メディカルダイエット

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300 子供のためのコエンザイムQ10

三大ヒトケミカルのコエンザイムQ10は体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生を促進するための補酵素であるコエンザイムQ10をサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でコエンザイムQ10を合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらコエンザイムQ10も不足することになります。 コエンザイムQ10は脂溶性のビタミン様物質で、酸化型はユビキノン、還元型はユビキノールと呼ばれています。コエンザイムQ10は必須アミノ酸のチロシンとフェニルアラニンから合成されるアミノ酸の一種です。チロシンはチ...


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299 子供のためのL‐カルニチン

三大ヒトケミカルのL‐カルニチンは体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を取り込むために必要となるL‐カルニチンをサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でL‐カルニチンを合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらL‐カルニチンも不足することになります。 L‐カルニチンは必須アミノ酸のリシンとメチオニンから合成されるアミノ酸の一種です。リシンはリジンと以前は呼ばれていました。リシンは穀類には少なく、肉、魚、豆、卵、乳製品に多く含まれています。リシンには、たんぱく質の吸収促進、ブドウ糖の代謝促...


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298 子供のためのα‐リポ酸

三大ヒトケミカルのα‐リポ酸は体内で合成され、そのピークは20歳までです。そのため、20歳までの人は、細胞のミトコンドリアにブドウ糖を取り込むために必要となるα‐リポ酸をサプリメントで摂る必要はないとされています。しかし、体内でα‐リポ酸を合成するためには、その材料となるものが必要で、これが不足していたらα‐リポ酸も不足することになります。 α‐リポ酸は必須アミノ酸のヒスチジンから合成されるアミノ酸の一種です。ヒスチジンは発育には不可欠なアミノ酸で、体内で合成できるものの子供の場合は合成される量が少ないことから、ヒスチジンが多く含まれる鶏肉、牛肉、青魚を食べることがすすめられます。 ヒスチ...


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297 子供のためのヒトケミカル

代謝促進成分のヒトケミカルは細胞の中のミトコンドリアというエネルギー産生の小器官で必要な成分です。α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれていて、これが不足すると代謝が低下するので体内で合成されています。そのピークは20歳なので、若い年齢層にはサプリメントで摂取する必要がないことになります。では、本当に必要がないのかというと、サプリメントを摂取しないといけない場合もあります。それは三大ヒトケミカルを体内で合成するために必要な材料に当たる成分が不足している人です。 材料さえ摂れていれば体内で合成されるので、サプリメントを摂る必要はない、というのは正論ですが、肝心...


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296 美しい姿勢には背筋をトレーニング

ウエストを細くしようとして腹筋運動に励む人は多くても、同時に背筋も鍛えようという人は少ないはずです。身体のバランスをみると、腹部のほうが多い感じなので腹筋のほうが多いように思われがちです。しかし、実際には背筋の割合のほうが多くなっています。理想的な割合は「背筋7:腹筋3」とされています。背筋を鍛える機会はあまり多くはないので、背筋の割合が5か6、場合によっては4という人もいます。 こうなると背筋で支えることができなくなって、前屈みの姿勢になってしまいます。前屈みになると背中が丸まり、腹部が上下から圧迫されて腹が出た感じになって、腹も丸くなるという不自然な姿勢になります。これでは美しくて、腰に...


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295 ウォーキング前の健康状態チェック2

「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」によって安全性が高いことが確認できた場合でも、その日の体調によってリスクが高まることがあります。そのため、インターバルウォーキングを行う前に毎回「運動開始前のヘルスチェックリスト」によって重ねてリスクを確認して、少しでもリスクがある場合には中止しなければなりません。 運動開始前のヘルスチェックリストでは、以下の項目がチェックされます。 1 足腰の痛みが強い 2 熱がある 3 体がだるい 4 吐き気がある、気分が悪い 5 頭痛やめまいがする 6 耳鳴りがする 7 過労気味で体調が悪い 8 睡眠不足で体調が悪い 9 食欲がない ...


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294 ウォーキング前の健康状態チェック

ウォーキングは、他の競技スポーツと比較すると安全なスポーツです。しかし、循環器系の負荷が増すため、特に中高年は心血管系の疾患患者や、その予備群が多く、中高年が行う場合には、注意が必要となります。中でもインターバルウォーキングの場合には事故を防ぐためには、ランニングやジョギングと同様に開始前に「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」と「運動開始前のヘルスチェックリスト」を使用して確認します。 「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」によって、身体活動による代謝効果のメリットよりも身体活動に伴うリスクが上回る可能性が判明した場合には、指導者によってインターバルウォーキングを行って...


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293 生活習慣病へのウォーキングの配慮

身体活動や運動は生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病など)を改善する効果がありますが、心疾患、脳血管疾患、腎臓病などの合併症を抱えている患者も少なくないことから、ウォーキングによる血圧上昇、不整脈、心不全、脳卒中、低血糖などのリスクにも注意を払わなければなりません。 国内の医学系学会によるガイドラインでは、1日に30分以上の中等度の有酸素運動を週に3回以上行うことが望ましいとされています。 ◎日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」 ◉中等度の強さの有酸素運動を中心に、定期的に(30分以上を目標に)行う。 ※心血管病のない高血圧患者を対象者として設定されている。 ◎日本動脈硬化学...


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292 ウォーキング参加者の安全面の注意点

ウォーキングには、さまざまな健康効果が認められますが、健康づくりを主としたウォーキングは運動効果が高い分だけ身体への負荷も大きく、通常のウォーキングを実施するよりも安全性の確保への注意が求められます。ウォーキングの指導者によって指導されるインターバルウォーキングには生活習慣病対策などへの期待感も強く、疾患を抱えた方が多く参加することも想定されます。 そこで初めて参加した人には、できるだけ平坦なコースを選び、激しい動きは避けて、ゆっくりと歩くこと、歩行中の休憩時間を長めに取ることなどを配慮します。ノルディックスタイルのウォーキングを行う場合には、これらの安全策に加えて、指導者は心拍モニター計な...


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291 ウォーキングの速度と消費エネルギー量

ウォーキングは歩くことで、片足が地面に触れています。これに対してジョギング、ランニングは両足が地面から同時に離れるもので、ジョギング、ランニングと比べるとウォーキングは速度も遅く、強度も低くなっていますが、走ることに比べると身体的負荷が小さく、長く続けることができます。運動強化を高めて歩くことによって、ジョギングなどと同じような運動効果を得ることができます。 ウォーキングとジョギング(ランニング)を比べると、ジョギングのほうが心拍数の上昇が大きく、筋肉への負荷も強いことから消費エネルギー量も多いように思われがちです。しかし、実際には大股で全力歩きする中強度のウォーキングは速度が遅いにもかかわ...


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290 生活習慣病に対応した歩行法

ウォーキングは生活習慣病に対応する運動療法の基本となっていますが、それぞれの生活習慣病によって効果が得られる歩行法があります。 ウォーキングを始めたときには平常時に比べると多くのエネルギーを、すぐに作らなければならないため、燃焼しやすいブドウ糖が先に使われます。ブドウ糖が中心になって燃焼するのは10分ほどです。このことから血糖値を下げるためには、10分間のウォーキングを何度か繰り返す方法がすすめられます。血糖値が高めの人は筋肉をつけるための強化運動も指導されることが多く、歩幅を広くした勢いのよい歩行は筋肉強化にも役立ちます。 血液中の中性脂肪が多い場合には10~15分を超える有酸素運動が必...


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289 インターバルウォーキングのプログラム

日本メディカルダイエット支援機構が実施しているインターバルウォーキングに関する情報を紹介させてもらいます。 有酸素運動と無酸素運動を交互に行うインターバルトレーニングのうち、サーキットトレーニングは30秒間ずつ繰り返すことを基本としています。30秒間としているのは無酸素運動では30秒間を超えると疲労物質の乳酸が増えるため、30秒間で無酸素運動を終えて、乳酸の発生が少ない有酸素運動に切り替えるとしています。これはショートインターバルトレーニングと呼ばれています。 これよりも長い時間の無酸素運動を行うことによって乳酸が多くなっても、その後に長めの有酸素運動を行うことによって乳酸をエネルギー源と...


