金言の中には、テレビから流れる印象的な言葉が、いつしか心に刻まれるようになって、戒めや価値の高い言葉と認識されるようになることも少なくありません。
今回のお題の「人生楽ありゃ苦もあるさ」は、テレビ時代劇『水戸黄門』の主題歌の歌い出しの歌詞です。
作詞家の山上路夫さんの作品で、楽曲の名前を知らなくても、「水戸黄門のテーマ」と言えば、「人生楽ありゃ苦もあるさ」と口をついて出てくる名言の一つといえます。
「人生楽ありゃ苦もあるさ」が楽曲名だと思っている人もいるようで、カラオケの曲名リストにも載っています。そのリストには、「あゝ人生に涙あり」と書かれています。これが曲名です。
番組のオープニングには曲名が出てこないので(最終シリーズ20回の武田鉄矢主演だけは曲名が出ていた)、知らない人が多いのも当然のことで、これはクイズ番組の定番ともなりました。
つらいことや苦しいことで涙するだけでなく、嬉しいことでも涙するということで、テレビ時代劇『水戸黄門』の劇作の根幹となっています。
「人生楽ありゃ苦もあるさ」には、人生には楽しいことことも、つらいこともあるけれど、それを乗り越えていけば虹のような希望も現れるという意味が込められています。
ということで、1番の歌詞には、そのまま入れ込まれています。
人生楽ありゃ苦もあるさ
涙のあとには虹も出る
歩いてゆくんだ しっかりと
自分の道を踏みしめて
「人生楽ありゃ苦もあるさ」が金言として伝えられるようになったのは、1969年から2011年までの1227回の放送の間に、さまざまな人の「人生楽ありゃ苦もあるさ」の経験があり、それぞれの時代を振り返る“記憶に残る”出来事とつながった長寿番組であったからです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕





