容〕
【第2分野】
(ア)食に関連する内容
(3) 生物の体のつくりと働き
生物の体のつくりと働きについての観察、実験などを通して、次の事項を身に付けることができるように指導する。
ア 生物の体のつくりと働きとの関係に着目しながら、次のことを理解するとともに、それらの観察、実験などに関する技能を身に付けること。
*生物と細胞
生物の組織などの観察を行い、生物の体が細胞からできていること、および植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだして理解するとともに、観察器具の操作、観察記録の仕方などの技能を身に付けること。
(ウ)動物の体のつくりと働き
*生命を維持する働き
消化や呼吸についての観察、実験などを行い、動物の体が必要な物質を取り入れ、運搬している仕組みを観察、実験の結果などと関連づけて理解すること。また、不要となった物質を排出する仕組みがあることについて理解すること。
*刺激と反応
動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い、その仕組みを感覚器官、神経系および動物器官のつくりと関連づけて理解すること。
イ 身近な植物や動物の体のつくりと働きについて、見通しをもって解決する方法を立案して観察、実験などを行い、その結果を分析して解決し、生物の体のつくりと働きについての規則性や関係性を見いだして表現すること。

大樹の陰に寄ったために、それも他の方法を実施する中で、他の選択として大樹の陰にも頼ってみたということではなくて、初めから頼っていたために活動ができなくなった例として前回、歩育について紹介しました。歩くことによって健康機能を高めることがよくないと言っているわけではなくて、普及する場を大きなウォーキング大会に頼ったばかりに、新型コロナウイルスの感染拡大のためにウォーキング大会が相次いで中止となってしまったことを言っているだけです。
ウォーキングを推進する団体は複数あって、1日に1万歩を目指す団体もあれば、美しい歩き方を追求する団体もあります。数あるウォーキングの中でも、全国的な組織というと一般社団法人日本ウオーキング協会があげられます。発祥は前回の東京オリンピックの1964年に始まった歩け歩け運動で、これだけの歴史を積み重ねてきたのは地球1周分に相当する4万kmを歩くことを目標として表彰制度を設けているからです。
毎日の歩行距離は地図でも確認することができるし、今では歩数計で歩幅から推定の距離も割り出すこともできます。しかし、日本ウオーキング協会の掲げる4万kmは、全国で開催される日本ウオーキング協会主管のウオーキング大会の公式コースを完歩した人だけがカウントしてもらうことができます。ウオーキング大会に参加しないことには認められないのです。
各地のウオーキング大会は都道府県のウオーキング協会によって実施サポートされています。各大会では完歩証明書が発行され、4万kmを目指して歩く人にはパスポートに認定スタンプが押印されます。パスポート発行と押印は有料で、これが日本ウオーキング協会の収益の一部になっています。押印は各都道府県協会に任されるのではなくて、日本ウオーキング協会の職員が各大会に出向いてきています。つまり、集金をしに来ているわけです。
これは運営方式としては、継続性を考えたらよい方法ではあったのですが、ウオーキング大会の主催者は自治体で、コロナ禍で多くの人が集って流れていく、まさに人流そのもののイベントは、自治体の判断で実施されなくなり、そこに頼っていたことは何もできなくなってしまったということです。

広く健康に関わる記念日について紹介します。
9月14日 ニュージーランド産のキウイを輸入販売するゼスプリがグリーンキウイフルーツを感謝と健康を気づかう気持ちを込めて贈る日として「グリーンデー」と制定。ホイッスル三好(東京都杉並区)がスーラータンメンの生みの親の三好比呂己代表の母親の三好コト子の誕生日にちなんで「揚州商人スーラータンメンの日」と制定。ホワイトデー(3月14日)から半年後は「コスモスの日」で、愛情、真心、調和などの花言葉のコスモスの花を添えたプレゼントをお互いに贈る日。