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288 全身の筋肉量ピークは15歳

骨密度のピーク(最大骨量)は以前には20歳代とされてきましたが、今では18歳くらいとされていて、男女ともに40歳を超えると急に骨密度が低下してきます。筋肉量は45歳までは大きな変化はなく、45歳を超えると減少が始まり、50歳を過ぎると急激に減るようになります。その減少量は20歳から50歳までの間に10%ほどは減少して、50歳から80歳では、どれだけ筋肉を使ってきたかによって差は大きくて、20歳に比べて30〜50%も減少します。 筋肉量のピークは男女ともに20〜45歳までということができますが、これは全身の筋肉の重量の変化であって、全身に占める筋肉の割合となると15歳から下がり続ける一方です。...


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287 体力を判断する年代別・性別の歩行距離

体力を測定するための簡単な方法として、厚生労働省は「健康づくりのための運動指針」で3分間で、どれくらいの距離を歩けるかの目標が示されています。年齢を重ねるほど早歩きができにくくなり、早歩きのスピードを3分間も保ちにくくなります。 男性の場合の年齢別の3分間の歩行距離は20歳代で375m、30歳代と40歳代で360m、50歳代と60歳代で345mとされています。この歩行速度(1分間の距離)は20歳代で125m、30歳代と40歳代で120m、50歳代と60歳代で115mとなっています。60歳を超えると急に歩行速度が落ちる人が多くなり、同じ60歳代でも60歳と69歳では相当に筋肉量と筋力が違ってい...


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286 1分間に100mの早歩き

ダイエットのためには中強度の早歩きでのウォーキングが有効だとされています。中強度というのは会話が続けられる程度のスピードで歩くことを指していて、これは中之条研究(群馬県中之条町)の結果から盛んに言われるようになったことです。65歳以上の高齢者は1日に8000歩の歩行を目標として、そのうちの20分間は中強度の早歩きにすることで生活習慣病が予防できるということから、中強度の早歩きが注目されるようになりました。 20分間をかけて、どれくらいの距離を歩くのがよいのかというと、目標とされているのは2000m(2km)です。1分間に100mのペースで、これは中高年の体力測定の目安と同じレベルです。体力測...


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285 フコキサンチンで脂肪を燃焼させる脂肪細胞を増やす

褐藻の一つのアカモクには脂肪の燃焼を進める作用があるフコキサンチンが多く含まれていることから、新たなダイエット素材として注目されています。フコキサンチンがダイエットと結びつくのはUCP1という成分を体内で増やす作用があるからです。UCP1は脱共役タンパク質の一つで、エネルギー源の糖質(ブドウ糖)と脂質(脂肪酸)をエネルギー代謝させるときに使われるタンパク質です。UCP1が多く存在しているのは褐色脂肪細胞という脂肪を燃焼させる働きがある特殊な脂肪細胞です。一般に脂肪細胞と呼ばれるのは白色脂肪細胞で、その名のとおり白い色をしています。これは細胞の中に中性脂肪を蓄積しているからです。これに対して褐色...


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284 すぐに酸化するのは抗酸化力が強い証拠

抗酸化力は活性酸素を消去する能力のことで、細胞は酸化すると本来の働きをすることができなくなることから、細胞の酸化は代謝能力を低下させることにもつながります。そのことからダイエットに使われるサプリメント成分や食品は抗酸化力の強さが強調されています。抗酸化力という言葉を聞くと、酸化させない成分とイメージされることが多いのですが、実際には酸化しやすい成分です。りんごは切って放置しておくと茶色に変色してきます。これは中に含まれるミネラルの鉄が酸素と反応して酸化するために起こることです。 これを見ると、りんごは酸化しやすい果物だということがわかりますが、そのりんごに含まれるポリフェノールに強い抗酸化作...


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283 糖尿病で糖質制限は大丈夫か

糖質制限は食事で摂るブドウ糖が減ることから、肝臓での脂肪合成が減り、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が減ることになります。ブドウ糖が吸収されて血液中に入ると血糖となります。この数値、つまり血液の分量に対するブドウ糖の量が血糖値となります。血糖値が上昇すると、脂肪合成が進むことから、ダイエットのために糖質制限がすすめられています。糖質制限によって血糖値が下がるということは、血糖値を気にする糖尿病には有効と考えられています。糖質を摂ることで血糖値が大きく上昇する人の場合には、少しは糖質を減らすことは有効であっても、食事抜きで糖質を摂らないようにするのは糖尿病の人には危険なことにもなります。 糖尿病患...


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282 デザートの食べる順番ダイエット

食べる順番ダイエットというと、初めに流行ったのは野菜を先に食べてから食事を始めるベジタブルファーストで、血糖値を上昇させるご飯は最後に食べるというものでした。次に流行ったのはミートファーストで、肉を先に食べてからあとは自由に食べてよいというものです。第3の食べる順番ダイエットはデザートで、デザートは最後に食べるものという常識を覆したデザートファーストです。デザート(Dessert)は食事の後に出される菓子や果物を指しています。 食事では不足するビタミン、ミネラルを補う目的があるほか、甘いもので満足感を高めることを目的とする場合もあります。そのデザートを初めに食べるとなると、これはデザートとは...


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281 スリム型肥満ほど危ないものはない

スリム型肥満という言葉は聞きなれないかもしれませんが、随分と前から言われてきていて、見た目は太っていないのに、肥満の指針とされる体脂肪を測定すると肥満の範囲に達している人を指して使われています。体脂肪率から肥満を定義・分類すると、男性は軽度肥満が20%以上、中等度肥満が25%以上、重度肥満は30%以上となります。女性は男性に比べて体脂肪が10%ほど多いとされています。そのため、女性のほうが体脂肪率の基準は高くなっていて、軽度肥満が30%以上、中等度肥満が35%以上、重度肥満は40%以上となっています。男性では危険レベルの体脂肪率30%は、女性の場合には軽度肥満で、まだ改善が楽にできる段階となっ...


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280 ミネラルウォーターで便秘解消できるのか

ミネラルウォーターは便秘解消に役立つものとされています。一概にミネラルウォーターといっても種類があって、中身が違っています。農林水産省は「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」を制定していて、ガイドラインでは4つに分類されています。この種類によって、どの程度役立つのかも違っています。 ナチュラルウォーターは、特定の水源から採水された地下水を原水として、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の処理を行っていないものを指します。このナチュラルウォーターのうち、地中でミネラル分が溶解したものを原水としたものはナチュラルミネラルウォーターとなります。ナチュラルミネラルウォーターを原水として...


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279 飲酒をすると下痢になるメカニズム

お酒を飲んだ翌日には、おなかがゆるくなる、下痢になるという人が多くいます。その理由についてですが、「お酒という水分を多く飲んでいるから」とか「大腸の働きがよくなって消化されないまま大腸に運ばれてくるから」という理由を述べている医者もいます。お酒にはアルコール以外の水分が含まれているので、多く飲むほど大腸に入ってくる水分が増えるように思われがちですが、身体の中に入ってきた水分のうち80%ほどは小腸で吸収されています。飲む水分量が多くなれば、それだけ小腸で多く吸収されます。大腸でも水分は吸収され続けるので、水分を多く摂ったからといって下痢になることはありません。もしも水分量が多いことで便に含まれる...


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278 生理前に便秘になる理由

生理の前に便秘になるということを経験している女性は多いはずです。便秘になる原因は女性ホルモンの影響です。排卵から生理が始まる前には女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量が増えます。これは妊娠を保持するためのホルモンですが、大腸の蠕動運動を低下させる作用があります。大きく蠕動運動が低下するものではなくて、腸内環境がよい人、つまり腸内細菌の善玉菌が多く、悪玉菌が少ない人の場合には、それほど影響が出ないこともあります。それに対して、あまり腸内環境がよくない人の場合には、蠕動運動の低下は、すぐに便秘につながることになります。 大腸は便の水分を吸収していますが、生理前には大腸の水分吸収が増えます。生理前...


