サプリメントは食品に分類されるため、摂取タイミングを表示することができません。その根拠となっているのは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で、これに基づく「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」によって、具体的に禁止される項目が定められています。マニュアルによるとサプリメントを含む健康食品は、医薬品のような効能効果、用法用量は表示することができません。用法用量というのは、どの対象者が、どれだけの量を摂るということと、どのタイミングで摂るということです。
効能効果については、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品は一部が認められています。その範囲は健康効果であって、医薬品の効果とされること、身体の機能に影響を与えることは表示することができません。サプリメントを含む健康食品は、効能効果は一部であっても表示できないうえに、摂取タイミングも表示することができません。それでは無駄づかいにもなってしまいかねないわけですが、唯一の解決策が教育や情報によって正しい使い方を知ることとなります。
摂取タイミングとしては、サプリメントも医薬品と同様に最良のタイミングが確認されています。医薬品の摂取タイミングとしては、食前、食直前、食直後、食後、食間、就寝前といった表現がされています。サプリメントの場合には空腹時という表現もされます。
医薬品で食前というのは食事の30分前、食後は食事の30分後、食直前は食事の5分前、食直後は食事の5分後となります。食間は食事をして2時間後を目安としています。食間という言葉は食の間ということで、食事の途中で箸を置いて、薬を飲んでから、また食べ始めるということをしていた人もいました。この摂取タイミングは食中ということになりますが、一般的な医薬品では、このタイミングはないので、食中という言葉も使われていません。
医薬品の食間は2時間後ですが、サプリメントで使われる空腹時は食間とイコールではなくて、食事と食事の間を指しています。朝食が7時で昼食が12時だとすると2時間30分後となります。昼食が12時で夕食が18時だと3時間後となります。夕食のあとの食事である翌日の朝食までには時間が長いことから空腹時という言葉ではなくて、就寝前ということになります。医薬品で就寝前というのは寝る1時間前を指していますが、サプリメントでは就寝する直前でも問題なしとされています。
医薬品には起床後という表示はなくて、起床して30分くらいで朝食を食べることから食前とされています。サプリメントの中には食事の影響を受けないようにするために、起床後に摂ることをすすめられるものもあります。その代表的なものがイオン化して吸収されるカルシウムのサプリメントです。
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国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第4回)を紹介します。
大豆製品を多く摂取することによって、脂質異常症の改善、循環器病予防につながります。発酵性大豆食品を多く摂取することによって、早死、血圧高値、がんの予防につながります。日本人を対象にしたコホート研究では、発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、死亡全体のリスクが低下していました。死因別に見ると、循環器病による死亡リスクの低下が顕著でしたが、がん死亡との関連はみられませんでした。
大豆製品を多く摂ることによって脂質異常症のリスクが低下することが、複数のメタ解析で示されていて、女性で特に脳梗塞や虚血性心疾患のリスクが低下することから、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、大豆を多く摂取することが推奨されています。また、みそ汁を多く摂取することによって、乳がん、肺がんのリスクが低下する可能性も示されています。さらに近年、発酵性大豆製品を多く摂ることによって、血圧高値になりにくいということが明らかになっています。
大豆摂取量が日本より少ない海外では、妊婦において尿中のイソフラボン量と脂質異常症やインスリン抵抗性の関係を調べた小規模研究では、尿中イソフラボン量が多いほど空腹時血糖、インスリン量、HOMA–IR指数、中性脂肪値が低かったことが報告されています。また、日本で実施された小規模研究では、大豆食品摂取が多い妊婦ほど、妊娠中のうつ症状が少なかったことが報告されています。一方、子どもでは、大豆イソフラボンは小児の二次性徴には影響を与えず、成人後の乳がんリスクを低下させることが報告されています。
「覚えたことは思い出せるが、覚えていないことは思い出しようがない」と言われます。当たり前といえば当たり前のことですが、一生懸命に覚えるために時間を使うだけでは記憶として残ってくれません。記憶されるには、以前に記憶したことと照らし合わせて、整理をして重要なことを記憶としてインプットすることが第一段階です。