9月15日 日本ひじき協議会が旧敬老の日を「ひじきの日」と制定。敬老の日は9月20日になったが、健康で長生きを願って、ひじきを食べてもらう日としてPRイベントを実施。フジパンが1975年9月15日に食パンのミミを落として中身をはさんで圧縮したスナックサンドを初めて販売したことにちなんで「スナックサンドの日」と制定。石狩鍋復活プロジェクトあき味の会が石狩で鮭が捕れる時期で、く(9)い(1)ご(5)ろの語呂合わせで「石狩鍋記念日」と制定。日本アクティブコミュニティ協会がレク(09)リエーションかいご(15)しの語呂合わせで「レクリエーション介護士の日」と制定。
9月16日 ブラジルに移住した日本移民がアサイーの栽培に尽力したことから、日本移民が到着した1929年9月16日にちなんで「アサイーの日」と制定。十勝スロウフード(北海道清水町)が牛(9)とろ(16)の語呂合わせで「牛とろの日」と制定。毎月16日は「十六茶の日」(アサヒ飲料)、「トロの日」(カッパ・クリエイト)。
9月17日 イタリア語で料理を意味するクチーナを917と書き換えて、「イタリア料理の日」と日本イタリア料理協会が制定。毎月17日は「減塩の日」(日本高血圧学会)、「いなりの日」(みすずコーポレーション)。
9月18日 日本かいわれ協会が、かいわれ大根のPRを始めた9月と、1と8を組み合わせるとかいわれ大根の姿に似ていることから「かいわれ大根の日」と制定。毎月18日は「防犯の日」(セコム)。
9月19日 積水ハウスが育児休業を促進するために育児(19)と休(9)の語呂合わせで「育休の日」と制定。JAあいち経済連が、いちじくの出回り時期(7〜10月)で、いち(1)じく(9)の語呂合わせで「愛知のいちじくの日」と制定。毎月19日は「いいきゅうりの日」(いいきゅうりの日プロジェクト)、「クレープの日」(モンテール)、「シュークリームの日」(モンテール)、「松坂牛の日」(やまとダイニング)、「熟カレーの日」(江崎グリコ)。
9月20日 子どもの育成啓発デー実行委員会が国際組織の設立された2013年9月20日にちなんで「子どもの育成啓発デー」と制定。日本心・血管病予防会が敬老の日の前日を「心・血管病予防デー」と制定。毎味水産(愛知県西尾市)が敬老の日は海老を食べる日として「海老の日」と制定。毎月20日は「発芽野菜の日」(村上農園)、「シチューライスの日」(ハウス食品)。

軟骨の再生までには期間がかかることから、鎮痛成分で痛みを軽減させ、効果が現れるまでの期間をサポートするのが鎮痛作用のある成分です。摂取タイミングですが、水溶性の性質であるので、食事の後でも空腹時でも吸収されます。
鎮痛作用のある素材としては、MSM、キャッツクロー、デビルズクローがあげられます。
MSMはメチルスルフォニルメタン(Methyl Sulfonyl Methane)の略で、関節、皮膚、筋肉、髪、爪などに含まれるアミノ酸の生成に必要不可欠な有機硫黄化合物です。アメリカでは関節痛の改善にサプリメントとして使用され、日本では2001年に食品として許可されました。変形性膝関節症などの痛みの軽減のほか、血管を拡張し、血液凝固を抑えるとともに痛みと炎症を抑える作用があります。コラーゲンの生成を補助することから美容サプリメントとしても利用されています。また、粘膜を強化することから粘膜の炎症や花粉症の改善作用があります。
キャッツクローはペルーに自生するカギカズラ科のツル性1年草で、葉の付け根に猫の爪のようなトゲがあり、その形状から名づけられました。ペルーの先住民のインディオだけでなく、インカ帝国の時代から神経痛、腰痛、関節痛、リウマチなどの伝承薬として使われてきました。根に含まれるアルカロイドには痛みを軽減させるとともに、白血球の作用を活性化させ、免疫を高める作用があります。また、血管を拡張して血圧を下げる作用や抗酸化作用も認められています。
デビルズクローはアフリカの砂漠に自生するゴマ科の多年草で、根がハーブとサプリメントに使われます。堅い2本のトゲがあり、悪魔の爪を連想させることから名づけられました。特有成分のハーバゴサイドには抗炎症作用、鎮痛作用があり、変形性膝関節症やリウマチなどの膝関節痛の改善に主に使われています。また、血圧低下、血糖値低下、胃酸分泌などの作用があります。

記念日を決定するパターンとして語呂合わせがあります。新たな記念日を考えるときの参考資料として、8月の語呂合わせ記念日(2回目)を紹介します。