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277 認知機能対策のウォーキング

ウォーキングは認知機能の維持・改善に役立つことが知られています。ウォーキングによって刺激される脳の前頭葉は記憶にも関係する部分で、前頭葉の血流がよくなることは認知機能を保つためにも有効となります。 認知症患者は462万人(2012年統計)、その予備群である軽度認知障害患者は400万人と推定されています。これを合わせた862万人は65歳以上の4人に1人の割合となっています。認知症と軽度認知障害の患者は、高齢化が進む我が国においては増え続ける一方で、2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害患者は600万人を超えると推定されています。 軽度認知障害(MCI:Mind Cognitive...


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276 免疫対策のウォーキング

体温が低くなると免疫が低下することから、できるだけ体温を上昇させることが免疫を強化する方法であると紹介されています。免疫細胞は血流がよくて、細胞が温められた状態で向上していきます。 温度と同時に重要になるのは酸素です。身体を外敵から守る免疫細胞は、酸素を多く取り込むことで活性化します。免疫細胞も全身の細胞の一部であり、その中にはエネルギー産生を行うミトコンドリアがあります。ミトコンドリアは酸素を使ってエネルギーを作り出しています。そのため有酸素運動のウォーキングは全身の免疫を向上させる運動といえます。有酸素運動によって活性化するのはリンパ球ですが、中でも特に活性化するのはナチュラルキラー(N...


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275 腸内環境対策のウォーキング

歩く機会を増やすと、腸の状態もよくなっていきます。これは歩くことで腰がローリングして、身体の中から腸が揺り動かされることによって腸の蠕動運動がサポートされるので便通がよくなると、よく言われます。十二指腸から直腸までの腸管は筋肉でできています。腸管の内側は粘膜になっていますが、その外側は筋肉となっています。筋肉を動かさないと衰えていくのは、足の筋肉も腸の筋肉も同じことです。 蠕動運動が低下して動きが悪くなった腸管の筋肉は、そのままにしておいたら、どんどん弱くなってしまうので、動かすようにしなければなりません。ウォーキングは軽い動きであっても揺り動かす状態が長く続くので、蠕動運動の促進には効果が...


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274 冷え対策のウォーキング

温かな血液を全身に巡らせて、冷えを防ぐためには、筋肉を盛んに動かして、ポンプ作用によって血液を早く、勢いよく送り出してやることが重要になります。ウォーキングは筋肉に適度な負荷がかかり続け、筋肉の収縮によって血液を先へ先へと送っていくことができます。 ウォーキングは酸素を適度に取り込み、10~15分間まではブドウ糖を中心に燃焼させ、それ以降は脂肪酸を中心に燃焼させ、エネルギーを作り出すことによって体温を高め、血液の温度も高めていきます。その温まった血液が、筋肉のミルキング(絞る)効果によって、送り出され続けます。そして、有酸素運動によって取り込まれた酸素が全身の細胞に送られ、さらにエネルギー代...


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273 膝痛対策のウォーキング

膝の軟骨がすり減っているために痛みが生じている人は、できるだけ刺激を減らすように歩くのも控えるようにしようと考えがちです。もちろん、激しい痛みがあるときに膝の曲げ伸ばしをするのは無理であって、そのようなことを強いるつもりはありません。しかし、膝に違和感を感じたり、少し痛みがあるという場合には、膝痛の改善には歩いて膝を動かすことが大切になります。 というのは、膝の軟骨を再生させるために必要な成分は、膝を曲げ伸ばしして、膝の周りの血管から、その成分を送り届けるようにしなければならないからです。膝の軟骨のために必要な成分は、グルコサミンとコンドロイチンです。グルコサミンは軟骨の成分で、グルコサミン...


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272 腰痛対策のウォーキング

運動をすれば筋肉が強化されていきます。歩くだけでも腰の筋肉が使われ、強化することはできるものの、腰痛が起こりやすい人の場合には、普通に歩くだけでは刺激が不足しています。腰痛は、腰が痛いということで背筋が弱っているものと思われがちですが、腹筋とのバランスが重要で、腹筋も背筋も刺激することが必要になります。 腹筋が弱っていると腹が出た状態になりやすく、歩く姿勢も前屈みではなく、直立か後ろに反るような感じになります。これでは勢いよく歩いて、筋肉の刺激を強めることができなくなります。腹筋と背筋を鍛えるには、少し前傾姿勢になり、胸を反らす感じにして、腹筋と背筋を意識して歩くようにします。胸を反らす感じ...


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271 肩こり対策のウォーキング

ウォーキングは“背筋を伸ばして腕を大きく前後に振って歩く”というイメージがありますが、実際に歩いている人の姿勢を見ると、初めのうちは胸を張って肩を大きく動かしていても、疲れてくると徐々に首が曲がって、頭が前に出てくる人がいます。これは年齢を重ねた人に多く見られます。 顔が前に出ると首のカーブが大きくなり、上体も前屈みになり、肩も狭まってきます。これは書類やパソコンの作業を長く続けているときになりやすい姿勢と同じで、筋肉が緊張しやすく、肩も胸も開かなくなっているので、血流が低下しやすくなっています。 首が曲がって頭が前に出るのは上半身の筋肉が弱くなっているためであり、疲れてくるとよい姿勢が保...


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270 むくみ対策のウォーキング

むくみは下半身に水分が多くたまった状態で、これを心臓に向かって押し上げて、下半身の水分を減らしていくためには、筋肉のポンピング作用が必要になります。筋肉の中には太い血管が通っていて、その血管を揉み込むようにして血液を徐々に上へと送り出していくには、足の筋肉を収縮させることが必要になります。足の筋肉を収縮させるには、屈伸運動のように大きな筋肉を大きく動かす方法が最も効果的ですが、この動きを繰り返すのは簡単なことではありません。 その次に効果があるのは、最も簡単な方法で、ただ歩くだけです。歩くことは左右の足の片方ずつに荷重がかかり、反対側の足に体重がかかったときに力が抜け、再び荷重がかかります。...


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269 尿酸対策のウォーキング2

尿酸対策の有酸素運動の中でも、特にすすめられるのは身体に無理がかからず、長時間続けられるウォーキングです。尿酸値が高い人は、太っている人が多く、ウォーキングだけでは物足りないという人も少なくありません。『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、BMIが高値の生活習慣病の危険度が高いグループの痛風発症リスクは1.5倍も高くなっています。 しかし、激しい運動をしても痛風発症リスクは下がりにくく、適度な運動のほうがリスクの低下が大きくなっています。そこで、ウォーキングと同程度の負担であるにも関わらず、消費エネルギー量が多い運動としてスロージョギングがすすめられています。スロージョギングはジョギン...


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268 尿酸対策のウォーキング

運動をすることをすすめられると、検査数値の改善を強く意識することから、ついつい激しい運動を考える人も少なくありません。生活習慣病の予防・改善のための運動の中でも、痛風予防の尿酸値を下げるための運動では、身体に負担がかかることは避けなければなりません。 激しい運動をすると代謝が高まり、そのために尿酸のもとになるプリン体が体内で増えていきます。プリン体は細胞の核酸の成分で、細胞が壊れるほど血液中に多くなっていきます。特に増えるのは、運動の強度が高まり、筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなったときです。この段階に達すると、血液中の乳酸が急激に増加し始め、乳酸によって尿酸の排泄が抑え...


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267 腎機能対策のウォーキング2

運動をすると、ブドウ糖が燃焼して血糖値が下がるだけでなく、インスリンの働きを高めることができます。血糖値を低下させるためには、インスリンの分泌量を増やすことと、インスリンの働きを高めることの二つの方法があります。 インスリンは血糖値が高まるほど分泌量が増えるという特徴があるため、インスリンを増やすことは容易ではありません。インスリンが多く分泌されれば、それだけブドウ糖を取り込むというわけではなく、インスリンの働きを阻害するアディポサイトカインが脂肪細胞から多く分泌されると、取り込みは低下します。そのアディポサイトカインは、運動によって減っていくので、運動をするとインスリンの働きがよくなり、血...


