新型コロナウイルスの感染拡大から免疫向上が改めて注目されています。高齢者は免疫力が低下していて、感染しやすく、次への感染源にもなるということで、超高齢社会に突入した日本では、長期的な対策として免疫向上が重要となります。といっても、年齢を重ねて、年々低下していく免疫力に対して、世間で言われるような免疫対策だけでは不安を感じるという人は少ないかもしれません。
免疫は免疫細胞によって全身の細胞で行われているもので、免疫の向上はイコール免疫細胞の活性化ということになります。免疫細胞の第一防御ラインを担っているのは白血球です。全身の細胞というと、これまでは身体を構成する約60兆個とされる細胞ばかりに目が行きがちですが、白血球も細胞だという当たり前のことに着目すると、白血球の働きを高めることの重要性にも気がつくはずです。
細胞の働きを調整しているのは、すべての細胞にある酵素です。酵素によって生化学反応を起こすことによって細胞は本来の働きをすることができます。その酵素の働きを高めるために必要なのは、細胞の中で産生されるエネルギーです。細胞の中のミトコンドリアではエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を取り込んで、TCA回路によってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出します。ATPからリンが一つ外れてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。
ATPを多く作り出すためには、細胞がエネルギー源の中でも糖質のブドウ糖を取り込んで、TCA回路の中で多くのエネルギーを発生させることが重要で、白血球の中でも同じ仕組みで作り出されたエネルギーが白血球の免疫機能を強化していきます。ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むために必要な代謝促進成分はα‐リポ酸です。TCA回路を働かせるためには酵素が必要で、その酵素は補酵素によって働きが高まります。その補酵素となるのがコエンザイムQ10です。
α‐リポ酸とコエンザイムQ10というと、一般にはダイエット素材として知られていますが、多くのエネルギーを作り出して、全身の細胞の働きを高める働きがあります。α‐リポ酸とコエンザイムQ10は体内で合成されるものの、20歳代をピークに年齢を重ねるほど合成量は減っていきます。このことによって代謝が低下して太りやすくなり、免疫が低下していくことになるので、ダイエットだけでなく、免疫強化のために摂るべき成分だということです。
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発達障害は男女差が大きくて、全体的には男子は女性の2.4倍だとされています。これは文部科学省の調査による結果ですが、自閉症スペクトラム障害に限ると男子は女子の4倍にもなっているといいます。その理由について、母親の妊娠期間中の女性ホルモンの分泌が男児の脳に与える影響が考えられており、それについては以前に紹介したことがあります。今回の話は、それとは違って、本当に女性の発達障害は多いのか、多いとしても、そこまで大きな差なのか、という疑問についての考えを紹介します。
女子は、子どもだといっても女性は女性で、特に周囲から「女の子らしく」と言われ、そうなるように誘導されていると、大人ほどではないものの女性特有の行動をしがちです。そのために子どものときには発達障害であることが気づかれず、大人になってから発見されることもあります。それは本人も気がついていないということだけではなくて、本人は周囲と違うことに違和感があり、生きにくさを感じていても、それを親にも周囲にも言えないまま苦しんでいた、ということもあるのです。
自閉症スペクトラム障害は対人コミュニケーションが苦手ですが、男子の場合には集団行動ができず、一人きりで過ごすことが多いので、周囲からもわかりやすい特徴となっています。それに対して女子の場合にはもともと集団で動くことが平気なところがあり、他人とも適応しやすいこともあって、自閉症スペクトラム障害がわからないまま成長することも少なくありません。女の子らしい遊びは集団で行うことが多いことも関係しています。
