発達障害の自閉症スペクトラム障害は、ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)と勘違いされることがあります。HSCは、生まれつき周囲の刺激や他人の気持ちに非常に敏感なために疲れやすく、傷つきやすい子どものことで、アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロン博士が、この概念を初めて打ち出しました。国籍や性別に関わらず、5人に1人の割合で存在しているとされていますが、これは生まれ持った気質であって、病気でも障害でもないことから、治す必要がないものとされています。
優しい性格で、思いやりがあって、思慮深いと、よい気質であり、感受性が豊かで、通常ならとてもよい性格とされることです。しかし、繊細すぎることから本人に対して刺激があっただけでなく、他の子どもが叱られたりしただけで苦しくなったり、ちょっとした刺激(音や光など)で体調が悪くなるといったことから、集団生活が苦手となっています。表面上では自閉症スペクトラム障害の感覚過敏と見分けがつきにくいことがあります。
ただでも発達障害は社会に理解されていないので、もっとHSCは理解されにくく、発達障害の早期発見法が進んでいるのに対して、HSCのほうは発見法が確立されていないことから、自閉症スペクトラム障害と混同されたり、気づかずに放置されることさえ起こっています。
というのは、周囲の刺激による感情や気分の変化、周囲の雰囲気、音や光などへの環境などの、どこに敏感に反応するかが個人によって大きく異なっているからです。自閉症スペクトラム障害なら積極的・消極的で分類するなら消極的、引っ込み思案ということでわかりやすいのですが、HSCは消極的な子どもだけでなく、積極的で多動的な行動をする子どもも30%ほど存在しているとされて、見分けにくいのです。
次回はHSCのチェック法を紹介します。
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脂質異常症をテーマにしたテレビ番組で、脂質異常症と診断された人が食事の改善を指示されて、「脂肪が多く含まれている肉を食べないようにした」と話しているシーンが映し出されていました。脂質異常症は高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症のいずれかとなっているときに診断されるもので、以前は高脂血症と呼ばれていました。高中性脂肪血症と高LDLコレステロール血症は数値が高いことで動脈硬化のリスクが高くなるのですが、低HDLコレステロール血症のほうは数値が低いことでリスクが高くなることから、2007年に日本動脈硬化学会のガイドラインによって名称が変更されました。
テレビ番組に登場した専門医は、食事の注意として摂取エネルギー量を抑えることの重要性を示して、食べ過ぎを控えるようにと言っていました。同じ重量でエネルギー量を比較すると、糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcalに対して、脂質は約9kcalと2倍以上になっています。エネルギー量が多い脂肪を減らせば、確かに全体の摂取エネルギー量は減るのですが、高齢者は筋肉を衰えさせないように「肉を食べよう」と言われる時代だけに、専門医は肉を食べない、肉を減らすというようなことは言わずに、摂取エネルギー量の抑制という基本的な説明をしたわけです。
番組では、脂質異常症の人が肉を食べないようにすることで、中性脂肪値とLDLコレステロール値が下がって、正常値になったことを紹介していましたが、そのあとの言葉が衝撃的で、「これで肉が食べられる」と言っていました。血液検査の結果がよくなったので、これまでの食事を続けようというならわかるものの、改善できたから元の食事に戻そうというのは間違った判断だと思うのですが、そんな考え方をする人は案外と多いのです。そんな考えになるのも、“肉断ち”という極端なことをするからで、脂肪の多い牛肉から豚肉や鶏肉にする、脂肪の量を減らすといったことをするべきでした。極端なことは反動が大きくて、前よりも悪い結果になってしまうリバウンドのようなことがないことを願いながら番組を最後まで見たものです。
