文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは理科の各学年の食に関連する内容を紹介します。
〔目標〕
自然に親しみ、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)自然の事物・現象についての理解を図り、観察、実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2)観察、実験などを行い、問題解決の力を養う。
(3)自然を愛する心情や主体的に問題解決しようとする態度を養う。
〔教科の特徴〕
小学校の理科は、自然に親しみ、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を育成する教科です。
学習を進める際は、児童がどのような視点で自然の事物・現象を捉え、どのような考え方で思考すればよいのかを自覚しながら、目的や問題意識をもって意図的に自然の事物・現象に働きかけながら、観察、実験などの活動を行っていくことが大切です。
食に関する指導に当たっては、身近な自然や食生活の中で自然の事物・現象の性質や働き、規則性などに気づいたり、それらが生活の中で役立てられていることを確かめたりすることによって、食に関する指導の充実を図ることができます。さらに、動植物の成長の仕組み・生命の連続性などを学ぶことや自然を愛する心情を育てることが、食べ物を大切にすることにつながり、人が健康に生きることそのものを学ぶことになることを捉えておくことが必要です。
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日本メディカルダイエット支援機構が東京を中心に活動をしていたときのこと、厚生労働省が呼びかけて医療業界で感染症の講習会があったときに、臨床栄養のジャーナリストとして参加したことがあります。まだ、SARS(重症急性呼吸症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)の時代で、コロナウイルスが原因といっても、今のように次々と変異して感染力を高めているようなものではありませんでした。それでも業界をあげて対策をしないと、今後もしも別の新たなコロナウイルスが発生したときに対応できなくなりかねないということで、真剣に勉強を重ねてきました。
そのときの講習の中で、最も印象に残っているのがワクチンに関することで、「生活習慣病ではワクチンが使えない」ということでした。これは生活習慣病対策を実施しようとしても、患者が積極的に取り組んでくれないために成果があがりにくいことに悩んでいた医師や管理栄養士にとっては、一つの大きな切り口の提示でした。「生活習慣病(糖尿病、脂質異常症状、高血圧症など)で亡くなることはなくても、ワクチンが接種できないために感染症で亡くなってしまう。だから生活習慣病は早く改善しなければならない」という脅しのような言葉による改善の推進です。
コロナウイルスというのは、そういうものだと思っていたのですが、新型コロナウイルスの場合は、基礎疾患(大雑把にいえば生活習慣病)のある人は重症化リスクが高いので、早くワクチンを接種することがすすめられました。これまでの常識とは異なるコロナウイルスということなのか、それとも接種の方針が変わってしまったのか、どちらにしても生活習慣病は早めに改善しておくことが大切ということには変わりはありません。
新型コロナウイルスに対抗するには免疫を強化しておくことだ、というのは多くの人に伝わりました。しかし、免疫を高めるために実践してほしいと言われてきたことが、新型コロナウイルスの感染拡大によってできなくなり、そのために国民の健康度が大きく低下しています。その解決のために「笑う門には福は内」となるように、具体的な方法を次回は書き綴ることにします。
血流を改善するために効果がある血流促進の作用がある素材について、前回に続いて紹介します。