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266 腎機能対策のウォーキング

腎機能が低下した場合には、身体を休め、腎臓の機能を回復させることが一番とされるので、運動よりも、まずは休むことが必要になります。しかし、腎機能の低下の原因が、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症である場合や、糖尿病性腎症の原因である糖尿病を予防する場合には、運動をして血糖値を下げることが有効となります。 血糖は血液中のブドウ糖のことで、その量が多いと、ブドウ糖は血管の細胞の中に入り込み、糖アルコールに変化します。細胞の中に糖アルコールが多くなると、水ぶくれ状態になって新陳代謝が低下します。そのために血管の細胞の入れ替わりが遅れるようになり、細くて弱い細小血管が徐々に傷んでいきます。そして、充分な...


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265 肝機能対策のウォーキング2

血流が低下すると酵素の働きも低下して、肝機能も低下しかねません。肝臓は酵素の働きによって数多くの働きをしているわけですが、現代人は運動不足で、血流の低下から手足の冷えを訴える人も多くなっています。 血液の温度は身体が冷える人も、そうでない人も大きな差はありません。日本人の場合には38〜39℃となっています。それなのに冷えを感じるのは、温かい血液が早く巡っていないために皮膚からの放熱に追いつかないからで、冷え性の人は冷えを感じる手足や腹部だけでなく、肝臓の血流量も少なくなっています。 脂肪肝の予防と改善のための運動については、日本肝臓学会の『NASH・NAFLDの診察ガイド』に、具体的な運動...


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264 肝機能対策のウォーキング

肝機能が低下した場合には、肝臓を休めて機能を回復させることが一番とされるので、運動よりも、まずは休むことが必要になります。ところが、肝機能の低下の原因が脂肪肝であった場合には、むしろ運動をして、肝臓にたまった脂肪を減らすことで肝機能を改善することができます。 正常な状態では肝臓の中には3~5%の中性脂肪が含まれています。肝臓には体内で余分となった脂肪を蓄積する働きがあって、血液中の中性脂肪が低下したときには肝臓から血液中に放出されてバランスを取るようになっています。 ところが、脂肪肝と診断されたときには、肝臓に含まれている中性脂肪は5%を超え、悪化すると30%以上に達することもあります。こ...


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263 コレステロール対策のウォーキング2

コレステロール対策としてのウォーキングの効果については、さまざまな研究が行われています。その代表的な研究成果は有酸素運動とコレステロール値の関係で、HDLを増やすためには、1週間に900kcal以上のエネルギーを消費する運動をすることが効果的との結果が得られています。また、30分間以下の運動では効果はないものの、それ以降10分間増えるごとにHDLコレステロール値は約1.4mg/dlずつ増えるとの発表もあります。 厚生労働省のエクササイズガイドによると、スタスタと勢いよく歩く速歩を体重60kgの人が1時間(約6000歩)で約1400kcal、70kgの人では約1700kcalとなります。900...


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262 コレステロール対策のウォーキング

LDLコレステロール値が高い人は、運動をすることがすすめられます。中性脂肪は運動によって減少しやすい脂肪であるので運動をする意味も理解しやすいのですが、コレステロールは運動によって燃焼するタイプの脂肪ではないために、その意味がわからないと運動を続ける気持ちが高まらないかもしれません。 LDL(低比重リポたんぱく)は運動をして直接的に減るものではありませんが、HDL(高比重リポたんぱく)とLDLはバランスを取っていて、HDLを増やすことによって、LDLを減らすことができます。LDLは一般にはLDLコレステロールと言われていますが、LDLコレステロールはLDLの中に含まれているコレステロールのこ...


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261 中性脂肪対策のウォーキング

血液中の中性脂肪は、ブドウ糖と並ぶ重要なエネルギー源です。体内では普段から、その二つのエネルギー源を使って活動のためのエネルギーを作り出しています。個人差はあるものの、平常時にはブドウ糖60%:脂肪酸40%くらいの割合で使われています。脂肪酸は中性脂肪の構成要素で、グリセロール1個に脂肪酸3個が結びついたのが中性脂肪です。 運動をしたときには、すぐに大量のエネルギーが必要になるので、燃焼しやすいブドウ糖を多く使います。そのため、エネルギー配分はブドウ糖80%:脂肪酸20%くらいに変わります。しかし、ブドウ糖は10~15分間しか大きなエネルギーにはならないため、その時間を過ぎると脂肪酸へと主に...


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260 血糖対策のウォーキング2

血糖対策のウォーキングは歩くスピードが重要になります。普通の速度(時速4~5km)でも10分間も歩けば、ブドウ糖の燃焼の効果があります。しかし、もっと効果を高めるためには速歩がすすめられます。速歩は一般には普段の歩き方よりも20%ほど速く歩くスタスタ歩きのことを指します。時速にして7km以上になりますが、少し息が弾むような速歩でもジョギングに比べて30%ほど消費エネルギーが少ないだけです。つまり、速歩で10分間も歩いたほうが血管への負担も少なく、燃焼効果が高いということです。 運動を行う時間帯としては、血糖値が上昇した食後1時間から2時間後に行うのが最も効果的です。とはいえ、運動は時間帯に限...


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259 血糖対策のウォーキング

運動を始めると、筋繊維(筋肉細胞)の中ではエネルギー不足の状態が起こります。これを解消するために、できるだけ多くのエネルギーを作り出そうとして細胞のミトコンドリアの中でATP(アデノシン三リン酸)がリンを二つ離してAMP(アデノシン一リン酸)に変化することでエネルギーが作り出されます。細胞内にAMPが多くなると、エネルギーの枯渇状態を感知してAMPK(アデノシン一リン酸キノーゼ)という酵素が活性化します。このAMPKが指令を出して血中のブドウ糖が取り込まれるという仕組みになっています。 ATP系のエネルギー消費は10秒間ほどで終わり、そのあとは乳酸系と呼ばれる無酸素状態でブドウ糖を主にエネル...


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258 血圧対策のウォーキング

血圧が上昇する原因は複数あるのですが、内臓脂肪の蓄積も大きな原因となっています。内臓脂肪が多く蓄積すると悪玉の生理活性物質のアンジオテンシノーゲンが分泌されます。この生理活性物質はインスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上昇させることが知られていますが、それと同時に血管を収縮させ、さらに血液中の塩分濃度を高めるために、血圧を上昇させます。肥満になると、血管の外側にある脂肪細胞が膨らむことになり、血管が圧迫されて血液が送り出されたときに弾力をもって膨らみにくくなります。そのために血液による圧力が血管に強くかかるようになって、血圧が高くなっていきます。 また、肥満になると脂肪細胞の中にたまっている...


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257 肥満対策のウォーキング

生活習慣病の予防・改善のためには運動がすすめられます。運動の中でも有酸素運動のウォーキングは効果が高く、メタボリックシンドロームや肥満の改善には、まずは身体への負担が少ないウォーキングから始めるように言われます。 歩き始めて10~15分間は、すぐにエネルギーになるブドウ糖が主に燃焼していて、脂肪酸の燃焼は少なくなっています。平常時はブドウ糖60%:脂肪酸40%ですが、有酸素運動時にはブドウ糖80%:脂肪酸20%くらいとなります。ブドウ糖が主にエネルギーとなるのは時間が限られているため、10~15分を超えると、今度は脂肪が多く燃焼するようになります。その割合はブドウ糖35%:脂肪酸65%くらい...


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256 喫煙とメディカルダイエット

タバコを吸うと太りにくくなるという人がいます。それは事実ではあるものの、その事実を逆に使うようにして「タバコをやめると太るからやめられない」という人がいます。タバコは健康によくないことはわかっていても、太るからやめられないというのは理屈としてはわからないではないのですが、それを理由としてタバコをやめないというのは、よいことではありません。 タバコを吸っていると太りにくいことについて実験をしたことがあります。食事をしている状態でレントゲンを使って胃の動きを観察する方法で確かめられたのですが、食事をして胃の中が満杯状態になったところで喫煙をすると、急に胃が大きく収縮を始めます。これはニコチンやタ...