「発達障害は障害ではない」と日本メディカルダイエット支援機構は事あるごとに主張しているのですが、これが通じにくい理由は固有名詞にあります。発達障害は病名になっていて、法律名でも発達障害者支援法となっています。障害という名称を使うなら、障害者の一定の雇用を義務づける障害者雇用促進法にも発達障害者を入れてほしいところなのですが、他の障害もないと発達障害だけでは対象者とはなっていないのが現状です。
障害者が「障がい者」と表記されることについて以前に紹介しましたが、あえて“障害”を使っているのは、障害があるのは社会側であって、障害者を障害者たらしめているのは障害者が暮らしにくい状況を作り出している社会のほうで、社会の理解と受け入れ体制が充分でないことが“障害”であるということを説明しました。
発達障害者は全人口の約10%と推計されています。これだけ多い上に、男女差では男性のほうが圧倒的に多くて、女性の2.4倍にもなっています。これで計算すると男性の発現率は14%にもなります。これは男女共同参画の時代には適切な表現ではないことは承知していますが、社会の働き手で多くを占める男性の発達障害が多いということは、今後の社会を支えるための大問題となります。
ひきこもりの約30%は発達障害者との調査結果もあり、発達障害者は世の中に出ていかない、受け入れられにくいという印象があるかもしれませんが、IT社会の進展もあって、発達障害者の中でも自閉症スペクトラム障害は集中力、持続力、こだわり、几帳面さという特性があり、これを活かす仕事選びをすれば優れた能力の集団とすることができます。
その優れた能力を発揮して、社会的な障害に向かい合う挑戦者(チャレンジャー)となるためには、まずは社会的な理解が必要であり、受け入れてもらえる環境づくりのために、私たちは発達障害の理解を進めるところからチャレンジしています。
NHKの健康をテーマにしたバラエティ番組で、脂質異常症をテーマとして医師や患者も登場して、幅広く紹介していました。一般向けの番組なので、わかりやすくすることを心がけているのは伝わってくるのですが、気になったのは「LDLコレステロール=悪玉コレステロール」と表記されていたことです。コメントをする複数の専門家は“LDL”という言葉は使わずに、全員が“悪玉コレステロール”のほうを使っていました。これは専門家としては“LDLコレステロール”という言葉を使いにくいという気持ちもあってのことだと思って見ていました。
LDLは低比重リポ蛋白(Low-Density Lipoprotein)で、コレステロールを全身に運ぶ役割をするリポ蛋白です。これは脂質とタンパク質によって構成されています。コレステロールは脂質で、血液中では水と油の関係で、そのまま血液中に入ると固まって流れにくくなります。そこで親水性のあるリポ蛋白が肝臓の中のコレステロールを積み込む形で血液中を通過して全身に運んでいるのです。つまり、LDLはトラックのようなもので、その荷物がコレステロールという関係です。
LDLが運んでいるコレステロールがLDLコレステロールです。LDLが血液中で多いということはコレステロールが多く運ばれていて、これら動脈硬化のリスクを高めるということから悪玉コレステロールと呼ばれています。HDLは高比重リポ蛋白(High-Density Lipoprotein)で、積んでいるコレステロールの量が少なく、血液中で余分となっているコレステロールを積んで肝臓まで戻ってきます。そのため、HDLが多いと動脈硬化のリスクが低くなるので善玉コレステロールと呼ばれています。
血管の健康にはLDLの量とともにHDLも重要となるわけです。以前は高脂血症と呼ばれていたのが脂質異常症と変わったのは、LDLが多いことだけでなく、HDLが少ないことも問題であり、“高脂”という名称がそぐわなくなったことから変更されることになったのです。
テレビ番組では、LDLコレステロールの表示を避けていたのですが、最後になってテロップで「悪玉(LDL)コレステロール」と表示されていて、これだと「悪玉コレステロール=LDLコレステロール」となってしまうので、最後まで貫いてほしかったと感じたのは、私たちだけではなかったはずです。
発達障害は自律神経の調整が乱れがちであることが指摘されています。自律神経の乱れは五感に影響されることが知られていて、発達障害の自閉症スペクトラム障害に多くみられる感覚過敏は自律神経の乱れを悪化させるのかという疑問があげられることがあります。自律神経の乱れを起こす大きな原因として指摘されているのは睡眠のリズムです。決まった時間に入眠して、決まった時間に起床して生活リズムが整えられていると、自律神経の交感神経と副交感神経の働きが正常に保たれるようになります。