8月5日 江崎グリコがパピ(8)コ(5)の語呂合わせで「パピコの日」と制定。関西鶏卵流通協議会が親子(085)の語呂合わせで「親子丼の日」と制定。カンショクが、やっ(8)こ(5)の語呂合わせで「奴(やっこ)の日」と制定。マルコメが発酵(85)の語呂合わせで「発酵の日」と制定。フライスターがパン(8)粉(5)の語呂合わせで「パン粉の日」と制定。小田急レストランシステムが箱根そばが箱そばと略して呼ばれることから箱(85)の語呂合わせで「箱そばの日」と制定。新潮社が山で食べる山(8)ごはん(5)の語呂合わせで「山ごはんの日」と制定。
8月7日 日本耳鼻咽喉科学会が鼻(87)の語呂合わせで「鼻の日」と制定。日本バナナ輸入組合がバ(8)ナナ(7)の語呂合わせで「バナナの日」と制定。はなまるが、は(8)な(7)の語呂合わせで「はなまるうどんの日」と制定。
8月8日 ニチレイフーズがパラ(8)パラ(8)の語呂合わせで「チャーハンの日」と制定。味のちぬやが、たこの足が8本で焼(8)の語呂合わせで「たこ焼の日」と制定。東洋水産が○を重ねると8になり、焼(8)きそばの語呂合わせで「マルちゃん焼きそばの日」と制定。ヤクルトヘルスフーズが青汁の材料の葉っぱ(88)の語呂合わせで「葉っぱの日」と制定。千草が洋食のハヤシライスのハ(8)ヤ(8)の語呂合わせで「洋食の日」と制定。
8月9日 味のちぬやがハ(8)ンバーグ(9)の語呂合わせで「ハンバーグの日」と制定。全日本鍼灸マッサージ師会が、はり(8)きゅう(9)の語呂合わせで「はり(鍼)・きゅう(灸)・マッサージの日」と制定。
8月10日 バナナの神様がバナナ(8)ジュー(10)スの語呂合わせで「バナナの神様・バナナジュースの日」と制定。豊島屋が鳩サブレーをきっかけに平和の象徴の鳩を知ってもらい鳩への敬愛の気持ちを深めることを目的に、は(8)と(10)の語呂合わせで「鳩の日」と制定。レバレッジがパ(8)ーソナルト(10)レーナーの語呂合わせで「パーソナルトレーナーの日」と制定。カルビーが、や(8)められないと(10)まらないの語呂合わせで「かっぱえびせんの日」と制定。日本ハムがパ(8)リッと(10)した歯ごたえの語呂合わせで「シャウエッセンの日」と制定。サントリースピリッツがハ(8)イ(1)ボール(0)の語呂合わせで「ハイボールの日」と制定。太陽食品が、は(8)と(10)むぎの語呂合わせで「はとむぎの日」と制定。鮒忠が焼(8)き鳥(10)の語呂合わせで「焼き鳥の日」と制定。

発達性協調運動障害の改善のための運動を取り入れるときには、ボールや一緒に参加する人たち、身の周りの設備などを認識して身体を動かすために最も重視されるのは視覚です。五感を通じて取り入れる情報のうち視覚からの情報は80〜90%を占めているとされます。具体的には83%という研究成果から87%という研究成果もあるのですが、視覚が87.0%という結果の場合では聴覚7.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%となっていたと報告がされています。
それほど重要な視覚からの情報ですが、運動をするときや日常の生活の中での活動では視覚だけに頼るのではなく、聴覚と触覚も使っています。目で見た感覚に耳から聞こえる感覚が加わって、より情報を的確に取り入れることができるようになります。そして、器具や道具に触れた情報を取り入れて、どのように身体を動かすのかを瞬時に判断して、最も安全な方法、最も的確な動きをするように脳から各部位を動かすための情報が発信されます。
キャッチボールでボールを受ける場合には、視覚によってボールの現在の位置と動いていくコース、速度を捉えて手を出すことが重要になります。受けるだけなら、これだけの動きで済みますが、ボールを投げるときには、受け取ったボールを反対側の手で握るように腕と指を動かし、大きさと重さ、表面の性状を手で感じて、それに合わせて、しっかりとつかんで手先や腕だけでなく全身を使って投球することになります。
運動神経が悪いと言われる人は、入手した情報を解析して、それに応じて身体を動かすことが苦手ですが、発達性協調運動障害がある人は視覚に頼りすぎるところがあって、聴覚や触覚を活かせないことから、動きにぎごちなさが現れ、不器用な動きになりがちです。
視覚に頼りすぎた行動は、明るいときにはよくても、薄暗くなってくると視覚からの情報が大きく減るために、急に触覚や聴覚に頼ることになります。普段から使っていない感覚を急に使おうとしても、うまくいかずに平衡感覚が保てず、それが不器用さで済まずに、簡単なはずの動きができない、転ぶ、階段の上り下りができないということにもなります。