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255 飲酒と痛風の関係

“酒は百薬の長”と言われ、飲酒のマイナス面はあってもリラックス作用や体脂肪が少ない人が増やしたいと願うときにはプラス面もあります。適量ならよいと言われるものの、飲酒が禁止されることがあります。その典型的な例とされるのは尿酸値が高い人です。尿酸値が高い高尿酸血症になると尿酸が結晶になって、関節を刺激して痛みと炎症を引き起こす痛風が発症します。 「風が吹いても痛い」とされるほどの激痛が起こるのは、結晶がトゲのように関節の神経を刺激し続けるからだと以前は考えられていたのですが、痛みを起こしているのはトゲではなく、活性酸素のせいであることがわかりました。結晶が関節を刺激すると活性酸素が発生して、その...


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254 飲酒と高血圧の関係

飲酒は一時的には血圧の上昇を抑える効果があります。しかし、飲酒量が多く、飲酒期間が長い人は、飲酒をしない人に比べて血圧が上昇しやすくなっています。年齢を重ねると血管の弾力性が低下して血圧が上昇しやすくなっていますが、長期大量飲酒による血圧上昇度合いは年齢にして10歳分に相当するといいます。 飲酒によって血圧が下がるのは血管が拡がるからです。その飲酒量は日本酒に換算して1合程度の量で、いわゆる適量と呼ばれる量です。それを超えて飲むと血管の拡張が進みます。血管が拡張するというと、さらに血圧が下がりそうですが、実際には上昇に転じます。というのは、血管が拡張しすぎると全身に届けられる血液量が減って、...


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253 飲酒と糖尿病の関係

アルコールは1g当たり約7kcalのエネルギー量があり、日本酒1合でも約140kcalにもなります。ご飯は茶碗1杯で約200kcalなので、飲酒をするときには、ご飯を減らすなどして調整しないと食べすぎになります。ちなみに、糖質とたんぱく質は1g当たり約4kcal、脂質は約9kcalのエネルギー量があります。飲酒量が多くなると、それだけ摂取エネルギー量が多くなり、さらに食欲が増して食べすぎることから糖尿病(2型)の引き金にもなります。 アルコールは肝臓からブドウ糖が放出されるのを抑制することから、飲酒後には血糖値が低下して、空腹を感じるようになります。そのために飲酒後にラーメンや甘いものを食べ...


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252 飲酒と脂質異常症の関係

血液中の脂質が基準値を超えることを脂質異常症と呼んでいますが、アルコールが深く関係しているのは中性脂肪とHDL(高比重リポたんぱく)です。肝臓では身体に必要な中性脂肪を合成していますが、アルコールが肝臓に運ばれてくると肝臓の中にある脂肪酸合成酵素の働きが盛んになって、合成される中性脂肪が増えていきます。その合成量はアルコール摂取量に比例しています。合成された中性脂肪は肝臓の中にたまるだけではなく、血液中に放出される量が多くなって、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪の量を増やすことになります。 HDLは一般にはHDLコレステロールと呼ばれていますが、正式にはHDLコレステロールとはHDLの中に含まれ...


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251 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のタイミングで体脂肪を減らす

食品に含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大きく分けられます。不溶性食物繊維は野菜などに多く含まれるもので、水に溶けない性質があって、消化されないために、小腸から吸収もされません。そのままの形で胃から小腸を通過していきます。そして、大腸に到達すると腸内細菌によって分解されます。不溶性食物繊維が胃の中に多くあると消化液(胃液)が多く使われ、他のものが消化されにくくなることから、糖質の分解が遅くなり、ブドウ糖の吸収が遅れて、血糖値が上昇しにくくなります。 血糖は血液中のブドウ糖のことで、ブドウ糖が多くなると血糖値が上昇します。血糖値が高くなると膵臓からインスリンが分泌されて、ブド...


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250 無酸素運動と有酸素運動のタイミングで体脂肪を減らす

運動は、息を止めてもできる無酸素運動と、呼吸によって酸素を多く取り込んで行う有酸素運動とに大きく分けられます。細胞の中にはミトコンドリアというエネルギー産生のための小器官があり、ここでブドウ糖と脂肪酸はアセチルCoAという補酵素となって、エネルギー産生が行われます。アセチルCoAが活用されるときに酸素が必要になり、酸素があることによってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。ブドウ糖1分子に対してATPが36分子も作られるのですが、無酸素状態のときにはブドウ糖1分子に対してATPは2分子でしかありません。そのために無酸素運動では長く身体を使い続けることがなくなります。 無酸...


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249 入浴と睡眠のタイミングで体脂肪を増やす

ぬるめのお湯(38〜40℃)に長くつかると、自律神経の副交換神経の働きが盛んになって胃液とインスリンが多く分泌されます。これによって入浴によってリラックスした状態で食事をすると、消化が進み、血糖値が上昇して、膵臓からインスリンが多く分泌されて、インスリンの働きによって肝臓での脂肪合成が進みます。これによって体脂肪を増やすことができるわけです。 通常の夕食の時間から就寝の時間の間には食事をしないのがダイエットの大原則で、少なくとも寝る3時間前には食事をしないことが言われます。夕方以降は副交感神経の働きが盛んになっているので、食事後に追加で食べると、エネルギーを蓄積するために脂肪合成が進みます。...


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248 入浴と睡眠のタイミングで体脂肪を減らす

入浴のタイミングは人それぞれで、夕方以降に入浴する場合でも夕食の前に入浴する人もあれば、夕食後に入浴する人、就寝前、そして食事と就寝の間に入浴する人もいます。それぞれのタイミングで入浴すればよいわけですが、体脂肪の蓄積を考えると入浴のタイミングは夕食前をすすめています。これは自律神経の交感神経の働きを盛んにして、胃液とインスリンの分泌量を抑える方法で、これについてはメディカルダイエット(240回)で紹介しています。入浴と睡眠のタイミングとなると、推奨しているのは就寝前の入浴です。 身体は温まった状態から徐々に体温が下がっていくと入眠しやすくなります。平熱から布団の中に入って、徐々に体温を低下...


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247 食事と睡眠のタイミングで体脂肪を増やす

夜に就寝する前に食事をすると体脂肪は着実に増えます。これは寝ている間にエネルギーが使われる機会がないことが大きな原因とされていますが、それ以外にも体脂肪を増やす原因はあります。それは肝臓での脂肪合成で、寝る前に食べた場合には、それが糖質であっても肝臓の中で脂肪酸合成酵素の働きによって脂肪酸が多く作られるようになります。脂肪は重要なエネルギー源で、寝ている間にも基礎代謝としてのエネルギー消費は続いていて、寝ている場合でも全体のエネルギー消費の70%ほどは使われています。しかも身体を動かしていないときにはブドウ糖60%に対して脂肪酸40%くらいの割合で使われています。 寝ているときでも脂肪酸を使...


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246 食事と睡眠のタイミングで体脂肪を減らす

食べてから、すぐに寝ると太る、とはよく言われることです。食事をしてから眠るまでの間の時間が短いと、それだけ消費エネルギーが減るので、太りやすくなると一般に説明されています。しかし、その時間だけが太る、やせるをコントロールしているわけではありません。一般には睡眠の3時間前までには食事を済ませておくことがすすめられます。胃の中に食べたものが残っていると、消化・吸収に身体が働くことで、睡眠しているときに身体を充分に休ませることができなくなり、脳も休むことができなくなります。そのために熟睡ができないというマイナス面も出てきます。 脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌されていますが、レプチンには脳...