入眠を妨げることがあると、乱れの原因になっていくわけですが、眠りに影響するものとしては温度、湿度、光、音、臭いなどがあります。入眠のために室内環境を整えてあげたとしても、臭いだけは部屋の隙間からも侵入してくるため、これを完全に防ぐのは難しいことです。
不快な臭いがすることで心拍数や呼吸数が増え、血圧が上昇して、血流が低下するということが起こります。これは興奮系の交感神経の働きが盛んになったときに起こることです。自律神経の交感神経は昼間の時間帯に働きが盛んになり、夕方以降は副交感神経に支配されます。その状態で入眠することができれば、落ち着いた状態で就寝して、寝ている間に疲労が取れ、脳や内臓も休めることができるようになります。ところが、これから眠ろうとするときに、または眠っているときに交感神経の働きが盛んになってしまうと、心身ともに興奮状態で休むことになってしまいます。
匂いは脳を直接刺激することができるために効果が早く、心地よいと感じる匂いでは基本的に副交感神経の働きが盛んになって、これがリラックス効果を生み出してくれます。心地よい匂いの中には少なからず交感神経の働きを盛んにするものも含まれています。種類の異なる臭いを嗅ぐことで自律神経の切り替えができるということで、研究によって副交感神経の働きを盛んにしてくれる匂いを活用したのがアロテテラピーで、ラベンダー、カモミール、ベルガモット、スイートオレンジなどが使われます。
心地よくない臭いのほうは、副交感神経の働きを盛んにするようなことはなくて、交感神経の働きが盛んになるばかりです。副交感神経は心身をリラックスさせて眠りに誘い、眠りを深くする作用があるのに対して、交感神経は目覚めさせるほうの神経であり、身体を活性化させる神経であるために寝つきにくくなり、眠れたとしても眠りが浅くなり、睡眠時間の割には疲れが取れない、疲労の蓄積によって心身の活動の悪影響が起こる、注意力が低下する、不安な感情が高まるといったことになっていきます。
臭いに過敏な人は、不快な臭いを感じると交感神経の働きが特に盛んになりやすく、臭いが気になったときから神経過敏になって交感神経の働きが高まる一方となります。感覚過敏の嗅覚過敏が起こっていると、他の人は気にしないで済む程度の臭いでも、マスキング(他の匂いで悪臭を覆い隠す)をしても悪臭が気になるという過敏反応をしがちです。
発達障害児の支援に取り組んでいる日本メディカルダイエット支援機構は「発達障害は障害ではない」と常々主張しています。これに対して「障がい」と書いたほうがよいのでは、と言われることがあります。“害”という文字は危害、公害、害虫にも使われて、悪い結果や影響を及ぼす物事というイメージがあるために、障害者の差別につながるという考えもあって「障がい」という言葉が使われることがあります。
このきっかけとなったのは内閣府の『「障害」の表記に関する結果について』(2010年)で報告されたことで、障がい者制度改革推進本部が設けられたことから、障がいという表記をする企業や団体が増えました。『「障害」に係る「がい」の字の取扱いについて』の中に「表記を改めている都道府県・指定都市」という項目があり、2006年には8道県(北海道、山形県、福島県、岐阜県、三重県、熊本県、大分県、宮崎県)、5市(札幌市、新潟市、浜松市、神戸市、福岡市)が使用を始めましたが、札幌市は先駆けて2003年には始めています。
メディアの場合には、基本は「障害」を使い、障害を抱える人の場合は「障がい者」を使っているところが多くなっています。しかし、言葉の使い方にシビアなNHKの場合には「障害者」を使っています。その理由ですが、障害があるのは人のほうではなくて社会側のほうだ、ということです。障害者が障害を感じるのは本人ではなく、社会との関係性にあるという考えです。
わかりやすい例をあげると、足に障害がある人が2階に行けないのは、階段しかない、エレベータがないという構造に問題があって、このことが障害になっているという考え方です。このような障害に対する理解がなくて、現状のままにしておくことが“障害”となっているのです。さらに言うなら、理解がないことが障害を生み出す元凶で、障害者対策、発達障害者対策は、まずは地域社会の理解を進めることを急がないといけないということを主張しています。