対人コミュニケーションが苦手とは思えないように見えても、それは気づかれないだけのことで、本人は辛い思いをしていることがあるのですが、それだけではありません。女子でも男子と変わらないような集団行動が苦手、一人遊びをしたいということもあっても、そのことは女子の場合には目立ってしまうので、排除されやすいということがあります。また、自分の気持ちを抑えて付き合いをすることは、男子以上に心理的に不安を感じやすくなっています。自閉症スペクトラム障害では、普通の女の子として振る舞うことは辛くて、それを周囲に期待されることは、もっと辛いということを知ってほしいのです。
新型コロナウイルスは、感染ルートが明らかでない患者が増えてきたことから「次のフェーズ」に入ったと報道されています。次のフェーズというのは、これまでの水際対策の段階ではなく、新たな局面になり、別の対策を実行しなければならないところまで来てしまったことを指しています。
新型コロナウイルスは感染を防ぐためには、濃厚接触を避けると同時に、免疫を向上させることが重要とされていますが、免疫は体内を守るための防衛ラインにたとえられます。免疫細胞は防衛ラインを守り切る軍隊にもたとえられることから、新型コロナウイルス対策は戦争を仕掛けられたときの対策と同様に考えないといけないフェーズとなったのかもしれません。
攻撃兵器の中には生物兵器という細菌やウイルスを使ったものがあります。細菌やウイルスそのものではなくて、発生した毒素などが使われる場合もありますが、感染力が高いウイルスは生物兵器としては効力があり、しかも使いやすいものです。感染力が高くても、すぐに亡くならせてしまうようなウイルスでは感染させることは難しいものです。ウイルス感染した人が次に感染させるタイミングが発症してからということなら、発熱、咳、下痢といった、これまでのインフルエンザ対策と同じでも対応できるのでしょうが、発症する前でも感染する新型コロナウイルスのようなタイプは、見つからないように感染拡大させるステルス兵器として使いやすい、ということを示しています。
日本メディカルダイエット支援機構の“ダイエット”は、いわゆるダイエットの意味だけでなくて、今回のような医学的な対策の意味も含めています。ダイエット(Diet)という言葉は、元々は戦略、方針、作戦、政策といった意味があり、国会は「the diet」となっています。国の政策を決める機関ということですが、ダイエットを元々の意味として使うことで、私たちは健康に大きく影響する、生命を失わせるような感染症への対策についても、ずっと考え続けてきました。その経験からして、ステルス兵器に対抗するのと同じような感染拡大防止対策をしなければならないフェーズに入ったということを伝えさせてもらっています。
脂肪は分解されてから吸収されるので、分解を抑制することによって吸収を抑制することができます。食品に含まれている脂肪は中性脂肪の形となっています。中性脂肪は3個の脂肪酸を1個のグリセライドが結びつけたもので、貯蔵型の脂肪となっています。体内に貯蔵されている脂肪、つまり脂肪細胞の中に蓄積されているのは中性脂肪で、食品に含まれている脂肪も同じく中性脂肪となっています。
中性脂肪は胃から分泌される胆汁酸によって包まれた胆汁酸ミセルとなって小腸に運ばれます。胆汁酸ミセルから中性脂肪が放出されて吸収されますが、胆汁酸ミセルを安定化させることによって、中性脂肪の放出を抑えます。これによって中性脂肪が脂肪酸に分解される量を減らすことができるようになるわけです。
脂肪分解抑制作用のある素材として有名なのは難消化性デキストリンです。加熱処理したトウモロコシ、ジャガイモのデンプンを酵素処理した難消化性の高分子で、特定保健用食品の成分ともなっています。ブドウ糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるとともに、腸内細菌の善玉菌を増やす作用、LDLコレステロール値低下などの働きがあります。また、脂肪を胆汁酸が包んだ胆汁酸ミセルを安定させて脂肪が放出されるのを抑える作用があります。このダブル(W)の働きがあることから、糖にも脂肪にも効果があるダイエット素材として使われています。