これは一時的な記憶であって、本当に記憶として刻み込み、いつでも引き出せるようにするためには、次の第二段階が必要になります。その第二段階に当たるのは睡眠中です。“寝る子は育つ”という言葉がありますが、“寝る子の脳は育つ”ということです。
脳の記憶は机に例えることができます。記憶を紙に書いた文字のようなものだと考えると、一時的な記憶は机の天板の上に紙を置いただけの状態です。覚えたばかりのことを、すぐに引き出そうとする場合には、天板の上の紙を見ていけば必要な文字情報を見つけることができます。ところが、天板の上に次々と紙を積み重ねていったら、長く置いておいた紙を見つけることができなくなります。
そこで見つけ出しやすくするために、記憶した情報を引き出しの中に分類して入れて整理するようにします。分類してあれば、思い出して必要なものを取り出しやすくなります。その引き出した情報を天板の上に置いて、新たなに天板に乗せた情報と組み合わせて、書き換えて更新した情報を引き出しに入れて整理します。
この整理の時間は睡眠中で、眠りが浅くなったレム睡眠のときに情報の出し入れがされています。夢を見ているのはレム睡眠のときで、夢は過去の情報を引き出すことで夢のストーリーが組み立てられています。深い睡眠のノンレム睡眠のあとのレム睡眠で、脳における情報の出し入れが盛んに行われるので、熟睡することは記憶の能力を高めることになるのです。
同音異義語は国語の学習の中で初めのころに登場します。同音異義語は同じ音で違う意味の言葉ということで、「きかい」は機械、機会、器械、奇怪、最近では鬼界も登場していて、これは漢字を覚えていく中で新たなものが登場するたびに追加更新して記憶する数を増やしていくことになります。パソコンの文字変換で、文章の流れとは異なる漢字が出てきても、漢字と意味が合致していないと変換ミスを起こすことになります。
頭の中に記憶して、その記憶どおりに筆記することができるようになるためには、書き文字の詳細を理解していなければなりません。パソコン画面に打ち込んだら、その候補の漢字が次々に登場して、その中から選んでクリックするだけ、というのとは脳の使い方と負荷が異なります。
それでも同音異義語は漢字の意味を知っていれば対処できますが、異音異義語となると実際の意味を把握していないことには正しい読み方ができず、間違ったまま読んでいたということにもなりかねません。
同音異義語は教科の中でも一覧表が作られているので、ある意味では丸暗記をすることも可能です。ところが、異音意義語の場合には一覧表は存在していなくて、これを面白がって作成している私たちのような者が作っているだけです。しかし、言葉を覚えていくときには脳の使い方を鍛えられることであり、教師でもよくわかっていないことを覚えるのが子どもたちのモチベーションを高めることにもなります。
すべてではないものの、日本メディカルダイエット支援機構のホームページの最新情報の中の「学習障害」41〜87の47回に渡って「異音意義語は面白い」というテーマで例をあげています。その始まりは、あ行の“あ”から始まる異音異義語で、一番初めの出てくる白馬は「あおうま」と読んで白馬、葦毛の馬を意味する場合と、「しろうま」と読んで毛色の白い馬、にごり酒を意味する場合、そして「はくば」と読んで白い馬を意味しています。次に紹介している青梅は「あおうめ」と読んで未熟で青い梅の果実、「おうめ」と読んで東京都西部の市の名称となります。
辞書を引けば、他の表現がされていることも当然のようにあります。辞書を引く機会は以前に比べると減っていて、パソコンやアプリ、電子辞書で済ませることも多いかと思います。しかし、いろいろな辞書を引いて、どんな表現がされているのか、その言葉は、どの辞書が最も詳しいのか、もしくはわかりやすいのか、そういったことを比較しながら読み進めていくのは積極学習のきっかけになります。ここで覚えた異音意義語は生涯に渡って使えるものであり、私たちが例示したものを使って、これを超える独自の異音意義語辞典を、それぞれの子どもに作っていってほしいとの願いもあって、47回という連続掲載を行った次第です。
発達障害は複数のものがある中で、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害が三大障害としてあげられています。文部科学省の定義では、以下のように示されています。
「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。」
この中で、注目すべきは重複障害が触れられていないことで、他の障害がある場合には、学習面に困難さがあっても学習障害とはされないことです。他の障害だけでなく、他の発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害など)が原因となって学習に障害が起こっていても、この定義では学習障害とはされないことになります。
学習障害の子どもに対して学習を通じて支援をする場合の対象は、文部科学省の考え方に従うなら、他の発達障害の子どもは含まれないことになり、学習面で困難さを抱えていても、また進学を目指して学習したいと願っても、かなえられないことになります。