人間の五感の視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のうち、80%ほどは視覚からの情報となっています。視覚が奪われると聴覚、嗅覚が敏感に反応するようになります。味覚も触覚も心地よい体験があった場合には、それが記憶として残されていて、過去によくない記憶があると心地よくないどころか、不快に感じることもあります。
ところが、嗅覚だけは過去の記憶の有無には関係がなく、心地よい“匂い”は誰にとっても心地よくて、不快な“臭い”は誰にとっても不快でしかありません。これは脳の機能と関係しています。
視覚、聴覚、味覚、触覚は脳の中で人間の理性的な感覚を司っている新皮質で、過去の記憶と照らし合わせて、快感なのか不快感なのかの判断をしています。それに対して嗅覚だけは快感を与える“匂い”には心地よい反応が起こり、不快感を感じる“臭い”は誰もが避けたくなり、逃げ出したいような感情が起こります。そう感じたときには正常な状態ではいられなくなるのですが、発達障害の自閉症スペクトラム障害の感覚過敏では、嗅覚が敏感に反応しすぎて、通常よりも強い不快感を感じてしまいます。
嗅覚過敏では、匂い・臭いの嗅ぎ分けが苦手で、鼻から入ってきた匂い物質がすべて嗅覚神経を刺激して、その情報が脳までストレートに届けられてしまいます。嗅覚を刺激する不快と感じる臭いは、発達障害児にとっては精神的に強い苦痛でしかありません。これは人間の理性を司る新皮質ではなく、動物的な旧皮質でもなくて、“爬虫類の脳”と呼ばれる生命維持のための中枢部分の働きに関係しています。臭いは生命の危機を感じさせる刺激となっているのです。
強い刺激の臭いであっても、嗅ぎ慣れているうちに感覚が鈍ってきて、強く感じなくなることもあります。ところが、発達障害児は慣れることが少なく、ずっと悩まされ続けているということを知っておいてほしいのです。
ダイエットの前後に名詞がついた言葉は、大抵はよいことを指しています。糖質制限でやせたなら糖質制限ダイエット、ダイエットをして美しくなった女性はダイエットビューティというように。ダイエットをして悪い結果になったときには、あまりダイエットという名詞は使われないもので、ダイエットができたのにリバウンドした場合に「ダイエットリバウンド」とは呼ばれません。その伝でいくと、ダイエットの結果、脂肪肝になってしまったら、これはあくまで脂肪肝であって「ダイエット脂肪肝」という呼び名は変に思われるのですが、一般に使われるようになってきました。
脂肪肝は肝臓に一定以上の脂肪が蓄積された状態のことで、肝臓全体の5%以上の蓄積で脂肪肝と診断されます。中には30%もが脂肪という、まるでフォアグラ状態の人までいるのですが、脂肪が蓄積した部分の肝細胞は本来の細胞の働きをしなくなるために肝機能が低下します。肝機能というとアルコールの分解や解毒が注目されがちではあるものの、他にも身体に必要なタンパク質の合成、酵素や免疫細胞の合成、血液の保存、糖質のグリコーゲンとしての合成、脂肪酸合成など数多くの働きをしています。
ダイエットをすると体内の脂肪が減るので、肝臓に脂肪が蓄積しにくくなるというように思われがちです。ところが、ダイエットのやり方によっては肝臓の脂肪を急激に増やすことになります。それは何かというと、運動をしないで食事を減らすだけでやせた場合です。運動をしないダイエットは筋肉の量が減ります。筋肉の細胞はブドウ糖を取り込んでエネルギーを作り出しているので、筋肉が減ると血糖値(血液中のブドウ糖の量)が上昇して、その多くなったブドウ糖は肝臓に運ばれていきます。肝臓には余分なブドウ糖を脂肪酸に合成する脂肪酸合成酵素があり、肝臓に運ばれるブドウ糖が増えるほど脂肪酸が増えて、それが肝臓内で中性脂肪に合成されます。中性脂肪は脂肪酸が3つ結ばれた貯蔵型の脂肪です。
ダイエット脂肪肝になってしまうのは、筋肉が減ったからで、筋肉を減らさないように運動をしていればよかったわけです。では、ダイエット脂肪肝になってしまったら、どうすればよいのかというと、有酸素運動によって脂肪酸を減らすことで、そのためには有酸素運動の中でも効果がある早歩きをするのがよいとされています。
“温活”は、健康を維持するために身体を適正な体温にすることを言います。身体を温める方法としては入浴や運動、温かなものを食べるといったこともあげられるのですが、継続的に体温を上昇させることによって代謝を高め、免疫の向上にも役立ちます。体温が1℃上昇すると免疫力は5〜6倍にもなるという研究結果も発表されています。
