投稿者「JMDS」のアーカイブ

広く健康に関わる記念日について紹介します。
6月29日 全国調理食品工業協同組合が佃煮発祥の地の東京佃島の守り神の住吉神社の大祭の6月29日にちなんで「佃煮の日」と制定。毎月29日は「ふくの日」(日本アクセス)、「クレープの日」(モンテール)、「Piknicの日」(森永乳業)。
6月30日 日本リンパ協会が、む(6)くみ(3)ゼロ(0)の語呂合わせで「リンパの日」と制定。米穀安定供給確保支援機構が夏越しの日に1年の前半を祓い、残り半年の無病息災を願う夏越しごはんの普及を目指して前半の最終日を「夏越しごはんの日」と制定。渡辺酒造店(岐阜県飛騨市古川町)が酒酵母に感謝することを目的に酒造年度の最終日の6月30日を「酒酵母の日」と制定。毎月30日は「サワーの日」(宝酒造)、「EPAの日」(日本水産)。
7月1日 アマタケ(岩手県大船渡市)がサラダチキン専用工場の竣工の日(2016年7月1日)にちなんで「アマタケサラダチキンの日」と制定。ヨコオデイリーフーズ(群馬県甘楽町)が1999年7月1日に月のうさぎおさしみこんにゃくを発売したことから「さしみこんにゃくの日」と制定。三種町森岳じゅんさいの里活性化協議会(秋田県三種町)が英語で6月を意味するジューンと31でさいの語呂合わせで6月31日としたが、存在しないことから7月1日を「じゅんさいの日」と制定。前田屋(福岡県北九州市)が釜飯専門店の釜めしもようの創業日(1995年7月1日)にちなんで「釜飯の日」と制定。井村屋グループが暑さの増す7月の初日で、毎月1日にあずきを食べる習慣があったことから「井村屋あずきバーの日」と制定。毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)。
7月2日 香川県製麺事業協同組合が農繁期が一段落する半夏生にうどんを食べて労をねぎらう習慣があったことから「うどんの日」と制定。北海道米販売拡大委員会がブランド米ななつぼしの全国普及を目指して、なな(7)つ(2)ぼしの語呂合わせで「北海道米ななつぼしの日」と制定。ニップンが1年のほぼ真ん中の半夏生の頃で夏の健康管理にふさわしい日として「アマニの日」と制定。
7月3日 塩事業センターが塩と暮らしを結ぶ運動のPRの一環として塩の原材料の海水の波(73)の語呂合わせで「塩と暮らしの日」と制定。向井珍味堂(大阪市)が七(7)味(3)の語呂合わせで「七味の日」と制定。大塚製薬がオロナミンCのナミ(73)の語呂合わせで「オロナミンCの日」と制定。毎月3日は「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。
7月4日 キユーピーが1924年7月4日にメキシコのシーザープレイスホテルでシーザーサラダの起源となるサラダが出されたことから「シーザーサラダの日」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。
7月5日 味のちぬや(香川県三豊市)が、なん(7)こ(5)つの語呂合わせで「とりなんこつの日」と制定。ハンワフーズ(東京都中央区)が穴子のな(7)ご(5)の語呂合わせで「穴子の日」と制定。毎月5日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

自衛隊の給食について厨房機器を通じて知ったことに続いて、実際に内容を知ることになったきっかけは、後に統合幕僚会議議長(現在は統合幕僚長)になる海上自衛隊の幹部の方と知り合ったことでした。その方の所属は海上自衛隊で、艦船と哨戒機が専門分野でした。海の上で一緒に生活をするうえでは、同じ生活をして、同じものを食べるということが結束力を高めるために重要という話を聞き、いかに給食が重要であるかということも聞きました。
その方は若いときには哨戒機のパイロットでしたが、同じ飛行機でも航空自衛隊の戦闘機とは待遇が大違いとの話でした。哨戒機のパイロットは、他の海上自衛隊と食べるものの、摂取エネルギー量も変わりがないのに対して、航空自衛隊ではパイロットは摂取エネルギー量が多く、中でも緊急発進があるパイロットはトンカツが1人前分は多くなっていました。それだけ負荷がかかり、多くのエネルギーが必要な仕事だということです。
厨房機器の仕事から、給食雑誌の仕事に移っていたときのこと、お盆の帰省客を多く乗せた日航機が群馬県の山中に墜落するという大事故がありました。これは給食という特殊な世界の取材先ではないと思っていたのですが、自衛隊と警察の緊急現場の給食の取材ということで山の上まで行くことになりました。自衛隊の食事は自前が原則で、悲惨な現場でも自ら食事を作っていました。警察のほうは地元の給食センターに発注していました。自衛官は絶対に必要な栄養素を摂るために、乗客・乗員のほとんどが亡くなった現場でも肉を食べていました。ところが、警察官は、とても肉が食べられるような状況ではない、でもエネルギーが必要ということで献立に苦労した話を取材しました。
そのときに、現場仕事によって摂取エネルギーが大きく異なることを知り、エネルギーの違いを実感する機会となりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

