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発達障害に多くみられる感覚過敏によって、どうしても食べられない食品があります。以前は“1日30食品”という標語が掲げられたことがあります。これは今では使われなくなっていますが、それには二つの理由があげられます。一つは食品数の調査をしたときに、1日に30食品を食べている人が1%もいなかったことです。もう一つの理由は国民健康・栄養調査の結果ですが、必要とされる栄養素が補給されている人の食品数を数えたところ、平均17食品だったことです。
しかし、これは極端な偏食がない平均的な食生活をしている人の結果で、しかも国民健康・栄養調査は20歳以上の成人を対象としているので、発達障害児に該当するかどうかはわからないところがあります。生命維持と活動のために必要な栄養素は基本的には全世代に共通しているものの、子どもには特に多く摂取してほしい栄養素があります。
例えば、必須アミノ酸は9種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン)ですが、乳幼児の場合にはアルギニンを加えた10種類が必須アミノ酸となっています。必須アミノ酸というのは、体内では合成することができないアミノ酸を指しています。
食事では摂取できない栄養素はサプリメントから摂ろうと考えることがありますが、サプリメントは安全性試験を実施するときに、子どもや妊娠可能な人は対象としてはいけないことになっています。そのために、あるサプリメント商品が着実に子どもに安全であるのか、効果があるのかは確認されていないのです。しかし、基本的なビタミン、ミネラル、アミノ酸といった栄養素は研究が進められ、安全性も有効性も確認されています。栄養補給に使えるサプリメントと、そうはいかないサプリメントがあるということです。

人間の身体は、さまざまな機能調整によって正常な働きが保たれているわけですが、中でも自律神経による調整が最も大きな影響をもたらしています。
自律神経は、環境や身体の状況に応じて、本人の意思とは無関係に自動的に働き、体内を常に最良の状態に保ち続けるための神経となっています。暑いときに汗をかいて体温の上昇を抑えるのも、運動をしたときに心臓の鼓動を早くして筋肉に大量の酸素を送るのも、食後に胃腸の働きを活発にして消化・吸収を促進するのも、すべて自律神経が調整を行っています。
腸は“第2の脳”とも呼ばれますが、これは神経伝達物質のセロトニンが腸で作られているという事実だけではありません。腸は脳からの指示を受けることなく、自ら調整を行っていることも指しています。その自らの調整を行っているのが自律神経です。
自律神経の調整が正常に行われていれば、活動と休養のタイミングに合わせて全身の機能が保たれていますが、自律神経の調整に乱れが生じると、安静にしていなければならないときに心臓の鼓動が高まり、興奮をして休めない、眠れないという不調が起こります。
胃腸の状態では、食事をしたあとにはリラックス状態になって胃液や胆汁が多く分泌され、消化されたものを的確に吸収されるようにしなければならないわけですが、興奮した状態になって胃液が分泌されにくくなって消化が抑えられ、吸収も遅れがちになって腸にも余計な負担をかけるようになります。
自律神経の乱れによる影響は、それぞれの人の弱い部分に現れやすく、腸が弱い人や腸に負担がかかっている人は、便秘や下痢を起こしやすくなります。また、腸内環境を整えるために食事の改善や生活法の改善に取り組んでも効果が現れにくくなっています。
自律神経は、交感神経と副交感神経に大きく分けられています。自律神経は血管に沿って全身の臓器や器官に張り巡らされていて、状況に応じて交感神経と副交感神経が切り替わり、全身をコントロールしています。寒いときには血管が縮んで放熱を抑えるようになり、暑いときには血管が広がって放熱を盛んにするようになるのも、交感神経と副交感神経の切り替えによって行われているのです。

発達障害の子どもは疲れやすく、これが発達障害の状態を悪化させることにつながっています。通常では自然に、無意識のうちにできることであっても、発達障害の子どもは環境に合わせるために心身をフル回転させて対応させていることがあります。その疲労のために、学習がうまくいかないこともあります。過度な疲労や、疲労の蓄積を考慮して、発達支援に取り組むべきです。
発達障害の特性としてみられる感覚過敏は、刺激に対してストレスを感じやすく、そのために神経をすり減らしやすい傾向にあります。効率よく身体を動かすことが苦手な人は、脳が運動を調整しにくく、極端に不器用であったり、力加減を調整しにくいために、服を着たり、靴ひもを結ぶといった日常的に行われる動作でも苦労するために脳の疲労が蓄積されやすい傾向があります。
注意欠陥・多動性障害の多動・衝動性のタイプは思考や行動のコントロールが効きにくいことから活動量が多く、日常的なエネルギー消費が激しくなっています。また、衝動性をコントロールしようとすることによって、神経をすり減らして疲れる例も多くなっています。
発達障害に共通する自律神経の乱れから、緊張感が続いたり、身体や脳の休養をとることも苦手で、中でも注意欠陥・多動性障害の子どもの半数ほどに睡眠に関する障害が起こっているとされています。
発達障害の子どもが疲労を訴えるのは、このような理由があるからですが、さぼろうとしていると勘違いされがちです。さぼっているわけではなく、心身に負荷をかけることからエスケープ(脱出、逃亡)したがっています。中には疲労を訴えないために気づかれないことも少なくありません。
ストレスを軽減させる方法や休息を与えることだけでなく、疲労の根本原因である自律神経の働きを調整するために、睡眠、食事、排泄、運動といった生活リズムを整える家庭での過ごし方が大切になります。

