投稿者「JMDS」のアーカイブ

道路の話をしているときに、関西(特に大阪)では突き当たりのことを「ドーン」と表現することがあります。そのまま進んだらドーンとぶつかってしまうことを表現しているようですが、このドーンとなるところを「T字路」と書いているのをよく目にします。まさに英文字のTの形になっていますが、正式には「丁字路」です。発音もT(ティー)字路と丁(てい)字路で似通っているために混乱されているようですが、法律用語(道路交通法)では丁字路が使われています。丁字路は、英文字が入ってきていない江戸時代から使われている言葉です。
これと並んで混同されているものに「フリーの客」という言葉があります。予約をしないで店舗を訪れる客のことで、予約があったとしても常連客でない人を指す言葉としても使われています。しかし、この言葉も間違いで、正式には「振りの客」といいます。紹介も予約もない客を指していて、振りは馴染みがないことを指しています。意味的にはフリー(free)と同じですが、正しい意味を知っていて、わざと使うのはよいとしても、誤っても外国から訪れた人に知ったかぶりをして使うことだけは避けたいものです。
もう一つ気になるのは「ブレイクする」です。意味としては突破することとして使われていますが、突破することは英語では「ブレイクスルー」(Breakthrough)です。意味的にも似ているように感じることから、ブレイクスルーの意味を知っている人でも、ブレイクするという言葉を使ってしまいがちです。ブレイクスルーは困難な課題を打ち破る革新的な解決策を意味していますが、その意味のつもりで「ブレイクする」と言われてしまうと勢いや本気度が感じられずに、それこそスルーしてしまうことにもなります。スルーするというのは、受け流す、聞き流すという意味で使われていますが、スルーのほうは経過、通り抜けるといった、通り抜けた結果といった意味です。少なくともメールを送ったのに無視されたという意味で使うべき言葉ではないのは明らかです。

日本メディカルダイエット支援機構としてのコンテンツは、ホームページに掲載されている最新情報の2460本(2021年5月17日現在)のコラム(各800字程度)、メディカルダイエットのコラム300本、体質改善の81本、健康用語事典、サプリメント事典などですが、その多くは支援機構の理事長が資料提供しています。他に月刊医療・健康情報誌に13年間掲載してきた二次使用権がある1800ページ、ゴーストライターとして執筆してきた184冊の書籍で培ってきた知識、義父である薬学博士より引き継いだ著書・監修164冊のコンテンツもあります。
ゴーストライターのほうは大中小の出版社で手がけたもので、契約から誰の、どんな書籍を書いたのかは言えないことになっていますが、唯一許されているのは初めて手がけた『松下政経塾塾長講和録』(PHP研究所)です。これは松下幸之助さんが話したことを、ほぼ原稿に起こしただけなので、ゴーストということではないということで、いつも話題にさせてもらっています。
ゴーストライターを始めるまでは、臨床栄養や運動科学が中心だったのですが、なんでも取材して、なんでも書いてきたことから、嫌でも広範囲の見方をするようになり、これは栄養や運動でも活かされてきました。後半は健康に関わる発注が多くなり、有名やタレントのダイエット書籍も複数手がけたこともあって、それは今でも情報源として役立っています。
とはいっても以前の雑誌や書籍の内容は、時が経つにつれて古い情報となってしまいます。いかに情報ソースが正しくて、よく書き込まれた内容であっても、古い情報は間違いともなりかねません。そこで最新情報とマッチングさせて、いつでも新たな、そして正しい情報を発信できるようにするために、活用しているのは「健康情報メール」です。
これは理事長が個人的に発信しているもので、国や公的機関、研究機関、大学などが発表している情報の中から毎週25〜30本ほどを選択して、研究者や団体役員、メディア関係者などを対象に無償提供しています。2008年4月から始めて574本(2021年5月15日現在)になりました。休んだのは休日の関係で情報が少なかった2回と、理事長が風邪で休んだ1回だけです。