コロナ後を踏まえた今回のテーマの「寄るな大樹の陰」は、「寄らば大樹の陰」をもじった言葉です。陰には日陰や物陰といった意味があり、大樹の陰に隠れると姿が見えなくなるので安全であり、風雨をしのぐことができます。それと同じことで、大きな組織や力がある人のそばにいると安泰でいられるということを指しています。“寄らば”というのは、寄るならばという意味で、もしも寄りかかるとすれば大樹の陰がよいということで、何も大樹に頼れと言っているわけではないのです。
頼る相手を選ぶことは大切ではあるのですが、実際には選ぶことなく、いきなり大樹に頼って進めようとするのは、よくあることです。これまでなら、それでもよかったのかもしれませんが、新型コロナウイルス感染のような厳しい社会になると、大樹が倒れてしまうことにもなりかねません。寄れば必ずよいことがあるというのではなく、いつまでもよいことは続かないとの危機意識を持って、常に生き残りの方法を考えて行動すべき時期が訪れています。
その例としてあげたいのは“歩育”です。歩育は日本ウオーキング協会が進めている子どもの健康づくりとともに神経の発達、脳機能の発達も目指し、親子関係を強めることも視野に置いた活動です。歩くという当たり前に思えるようなことも、実はうまくいかない子どもが多く、発達性協調運動障害の子どもが10%は存在しているとされます。発達性協調運動障害は単なる不器用ではなく、当たり前のはずの歩行姿勢が保てない、階段が登り降りできない、すぐに転ぶ、転ぶときに身体をかばえないということも起こっています。
歩行と脳機能の研究は、高齢者については以前から進められていて、認知症の予防や改善の効果も認められています。そのための歩き方の研究も進んでいて、普通歩行と速歩を繰り返すことによって認知機能を高めることが確認されています。
こんなにも簡単で、安上がりの方法であるのに、ウォーキングの大イベントであるウオーキング大会(日本ウオーキング協会が主管)は全国の自治体で新型コロナウイルス感染対策のために中止が相次いでいます。歩育はウオーキング大会で実施するという大樹の陰での開催だったために、これも中止せざるを得なくなっているのです。

関節の動きをスムーズにするには、軟骨成分を補って軟骨を再生し、潤滑成分によって滑りをよくして軟骨の摩耗を減少させます。摂取タイミングは重要で、軟骨成分、潤滑成分は水分を吸収すると粘度が高まり、他の成分を吸着して塊が大きくなると吸収されにくくなるので、空腹時に摂ります。
関節保護作用のある素材はグルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、UC‐Ⅱがあげられます。
グルコサミンはカニやエビなどの甲殻類の殻のキチン質に含まれる成分で、糖とアミノ酸が結びついたアミノ糖の一種です。細胞の結合を促進する働きがあり、軟骨や爪、腱、靭帯、皮膚などに多く存在しています。軟骨の成分であり、膝関節などの軟骨のすり減りを防ぎ、軟骨の再生を促進し、膝や腰などの関節の痛みを改善する作用があります。サプリメントのグルコサミンは甲殻類を原料としたキチン質を塩酸または硫酸で加水分解して作られたものが多いため、甲殻類アレルギーの人は注意が必要です。トウモロコシなどから作られた植物性グルコサミンもあります。加工法によってグルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩があります。
コンドロイチンは体内の結合組織を構成するムコ多糖類の一種で、水分を含んで粘着性を持ち、関節などの潤滑液の役目をします。関節の軟骨の破壊の防止、関節痛の改善などの作用があります。牛、豚,サメ、イカの軟骨など動物性由来のものから製造されます。軟骨を増やすグルコサミンとともに、膝関節の改善のサプリメントに使われています。
ヒアルロン酸は体内に存在する細胞と細胞の間を埋めるムコ多糖類の一種で、粘度が高く、保水率は自重の6000倍にも及びます。加齢とともにヒアルロン酸が減少するため、不足すると関節の老化が進みやすくなります。関節の潤滑成分としても働き、関節痛の改善の作用があります。サプリメントとしては鶏冠(トサカ)からの抽出のほか、乳酸菌などから作られるものもあります。