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245 運動と睡眠のタイミングで体脂肪を増やす

筋肉を増やした分だけ代謝が高まって、体脂肪が減っていくというのでは、筋肉をつけながら体脂肪も増やしたいという望みをかなえることはできません。運動によって筋肉を増やしたうえで、その筋肉の上に適度な脂肪をつけていくことにとって、脂肪のメリットを活かすことができます。脂肪のメリットというのは、エネルギー源の蓄積、断熱材の役割、外的なショックへの防御、免疫の強化などのことですが、運動をする人にとっては持久力を得るためには、有効なエネルギー源である中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させておくことが重要になる運動も複数あります。瞬発力だけでは勝てないスポーツもあるのです。 運動をした後に睡眠をとると、成長ホル...


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244 運動と睡眠のタイミングで体脂肪を減らす

運動をすると筋肉が強化されるとイメージがありますが、運動をしているときに筋肉が増えるわけではありません。筋肉が増えるというと、筋繊維の数が増えると思われがちです。筋繊維というのは筋肉の細胞のことで、繊維状の細胞になっていることから筋繊維と呼ばれています。筋繊維の数は増えたり減ったりするものではなくて、誕生したときから筋繊維の数は変わりません。それなのに筋肉が増えたり減ったりするのは、1本ずつの筋繊維が太くなったり細くなったりしているからです。 筋線維の中でも骨格筋の筋繊維が刺激を受けると、傷つき、その傷を治すために筋繊維の周りにサテライト細胞(衛星細胞)が作られます。このサテライト細胞を取り...


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243 運動と入浴のタイミングで体脂肪を増やす

筋肉の中にあって脂肪を分解する酵素のリパーゼは、もともとは消化液(胃液、膵液)に含まれて、中性脂肪を分解して脂肪酸を遊離させる酵素となっています。このリパーゼのうち一部は筋肉まで運ばれ、筋肉の中で脂肪を分解する酵素として働いています。運動後の入浴によって脂肪の分解を低下させない方法は前回(242回)紹介しましたが、この逆のことをすれば脂肪の分解が進みにくくなって、体脂肪が減りすぎないようにすることができます。 運動をすると筋肉が温まり、筋肉の中にあるリパーゼが脂肪を分解して、脂肪酸の燃焼を進めます。運動後にも筋肉が温まっている間はリパーゼが活性化していて、脂肪の分解は続いているわけですが、運...


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242 運動と入浴のタイミングで体脂肪を減らす

運動をして筋肉が温まると、筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼの働きが活性化されて、脂肪の分解が進みます。脂肪には、グリセロールに結合している脂肪酸の数によってモノグリセリド(1個)、ジグリセリド(2個)、トリグリセリド(3個)があり、中性脂肪と呼ばれるのはトリグリセリドです。細胞の中に取り込まれた結合した脂肪酸は、細胞の中でリパーゼの働きによって脂肪酸が単独状態になります。この単独の脂肪酸が細胞の中にあるエネルギー産生器官のミトコンドリアの中に取り込まれます。ミトコンドリアの膜を通過するときには、脂肪酸はL‐カルニチンと結合した形となっている必要があります。 運動をして筋肉が温まっている間...


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241 食事と入浴のタイミングで体脂肪を増やす

入浴のあとに食事をすることで体脂肪を減らす方法については前回(240回)で紹介しましたが、その逆に体脂肪を増やすことも自律神経の調整によって行うことができます。42℃以上の温度で入浴したりシャワーを浴びると興奮系の交感神経の働きが盛んになります。朝起きて目覚めがよくないときに42℃以上のシャワーを浴びると目が覚めてシャキッとするのは副交感神経から交感神経に切り換わったからです。それとは逆に、心身ともに興奮しているときに38〜40℃の低めの温度で入浴するとリラックスできるのは抑制系の副交感神経の働きが盛んになったからです。 副交感神経の働きが盛んになっているときには胃液とインスリンの分泌が盛ん...


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240 食事と入浴のタイミングで体脂肪を減らす

食事をすると胃液が分泌されて、消化が進み、分解された栄養成分が腸から吸収されます。その多くは小腸から吸収されていますが、初めに消化・吸収されるのは糖質です。糖質の吸収は食事を始めてから30分ほどで盛んになり、2時間ほどで消化・吸収がほぼ終了します。糖質が分解されると、その中に含まれるブドウ糖が吸収されて血液中に入ります。血液中に入ったブドウ糖が血糖で、その量を示すのが血糖値です。血糖値が高まると、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが膵臓から分泌されます。インスリンの働きによってブドウ糖は細胞に取り込まれて、血糖値が下がっていきます。 胃液とインスリンの分泌は自律神経によって調整され...


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239 運動と食事のタイミングで体脂肪を増やす

運動をすることは、血液中の中性脂肪と脂肪細胞の中の中性脂肪を分解して、エネルギー源の脂肪酸とすることから、太るのか、それともやせるのかというと間違いなくやせる側となります。しかし、運動して筋肉の量を減らさないようにしながらも、体脂肪の量を増やしたいと願っている人もいます。そんな人には、食事の後での運動をすすめています。食後には消化と吸収に身体が働いているので、血流も盛んにはなりにくく、代謝も低下しています。そのときに運動をしても効果が得にくくなっています。この場合の効果というのは、エネルギー源の脂肪酸を代謝させる能力のことです。一般には脂肪の代謝は“燃焼”という言葉が使われています。脂肪が減る...


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238 運動と食事の組み合わせに適した食事のタイミング

空腹時の運動の後に食事をすると、肝臓での脂肪合成が抑えられるために、体脂肪の蓄積が抑えられると前回(237回)紹介しました。肝臓で合成されるのは脂肪酸で、その材料となるのは主には糖質です。「ご飯を食べすぎると太る」と言われるのは、肝臓に脂肪合成の仕組みがあるからです。合成された脂肪酸はグリセロールというアルコール成分と結びついて中性脂肪となります。中性脂肪はグリセロール1個と脂肪酸3個で構成されているものを指しています。 肝臓で作られた中性脂肪は血液中に入り、その量が多くなると脂肪細胞の中に保存用の脂肪として蓄積されます。それを促進するのもインスリンの働きです。インスリンの分泌が多くなるほど...


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237 運動と食事のタイミングで体脂肪を減らす

運動と食事のタイミングで体脂肪を増やしやすくする方法と、逆に減らしやすくする方法とがあります。希望として多いのは「無理をしないでやせたい」ということなので、体脂肪を減らすタイミングについて先に説明します。 運動の後に食事をすることで効果が高まるのは、空腹時に運動をしたときです。空腹時は、医薬品の摂取タイミングとしては食事と食事の中間の時間を差していて、昼食を12時に食べ始めて夕食を18時に食べ始めるときには15時から16時の間ということになります。メディカルダイエットでは、食事を食べる前の特に空腹になっている時間帯のことをいいます。 このときには血液中のブドウ糖、つまり血糖が少なくなってい...


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236 体脂肪を減らすのも増やすのもメディカルダイエット

ダイエット(Diet)には、もともと“やせる”という意味はないということは、このコーナーでも、サイトの他のページでも、いろいろな文章でもセミナーでも繰り返し伝えてきたことです。方針、作戦、戦略を意味していて、そこから各人にとって正しい方法を行うことがダイエットとなり、正しい食生活ということで食事療法がダイエットになり、さらに運動療法がダイエットとなりました。食事療法も運動療法も、太っていることによって生活習慣病が進むことを反映して、体脂肪を減らすことが主な目的になっています。だから、やせることがダイエットと思われがちですが、人によっては太ることによって健康が保たれるなら、太ることもダイエットと...


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235 入浴と食事の組み合わせによる自律神経の切り換えから始まったメディカルダイエット

メディカルダイエットの手法を初めて医療機関以外で実践したのは、スポーツ選手の体脂肪コントロールでした。あるアマチュア格闘技スポーツの国際チームの体脂肪コントロールの研究に呼ばれ、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は運動生理学や栄養学の専門家と一緒に面倒なオファーに応じました。そのオファーというのは、同じ食事量、同じ運動量で、体脂肪の量もほぼ同じ選手であるのに、一方の選手は体脂肪を減らし、他方の選手は体脂肪を増やすというものでした。体脂肪を増やすといっても、ただ太らせればよいということではなくて、筋肉は落とさずに適度な量の体脂肪をつけていくというオファーです。 これを可能にする方法の基本...