難消化性デキストリンの摂取タイミングですが、胃から腸の中に脂肪がある間に摂ることで、脂肪の分解が抑制されます。脂肪は胃の中で完全に消化されるまでは6時間ほどかかります。糖質の2時間、たんぱく質の4時間に比べると長くなっていますが、脂肪分解抑制成分が効果を発揮するのは30~60分間であるので、食後だけでなく食事から6時間までの間で早めに摂ることで効果を高められます。
新型コロナウイルスに限らず、ウイルスに対しては体内の免疫が大きく関係しています。免疫は敵と味方を識別して、敵だけを攻撃することを一般には指しています。その免疫を司っているのは免疫細胞と呼ばれる白血球とリンパ球ですが、攻撃力が強いリンパ球は骨髄で作られて、胸腺で成長してから全身をパトロールするようになります。胸腺の働きが40歳ころから低下し始めます。その低下を補って免疫を調整しているのは腸管免疫です。
腸管免疫というのは腸内にある免疫細胞が集まっているパイエル板によって免疫が強化されていることを指しています。パイエル板がウイルスなどを察知すると免疫細胞が協力して働き、腸管だけでなく全身の免疫を高めていきます。腸管免疫を正常に働かせるためには、腸内環境が整えられていて、腸内がきれいな状態になっていることが求められます。腸内が汚れていて、ウイルスとパイエル板が触れ合わないと腸管免疫が働かないことになります。
腸内が汚れないようにする一番の方法は、腸内細菌の善玉菌を増やすことです。腸内細菌の総数はほぼ決まっていて、善玉菌は増えれば悪玉菌が減り、善玉菌が減れば悪玉菌が増えるという関係になっています。逆にいうと、悪玉菌が増えると善玉菌が減り、悪玉菌が減ると善玉菌が増えるという関係になっているということで、善玉菌を増やすこと、悪玉菌を増やさないようにすることが重要となります。
善玉菌も悪玉菌も活動のためにはエサが必要です。善玉菌の主なエサとなるのは糖質と食物繊維です。悪玉菌の主なエサとなるのは動物性たんぱく質と脂肪です。つまり、肉食が多くて食物繊維が少ない洋食は悪玉菌が増えやすく、善玉菌が増えにくいということになります。
腸内細菌の増殖には腸内の温度が関係していて、悪玉菌は温度が低くても高くても増殖しますが、善玉菌は温度が高めの状態で増殖します。血流をよくして、腸にも多くの血液を送り込み、腸内が温まれば腸内環境が整えられることになるということです。
うまく食べられない、話がスムーズでないという子どもがいると発達障害を心配する家族もいますが、実際には口腔機能発達不全症であったという例もみられます。口腔機能発達不全症は15歳未満の子どもを対象として、2018年に新たな病気として医療保険が認められるようになったものです。
口腔は歯や舌、口蓋という口の上側を指していて、食べる、息をするということのほかに、言葉を話すときにも使われる器官です。生まれたときには話せなかった子どもが成長につれて話をすることができるようになり、しっかりと噛んで飲み込むという摂食嚥下ができるのも、口腔の機能が発達している結果です。口腔機能の発達が充分でないと、自由に食べられない、話し方が不自然、鼻呼吸ができずに口呼吸になる、子どもなのに大人と同じようなイビキをかくといった親を心配させるような症状がみられます。
何が原因であるのかについての研究が進められていて、摂食嚥下の異常は、離乳期に発育に応じた硬さや形状の食べ物を食べてこなかった、永久歯が生えるまでの時期に噛まずに飲み込む習慣がついた、幼児期にいろいろな硬さや大きさのものを食べてこなかった、ということが原因とされています。
口呼吸は、姿勢が悪くて背中が丸くなった状態で下あごが引かれて、口が開きやすくなっていることも原因として考えられています。ゲームやスマホが猫背を増やしているとされているので、これも大きな要因となっています。
口腔機能の評価項目は17種類ありますが、そのうち食べることに関するのは8項目あり、そのうち噛み合わせ、噛む時間の短さなど6項目があります。話すことではサ行が話しにくいということがあげられています。いわゆる滑舌が悪い人が苦手な「さしすせそ」が聞き取りにくくなっています。食べることと話すことで2項目以上、そのうち噛むことで1項目でも該当すれば評価されます。
発達障害の食事に関する特性は親のせいではないと考えられていますが、口腔機能発達不全症は子どものときからの食事が大きく関係しているだけに、親の責任が問われても仕方がないということにもなります。