UC‐Ⅱは鶏軟骨(鶏冠)から抽出した天然Ⅱ型コラーゲンで原材料とした非変性活性Ⅱ型コラーゲンです。コラーゲンは加熱によって変性することから、加熱せずに加工されています。骨の材料、細胞の接着剤の役割をするⅠ型コラーゲンは皮膚などの材料になりますが、軟骨の材料にはなりません。軟骨に運ばれやすく、軟骨に定着しやすいコラーゲンであるため、軟骨がすり減ることで起こる変形性膝関節症の予防・改善に使われます。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、子どもも親世代も祖父母世代も居場所がなくなっていきました。居場所というのは、子どもなら家庭、学校、塾以外の場所、大人なら家庭と職場以外の心身ともに落ち着くことができるような場所を指しています。新型コロナウイルスの感染拡大のために、外出の自粛、集会・会合の自粛、運動の機会の減少といったように居場所が急になくなり、それに加えて自宅時間の長さによる食べ過ぎ・飲み過ぎ、健診・検診の減少、通院の減少、ストレスの増大など、健康づくりにとってはマイナスなことばかりが起こってしまいました。
日本人の平均寿命は今でこそ世界トップクラスの長寿を誇っていますが、終戦後の昭和22年に発表された平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳と初めて50歳を超えました。当時の先進国では最下位であったところから、国民の努力によって平均寿命は延び続け、最新調査(令和2年)では男性は世界2位の81.64歳、女性は世界1位の87.74歳となっています。
しかし、コロナ禍が長く続く中、平均寿命に影響を与える生活習慣病が増え、運動不足によるロコモティブシンドローム(運動器症候群)、要介護予備群のフレイル(虚弱)、サルコペニア(加齢による筋肉量の減少)の増加が予測されることから、国民的に健康度が低下しているのは明らかです。このままでは、せっかく延び続けてきた平均寿命は勢いを失い、延びが止まり、そして悪くすると短くなっていくことも考えられます。その兆候として、アメリカでは新型コロナウイルス感染の影響によって平均寿命が1歳分も短くなっています。
これまでの健康づくりの活動だけでは、これを防ぐことができないとの考えから、これまで以上の積極的な健康づくりが必要であり、それを地域で解決していく方法の一環として、知識と知恵を持った健康づくりの実践が求められています。コロナ禍の終息が見えず、収束したとしても数年に一度の新たな感染症の拡大が予測される中では、少しでも早い着手、今から始められる健康づくりの手法を提供するのが、地域に根ざした活動を担う者の役割と考えています。その役割の一部が私にも巡ってきました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは理科の中学校の食に関連する内容を紹介します。
◎中学校
〔目標〕
自然の事物・現象に関わり、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)自然の事物・現象についての理解を求め、科学的に探究するために必要な観察、実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2)観察、実験などを行い、科学的に探究する力を養う。
(3)自然の事物・現象に進んで関わり、科学的に探究しようとする態度を養う。
〔教科の特徴〕
中学校の理科は、自然の事物・現象に関わり、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を育成する教科です。
その際、生徒が自然の事物・現象に進んで関わり、質的・量的な関係や時間的・空間的な関係などの科学的な視点で捉えるとともに、比較したり、関係づけたりするなど、科学的に探究する方法を用いて考えながら、見通しをもって観察、実験などの活動を行っていくことが大切です。
食に関する指導に当たっては、科学的な根拠に基づいて賢明な意思決定ができる力を身に付けることによって、食に対する科学的な判断力に基づいた、健全な食生活を実現していく力を育てていくようにします。あわせて、食の安全や自然環境の保全と科学技術の利用の在り方といった食の抱える今日的な課題についても科学的に考察することができるようにしていきます。さらに、生命や自然環境を扱う学習において、生物の飼育・栽培、生物や生命現象についての観察、実験などを通して、生命を尊重する態度を培っていくことも大切です。