最新情報

健康情報共有30 卵の黄身の大きさは同じなら栄養価も同じなのか

定番的な情報を示されると、あまり疑問を抱かずに受け入れてしまうことがあります。その例は数多くあるのですが、今回は卵の黄身を例にして話を進めることにします。 卵はサイズに違いがあって、S、M、Lが一般には出回っています。それぞれのサイズはSが46〜52g未満、Mが58〜64g未満、Lが64〜70g未満となっています。 他にSS(40〜46g未満)、MS(52〜58g未満)もありますが、全


発達栄養講習9 感覚過敏だけでない牛乳が飲めない理由

牛乳が苦手という子どもは、色や味、喉の通り方といった五感に関する理由だけでなく、牛が怖いから、臭いで嫌な思い出があるからということで飲めなくなったということもあります。 この記憶のために、感覚過敏の反応が強く現れることもあります。牛の絵を見ただけで嫌な思い出が蘇り、牛乳は飲めてもパッケージに牛が描かれていると飲めないという例や、友だちが牛乳を吐いたことがあり、その記憶から飲めないという例もあ


Medical Diet151 できないことを目標にするから失敗する

ダイエットに失敗するのは、「努力が足りないから」「我慢が足りないから」と言われることが多いようですが、ダイエットの目標が高望みしているのが原因ということも少なくありません。 低めの目標を定めて、無理をせずにクリアしたら、そこを新たなスタート地点にして次の無理のない目標に向かっていけば、一つの階段は低くても着実に昇っていくことはできます。あまり達成感がないような目標であったとしても、達成できな


健康・火の用心14 1日に30種類の食品は健康維持に必要なのか

バランスのよい栄養摂取のために「1日30品目を食べましょう」が厚生労働省の栄養指針にも使われていましたが、今では消されています。 健康のための標語の会議で、運動担当から「1日に30分の運動習慣」が出され、休養担当から「夕食後に30分のリラックスタイム」が出されました。同じく“30分”のキーワードを使っての標語が検討されたのですが、食事にかける時間を30分にすることは実情に合わないということで


ツイン・ウォーク4 エネルギーを健康に活かす

歩いてエネルギーを多く作り出すというと、脂肪細胞の中に多く蓄積されている体脂肪(中性脂肪)を代謝させてエネルギー化することを考えます。 代謝というのは、エネルギー源(脂質や糖質)を全身の細胞の中にあるミトコンドリアというエネルギー産生の小器官でエネルギー化することを指しています。小器官とはいうものの、すべてを合わせると体重の10%を占めるほどで、いかに重要な役割をしているかがわかるかと思いま


脂肪代謝促進研究31 医薬品成分としてのL‐カルニチン

α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は、どれも医薬品成分であったものが食品成分としても使うことが許可されました。 α‐リポ酸は医薬品成分としてはチオクト酸といい、激しい肉体労働時の補給やLeigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)、中毒性(ストレプトマイシン、カナマイシン使用)、騒音性(職業性)の内耳性難聴に使われます。これらはチオクト酸を補うことで改善されることが確認されています。


整えるダイエット22 不飽和脂肪酸の多い良質なたんぱく質

たんぱく質が不足すると筋肉が増やしにくくなります。たんぱく質の中でも9種類の必須アミノ酸のバランスが取れている“良質なたんぱく質”は、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品の、どれでもよいことになるのですが、「高齢者は肉を食べろ」と言われるほど肉への関心が高まっています。 実際に肉を食べている高齢者は健康で長寿だと言われています。肉を食べすぎると飽和脂肪酸の摂りすぎになって、動脈硬化のリス


健康情報共有29 腸内で棲息できない善玉菌は意味がないのか

100億個の乳酸菌が含まれた青汁や、乳酸菌サプリメントを摂ることで腸内環境が整えられるという話に対して、外から摂った乳酸菌は腸内では1〜2日しか生き残れないということを前回紹介しました。 それでは何億個であっても摂取する意味がないのではないか、という声に対して追い討ちをかけるような情報もあって、それは「乳酸菌は小腸で働くもので、大腸で主に働く善玉菌はビフィズス菌」ということです。それなのに乳


発達栄養講習8 発達障害の食事に関係する特性

発達障害児の特性として“極端な偏食”があげられます。以前は自閉症スペクトラム障害の特性と考えられていたこともあるのですが、発達障害の研究が進み、食品に関する五感(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)と食品の特性の研究が進む中で、発達障害児の多くにみられることがわかってきました。 普通に食べることができると思われているものなのに、それを口にしないのは一般的には好き嫌いととらえられがちです。ところが、


健康あない人24 エネルギーを制する者は世界を制す

「エネルギーを制する者は世界を制す」と言われます。過去には「石油を制する者は世界を制す」、「電力を制する者は世界を制す」、「穀物を制する者は世界を制す」と言われてきました。 そして、今は「エネルギーを制する者は〜」と変わってきたわけですが、天然ガスを止められたら社会が動かないということは、ウクライナとロシアの争いがヨーロッパ各国に拡がったときに、「なるほど!」と感じた人は多かったかと思います