イチョウ葉エキスはイチョウの緑色の葉の抽出エキスで、30種類以上の抗酸化成分のフラボノイドが含まれます。フラボノイドには血管を拡張して血行をよくするとともに、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL(低比重リポ蛋白)の酸化を防いで動脈硬化を予防する作用があります。イチョウ葉エキスのフラボノイドには2つのフラボノイドが重なった二重フラボンが含まれ、血液循環効果は他のフラボノイドに比べて約3倍も高いことが認められています。医薬品との相互作用があり、血液凝固抑制薬のアスピリンとの併用で、血小板の剥離が進み、血管からの出血も認められています。
共役リノール酸は不飽和脂肪酸の一種で、リノール酸から生じますが、構造が異なっていることから異性化リノール酸とも呼ばれます。牛などの反芻動物の胃から発見され、消化管内の微生物によって作られる仕組みを活用しています。リノール酸の異性体のうち炭素の二重結合が2個セットで結びついた共役した形となっています。抗酸化作用があり、脂肪分解酵素の活性化、蓄積脂肪の分解、脂肪蓄積の抑制によって血中コレステロールと中性脂肪を減らす作用があり、血流を促進させ、血圧の上昇を抑制します。食品では、乳製品(牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなど)、肉類(牛肉、鶏肉、羊肉など)、卵黄などに含まれます。
ピクノジェノールは日差しの強いフランス南西部の沿岸に自生する海岸松の内部樹皮から抽出されるエキスです。フランス海岸松エキス、フラバンジェノールとも呼ばれています。強い抗酸化作用があり、血管の保護、血流の改善、血圧の調整、抗炎症などの作用があります。
レシチンは生体膜の構成成分であるリン脂質の一種で、ホスファチジルコリンとも呼ばれています。卵黄から分離した成分で、ギリシャ語のレシトス(卵黄)にちなんで命名されました。人体の細胞の生体膜の主成分で、脳神経や血液、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸などに多く含まれ、脳では神経刺激を伝達するアセチルコリンに変換され、脳や神経の伝達物質として働いています。コレステロールの沈着の防止、脂質の代謝などの作用があります。食品では、卵黄、大豆に多く含まれます。
記念日を決定するパターンとして語呂合わせがあります。新たな記念日を考えるときの参考資料として、5月の語呂合わせ記念日(2回目)を紹介します。
5月16日 ベネスクが抗(5)疲労(16)の語呂合わせで「抗疲労の日」と制定。
5月18日 久光製薬が、こ(5)りイヤ(18)の語呂合わせで「こりを癒そうサロンパスの日」と制定。
5月21日 ガルデルマ製薬と塩野義製薬が5(いつも)2(ニキビは)1(皮膚科へ)の語呂合わせで「ニキビの日」と制定。
5月22日 全日本うまいもん推進協議会が5月の05でたまご、22日をニワトリ、ニワトリと読む語呂合わせで「たまご料理の日」と制定。
5月25日 宮崎県果樹振興協議会亜熱帯果樹部会が、みやざき完熟マンゴーの普及のためにマンゴー(05)ニッコリ(25)の語呂合わせで「みやざきマンゴーの日」と制定。
5月26日 サンエールが5月を表す英語のMay(メイ)とプ(2)ル(6)の語呂合わせで「メープルもみじの日」と制定。野沢温泉源泉かけ流しの会が極上(5)な風呂(26)の語呂合わせで「源泉かけ流し温泉の日」と制定。
5月27日 しものファームが小(5)松菜(27)の語呂合わせで「小松菜の日」と制定。
5月28日 ファクトリージャパングループが骨(52)盤(8)の語呂合わせで「骨盤の日」と制定。日本保険協会が自助にとって大切な希望、知恵、財産、健康、愛を意味する五(5)つ(2)葉(8)の語呂合わせで「自助の日」と制定。
5月29日 紅乙女酒造が胡麻祥酎の普及のために口(5)福(29)の語呂合わせで「胡麻祥酎の日」と制定。日本ケロッグがコーンフレーク(529)と幸福(529)の語呂合わせで「シリアルの日」と制定。日本エスニック協会がエス(S)を5に見立てニック(29)の語呂合わせで「エスニックの日」と制定。日本こんにゃく協会と全国こんにゃく協同組合連合会が、こん(5)にゃく(29)の語呂合わせで「こんにゃくの日」と制定。
5月30日 530運動環境協議会がゴ(5)ミ(3)ゼロ(0)の語呂合わせで「530(ゴミゼロ)の日」と制定。