脳を含めた全身を働かせるためには細胞の中のミトコンドリアで作られるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が必要です。ATPを作り出すためには4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要で、一つでも不足するとエネルギー産生が大きく低下することになります。
特にエネルギーが必要なのは脳で、全身の重量の2%ほどしかないのに、エネルギー源消費量は20%ほどを占めています。エネルギーが不足すると脳の機能に大きな影響が出ることから、特に脳を働かせることが多い子ども、脳に負担がかかっている子どもは絶対にビタミンB群を欠かすことはできません。
ビタミンB群は水溶性のために体内の保持時間が短く、ビタミンB₁とビタミンB₂は24時間保持されるものの、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。そのため、食事で摂取する場合には朝食と夕食でビタミンB群が含まれた食品を食べる必要があり、不足する場合には12時間ごとに摂る必要があります。
ビタミンB₁は糖質のエネルギー代謝に必要な補酵素としての働きがあり、疲労回復のビタミンとも呼ばれます。脳の唯一のエネルギー源でもあるブドウ糖を、エネルギーとして利用するときにビタミンB₁が必要で、不足すると脳の低血糖状態を引き起こし、中枢神経や末梢神経の働きが低下します。食品では、豚肉、ウナギ、カツオ、レバー、大豆、ニンニクなどに多く含まれます。
ビタミンB₂は、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特に脂質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると血液中の中性脂肪や体脂肪の増加を引き起こします。ビタミンB₂が欠乏すると口内炎、舌炎症、口唇炎、角膜炎などが起こります。脂質の摂取が多くなるとビタミンB₂の必要量が増え、体内で不足しやすくなります。食品では、ウナギ、サンマ、レバー、大豆、牛乳などに多く含まれます。
ビタミンB₆は、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特にたんぱく質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると貧血や肌荒れ、湿疹、神経系の異常などを引き起こします。食品では魚や肉に多く含まれますが、調理したり、加工食品にすると失われやすくなっています。
ビタミンB₁₂は、脂質のエネルギー代謝の補酵素で、中枢神経や脳の機能を維持する作用があります。造血作用に関わり、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球を作り出すのに欠かせません。食品では、レバー、肉、魚介類などの動物性食品に多く含まれます。動物性食品を摂らないと不足して、エネルギー代謝に悪影響が出ることにもなります。
朝食によく出てくるハムやベーコン、目玉焼き、牛乳は、代謝を考えると理にかなった内容だったということです。

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第2回)を紹介します。
体格指数のBMIと何らかのがんを罹患するリスクとの関係を調べた日本人中高年期(40〜69歳)男女約9万人を対象としたコホート研究では、男性のBMI21未満でのみ、リスクの上昇が認められました。また、別の日本人中高年期(40〜64歳)男女約3万人を対象とした研究では、女性のBMI27.5以上でのみ、リスクの増加が認められました。このように、BMIとがん全体との関係は、欧米とは異なり、日本人においては、それほど強い関連がないことが示されています。国内の8コホート研究を統合した研究によると、がんの中では特に大腸がんや乳がん(閉経前後ともに)で、BMIが大きければ大きいほどリスクが高くなることが報告されています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症など、肥満度が低いほどリスクが低下する疾患もあります。例えば、糖尿病の場合、BMIが1kg/㎡増加するごとに男性で1.3倍、女性で1.2倍リスクが上がることが示されています。また、成人期の体重増加により、循環器病、糖尿病のリスクが増加します。例えば、過去5年間の体重変動は、女性において10%以上増加した人は、体重変化が±3%以内の人に比べて、脳卒中リスクが1.5倍上昇していたことが確認されています。
栄養不足を伴うやせでは免疫力が弱まって、感染症にかかりやすくなったり、血管を構成する壁がもろくなり、脳出血を起こしやすくなることも知られています。
肥満とうつ(うつ症状)との間には関連があり、8研究のメタ解析によれば、肥満の人にはうつ(うつ症状)のリスクが1.6倍高く、9研究のメタ解析によれば、うつ病(うつ症状)の人では肥満のリスクが1.6倍高いと報告されています。他にも、妊婦を対象に肥満によるうつ症状発症のリスクが産前(1.4倍)、産後(1.3倍)ともに高いことを報告した研究や、肥満の児童はそうでない児童と比較して青年期のうつ病を発症するリスクが高い(1.3倍)ことを報告した研究があります。