新型コロナウイルスに限らず、ウイルス性の感染症に打ち克つには免疫の強化が重要とされています。ウイルスは体内に入ると、細胞に寄生する形で棲みつきます。治療によって治ったと言われていても、実際にはウイルスが病気を発生させるほどに増えていないだけで、ウイルスは着実に生き残っています。これを抑え込んでいるのは自分の体内に備わっている免疫システムで、免疫力が低下するとウイルスの活性化が始まります。
基礎疾患と呼ばれる高血圧症、糖尿病、心臓疾患などの全身に影響を与える疾患があると免疫が低下します。また、免疫力は40歳くらいまでは高いままキープされるものの、それ以降は低下していく一方となります。ということで、高齢者と生活習慣病がある人は免疫が低く、感染のリスクも発症のリスクも高くなるということで、超高齢社会の日本は国全体としてリスクが高いということになってしまいます。
免疫を司っているのは、免疫細胞と呼ばれる白血球とリンパ球です。白血球は骨髄で作られ、骨髄で活性化していきます。外敵を取り込んで処理するのが白血球の役割です。リンパ球は自ら外敵を攻撃するものと、攻撃力がある抗体を作り出すものがあるのですが、白血球のマクロファージが外敵を処理すると、その情報が全身に伝わり、外敵の種類と数に応じてリンパ球が攻撃を始めるという仕組みになっています。
免疫が低下する要因としては、身体の冷えが一つにあげられます。身体が冷えているということは、血流が低下していて、血液中を移動している免疫細胞の到着が遅れるようになります。これは消防車にたとえられていて、早く到着すれば小火(ぼや)で消化できたはずが、道路が混雑していて到着が遅れたために全焼してしまったということになるのと同じだということです。体温が1℃低下すると免疫力は30%低下して、1℃上昇すると5〜6倍(500〜600%)にもなると言われています。それだけに身体を温めることは重要ですが、そのことが腸内環境を整えて免疫が高まることについては次に紹介します。
筋肉疲労は、筋肉を使いすぎただけでなく、疲労物質の乳酸が蓄積されることによっても起こります。乳酸は身体を動かしてエネルギーが消費されるときに発生します。通常では乳酸はエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)に変化するか排泄されますが、大量に発生すると体内に蓄積されて、疲労感や痛みを生じさせるとともに筋肉の動きを低下させます。そのためにブドウ糖の燃焼が低下してしまいます。
このことからエネルギー代謝を盛んにすることで、乳酸の発生量を減らすことができます。細胞のミトコンドリア内でエネルギーを産生するTCA回路はクエン酸回路とも呼ばれ、クエン酸を摂ることでTCA回路のエネルギー産生を高めることができます。TCA回路ではブドウ糖からピルビン酸を経て変化したアセチルCoAがクエン酸になり、その後は酵素の働きによってさまざまな酸に変化しますが、その変化には4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要となります。
ビタミンB群のほかに、エゾウコギ、クエン酸、ニンニクのアリシンが乳酸分解作用のある素材としてあげられています。その摂取タイミングですが、血糖値の上昇を受けてインスリンの分泌が盛んになるので、そのタイミングで成分が膵臓に届くように、食事の前後に摂ります。
エゾウコギは北海道東部とロシアや中国の北部の一部にのみ自生している薬用ニンジン(高麗人参や田七人参)と同じウコギ科の薬用ニンジンで、シベリア人参、アダプトゲンとも呼ばれます。ウコギ科の植物にはサポニン配糖体が含まれ、強壮・強精作用、抗ストレス作用、疲労回復作用、免疫強化作用などがあります。クエン酸は柑橘類や酢に含まれる酸味成分です。クエン酸には体内に取り込まれた鉄やマグネシウムなどのミネラルを吸収しやすくする作用があり、血流の促進、血管病の予防、免疫力の強化などの研究が進められています。
ニンニクは中央アジア原産のユリ科ネギ属の香味野菜で、球状の茎部が食用となります。ガーリックとも呼ばれます。ネギ属に特有のアリインが酵素のアリナーゼによって臭気のもとのアリシンとなり、殺菌、抗酸化などに役立ちます。また、アリシンはビタミンB₁と結びつき、吸収されやすいアリチアミンとなり、ブドウ糖のエネルギー化を促進します。
