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発達障害というと、発達の凹凸があることが要因としてあげられますが、神経伝達的には配線の違いや線を通る電気の容量の違いが大きく影響していると考えられています。コンピュータの基盤でいえば、正確につないだはずの配線の一部がつながっていなかった、つなぐ場所を間違えた、つなぎ方がよくないために電気の流れが悪い、といったようなイメージをされます。

コンピュータの場合には配線ミスが一部であっても正常に動きことができなくなります。それに対して人間の脳は、平常時には使われていない部分(サイレントエリア)が非常に多くて、脳で使われているのは10%しかないとの考えが広まっています。脳科学が進み、今では「10%神話」と言われるようになってきましたが、それでも脳は使われていない部分のほうが多いという考えに変わりはありません。

そのため、脳は一部に配線ミスがあっても、他の部分がカバーして正常に働かせることができると考えられています。しかし、これは定型発達の話であって、発達障害がある場合には、脳には大きな負荷がかかっていて、休んでいる部分の脳を使ってもまだ余裕がないということもあります。

そこで重要になってくるのは、神経伝達物質を充分に補うことです。定型発達であっても、神経伝達物質が不足すると神経伝達が正常に行われなくなります。そのために疲れやすくなり、神経を集中させることができなくなり、記憶にも影響が出るようになります。神経伝達物質の中で、発達障害で特に不足が指摘されるのはセロトニンです。

セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれる神経安定には欠かせないものですが、ストレスが高まると脳内での分泌量が増えていきます。ところが、発達障害ではストレスが高まってもセロトニンが分泌されにくいことから、精神安定ができにくくなります。このことが発達障害がある人の苦しさ、困難さを生じさせているのです。

学習障害の算数障害は、算数問題を解くことに困難があることを指します。計算障害とも呼ばれ、数量のイメージができなかったり、数量のイメージと数字を一致させることがうまくいかないことがあります。そのために、加減乗除(+−×÷)の操作(計算)がうまくいかなくなります。

計算のほかに図形や空間の認知、数学的推論などでも困難をきたすことがあります。全体的な知能には大きな遅れはないものの、他の教科に比べて不自然に習得が遅れる状態があります。

算数障害の具体的な特性としては、以下のことがあげられます。

*数の概念が身につかず、数系列の規則性などの習得が難しい

*計算を習得することが難しい

*指を使わなければ簡単な計算ができない

*繰り上がりや繰り下がりが正しくできない

*九九を覚えにくい

*九九を暗記できても応用して掛け算をすることができない

*掛け算ができても割り算ができない

*物差しや計量器で計測した目盛りを読むのが苦手

*図形の認知や構成ができないことがあり、正しく書き写すことができない

*文章題を解くのが難しい

学習障害の書字障害は、文字を書いたり、文章を綴ったりすることに困難があるものを指します。

バランスの取れた文字を書くことに問題がある、書字に関して誤りが多い、動詞などがうまく使いこなせない、板書など書き写しの速度が極端に遅いもの、考えた内容で書字をすることが難しいものなどが含まれています。

識字障害があると書字にも影響が出て、書字障害となることが多く見られます。読むことに困難はなくても文字の形を捉えること、形を正しく覚えておくことが困難で、書字の誤りにつながります。

書字障害の具体的な特性としては、以下のことがあげられます。

*年相応の漢字を書くことができない

*書き順を間違える

*書き順を気にしない

*書き文字がマス目や行から大きくはみ出してしまう

*バランスのとれた文字を書くことが難しい

*アルファベットの綴りが困難

*文字を書くときに鏡文字を書く

*形態的に似た文字(“め”と“ぬ”、“わ”と“ね”)を書き間違える

*促音(っ)、撥音(ん)、二重母音(おかあさんの“かあ”)など特殊音節の誤りが多い

*“わ”と“は”、“お”と“を”にように耳で聞くと同じ音(おん)の表記に誤りが多い

*形態的に似た漢字(雷と雪)を書き間違える

*画数の多い漢字に誤りが多い

*漢字を使いたがらず、仮名で書くことが多い

*文字を書く際に余分な点や線を書いてしまう

*句読点などを忘れる

*文章を書くときに助詞などをうまく使いこなせない

*考えた内容を書いて表現することが難しい

*板書など書き写しの速度が極端に遅い

*早く書くと雑になる

学習障害の識字障害は、読字障害と呼ばれることもあります。

識字障害は文字を音に変えることに困難さがあり、文字を見て、音を思い出すまでに時間がかかることがあります。そのために音読が流暢にできないもので、文章を読むときに時間がかかり、疲れやすくなります。