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234 メディカルダイエット研究のきっかけ

医療機関で実施されるダイエットは、基本的には病気の治療のために実施されるものです。生活習慣病の高血圧症、糖尿病、脂質異常症、痛風、心臓病、腎臓病などは摂取エネルギー量を調整して体脂肪をコントロールしたり、血圧を調整することで他の疾患の発症を抑えるために、食事と運動が指導されます。生理学に基づいた食事療法、運動療法であれば、狙ったとおり、計算どおりの結果を得ることができます。ある人にとって体脂肪を減らすのに効果があった方法が、別の人では効果の出方に開きはあったとしても、まったく逆の結果、つまり体脂肪が増えるということはありません。 しかし、生理学の理論が通じない人もいます。それは成長期の子供で...


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233 たんぱく質でやせられるのか

ダイエット目的でプロテインを摂る人が増えています。粉になったプロテインを水やジュースで溶いて、これを食事のときや運動後に飲むことで筋肉が増えて、代謝が高まることからダイエットにつながるということで人気が高まっています。以前はプロテインというと、筋肉を増やさないといけないスポーツ選手やボディービルダーの愛用品という感じもありました。しかし、今ではドラッグストアやスポーツショップに行くと女性用のプロテインが増えていて、プロテインに女性が喜ぶコラーゲンやヒアルロン酸、ダイエットサプリメントの成分がプラスされていて、まるでサプリメントのような扱いとなっています。 糖質制限ブームの中、糖質を減らした分...


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232 運動と入浴はエネルギーを作り出すために行う

運動をすることは消費エネルギーとして扱われているので、なんだかエネルギーを使っているだけという感じがするかもしれません。しかし、使う前にエネルギーが作り出されていて、このエネルギーが全身の細胞を正常に働かせる元となっているのです。運動をしないで、普通に暮らしているだけでも、もちろんエネルギーは作り出されています。寝た状態で身体を動かさなくても生命維持のためにエネルギーは使われています。これが基礎代謝で、その量は1日の消費エネルギー量に対して約70%となっています。 通常の生活では20%ほどが身体を動かすために使われる活動代謝となっています。運動をして、通常の2倍の活動エネルギーになったとする...


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231 健康的な体重は標準体重の5%増し

健康的な体重を知るための方法としてBMI(Body Mass Index)が使われます。これは体格指数と訳されていて、「体重を身長の二乗で割る」と求められます。わかりにくいので、理解しやすく表現すると「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」となります。これによって計算されたBMIが22となるのが理想とされます。この22の状態で、日本人は病気が少ないという統計結果があります。それなら「身長(m)×身長(m)×22」で標準体重を求めるほうが簡単で、目指すべき体重もわかりやすくなります。この標準体重なら健康的なのかというと、これだとパワーが出ないという人が少なくありません。 そこで、どのレベルを目...


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230 体内にパワーを溜め込むカーボローディング

運動を始めたときには血液中のブドウ糖が先にエネルギー源として使われて、次に脂肪酸がエネルギー源となります。血液中の脂肪酸が不足してくると脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が分解されて使われます。普通は、これだけのことで身体を動かすためのエネルギーは足りるのですが、フルマラソンやサッカーの前後半に出場というような激しく身体を動かすようなスポーツとなると、脂肪酸だけでは不足することになります。というのは、運動をし始めたときにはブドウ糖で、次が脂肪酸という完全な切り替えではなくて、運動を始めたときには脂肪酸も使われていて、運動の後半でもブドウ糖は使われています。その割合が違っているだけで、初めはブ...


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229 運動前の糖質補給は持久力を低下させる

マラソン選手が給水所で飲んでいるのは、選手によって差はあるのですが、ブドウ糖が含まれている飲料が基本となっています。運動を始めたときには、すぐにエネルギー源として使われるブドウ糖が先に使われ、10〜15分ほどすると脂肪酸の燃焼がメインへと切り替わっていきます。マラソンをして体力が失われてきたときにブドウ糖を補給すると、エンジンに再点火させるようなことになって、ここで作り出されたエネルギーが筋肉細胞の中で脂肪燃焼を促進させるために使われるので、パワーをもって走れるようになります。 運動をしているときに飲むことがすすめられるスポーツ飲料の主成分もブドウ糖です。運動をしているときにはブドウ糖の補給...


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228 ウォーキングの前にお茶を飲もう

ウォーキングをすると水分が失われるので、それを補うために水分補給を行います。先に水を飲んでおく人と喉が乾いてから飲む人がいますが、喉の渇きを感じてから飲んでも水分補給が間に合わないということはありません。体内の水分量は体重の60%ほどとされます。その水分が1%失われると喉の渇きを感じて、2%も失われると強い渇きを感じます。1%が減った段階で水を飲めば不足した分は、すぐに補うことができます。 同じ水分を取るのでも、ウォーキングの前に飲むのをお茶にすることが体脂肪の減少を目指す人にはすすめられています。運動を始めると、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が分解されて、血液中に脂肪酸が放出されて、...


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227 お腹で満腹するのか脳で満腹するのか

飲食をするときのシメの食事は糖質が基本です。糖質に含まれるブドウ糖が血液中で多くなると脳の満腹中枢が刺激されて、多くの食べ物が身体の中に入ってきたと判断をして、食欲が抑えられるようになります。この流れによって飲食にストップがかかります。これを見ると、食事をして満腹を感じるのは脳であって、胃の中に多くの食べ物が入ってきた結果ではないこととなります。糖質制限をすると血液中のブドウ糖が多くならないことから血糖値が充分に上昇しなくなり、なかなか満腹感が得られなくなるだけでなく、空腹を感じることにもなります。 しかし、糖質制限をしても、空腹を感じないこともあります。糖質制限ではブドウ糖が多く含まれるも...


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226 若い女性のダイエットに運動は欠かせない

若い女性たちにメディカルダイエットの重要性について話をするときに、「女性の正しいダイエットが子供にも孫にも影響する」ということを伝え、運動の必要性をくどくどと説明しています。というのは、エネルギー産生を司っているミトコンドリアの情報を子孫に伝えるミトコンドリア遺伝子は女性から子供に遺伝していくからです。運動の才能は母親から伝えられる、と言われる一つの理由が、このミトコンドリア遺伝子によって説明されます。 遺伝によって伝えられることは変えることができないものという印象が抱かれがちですが、ミトコンドリアは全身の細胞の中にあって、細胞内で使われるエネルギーを作り出している小器官であるので、エネルギ...


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225 エネルギーは筋肉細胞の中で作られて筋肉を強化する

運動をすると元気が出るのは、身体を動かすことによって筋肉の細胞の中で発生したエネルギーが、全身を駆け巡っているように感じるかもしれません。エネルギーを発生させる細胞の中にあるミトコンドリアは筋肉細胞の中に多くあり、筋肉を動かすことによって多くのエネルギーが発生するのは事実です。しかし、イメージされるように、筋肉細胞の中で多く発生したエネルギーが細胞の外に出ることはなくて、細胞の中だけで使われる“地産地消”型の消費となっています。 運動によって筋肉を強化するには、その筋肉を動かして、筋肉細胞の中で発生したエネルギーを使って筋肉の増強に必要なタンパク質の吸着を行わなければなりません。筋肉は運動を...


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224 100kcalの食品の見極め方

100kcal単位の摂取エネルギー量は計算しやすく、これを減らすときにも目安量がはっきりとしているので簡単に対応できます。主に糖質を摂取する目的の主食では100kcalの量は、ごはん1/2杯、もち1個、パン10枚切1切れ、そば1/3玉、うどん1/3玉、スパゲティ1/2カップとなります。パンは関西エリアに多い5枚切り1切れが200kcalとなり、ご飯茶碗1杯分に相当することがわかります。ご飯は茶碗1杯を食べると200kcalですが、麺類だと1玉は300kcalとなることもわかります。 主菜はたんぱく源の摂取を目的としたもので、100kcalの量は肉1切れ、魚1切れ、卵1個、豆腐半丁、牛乳1カッ...