大型クルーズ船での新型コロナウイルスの感染拡大について、全員検査の是非が論語を招いています。通常の対策では対応できないくらいに急激に蔓延したために、テレビでコメントをしている専門家の中には前言(前回の出演での発言)を翻さなければならなくなった方もいます。そんなにも一気に広まってしまったのは、乗客の検査を優先させるあまりに、乗員の検査が後回しになったことがあげられています。
乗客は船室内に閉じ込めて監禁状態にすることはできても、乗員はサービスを提供する立場であるので、室内に閉じこもっているわけにはいきません。乗員が感染源になって、乗客に感染させることを考えたら、一番先に検査をしなければならないのは乗員です。陰性であることが判明して安全が確認された乗員が食事を配布するのは当たり前のことです。食事の容器にウイルスが付着してしまったら、これが接触感染と同じことになります。容器を介しての接触感染は配膳スタッフの問題ですが、調理スタッフが感染源の場合には食事そのものにウイルスが入って、食事によって感染することも考えられます。
病院の場合には、調理スタッフから感染することは絶対にあってはならないことなので、定期的に検査を受けて、さらに感染症の問題があったときには率先して検査を受けて、安全宣言をするのは当たり前のことです。少なくとも感染リスクがある人が調理をしたり、配膳をすることはありません。通常の食事提供サービスでは食中毒対策の検査が主になりますが、限られた空間で過ごす期間が長いということでは病院も大型クルーズ船も変わりがありません。病院で1000床といったら相当に大規模です。それと比べても乗客が2000人を超えるのは危険度が高すぎるので、病院と同じレベルの安全管理があって当然と考えるのですが、それがなされていなかったということです。
乗客を優先させるのはサービスとしては当然でも、安全なサービスを提供するためには乗員の安全こそが最優先させるべきだった、これを反省として対策をしてほしいのです。
発達障害の自閉症スペクトラム障害は、原因や治療法は確立されていないため、高い知能を有する人でも社会生活に困難をきたしやすく、せっかくの能力が発揮されないという現状があります。東京大学大学院のグループは、対人コミュニケーションの障害に特徴的な認知パターンを実証したと発表しています。
自閉症スペクトラム障害の当事者は、他者が自分に対して友好的か敵対的かを判断する際に、顔や声の表情よりも言葉の内容を重視する傾向があることと、その際に内側前頭前野と呼ばれる脳の場所の活動が有意に弱いことを初めて示しました。この内側前頭前野の活動が減弱しているほど臨床的に観察されたコミュニケーションの障害が重いことを示しました。
自閉症スペクトラム障害の当事者は、他者の意図を直感的に汲み取ることが苦手なため、冗談や皮肉のような顔や声の表情と言葉の内容の食い違う表情に接した場合に、この障害が顕著になることが知られていました。しかし、この経験的によく知られた現象を実証した研究は少なく、この障害に、どのような脳の仕組みが関与しているのかは明らかではありませんでした。
自閉症スペクトラム障害と診断された15名の成年男性と、比較対象として自閉症スペクトラム障害当事者と知的能力や生育した経済的環境に差がなく、精神障害のない17名の成年男性が参加しました。参加者には短いビデオを見てもらい、俳優が参加者に言葉の内容と言葉を発する際の顔や声の表情から、その俳優が参加者にとって友好的に感じられるか敵対的に感じられるかを判断してもらいました。参加者の脳活動の変化はMRIで測定されました。
対照群では非言語情報を重視して他者判断する機会が多いことがわかり、その際に内側前頭前野などの他者の意図や感情の理解、曖昧なものの判断に関わることが知られていた脳の場所が強く活動していました。それに対して自閉症スペクトラム障害の当事者の群では非言語情報を重視して代謝判断する機会が減っていました。また、不安や恐怖といった驚異的な刺激に対して反応する扁桃体の活動は増強されるものの、対照群で強く活動していた内側前頭前野などの活動が減弱していることがわかりました。