表現はよくないのですが、“専門馬鹿”という言葉があります。限られた分野のことには精通しているものの、それ以外の知識や社会的常識が欠けていることを指しています。私たちが追求している健康の世界は、例えば医師の言うことが最も正しいように判断されがちですが、専門分野以外では、案外と誤ったことを伝えているのはメディアに登場する先生方を見ていても感じさせられることです。
以前に医学系大学で栄養学が学べるのは3分の1ほどでしかなくて、卒業してから別の機会に学ぶか、我流で栄養学を身につけるしかない、というようなことを紹介したことがあります。非常に頭がよい方々なので、一生懸命に勉強して管理栄養士にも負けない知識を得られている方々がいるのは事実です。日本臨床栄養学会、日本臨床栄養協会は、そのような場を提供しています。
医学的に正しいことで、栄養学的にも正しいとしても、健康づくりには多くの要素が必要で、運動としての見地も休養としての見地も必要です。日本人は欧米人や大陸系のアジア人とも異なる体質があり、世界的に正しいことであっても日本人には通用しないこともあります。そこをクリアしたとしても、指導が通じない人もいます。日本メディカルダイエット支援機構は発達障害の人のための栄養学を研究していく中で、これまでなら常識として話して、そのとおりにしてください、と言えたことが、まったく通じないことがあることもわかりました。それでも通じるようにアレンジすることも進めてきました。
日本メディカルダイエット支援機構は臨床栄養、運動科学、薬学、生理学などの専門家と連携した健康科学情報センターと、メディアで活躍する専門家やジャーナリストなどが集う健康ペンクラブの事業を取りまとめる組織としてスタートしました。そのときから研究内容も発信情報も健康に関わるのは同じでも、切り口も検討方法も多岐にわたっていて、ときにはまとまりがつかないような状況の中でも、健康づくりに役立てられることだけを願って活動してきました。
支援機構の理事長は著作権、使用権などがあるコンテンツが数多くあり、今でもリサーチ結果を蓄積しています。これらは使わなければ“ゴミになる”可能性があるもので、活かしたいという方々には使えるような形にして提供しています。

発育途中の子どもは、内臓の成長も途中であることから解毒能力が低くなっています。そのために有害物質とされる農薬や食品添加物なども、できるだけ減らすことが求められます。まったく農薬が使われていない食品を選び、調味料も無添加のものを使うようにしている保護者も多いかと思います。家庭で注意をしても、外で食べる食品で残留農薬と食品添加物を摂らないようにしようとしても、調理済みの外食には農薬に関する表示も食品添加物の表示もされていません。表示されているのはパッケージに入っている食品だけです。
食品の内容の表示は食品表示基準に基づいていて、多く使われているものから順番に表示することが定められています。食品添加物は後ろのほうに表示されているので使用量が少ないのかというと、食品添加物は食材の後に書き並べることになっているので、これだけで多いのか少ないのかを判断することはできません。
表示に食品添加物が書かれていなければ安心できるのかというと例外もあります。その例外の一つは食塩です。食塩の原材料名を見ると海水(食塩)、岩塩(食塩)と書かれています。これ以外は含まれていない感じがするものの、食塩には固結防止剤という食品添加物が使われています。昔の塩は放置しておくと空気中の水分を吸って固まりましたが、今では固結防止剤によってサラサラの状態が保たれます。
固結防止剤としては、皮膜効果のある炭酸マグネシウムや微粒二酸化ケイ素など、吸湿効果がある塩化マグネシウムなど、乾燥効果がある無水リン酸ナトリウムや無水硫酸マグネシウムなど、媒品(結合力を弱める)効果があるクエン酸鉄アンモニウムなどがあります。これらのものは健康被害は極めて少ないとされるものの、食品添加物が含まれていても、表示が免除されているために、これを見ても確認することができません。