食事は生命維持に欠かせないものであるのは間違いないことですが、生命維持のためだけに食べているわけではなく、健康の維持のため、快適な生活を過ごすために食べているのであり、今の健康状態、調子のよい状態は食事によって保たれています。もしも、体調面でよくないところがあるとしたら、それは食事の内容が影響しているということです。
「人間は食べるために生きているのか、生きるために食べるのか」との哲学的な問いがあります。一般的な正解は「生きるために食べる」ということですが、食べるために生きているという考えも必要なことで、おいしく食べることは重要です。食べたものは、ただ胃で消化され、小腸で吸収されるということだけなら、味も香りも色彩も食感も関係がないはずです。しかし、おいしく、楽しんで食べるためには五感(味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚)を刺激する調理が大切で、生きる喜びを感じて、健康で心豊かな生活の一環としての食事の役割もあります。
栄養摂取だけを考えるなら、食事の温度も関係がなく、家庭での手作りでなく、買ってきたものを温め直すことなく、そのまま出してもよいはずです。そのまま出すということでは、食器においしそうに盛っても、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのパックに入ったままで食卓に出しても変わりがないかもしれません。ところが、実際にはおいしく感じる環境を整えた場合と、それでない場合とでは血液の状態を調べてみると吸収された栄養素の量に差があることが確認されています。
まったく、同じ料理でも色を変えただけで(食欲が湧きにくい青色の食用色素で着色)、消化、吸収が低下して栄養素が減少していました。これ以外にもマイナス要素が加わるほど、栄養摂取が低下することから、おいしく感じる料理を提供することが重要であることを知っておいてほしいのです。

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第2回)を紹介します。
社会経済的状況が低い場合、喫煙率が高く、禁煙しにくく、また受動喫煙に曝露されやすいことが、日本を含めて国内外で報告されています。また、世帯収入が少ない世帯は多い世帯と比べて、野菜・果物類や魚介類など生鮮食品の摂取が少なく、穀物の摂取が多いことが国民健康・栄養調査で報告されています。アルコールに関連する死亡が、社会経済的状況が低い群で特に多いことを示したメタ解析もありますが、日本における研究でははっきりした結論が得られていません。
社会経済的状況による健康格差を説明する重要な経路の1つとして考えられているのが、慢性的な真理社会的ストレスです。不安定な経済状況や社会的な孤立などが長期間持続すると、ストレスにより免疫系の恒常性が破綻し、さまざまな疾患の発生につながると考えられています。喫煙などの不適切なストレス対処行動による影響も考えられています。雇用形態による心理ストレスの違いや、社会経済状況と睡眠の質との関連が報告されています。
地域の社会的環境と、そこに居住する住民の健康との関連は数多く報告されています。例えば、世界の9つのコホート研究(59,509,857人)のデータを統合して地域の収入格差の指標(ジニ係数)と死亡率の関連を検討した研究では収入格差が大きな地域に居住していると死亡するリスクが高くなることが報告されています。

日本語の正しい使い方は、何も辞書に載っていることが正しいとは限りません。そもそも辞書は、すべてが同じことを正解として掲載しているわけではなくて、全部を確認してみると、案外と違っていることがわかります。
日本語を学んだ、といっても大学で日本語学を学んだわけではなくて、ゴーストライターを続ける中で、それぞれの筆者の言葉づかいを知って、それに合わせて表現していく中で、徐々に覚えていった経験則のようなものです。
数多くの辞書を見比べてきましたが、その中で、これは面白いと思って、全ページを読み尽くしたのが「NHKことばのハンドブック」です。これはNHKの番組で読み間違えがないこと、言葉を聞けば意味することがわかることに重きを置いて編纂されたものです。
このハンドブックを活用して、文章の基準としていた出版社があります。日本文化出版で、月刊バレーボール、月刊バスケットボールなど競技団体と連携した出版をしていました。同社の仕事を手伝っていたことがあり、そこに所属していた編集者の紹介で行ったのがPHP研究所で、そこで初めて手がけた「松下政経塾塾長講和録」が日本メディカルダイエット 支援機構の理事長のゴーストライター歴184冊の初めの1冊です。
話を戻して、「NHKことばのハンドブック」を使っての編集作業の中で、今でも使い方について自問自答されている言葉が“ぎごちない”と“こんがらかる”です。「NHKことばのハンドブック」の平成4年の第1版では“ぎごちない”が第1の読みとされていましたが、平成17年の第2版では“ぎこちない”が第1の読みになり、“ぎごちない”は第2の読みとなりました。これを受ける形で、多くの辞書が“ぎこちない”を見出し語として使うようになりました。しかし、昔の使い方にこだわる立場としては“ぎごちない”が正しい言い方と考えています。
“こんがらかる”は、糸などの長いものがもつれて絡まることで、「NHKことばのハンドブック」の第2版でも“こんがらかる”が第1の読み、“こんがらがる”が第2の読みとなっています。若者の言葉を聞いていると、期間がたつにつれて“こんがらがる”が主流になってくる気配もありますが、今の段階では“こんがらかる”が正解ということです。