学習障害の一つの体育の障害について、感覚過敏の視覚過敏について紹介してきましたが、五感の過敏のうち運動に関わりがないのは味覚だけで、視覚、聴覚、嗅覚、触覚の過敏は、運動に大きな影響を与えます。感覚過敏の状態は本人だけのもので、周囲からはわからないものだけに、その困難さは理解しにくく、それが発達障害児を苦しめることにもつながっています。本人はわざと下手にやったり、ルールと異なることをやっているわけではないのですが、そこを理解して、身体を積極的に動かす機会やモチベーションを失わせるようなことをしないように注意しなければなりません。
聴覚過敏は耳から入ってきた音が全部、脳に届いたまま反応してしまいます。通常の聴覚は脳まで届いた音の中から必要なものを選択して増強させ、逆に必要のないものは弱化させて、場合によっては聞こえないという状態にします。そのために教室での授業も周囲の子どもや教師もうるさいとは感じない程度のことが、うるさくて仕方がない、勉強に集中できないということも当たり前のように起こっています。
ここさえクリアできていない聴覚過敏の子どもにとって、もっと厳しい逃げ出したくなるような状態にもなりかねません。
体育の授業で身体を動かすことは、教室での学習のように集中することはないので平気だろうと思われているところがありますが、普通に準備運動をするだけなら周囲の音がうるさく感じても、号令をかける人の声を聞き分けることはできます。ところが、競技となると周りの音のために集中ができず、跳び箱を跳ぶタイミングを教えるために声をかけてもらっても、うまく反応できないことにもなります。球技では、ボールなどの音を聞き、周囲の声を聞いて集中して行うものだけに、音の選別ができないのは大変なことです。
個人競技の徒競走なら大丈夫かというと、スタートのタイミングを知らせるホイッスルや競技大会でのスターターピストルが大きく聞こえすぎて、中には「自分に向けて大砲を撃たれた感じ」に聞こえて、身体がうまく反応できないために合わせてスタートできない、それどころが走ることを拒否してしまうということも起こっているのです。
新型コロナウイルス感染症の感染確認者が全国で1日に2万人を超えたことは、医療関係者だけでなく、国民の意識にも強い影響を与えました。その日のぶら下がり会見で日本のリーダーは、人流の抑制とワクチン接種以外に方策はないのかと記者から強い口調で問われて、「抗体カクテル療法がある」と語気を強くして答えていました。人流の抑制を訴えても住民の移動は減らず、ワクチンの流通も遅れていて、感染確認者が急増しているので、他の方法はないのかという疑問は当然予測されたことで、画期的な方法を打ち出す必要を感じたのでしょう。
抗体カクテル療法は有効な手段であり、早く使用することが求められていたものの、開始が遅れたのには理由があります。それは抗体カクテル療法は新型コロナウイルス感染症の軽度から中等度に使用するもので、中等度でも前期の状態で使われるものです。アメリカの報告でも、酸素療法が必要な重度の人や重症リスクが高い基礎疾患がある人には使われたことがなく、病院で行われるものです。
少なくとも“自宅療養”や医師が常駐していない宿泊施設療養では使うことができません。
ただでも病院に入院できない状況になっていて、今現在で自宅療養者が当時は8万人を超えている中で(現在では12万人超)、どうやって抗体カクテル療法を実施するつもりなのか、そのことを突っ込む記者がいることを期待していたのですが、それはスルーされていました。
スルーといえば、ブレイクスルー感染も大きな不安となっています。これはワクチンを2回接種しているのに感染したことを指しています。1%ほどの確率だと言われているものの、成人人口1億人からしたら、全員が接種した場合には100万人がブレイクスルー感染をする可能性があることで、わずか1%と言っていられる状況ではありません。
こんな状況の中で、あえて「笑う門には福は内」というテーマでコロナ後の時代を考えようとしているのは、「笑う門には福来る」と期待して待っているだけではなくて、本当に笑っていられるような状況になるように積極的に「福は内」と行動を起こしてほしいという考えがあるからです。