満腹を感じさせるホルモンのレプチンには中性脂肪の蓄積を抑制して、エネルギー消費を亢進する作用があるのですが、レプチンと逆の働きをして、食欲のバランスを取っているホルモンの一つにグレリンがあります。レプチンの分泌量が増加するとグレリンの分泌が低下し、逆にレプチンの分泌量が減少するとグレリンの分泌量が増加するというバランスが取れた関係になっています。グレリンは胃から分泌され、間脳の視床下部に作用するペプチドホルモンで、食欲中枢を刺激して食欲を増進させています。
満腹状態でも、おいしいと感じるものを目にすると食欲が湧くことは別腹と呼ばれていますが、その別腹現象が起こるのもグリレンの働きによります。精神的な食欲の高まりによってグレリンが分泌されるとともに、胃の蠕動運動が始まり、胃の上部に空間が生じて、食べ物を入れることができるためだと説明されています。また、胃の病気や不調によって胃壁が傷つくと食欲が低下するのは、胃からのグレリンの分泌が低下するからだと考えられています。
グレリンは、睡眠不足になると分泌量が増えて食欲が増していきますが、それと同時にレプチンの分泌が減って満腹を感じにくくなります。これは睡眠不足に対応するために、活動に使われるエネルギー量を増やすための反応で、睡眠不足が続くと食欲が増して、太ることになりかねません。
夜更かしをして夜遅くに食べることは中性脂肪を蓄積させる原因となっていますが、それに重ねてグレリンの作用が関係しているのです。
8時間睡眠の人が5時間睡眠にしたところ、レプチンの分泌が約15%低下して、グレリンが約15%増加したとの研究報告があります。
日本人は歴史的に栄養摂取量が少なかったことからグレリンの分泌量が多く、睡眠時間の短さや熟睡しにくい人が増えてきているだけに、睡眠時間は充分に取るように心がけたいものです。

自律神経は、自ら律すると書くように、自分の意思とは無関係に働いていて、その調整を自力ですることはできないというのが大原則です。興奮してきて、心拍数も呼吸数も増えたときに、頑張って落ち着こうとしても、交感神経の働きが過剰になったときには、自分に言い聞かせたり、深呼吸をしたくらいでは副交感神経の働きが盛んになるように切り替わってくれるようなことはありません。
外からのアプローチで一つだけコントロールが可能なことがあるとすれば、温度の変化くらいです。入浴の場合には38℃以下のお湯の温度では副交感神経の働きが盛んになって心身ともにリラックスさせることができます。それに対して、42℃以上の温度では交感神経の働きが盛んになって元気な状態になっていきます。
夕食の時間帯は、そもそも副交感神経の働きが盛んになっていますが、夕食前に、ぬるめのお湯で入浴すると副交感神経の働きがもっと盛んになります。この状態で食事をすると、胃液とインスリンが多く分泌されて、消化がよくなり、吸収もよくなり、さらにインスリンの働きによって肝臓で合成される中性脂肪が多くなるので、栄養を多く蓄えられるようになります。これが本来の姿です。
発達障害によって自律神経の調整が乱れていると、夕方でも交感神経の働きが盛んになって、なかなかリラックスできない状態となります。そんなところに熱めの温度で入浴をしたら、もっと交感神経の働きが盛んになってしまいます。この状態で食事をすると胃液とインスリンの分泌量が減ります。これはダイエットをしている人にとってはよいことかもしれませんが、栄養の吸収ということでいえば、決してよいことではありません。むしろ避けるべきことで、発達障害がある人が、どんな温度で入浴しているのかは家族なら知っておくべきことです。