ウォーキングのイベントは歩きやすく、安全なコース設定が重要で、主催する自治体としては観光案内になることも期待していますが、大会を主管する団体としては安全第一で、平らで、見通しがよく、歩道があるか歩道がない場合でも広くてクルマとの接触を考えないでよいコースの設定を重視しています。そのために主催者と主管で意見を戦わせる場面も出てくることもあります。
全国のウォーキングコースを見てきて、これは羨ましいと思えるコースが数多くありますが、その中でも安全ということでは岡山県の岡山市と倉敷市にまたがる広域の平らな地域は見事なコースといえます。道は真っ直ぐなコースだけが歩きやすいわけではなくて、曲がることも楽しみにはなるものの、曲がったために迷うようなことがあってはいけません。もしも迷ったとしても、すぐに本線に復帰できるコースということで、よく例にあげられるのは京都の碁盤の目の道路です。
といっても京都の碁盤の目をウォーキングコースにしようとすると、交通量や歩行者、歩道に面した商店などの関係で、ウォーキングコースにはしにくいところもあります。マラソンや駅伝では道路を封鎖して、専用コースにすることができますが、これを毎日実施することはできません。ウォーキングは大会だけでなく、日々自主的に歩くこともされているわけで、コース選びは苦労します。中には、他のイベントを実施しているエリアではウォーキング大会など多くの参加者が歩くことは許可されない場合もあります。
話は岡山に戻って、どうして真っ平らな地域になっているのかというと、ここが昔は“吉備の穴海”と呼ばれる瀬戸内海が内側まで入り組んだところだったからです。その範囲は岡山市と倉敷市のほとんどが入ってしまう広さで、東西50km、南北20km、その面積は琵琶湖と同じくくらいです。江戸時代に埋め立てを行い、広大な土地を得たのですが、その埋め立てを可能とした岡山三大河川の吉井川、旭川、高梁川は、すべてが穴海に注ぎ込んでいました。埋め立てによって島であった児島も陸地の一部となり、今でも地名に島がつく地域が点在しているのも元々が島であった名残です。
この真っ平らな土地を離れると、大昔に海岸線だったところから小さな山が続く旧来の吉備地域(備前、備中)へと続き、ここも歩くのに適した地域です。こんなにも歩きやすい環境があるのに、岡山県は、都道府県の中で歩数の差が男女で最も大きくなっていて(1日に2000歩以上の差)、女性が歩かない地域ともなっています。それなのに女性の平均寿命は全国第2位で、1位とは僅差です。1mm以上の雨が最も少ない晴れの国でもあるので、もっと歩いて日本一の健康な地域にもなれる環境が整っているのです。

歩く姿をほめられたのは“初めて立って歩いたとき”という人も少なくありません。「歩く姿が美しいですね」とほめられることは、あまりないはずです。スポーツをしていて、その競技の姿勢もよくて、素晴らしいポーズで走っている人でも、なぜか歩く姿をほめられないということもあります。
ウォーキングの指導を受けていれば、正しい歩行姿勢が身についていそうですが、“本当に指導されたのか”と疑問を抱くような歩き方をしている人がいます。スポーツ競技とは違って、歩くのは一般には誰でもできることで、特別に指導を受けていなくても歩くことはできます。歩き方を教える資格がないと教えられないというわけではないので、それぞれが独自に指導することができます。だから、我流の歩き方、これが正しい歩き方だと信じた歩行姿勢を押しつけるようなことも起こってしまいます。
日本ウオーキング協会では、公認ウオーキング指導員や健康ウオーキング指導士のほかに歩育コーチという子どもの発育を目的とした資格認定を行っています。その中では、健康的に長く歩き続けられる歩行姿勢が指導されています。
その歩行姿勢として絶対にやってはいけないのは、膝の関節などの健康食品のコマーシャルに出てくる肘を曲げて、上に振り上げるような姿勢での歩行です。肘を曲げて勢いよく振るのは、いかにも元気に歩いている印象がありそうですが、これでは歩幅を広げて勢いよく前進することもできず、できたとしても長く続けることはできません。
肘を曲げると腕の振り幅が小さくなり、これは早く腕を振って、走るときには有効な姿勢です。しかし、歩くときには肘を伸ばすようにして振り幅を大きくすることで歩幅が広がり、かかとから着地して、足裏を徐々に地面に密着させて、足先で蹴り出して前進するという歩き方ができるようになります。基本的なテクニックとしては、これだけです。あとはできるだけ遠くを見て、前屈みになりすぎないようにすることと、身体の動きを効率的に前進させるエネルギーとする方法くらいです。
昔から親の背中を見て育つというようなことが言われますが、子どもの見本になるような歩き方をして、その意味を教えてあげることで、さらに次の世代に伝わっていくということです。だから、当たり前のことをわざわざ教えていると言われようとも、ウォーキングの姿勢の指導を健康づくりの基本として掲げているのです。