血流を改善するために効果がある血流促進作用がある素材としては亜麻仁油、α‐リノレン酸、EPA、DHA、イチョウ葉エキス、共役リノール酸、ピクノジェノール、レシチンがあげられます。
血流促進の素材は、血液をサラサラ状態にし、血管の弾力性を高め、収縮力を強めることで血流を促進します。
摂取タイミングですが、血液中の脂肪が多くなる食後や運動後に効果を発揮するように、食事の前後や運動前に摂ります。
亜麻仁油はアジア原産のマメ科の1年草である亜麻(フラックス)の種子を絞った油です。不飽和脂肪酸であるn‐3系のα‐リノレン酸とn‐6系のリノール酸を豊富に含みます。コレステロール抑制、エネルギー代謝、心臓の血液循環、免疫向上の機能があります。また、ごまと並んで豊富に含まれるリグナンには、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)と同様の働きをする植物性ホルモンとして、骨粗鬆症や動脈硬化の予防の働きがあります。亜麻仁油は加熱に弱く、食品として摂取する場合には、常温での摂取が必要となります。
α‐リノレン酸は成長や発達に必要なn‐3系の必須脂肪酸です。体内でEPAやDHAに代謝され、心臓の働きを正常に保つ補助をします。高血圧、心臓疾患、アレルギー疾患の予防の作用があります。食品では、しそ、しそ油、えごま油、亜麻仁油、クルミなどに多く含まれます。酸化しやすいため、加熱しないで使用する必要があり、サプリメントでの摂取が向いています。
EPAは青背魚の油に多く含まれるn‐3系の不飽和脂肪酸で、常温で固まらない性質があります。血液凝固を抑制する作用、LDLコレステロール値の低下、中性脂肪値の低下作用があり、いわゆる“血液サラサラ成分”とされます。肝臓で中性脂肪が合成されるのを抑制する効果があります。正式名はエイコサペンタエン酸(イコサペンタエン酸と呼ばれることも)です。食品では、鯖、鰯、秋刀魚、鮪、鰹などに多く含まれます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は冷水で生育する青背魚に含まれるn‐3系の多価不飽和脂肪酸で、体内では脳や網膜のリン脂質の主要成分となっています。低温でも固まらずに液体の状態が保たれています。DHAを摂ることで血液の粘性を下げるほか、中性脂肪値低下、血圧低下、血糖値低下、HDLコレステロール値増加などの作用があります。脳の情報伝達を高め、精神安定の研究も進められています。
卵焼きの日本海側の味の違いの境界線は富山県と石川県で、富山県が砂糖に醤油、石川県が塩に出汁(だし)の味付けが多くなってます。太平洋側の境界線は愛知県が砂糖に醤油、三重県が塩に出汁で、愛知県と富山県の間の長野県は砂糖に醤油の味付けが基本です。
東側では卵焼きは、そのまま食べますが、西側では卵焼きの味が薄いと感じたときには醤油をかけるという、東側の人から見たら驚きの食べ方をしています。
卵焼きの味付けは全国に例外地域があって、それぞれ理由があります。京都府と滋賀県は文化的には関西圏ですが、砂糖と醤油の甘い味です。文化的には出し巻き卵の地域なのですが、砂糖が多く消費された京都の影響を受けて、家庭では甘い味が主流となっています。生まれたところや長く住んでいた地域の影響は味に色濃く出るので、京都府民、滋賀県民であっても塩と出汁という家庭もあって、混在している感はありますが、大きく分類すると甘い味が優勢となっています。
長崎県は全体に甘い味付けで、甘い料理ほど「長崎に近い」、甘さが控えめになると「長崎から遠い」と表現されています。長崎は貿易港で海外から砂糖が持ち込まれ、カステラや金平糖などの菓子文化の影響もあってか、卵焼きも甘い味付けです。福岡県も甘い味付けで、これは裕福な地域に砂糖が流れてきたことに関係しています。宮崎県と鹿児島県も甘い味付けで、これは奄美のサトウキビから作られた黒砂糖が多く流通してきた歴史と関係しています。
香川県は伝統的な製法が守られている砂糖の和三盆の産地で、そのために甘い味付けの卵焼きです。徳島県は大阪府の影響を受けていて、全体的には塩に出汁の卵焼きですが、香川県に近いところでは甘い味付けも食べられています。