日本人は太りやすく、やせにくい体質となっていますが、その原因の一つとしてレプチン抵抗性があげられます。レプチンは食欲を調整する機能があるホルモンで、日本人はレプチンが分泌されやすくなっています。レプチンには満腹を感じさせる作用があり、正常に働いていれば食欲が高まりすぎないように抑制されています。
レプチンは脂肪細胞から分泌されていて、脂肪細胞の中の中性脂肪が増えると分泌量が高まっていきます。レプチンは間脳の視床下部に作用して、満腹中枢の働きを高めることから食欲を抑制する働きをしているのですが、レプチンには自律神経の交感神経にも働きかけ、中性脂肪の蓄積を抑制して、エネルギー消費を亢進する作用もあります。
脂肪細胞に中性脂肪が多く蓄積されすぎる状態は、生体機能を正常に働かせることには妨げとなることから、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が増えるほど、レプチンが多く分泌されるようになっています。この機能が正常に機能していれば過剰な肥満は起こらないはずです。
しかし、肥満と呼ばれるほど太っている人の血液中のレプチン量を測定すると、分泌量が多くなっています。それにも関わらず中性脂肪が多く蓄積されるのは、視床下部でレプチンを受け取る受容体の反応が不十分であるからです。この状態はレプチン抵抗性と呼ばれています。つまり、レプチン抵抗性の人は、満腹サインが出ていながら、それを感じることができずに、食欲が抑えられなくなっているということです。
このようにレプチン抵抗性が起こってしまう原因としては、長期間にわたってレプチンが多く分泌されるような状態が続くことによって、受容体の働きが鈍くなってしまうことが考えられています。これを改善するには、長い期間をかけて、徐々に中性脂肪が蓄積されにくい身体にしていくことが大切な方法となります。

広く健康に関わる記念日について紹介します。
12月1日 WHO(世界保健機関)がエイズの蔓延防止と患者・感染者への差別・偏見の解消を目的に「世界エイズデー」と制定。厚生労働省が自殺予防活動の一環として、いのちの電話の普及のために「いのちの日」と制定。日本カイロ工業会が使い捨てカイロの需要が高くなる12月の最初の日を「カイロの日」と制定。
12月2日 江崎グリコがビフィズス菌の発見が発表された1899年12月1日にちなんで「ビフィズス菌の日」と制定。オタフクソースがナツメヤシのドライフルーツのデーツの認知のために、12月(December)と数字の2の組み合わせでデー(D)ツ(2)と読むことから「デーツの日」と制定。
12月3日 国際連合が障害者に関する世界行動計画の一環として「国際障害者デー」と制定。プラネットが1に手洗い、2にうがい、3に除菌で衛生的な生活を心がけてもらうことを目的に「いちにのさんで除菌」の標語から「『暮らしに除菌を』の日」と制定。凸版印刷が1年間の労をねぎらい妻に感謝する日として1年最後の12月のサン(3)クス(Thanks)の語呂合わせで「妻の日」と制定。日本トイザらスが、いい(1)にん(2)ぷさん(3)の語呂合わせで「プレママの日」と制定。
12月4日 北里柴三郎とエミール・ベーリングが破傷風とジフテリアの血清療法を発表した1890年12月4日にちなんで「血清療法の日」と制定。
12月5日 国際連合がボランティア活動の機運を高めることを目的として「国際ボランティア・デー」と制定。ナカバヤシが12月に1年の思い出をアルバムにまとめる機会にしてほしいと、いつか(5日)時間ができたらと後回しにされることなくアルバムづくりをする日として「アルバムの日」と制定。
12月6日 トーマス・エジソンが蓄音機フォノグラフを1877年の12月5日に発明したことから日本オーディオ協会が「音の日」と制定。
12月7日 紙芝居文化の会が国際交流を目指して創立日の2001年12月7日にちなんで「世界KAMISHIBAIの日」と制定。