このことには異論や批判があることは承知をしていて、あえて発言をしているのですが、学習障害の子どもは学校教育の中ではなく、それ以外の学習の場で学ぶことが求められることになります。また、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害によって学習に問題が出ていても、やはり学校の中では解決できないということになります。学校教育の中で行われている国語または算数の基礎的能力に著しく遅れがあって、学年を1〜2年下げた内容で学ぶということしか対応できないのでは、その子どもの秘めた能力を引き出すことは学校教育の中だけでは難しいということになります。
食事をすると胃液によって消化が始まり、30分ほどすると小腸からの吸収が始まります。これは始まったということであって、完全に消化されるまでの時間は三大エネルギー源の性質によって異なります。最も早いのは糖質の2時間で、糖質だけを摂ったとすると2時間で空腹を感じることになります。炭水化物食品のご飯にもパンや麺にもたんぱく質と脂肪が含まれているので、2時間以上の時間がかかるものの、糖質が主なので3時間も経たないうちに消化されます。
たんぱく質が完全に消化されるまでは4時間、脂質が完全に消化されるまでには6時間かかります。唾液には消化酵素のアミラーゼが含まれていて、この消化酵素は糖質を分解する作用があります。アミラーゼの働きは胃の中でも続きます。
胃からたんぱく質を消化する消化酵素のペプシンが分泌されていますが、脂質を消化する消化酵素のリパーゼは膵臓から分泌されて、胃に送られます。リパーゼは脂質をグリセロールと脂肪酸に分解するもので、それを消化して吸収されやすくするのは肝臓で作り出される胆汁です。胆汁は十二指腸から分泌されるので、脂肪の消化は十二指腸から小腸で行われることになります。そのために、脂肪が完全に消化されるまでには6時間もかかっています。
脂肪が含まれた食品を食べると、空腹を感じるまでの時間が長くなります。空腹を早く感じてしまい、おやつや次の食事をしたくなる、空腹にまかせて食べすぎてしまうという場合には、脂肪が含まれたものを摂ることが必要になります。こういった三大エネルギー源の消化にかかる時間を知っておくだけで、空腹を感じにくくさせて食事の量をコントロールすることができるようになるということです。
国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第3回)を紹介します。
食物繊維を多く含む食生活は、これまでに早死や大腸がん、循環器病、糖尿病の予防につながる可能性が示されています。食物繊維摂取と死亡全体、がんや循環器病死亡との関連を検討した日本人のコホート研究では、食物繊維を多く摂取する群で男女の死亡全体と循環器病死亡、男性のがん死亡のリスクが低下することが示されています。大腸がんについては、食物繊維の摂取量に応じて5群に分け、さらに最も摂取量の少ない群を3群に分けた場合に、食物繊維の摂取量が最少の群は最も摂取量の多い群に比べて、大腸がんのリスクが2.3倍に増加することが報告されています。
世界各国の12の前向き研究のメタ解析では、全粒穀物(玄米や全粒粉パンなどの未精製穀物)の1日あたりの摂取量が30g多くなるにつれて糖尿病リスクが0.9倍になること、穀類由来の食物繊維の摂取量が10g多くなるにつれてリスクが0.8倍になることが示されています。循環器病については、食物繊維摂取量が最も少ない群(下位20%)において、女性の循環器病発症リスクが0.7倍だったという報告があります。また、この研究では、男女ともに最も食物繊維摂取量が少ない群に比較して、食物繊維摂取量の多い非喫煙群は循環器病発症のリスクが低下していましたが、食物繊維の摂取量が多い喫煙群では循環器病発症のリスクは低下していませんでした。つまり、食物繊維を多く摂ることは、循環器病予防につながるものの、喫煙によって予防効果が期待できなくなると考えられています。
日本では厚生労働省の「健康日本21(第二次)」で1日あたり野菜摂取目標量が350g以上とされていて、食事バランスガイドによる1日の摂取量では、野菜などの副菜を350〜420g、果物を200g摂ることが適量とされています。また、1日あたりの食物繊維摂取量の目標量については、「日本人の食事摂取基準」(2020年版)」では18〜64歳では男性が21g以上、女性が18g以上、65歳以上では男性が20g以上、女性が17g以上とされています。
障害者は「障がい者」と表記される場合があります。害という漢字は害を与えるというマイナスのイメージがあることから障がいという表記が一部自治体で使用されています。内閣府も文部科学省も障害を正式な用語としています。内閣府の資料では、障がいを用いているのは8道県(北海道、山形県、福島県、岐阜県、三重県、熊本県、大分県、宮崎県)と5指定都市(札幌市、新潟市、浜松市、神戸市、福岡市)と紹介されています。放送用語でも常用漢字ということで害が使われています。障害という言葉は、障害がある本人ではなく、その人が暮らしにくい社会や施設のほうに問題があるから障害になっているという考えがあり、NHKも同様の見解を示しています。
発達障害は医学用語であり、法律用語(発達障害者支援法)でもあることから障害の文字が使われています。発達障害の中でも、特に障害という用語に抵抗感があるのは、学習障害です。学習障害は英語ではLearning Disabilitiesといい、これを和訳したときに学習障害という用語が使われました。しかし、これは適切な表現ではないとして、英語表記を略したLDが使われる場合が多くみられます。LDは学習に関する能力の限定的な障害であることから、その障害の克服を手助けしていくことができれば、健常児と同じように知的な能力を発揮できるという考え方がされています。