読むことを嫌い、知識の不足から学力の低下を招くことがあります。長文を読もうとすると、目で追っていくことが難しいことがあります。
識字障害の具体的な特性としては、以下のことがあげられます。

*ひらがなの音読が遅く、読み間違える

*文字を逐次読み(一つひとつ拾って読む)する

*単語または文節の途中で区切ってしまう

*単語の文字を逆さに読む(いか→かい)

*形の似た文字を間違って読む(“め”と“ぬ”)

*拗音(きゅ、しゅ)、促音(きって)が読みづらい

*読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい

*早く読むと内容が理解できない

*音読より黙読が苦手

*文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだり、まとめたりすることが難しい

*読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む

*文末などは適当に自分で変えて読んでしまう

*見慣れた漢字は読めても抽象的な単語の漢字を読めない

*読み方が複数ある漢字を誤りやすい

*意味的な錯誤がある(教師をせんせい)

*長い文章を読むと疲れる

学習障害(LD:Learning Disabilities)は、全般的な知的発達には問題がなく、視覚、聴覚に問題がなく、さらに学習環境や本人の意欲にも問題がないにも関わらず、読む、書く、計算するなどの学習に必要な基礎的な能力のうち一つないし複数の特定の能力について、なかなか習得できなかったり、うまく発揮することができないことによって、学業成績や日常生活に困難が生じる状態を指します。

学習障害は「識字障害」「書字障害」「算数障害」の3つがあります。ある特定の課題の習得だけが他に比べてうまくいかない状態を指しています。しかし、識字障害があると理解ができないために書くことができずに書字障害が起こることがあり、また識字障害によって理解ができないことから計算ができない算数障害が起こることがあります。

目安としては、学校での学習到達度に遅れが1〜2学年相当、あるいは1.5標準偏差以下というのが一般的です。発現率は2〜10%と見積もられており、読みの困難については男性が女性より数倍多いと報告されています。

こういった能力が求められるようになる小学校2〜4年生ころに成績不振などから明らかになります。その結果として学業に意欲を失い、自信をなくすことがあります。

学習障害は、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害とともに起こることがあるだけに、複数が重なることによって状態が重くなり、改善も困難になることがあります。

発達障害の一つとして考えられているものの、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害があることから、学習に集中できなくなり、そのために学習の習得がうまくいかない、理解しているのにうまく表現できないことから、学習障害と同じような状態になることもあります。

注意欠陥・多動性障害を理解するために、前回の不注意、多動性に続いて衝動性について列記していきます。

◎衝動性
*衝動性が抑えられず、ささいなことで手を出したり、大声を出す

*突然動き出すので周りの人や物にぶつかる

*身体接触を求めてくるとき、力やスピードの加減がわからずに勢いよくぶつかってくる

*相手の話に興味を持つと横から割り込む

*順番を待つのが難しい

*ゲームや競争で一番にならないと気が進まない

*遊びで負けそうになるとルールを勝手に変える

*質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう

*嫌なことをやられたと思った瞬間に、すぐ手が出てしまう

*乱暴な子、反抗的という目で見られやすい

*目先の楽しみや利益に目が行きやすい

このような注意欠陥・多動性障害がある子どもへのアドバイスとして、以下のことがあげられています。(鳥取県「発達障がい啓発ハンドブック」より)

*注意を高めて集中力を持続させる環境をつくる

*注意や興味を引きつけたり、気づくきっかけを増やす

*多動や衝動的な行動を感情的に叱るのは逆効果

*ほめること、認めることが効果的

注意欠陥・多動性障害を理解するために、それぞれの状態(不注意、多動性、衝動性)について列記していきます。今回は不注意と多動性についてです。

◎不注意
*ルールを守ることが難しい

*物忘れが多く、物をなくしやすい

*何回言っても忘れる

*気が散りやすく、集中力が続かない

*興味があるものに集中しすぎて、切り替えが難しい

*ボーッとしていて、話を聞いていないように見える

*事前によく考えて行動できない

*課題や活動を順序立てて行うことが難しい

*指示は理解できても、従うことが難しい

*行動が他の子よりワンテンポ遅れる

*字が乱れる

*不器用(縄跳びなどが苦手)