発達障害は本当に障害なのかという議論があります。脳の発達の特徴から凹凸があり、凹の部分が学習障害の原因となっている場合には、欠けている部分を補うことで改善することができます。医療の介入ではなしに、自らの努力で欠けている部分を埋めることができるなら、これは障害でもなく、病気でもなかったと考えることができます。
発達障害、学習障害という診断名がつけられたからといって諦めることはありません。ここで例に出すのは病名がつけられている糖尿病です。“病”という文字がついているので、これは病気だと認識されがちです。健康と病気の間を“未病”として捉える考え方があります。これは日本未病学会によって定義されていることで、検査数値が上昇して薬を使わなければ血糖値が下がらない状態であっても、自分の努力、つまり食事、運動を続けることで合併症(網膜症、腎症、神経障害)が発症しなければ、糖尿病でなかったのと同じように一生涯を過ごすことができます。
糖尿病で使われる血糖値を下げる薬は、それだけでは効果が弱く、食事療法、運動療法を続けたうえで使用することが前提条件となっています。自分の努力で元の状態に戻ることができるのが未病状態で、合併症が出てしまったら自分の力では元には戻れなくなるので、これが病気の段階という考え方をしています。
発達障害を障害としているのは、その障害を自分では超えられないような環境が原因となっています。身体障害の場合には、車椅子で2階に行きたくても階段しかない、サポートしてくれる人もいないという環境こそが障害です。学習障害の場合は凹を埋めるための支援ツールがあって、これを使えば学習障害がないのと同じように学べる、同じとはいかなくても目標を達成するだけの学力を身につけることができれば学習にとっての障害とはならないとの考え方をしています。
学校教育の中で定められた合格ラインでは、残念ながらクリアできなかったとしても、サポートツールを使うことによって他に負けない知識、知恵、子どものときには実感できないかもしれないものの人脈を得ることができたら、これは障害ではなく、その子どもの特徴にしていくこともできるということです。

有害ミネラルには、それぞれに対応して解毒・排出をするビタミン、ミネラルが確認されていて、これらの栄養成分を豊富に摂ることによって、解毒・排出の能力を高めることができます。有害ミネラルを解毒・排出する作用がある必須ミネラルは、穀類、豆類、種実類、野菜類、果物類、藻類、肉類、魚介類などに多く含まれます。
ビタミンには抗酸化作用のほかに、肝機能を高め、有害ミネラルを分解・解毒する作用があります。ビタミンCは肝臓で有害物質を解毒する酵素(P‐450)の働きを高めますが、ビタミンDとビタミンEには水銀をはじめとした有害ミネラルを解毒する作用があります。
【有害ミネラルを解毒・排出する栄養成分】
カドミウム:ミネラル(セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄)、ビタミン(ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE)
水銀:ミネラル(セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム)、ビタミン(ビタミンD、ビタミンE)
鉛:ミネラル(セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄)、ビタミン(ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE)
ヒ素:ミネラル(セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム)、ビタミン(ビタミンD、ビタミンE)
アルミニウム:ミネラル(マグネシウム、カルシウム)、ビタミン(ビタミンD)
※ベリリウムは、有害ミネラルを解毒・排出する栄養成分は、まだ明確にはされていません。