LDは医学用語としても使用されていますが、この原型の英語はLearning Disorderで、識字障害、書字障害、算数(計算)障害に限定された診断で用いられています。
教育の世界で使われるLDのDisabilitiesは複数形になっていて、単数形はDisabilityです。これが意味するのは、発達障害は特徴的な状態だけでなく、さまざまな学習上の困難さがあることを示しています。しかし、医療関係者の定義に従って、保護者は学習上の困難があり、特別な配慮を必要とすることに目が奪われがちです。
実際に発達障害がある子どもに学習支援を行うときには、学ぶことに関わる多方面からのアプローチが必要であり、識字障害、書字障害、算数障害に限定した遅れを取り戻すだけの教育では、本来の能力を引き出すことは、それこそ困難であると考えています。
落ち着くようにさせるときに、「深呼吸をしなさい」とよく言われます。深呼吸をすると、多くの酸素が取り込まれて全身に送り込まれます。その全身の中には心臓も脳も含まれています。興奮するとドキドキして心臓の鼓動が高まりますが、これは自律神経の交感神経の働きが盛んになっているからで、そのときには心拍数が高まり、血圧が高まり、呼吸数も増えて、呼吸が浅い状態になります。多くの酸素を効果的に取り入れるために呼吸が浅い分だけ呼吸が早くなります。
その状態を切り替えるのが深呼吸で、多くの酸素を取り込むと酸素が行き渡るようになって、自律神経は交感神経優位から副交感神経優位となっていきます。深呼吸は興奮状態になっているときに、精神的に落ち着かせる効果もあって、好循環につながります。
深呼吸は、ただ酸素を吸い込んで息を吐けばよいというわけではなくて、“呼吸”という言葉のように、呼ぶ=吐くが先で、その後に吸うことを意識して行います。口から息を吐き切って、鼻から吸うようにすると多くの酸素が入ってきます。吸ったあとは、すぐには吐かずに息を止めるようにします。鼻から吸うのに3秒をかけて、口から吐くのに6〜10秒をかけます。吐くときには腹筋を意識して、お腹をへこませるようにすると吐き切ることができるようになり、鼻から効果的に吸うことができるようになります。
マスク着用では、この方法を的確に行うことは難しいことから、周囲に他人がいないところで積極的に行うこととなります。
脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖ですが、このブドウ糖を使って脳の中でエネルギーを作り出すときには酸素が必要になります。酸素不足ではエネルギーも作りにくくなります。細胞で作り出されたエネルギーは、その細胞でしか働くことができないので、脳を活性化させるためには酸素が必要です。勉強をする前に、少し歩いて酸素を多く取り込むことも大切ですが、じっと動かないでいて集中力が低下してきたときには深呼吸をして酸素を補うことです。
発達障害の行動タイプは、消極的に見える自閉症スペクトラム障害と積極的に見える注意欠陥・多動性障害に分けて考えられています。行動や感情の変化は自律神経の影響を受けていると考えられていて、交感神経の交感神経は興奮系、副交感神経は抑制系という特徴があることから、自閉症スペクトラム障害は交感神経の働きが盛んになっていて、注意欠陥・多動性障害は副交感神経の働きが盛んになっていると単純に考えられがちです。
確かに、注意欠陥・多動性障害は興奮しやすく、副交感神経の抑制が効きにくいことから交感神経が働きっぱなしということは事実としてあります。だからといって、いつも注意欠陥・多動性障害は交感神経の働きが優位になっているわけでもなくて、自閉症スペクトラム障害が副交感神経の働きが優位になっているということばかりではありません。
そのことを、栄養摂取と太るということから分析します。食べたものの消化を進めると吸収もされやすくなります。消化液である唾液と胃液の分泌を促進するのは副交感神経で、興奮状態にあるときには消化が低下して、吸収も低下します。注意欠陥・多動性障害では交感神経の働きが盛んになっていて、本来なら副交感神経が優位な状態に切り替わりやすい夕方以降にも交感神経の働きが盛んになっていて、消化・吸収が低下します。そのために、食べた割には太りにくくなります。それだけでなく、交感神経の働きが盛んなときにはエネルギー消費が増えて、行動が盛んになればなるほど余計にエネルギーが使われて、これも太りにくい要因になります。
自閉症スペクトラム障害は抑制系とは言われているものの、それは身体的な活動だけのことで、自閉症スペクトラム障害は学習でも社会生活でもプレッシャーが強くかかり、それに対応するために交感神経の働きが盛んになってしまいます。食事のときにはリラックスして副交感神経系に切り替わってくれればよいのですが、食事のときに緊張感が高まることもあり、そのために消化に影響が出てきます。腸の働きを盛んにして吸収をよくするのも副交感神経で、腸の蠕動運動を盛んにして排泄を促進するのも副交感神経です。ということは、吸収にも排泄にも影響が出てしまい、これが太りやすい要因にもなってしまうのです。