他には山口県と広島県が甘い味付けが主流で、これは福岡県からの流れのようです。私が移住した岡山県は、主流は塩に出汁の味付けですが、移住前に15回も訪れていて、そのときの経験では、ホテルや旅館の朝食の卵焼きは遠くから来る人のことも考えてか、両方の味付けが用意されていました。地域的には塩と出汁の文化なのですが、家庭では甘い味付けです。私が新潟県、妻が京都府の生まれで、出会ったのが東京で、そのまま甘い味付けの卵焼きを食べています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは社会の各学年の食に関連する内容(中学校)を紹介します。
◎当該教科で指導することが考えられる例
*食生活を事例として、現代日本の特色としてグローバル化が見られたことについて理解するとともに、グローバル化が現在と将来の政治、経済、国際関係に与える影響について、多面的・多角的に考察し、表現できるようにします。
*和食や郷土料理、行事食を具体的事例として、文化の継承と創造の意義について、多面的・多角的に考察し、表現できるようにします。
◎実践事例
①単元名
「現代社会における文化」
②単元の目標
*現代社会における文化の意義や影響について、科学、芸術、宗教を事例として理解できるようにする。
*文化の継承と創造の意義について、和食を事例として多面的・多角的に考察し、表現することができるようにする。
③食育の視点
*和食の伝統、文化を理解し、尊重する心を育む〈食文化〉
④指導計画(全4時間)
1 私たちの生活と文化1「私たちにとって文化とは何だろうか〜科学、芸術、宗教から考える〜」(2時間)
2 私たちの生活と文化2「どのようにしたら和食の魅力を伝えられるだろうか〜和食をPRするプレゼンテーションのナレーションを考えよう〜」(2時間)
⑤展開例(3および4/4時)
食文化の継承と創造の意義について、多面的・多角的に考察し、表現できる。(思考・判断・表現)
◎他教科などとの関連
*技術、家庭科(家庭分野)で、和食について学習したことを関連づけて指導することができます。
新型コロナウイルス感染症の対応をしている大都市部の大病院は、女性看護師が若いうちに地方に移動するために経験と質という意味では不安があるという話をしましたが、それに続いて、なぜ長く勤めてくれないかということを説明します。一番の理由は、地方の病院では大都会の大病院で経験を積んできた若い女性看護師は優遇されるということがあります。大病院ほど忙しくはないのに、給与や待遇がよくて、しかも出身地であれば、それは戻りたがるのは当然のことです。
若い女性看護師の離職を防ぐために、病院側も動いています。私どもが付き合ってきた大都市部の大病院では、調理師長が婚活の担い手となっているところが多くありました。病院給食の作り手で、仕込みから食器洗浄まで忙しい仕事ではあっても、トップは調理のときだけが主な仕事で、案外と時間があります。そこで回ってきた仕事が女性看護師の結婚相手を探し、結びつけることで病院に定着させようということです。ということで結婚相手は病院の職員となります。
女性看護師が第一に望むのは医師との結婚ですが、婚活のときには他の職種もよいということを伝えています。医師は平均寿命が短いということも切り口の一つで、心身ともに厳しい状態で働いている医師は短命であることは事実です。これまででも短命だったのに、数年に1回感染症の拡大が予測され、それも数年続く、変異もして影響が長く続くという状態では、もっと短命にもなりかねません。それを考えると今後は医師も不足して、看護師も経験と質で新たな治療への期待ができにくいとなると、大都市部の病院は不安材料が多いと指摘されるのは仕方がないことです。
これまで地方の病院は、一定数の女性看護師のUターンはあったものの、まだベッド数を充分に動かすだけの人材は足りていなかったのですが、「災い転じて福は内」という大都市部から地方に移動してくる看護師が増えて、喜ぶような状況になっていきます。それに合わせて、高度な医療を求めて大都市部に住んでいた人たちが地方への移住を希望する例も増えています。移住傾向の高まりは、何も大都市部の感染拡大への不安だけではなくて、安心して笑いながら暮らせる医療の充実も影響をしているのです。