体熱を発生させるためには飲食で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を、全身の細胞の中にあるミトコンドリアに取り込んで、エネルギー代謝を起こす必要があります。1日に摂取したエネルギー源のうち、生命維持に使われる基礎代謝は約70%にも及んでいます。そのうち約70%が体熱産生に使われています。「70%×70%=49%」ということで、飲食で摂ったエネルギー源の半分ほどは体温の維持に使われているということです。
日本人は血液の温度が低く、そのことが体温が低い原因となっています。血液の温度が低いのは、全身のミトコンドリアで作り出されるエネルギー量が少ないからです。食事量が多くなったときにエネルギーが多く作られないと、余分となったエネルギー源が脂肪合成されて、脂肪細胞の中に蓄積されることになります。蓄積された体脂肪は、しっかりとエネルギー代謝ができていれば体熱となるだけでなく、全身の細胞が作り出す細胞を働かせるためのエネルギーも多くなることになります。
細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使うことができません。脳細胞はブドウ糖が唯一のエネルギー源となっているので、脳を働かせるエネルギーを充分に作り出すためにはブドウ糖が含まれる糖質の摂取は重要であることがわかります。
日本メディカルダイエット支援機構は、発達障害児の支援のための教育と情報発信に着手していますが、脳の発達にズレがあり、心身ともに非常に疲れやすい中で頑張っている子どもたちの支援のために“温活” に取り組んでいます。身体が冷えている人は、せっかく作り出したエネルギーが細胞を働かせるために充分に使われないことになります。もちろん、エネルギー代謝を高めるために代謝促進成分を摂ることも有効になるのですが、それと同時に重要なことは余分に体熱の産生にエネルギーが使われないようにするための“温活”です。その中でも直接的に身体を温め、自律神経調整にも有効な方法である注熱に注目しており、温熱療法を発達支援に役立てる方法の研究を進めているところです。
発達障害児・発達障害者は、消費被害者になりやすく、そのための対策や教育に公的機関も取り組んでいます。消費被害者対策も、発達障害者を対象とした対策で重要な位置を占めるようになりました。人を疑わない、素直すぎることから騙されやすいということですが、本人の思いとは逆に騙す側に回ってしまったという例もありました。これは発達障害者が騙そうとしたというのではなくて、騙そうとする悪い人に悪用されてしまったということで、あくまで発達障害者は被害者です。
消費問題については圧倒的に被害者になりやすいわけですが、ほかのことでは加害者になる場合もあると指摘されています。全国的な統計はまだなくて、部分的な調査結果だけで語るべきではないということは承知しているのですが、あたかも統計によって裏付けられているかのような伝え方もされていることから、あえて紹介させてもらいます。
これは『発達障害と少年犯罪』(新潮新書)の中でも触れられている数字で、少年犯罪は全般的には0.35%の発生率ですが、18歳未満の発達障害児では4.2%と高確率だとされています。計算するとピッタリ12倍なので、発達障害児の犯罪率の「12倍」という数字だけが一人歩きをし始めています。
国の統計では15歳未満人口が発表されていて、約1533万人となっています。あくまで概算ですが、発達障害児が10%とすると約153万人、そのうちの4.2%となると、少年の間に6万4000人ほどが犯罪を起こす確率で、年間では4200人ほどとなります。
社会との交流が苦手で、感情のコントロールができにくい、という特性は何も発達障害に限ったことではなくて、若い世代には共通してみられることではあるものの、その特性が強く現れていると犯罪に巻き込まれやすく、自制がかかりにくいことから犯罪と捉えられることにもなりかねません。興味のあることに集中しただけなのに、これが付きまといや待ち伏せ、ストーカー行為とされることもあります。
発達障害児を早期に発見して、早期に支援をしていれば、そこまで進まなかったということを考えると、発達障害であることが明らかになっても問題がない、隠すことがないという環境を作りのために、まずは発達障害の理解を進める活動に取り組むことが大切だと考えています。