飲食で摂ったエネルギー源のエネルギー量(摂取エネルギー源)の合計と脳と身体のために使われるエネルギー量(消費エネルギー量)の合計を差し引きして、摂取エネルギー源のほうが消費エネルギー量よりも多ければ脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪が多くなります。それとは逆に、消費エネルギー量のほうが摂取エネルギー量よりも多ければ、不足する分を蓄積された中性脂肪を分解して使うという関係になっています。
これは大原則ですが、1日の飲食で摂ったエネルギー量が同じであっても違う結果になることがあり、必ずしも摂取エネルギー量と蓄積される体脂肪の量が比例するわけではありません。その大きな要因としてあげられるのは“エネルギーロス”です。
食品に含まれる脂肪は、そのまま脂肪細胞に入るわけではありません。中性脂肪は脂肪酸3個とグリセロール1個で構成されていますが、消化されたときには脂肪酸とグリセロールの結合が溶けて、吸収によって血液中に入った脂肪酸は細胞に運ばれてエネルギー化されるものと、肝臓に入るものに分かれます。肝臓では脂肪酸を中性脂肪にする働きのほかに、ブドウ糖とアミノ酸から脂肪酸が合成され、その後に中性脂肪が合成されます。
脂肪酸が中性脂肪に合成されるときには、似たような構造に変換されるため、脂肪合成に使われるエネルギー量は少なく、エネルギーロス率は約3%となっています。それに対して、たんぱく質と糖質が脂肪酸になり、中性脂肪に合成されるときには異なる形に変換されるため、エネルギーロス率は糖質で約20%、たんぱく質で約23%にもなります。同じエネルギー量の食品をとっても、体脂肪として蓄積されるときには20%前後のエネルギー量の差が生まれることになります。
夕食時には、自律神経の副交感神経が盛んに働き、副交感神経によって膵臓からインスリンが多く分泌されます。インスリンは昼間には糖質を筋肉細胞に取り込み、燃焼させるように作用しますが、夕方からはインスリンは糖質を脂肪に合成させると同時に、中性脂肪を脂肪細胞に多く取り込むように働きます。
これは夕食で摂ったものを、重要なエネルギー源の体脂肪として蓄えるために身体に備わった機能です。夕食では脂肪を減らした食事内容とし、脂肪は朝食と昼食で多めに摂ったほうが、体脂肪が余分に蓄積されるのを抑える効果が高いことになります。

国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第1回)を紹介します。
成人の体格を把握するために最もよく使用される指標がBMI(Body Mass Index)で、体格指数と訳されています。体重(kg)を身長の二乗値(㎡)で除して評価します(kg/㎡)。国際誌で発表される研究の多くが、BMI18.5未満をやせ、18.5〜24.9を標準体重、25.0〜29.9を過体重、30以上を肥満と定義しています。過体重と肥満を合わせて体重過多と呼ぶこともあります。
日本人を含むアジア人はBMIが同水準でも、欧米人と比較して内臓脂肪の蓄積が多いことが知られていて、BMI高値の解釈には特に注意が必要とされています。日本肥満学会はBMI25以上を肥満と定義しています。日本人の最も健康度が高いBMIは22とされていて、これを目指すことがすすめられています。
18歳未満の小児の体格評価は、国際的には性別年齢別のBMIパーセンタイル値による評価が一般的です。BMIパーセンタイル値(横断的成長曲線)が85パーセンタイル値以上で過体重、95パーセンタイル値以上を肥満と判定しています。日本では、性別・身長別の標準体重からの乖離によって体格を評価することも広く行われています。
国内の7コホート研究を統合して行った研究によると、男女ともに死亡全体のリスクは太りすぎでも、やせすぎでも高くなっています。全体として、男女ともBMI21〜27あたりが最も死亡全体のリスクが低い範囲であることが示されました。