*片付けられない

*勉強で細かなところに注意を払わなかったり、不注意な間違いをする

*課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい

*気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避ける

*あまり目立たないために注意欠如・多動性障害であることに気づかれにくい

◎多動性
*落ち着きがなく、授業中でも立ち歩く

*身体を動かすことがやめられない

*手足をそわそわ動かしたり、着席していてももじもじする

*一方的にしゃべる、しゃべり出すと止まらないほど過度にしゃべる

*夢中になると周りが見えなくなる

*遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい

*きちんとしていなければならないときに、過度に走り回ったりする

自閉症スペクトラム障害を理解するために、幼児期の特性について列記していきます。このことから保護者が気づいて、専門医に相談することで発見されることも多くなっています。

注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention-deficit hyperactivity disorder)は、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが特徴的で、身の回りの特定のものに意識を集中させる脳の働きである注意力に問題があり、衝動的で落ち着きのない行動によって生活上の困難に直面している状態を指します。

発達年齢に見合わない多動・衝動性、あるいは不注意、その両方の症状が7歳までに現れ、その対応別の症状の程度によって、多動・衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に分類されます。学童期の子どもには3〜7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。男性の有病率は青年期には低くなるのに対して、女性の発現率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。

小学生では、多動・衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずにいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込むなどがみられます。

不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやり遂げない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、物忘れや紛失が多い、気が散りやすいなどがあります。

多動症状は、一般的には成長とともに軽くなっていく傾向がありますが、不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、半数は成人期まで続くと報告されています。また、思春期以降に、うつ症状や不安症状を合併をする人もいます。

自閉症スペクトラム障害の成長期の特性について紹介します。前回の幼児期の特性と見比べると、より特性が理解しやすくなります。

*場にそぐわない発言や失礼な発言など思ったことを口に出す

*初対面の人であってもなれなれしい態度で接する

*相手の気持ちを理解し、共感することが難しい

*明文化されていないマナーやルール(暗黙の了解)を理解することが難しい

*日常会話であっても文語体の堅苦しい表現を使う

*相手の表情などの非言語情報から相手の気持ちを汲み取ることが難しい

*言葉を文字通り受け取り、冗談を真に受ける

*相手の返答を待たずに自分の話したいことだけを一方的に話す

*臨機応変な対応が苦手で急な予定の変更や突発的な出来事に適応しづらい

*独特のこだわりがあり、その秩序が乱れると混乱する

*抽象的な話や家庭の話が理解しづらい

*二つ以上のことを同時に実行することが苦手

このような自閉症スペクトラム障害がある子どもへのアドバイスとして、以下のことがあげられています。(鳥取県「発達障がい啓発ハンドブック」より)

*叩いたり、怒鳴ったり、追いつめたりして叱るのは逆効果

*長い文章より簡潔で短い文章にする

*抽象的な言葉よりも具体的な言葉で伝える

*言葉だけで難しい場合は、その人にわかる手段を使って伝える

*否定的でなく、肯定的に伝える

*予定などは事前に伝えておく

ケルセチン配糖体というと、腹部の体脂肪を低減させる特定保健用食品としての緑茶飲料について前回紹介しましたが、ケルセチンには他にも作用があり、これが機能性表示食品にも使われています。ケルセチン配糖体が含まれた機能性表示食品の中には、「中高年が加齢に伴い低下しがちな積極的な気分、生き生きとした気分、やる気を維持する機能があることが報告されています」と表示された製品があります。

「〜報告されています」との表示は、その製品で試験したものではなくて、研究論文を活用したもので、その成分が、同じ量だけ使われると同じ効果があるという前提で設けられた制度です。

精神的な機能が期待されるわけですが、調査対象となっているのは疾病に罹患していない人です。機能性表示食品は病気の人のデータを使うことができないという条件があり、病気の改善効果はないことが前提となっています。

ケルセチンを用いた機能性表示食品の研究論文では、健常な中高年がケルセチンアグリコンとして1日当たり50mg以上を含む食品を摂取することで、CADi2の項目のうちSDS(うつ性自己評価尺度)、やる気スコアについて優位な改善が認められるとの結果が得られています。

CADi2はアプリケーションの名称で、タブレットを用いた認知症の早期発見のツールで、認知機能検査とCADi2で構成されています。CADi2はSDS、やる気スコアで構成されていて、日本うつ病学会のガイドラインにも掲載されている検査法です。

SDSは20問の質問に1〜4点、やる気スコアは14問の質問に0〜3点がつけられていて、意欲の状態が診断されるものです。引用した研究論文では、SDS、やる気スコアともに健常者の範囲にある中高年者を対象にした試験が実施されていて、有意に改善したとの報告があることから、これを科学的根拠しています。