小学6年生で覚える漢字をクリアしておけば、中学生になってからも読み書きには支障がないとされていますが、発達障害がある子どもにとっては、すべてをクリアするのは大変なことです。中でも学習障害の識字障害と書字障害がある子どもにとっては、小学6年生の段階まで到達するのは困難かもしれません。そこで家庭や塾などで読み書きができるように、身につけやすい方法を用いて、覚えることが大切になります。
ここでは小学6年生の181字を紹介します。漢字は、一つずつ記憶していくことは、単に記号を覚えるのと同じようなもので、自分に関係あることとして身近なことと結びつけるのは難しいことです。とはいえ、小学5年生まで学んできた漢字と組み合わせることで、具体的な用語とすることができるので、その用語の意味とともに覚えるという方法は有効になります。
学年別漢字配当表 小学6年生 181字
「異 遺 域 宇 映 延 沿 我 灰 拡 革 閣 割 株 干 巻 看 簡 危 机 揮 貴 疑 吸 供 胸 郷 勤 筋 系 敬 警 劇 激 穴 絹 権 憲 源 厳 己 呼 誤 后 孝 皇 紅 降 鋼 刻 穀 骨 困 砂 座 済 裁 策 冊 蚕 至 私 姿 視 誌 詞 磁 射 捨 尺 若 樹 収 宗 就 衆 従 縦 縮 熟 純 処 署 諸 除 将 傷 障 城 蒸 針 仁 垂 推 寸 盛 聖 誠 宣 専 泉 洗 染 善 奏 窓 創 装 層 操 蔵 臓 存 尊 宅 担 探 誕 段 暖 値 宙 忠 著 庁 頂 潮 賃 痛 展 討 党 糖 届 難 乳 認 納 脳 派 拝 背 肺 俳 班 晩 否 批 秘 腹 奮 並 陛 閉 片 補 暮 宝 訪 亡 忘 棒 枚 幕 密 盟 模 訳 郵 優 幼 欲 翌 乱 卵 覧 裏 律 臨 朗 論」

人間の身体は普通に食事をするだけでも太る仕組みになっています。三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)は身体を動かすためのエネルギーとして使われますが、必要以上に摂ったものは肝臓で脂肪酸に合成されます。
三大エネルギー源というと、この他に四番目、五番目があるようにシメージされることがあるものの、身体の中でエネルギーとして使われるのは糖質、脂質、たんぱく質だけです。この3種類以外のものはエネルギー源にはならないわけです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020)によると、1日の適切な摂取バランスは糖質が50〜65%、脂質が20〜30%。たんぱく質が13〜20%となっています。糖質制限が言われる時代に糖質が半分以上となっていることに違和感を感じることもあるようですが、糖尿病の食事制限でも糖質は半分ほどを占めています。糖質(ブドウ糖)は素早くエネルギーになりやすいので、大切なエネルギー源ということができます。
脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついたものが中性脂肪で、主に蓄積のためのエネルギー源となります。脂肪細胞の中に蓄えられているのは中性脂肪です。
脂肪に合成されるのはエネルギー量の違いに関係しています。糖質とたんぱく質は1g当たり約4kcalのエネルギー量となっていますが、脂肪は約9kcalと2倍以上のエネルギー量があります。糖質やたんぱく質のまま蓄積するよりも、脂肪のほうが少ない容量で大きなエネルギーを蓄積できるので、脂肪合成が行われているわけです。
腸内細菌の悪玉菌は動物性たんぱく質と脂肪を主な栄養源としているので、これらが含まれる肉類や脂肪が多く使われた料理を多く食べていると悪玉菌が増えるわけですが、脂肪が多いほど身体に取り込まれるエネルギー量が増えるため、太りやすくなります。善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維であるので、善玉菌を増やす食事は太りにくいことになるわけです。

自律神経の交感神経と副交感神経は、そのバランスによって身体機能を調整しています。昼間の活動的な時間には交感神経の働きが盛んになり、夕方から朝までの休息の時間には副交感神経の働きが盛んになります。胃液を多く分泌させるのも、ブドウ糖を細胞に取り込んだり、肝臓で中性脂肪の合成を盛んにするインスリンを膵臓から分泌させるのも副交感神経の働きです。だから、夕食は太りやすいし、遅い時間に食べると、もっと太りやすくなるということです。
この交感神経と副交感神経の切り替えは、充分な睡眠時間が確保されていて、三食の食事時間(食べている時間ではなくて、食事を始める時間のこと)が規則正しければ、比較的スムーズにいきやすくなります。ところが、睡眠と起床のリズムが乱れて、それに伴って食事のリズムが乱れていると、交感神経の働きが盛んにならなければならない昼間に副交感神経の働きが盛んになって身体の動きがスムーズにいかなくなったり、その逆に副交感神経の働きが盛んにならなければならない夕方以降に交感神経の働きが盛んになって興奮しやすくなってしまいます。
発達障害では、生活の乱れが自律神経の乱れを引き起こすというよりも、自律神経の調整がうまくいかないために、昼間に身体が動かない、夜に興奮状態になるということが起こりやすくなっています。これでは消化をさせたいのに充分に消化できないということも起こってしまいます。
交感神経と副交感神経のバランスで働いているのは腸も同じで、吸収を盛んにするのも、蠕動運動を盛んにするのも副交感神経の働きです。ということは、栄養の吸収がよくない、便通が悪いという状態では、交感神経の働きすぎが考えられるというわけです。