社会人としての初めての仕事は日本厨房機器工業会(現在は日本厨房工業会)の機関誌の『月刊厨房』の編集だったと説明しています。これは職員であったわけではなくて、22歳にして外注で受けていたのですが、このときの人脈がきっかけで、調理、病院調理、病院栄養管理、臨床栄養、医学、薬学、保健学、運動科学へと広がっていき、そのたびに団体の広報をして生き延びてきました。
これは正式見解のようなもので、実際には厨房の機関誌を受けていた出版社の社長と知り合う機会となった大学時代に通っていた作家の先生の長男が音楽雑誌の編集長だったことから音楽業界への取材のほうが稼ぐのは先でした。ここでの人脈と経験が後に芸能界の仕事をしたり、大手新聞社が発行しているクラシック音楽専門の月刊情報誌がフリーペーパー、フリーマガジンだったときの編集をするところにつながっています。これは別の機会に思い出しながら書くことにします。
話は厨房業界に戻って、この世界では厨房機器の納入先によって学校給食、産業給食、病院給食、福祉給食と並んで特別扱いで自衛隊給食というカテゴリーがあります。読んで字の如く自衛隊の人たちが食べる食事を作る厨房機器の納入先です。ここが特別扱いだったのは他の世界よりも値切りが少なく、しかも丈夫で高級な厨房機器を、食べる人数以上の量を購入してくれることです。さらに、更新のサイクルが短いということも大きなメリットでした。
これは常に戦うことを想定している世界で、食事は戦うための重要な要素であるからです。故障をしてから修理に行くというのが厨房業界の通常の対応でしたが、自衛隊給食だけはメンテナンスは常に先回り、しかもメンテナンスや修理にすぐに駆けつけられない遠くの基地、護衛艦などの船、潜水艦は故障をしたときに対応のために複数の厨房機器が入れられています。要はお得意さんだったこともあり、取材にも訪れ、厨房機器を通じて食事の重要性を知るきっかけとなりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達栄養学は、発達障害児に特徴的にみられる食事の困難さだけでなく、子どもの発達にも広く活用できる栄養摂取について考えてもらうために、ずっと書き続けてきました。しかし、要望されることは具体的な方法、その裏付けとなる科学的な情報であったために、これまで総論的なことは触れてはきませんでした。なぜ食事が大切なのか、どのように食事を生活に取り入れていけばよいのかということについては後回しになってきたことから、ここで期間をかけて書いていくことにしました。
ここが理解的できていないと、いくら栄養摂取の重要性を訴えても、身体に備わったメカニズムを述べても、実際の行動に移してもらえないというのは、これまでに何度も見聞きしてきたことであり、講習の場でも話していることが通じないと感じてきたことです。
食事は人間が生きていくために欠かせない重要なものです。それなのに平気で抜いてしまう人がいます。朝は忙しくて時間がないから、食欲が湧かないから、ダイエットをするためには食べる量を減らさなければならないからといったことを言って食事を抜く人がいます。朝食を抜くのが成人で、自分のためだけにしていることであれば、とやかく言うことはないのかもしれません。朝食で摂らなければ栄養素が不足するとエネルギー代謝が低下する、元気が出なくなる、かえってやせにくいということを話しても、聞き入れてもらえないことがあります。
朝食を抜いている人の中には、自分だけでなく家族にも、そして子どもにも付き合わせている親もいます。体調不良や学習に集中できないという子どもを対象として朝食調査を実施したところ、子どもの都合ではなく、親の都合で食べていないことが多いことがわかりました。厳しい言い方をしなければならないと判断したときには、「食べないと死ぬ」という話をして、食べたものがエネルギーを作り出し、それが生命維持の最低条件であることを伝えるようにしています。
食事の意味を、まず真剣に考える機会を教育の場でも設けることから、始めるべきだと考えています。

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第1回)を紹介します。
健康は、生物学的要因(遺伝的要因、性、年齢など)や個人の生活習慣だけでなく、個人の社会経済的状況や居住する地域の社会的・物理的環境によっても決定されます。これらの要因を総称して、「健康の社会的決定要因」といいます。
本提言で取り上げられている生活習慣や健康行動についても、健康の社会的決定要因という視点から理解することが重要です。つまり、個人の生活習慣や健康行動だけに不健康の原因を求めるのではなく、不健康の根本原因となっている要因を踏まえた上で問題解決に当たることが、健康寿命延伸のためには欠かせないということです。
社会経済的状況は収入や教育歴などの情報を使用して定義され、社会経済的状況が低くなるにつれて不健康のリスクが上昇していく傾向にあることが報告されています。例えば、日本を含むアジア10か国での29研究(最大22年間の追跡)のメタ解析では、教育年数が短い群における死亡リスクは教育年数が長い群と比較して1.4倍であることが報告されています。また、社会経済的状況の指標の一つである相対的剥奪(同じような属性を持つ人々に比べて相対的に豊かではないと認知される状況)と死亡率の関連を検討した日本の高齢者を対象とした研究では、男性において、相対的剥奪と死亡の関連が報告されています。
世界の116のコホート研究を対象とした研究では、社会経済的状況が低い場合に虚血性心疾患、脳卒中、心血管疾患のリスクが高いことが示されています。例えば教育年数と虚血性心疾患の関連を検討した20研究の結果をメタ解析すると、教育年数が短い場合、男性で1.3倍、女性で1.7倍リスクが高いことが報告されています。また、教育年数が短い場合に高血圧のリスクが2.0倍高いことを報告した世界の51研究のメタ解析や、社会経済的状況が低い場合に糖尿病のリスクが1.3〜1.4倍高いことを報告したメタ解析やうつ症状が1.8倍多いことを示したメタ解析があります。さらに、日本の高齢者を対象とした研究で、社会経済的状況が低いほど認知機能低下のリスクが高いことを示した研究もあります。