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223 なぜわかりにくい80kcal栄養学が続いているのか

栄養学のエネルギー源の計算の基本単位は80kcal(キロカロリー)となっています。これを1単位として、1日に何単位を摂取すればよいかが計算されています。1日に1600kcalの摂取エネルギーとすると、200単位を摂ればよいとされます。なんとなくわかりにくく感じるのは、80という使い慣れていない数字が出てきているからです。慣れているのは十進法で、100kcalが1単位なら理解しやすいはずです。100kcalなら単位という考えをする必要もありません。単位という考えが出てきたのは80kcalが計算しにくいからです。 日本の栄養学が始まった明治時代は100kcalが基本的な考え方でした。軍医であった...


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222 インスリン不足でも運動をすると血糖値は下がる

膵臓からインスリンが分泌されると細胞にブドウ糖を取り込む働きをするグルコース輸送体のGLUT4が細胞膜に近づいてきて、ブドウ糖を取り込むことができるようになります。この働きが弱いとインスリンが分泌されてもブドウ糖が取り込まれなくなります。このことがすべての細胞で起こればブドウ糖が細胞で不足して大変なことになるわけですが、細胞によって状態にバラツキがあるので、ブドウ糖不足によって生命維持に影響が出ることにはなりません。しかし、細胞に取り込まれるブドウ糖の量は全体的に低下して、血液中のブドウ糖が濃い状態になります。これによって血管の細胞にブドウ糖に浸透して、細胞の代謝を低下させ、これが血管の老化を...


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221 肉を食べると血糖値が上昇する理由

脂肪が多く含まれている肉類を食べたり、料理に脂肪(調理油)を多く使うと太りやすくなるだけでなく、血糖値も上昇して糖尿病のリスクが高まっていきます。 糖質制限をすすめている方たちの説は、糖尿病の原因となる血糖値の上昇は食品に含まれているブドウ糖の量に関係しているので、ブドウ糖が少なければよい、ブドウ糖が含まれている糖質を食べなければよい、ということを主張します。それに加えて、脂肪は血糖値に関係しないので多く摂っても大丈夫ということまで主張しています。一見すると正しいように思われるかもしれませんが、これは血糖値にだけ着目しているからです。 血糖値が上昇すると、それに反応して膵臓から血糖値を下げ...


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220 「糖尿病ほど簡単な病気はない」というのは本当か

糖尿病は今や国民病と呼ばれるほど患者数が多く、国民健康・栄養調査の結果では国民の5人に1人が糖尿病患者か予備群とされています。食べすぎや運動不足によって血糖値が急上昇して、なかなか下がらないということだけが原因なら糖尿病を解決するのは簡単であっても、血糖値を下げる働きをするインスリンの分泌の減少、インスリンを使ってブドウ糖を細胞に取り込む能力の低下となると下がりにくくなります。それだけに糖尿病は一生涯付き合う困難な病気という認識がされています。 しかし、「糖尿病ほど簡単な病気はない」という考えを私たちは、あえて示しています。というのは、多くの生活習慣病は原因が完全に究明されているわけではなく...


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219 糖尿病予備群に糖質制限は効果があるのか

糖尿病予備群というと、糖尿病になるリスクが高い人、今の食生活、運動不足の状態を続けたら将来は糖尿病になりやすい人、という印象が抱かれがちです。しかし、厚生労働省の国民健康・栄養調査によると糖尿病は糖尿病が強く疑われる者、糖尿病予備群は糖尿病の危険性が否定できない者とされています。その該当者は、ともに1000万人ずつと推定されています。調査対象は成人人口の1億人なので計2000万人、つまり5人に1人が糖尿病か、糖尿病のリスクが極めて高い人だということになります。 糖尿病は血液中のブドウ糖が多くなりすぎた状態であるので、ブドウ糖が含まれる糖質を摂らなければ血糖値が上昇しなくなるのは当たり前の反応...


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218 血圧対策には中強度のウォーキング

有酸素運動にはウォーキングやサイクリング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、運動をしなれていない人にとってはジョギングやエアロビクスは身体への負担が大きく、負荷がかかりすぎると通常の酸素摂取では間に合わずに無酸素運動と同様の状態にもなりかねません。リパーゼは平常の体温では、それほど働きがよくはなく、身体を動かして筋肉が温まってくることによって働きがよくなっていきます。歩き始めてから10分くらいまではブドウ糖が盛んに燃焼していて、そのあとに脂肪の燃焼が盛んになっていきます。体脂肪の中でも内臓脂肪が減少すると腹部を通過する血管が圧迫されにくくなり、血圧が低下しやすくなります。 血圧を下げ...


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217 内臓脂肪と血圧上昇の関係

血圧が上昇する原因は複数ありますが、内臓脂肪の蓄積によっても上昇します。内臓脂肪が蓄積すると悪玉の生理活性物質のアンジオテンシノーゲンが分泌されます。この生理活性物質はインスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上昇させることが知られていますが、それと同時に血管を収縮させ、さらに血液中の塩分濃度を高めるために、血圧を上昇させます。 肥満になると、血管の外側にある脂肪細胞が膨らむことになり、血管が圧迫されて血液が送り出されたときに弾力をもって膨らみにくくなります。そのために血液による圧力が血管に強くかかるようになって、血圧が高くなっていきます。 また、肥満になると、脂肪細胞の中にたまっている脂肪を...


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216 歩数計をつけるとやせられる

歩数計は、その名のとおりで歩数を計測する装置です。1日に何歩を歩いたかを記録するのが主な目的で、歩行距離や消費エネルギー量などを記録するものもあります。歩数計をつけて歩くだけでやせられるのなら苦労はしないのですが、グループで実施すると全体的には体脂肪の減少がみられます。その理由は、歩数が表示されることによってモチベーションが高まり、もっと記録を延ばしたい、それを他の人に見てもらって誉めてほしいという気持ちが高まっていきます。この気持ちを利用して、歩数計をパソコンにつないで、同じ歩数計を持っている人と比べてランキングするものも登場しています。 歩数計という名称は一般名で、歩数計のことを“万歩計...


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215 エネルギー産生を高める運動法

運動は無酸素運動と有酸素運動に大きく分けられます。エネルギー産生を行っている細胞内のミトコンドリアの能力を高めるのはAMPキナーゼという酵素が働きやすくなる有酸素運動で、ウォーキングなどを長く続けるか早歩きをしてエネルギー不足状態を起こすと、ミトコンドリアが活性化され、ブドウ糖と脂肪酸の代謝が進んでいきます。有酸素運動は定期的に実施することが大切で、有酸素運動をやらない期間が長くなるとミトコンドリアの体積が減少して、エネルギー産生も低下することが知られています。 ミトコンドリアの体積は加齢によって減少していき、年齢を重ねるほどミトコンドリアの能力が低下していくことになります。年齢を重ねるほど...


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214 AMPキナーゼはブドウ糖の代謝を高める

筋肉に多く存在しているAMPキナーゼという酵素にはブドウ糖の代謝を促進させて、血糖値を下げる働きがあることが知られています。内臓脂肪には生理活性物質のアディポネクチンを分泌する作用があり、アディポネクチンは血液によって筋肉細胞まで運ばれ、AMPキナーゼを活性化しています。これによってAMPキナーゼは細胞膜に存在するグルコース輸送体のGLUT4に信号を出して、ブドウ糖(グルコース)を血液中から細胞に取り込むように指令が出されます。 GLUT4は細胞の中にあって通常は奥にあり、指令を受けると細胞膜の近くまで移動してきてブドウ糖を取り込むようになります。このブドウ糖はミトコンドリアに取り込まれて、...


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213 有酸素運動によってエネルギー産生が高まる

有酸素運動をすると細胞でエネルギー代謝を行っているミトコンドリアが増える、と一般には説明されています。しかし、実際にはミトコンドリアの数が増えているわけではなく、ミトコンドリアのサイズが大きくなって、エネルギーを作り出す能力が高まっていきます。ミトコンドリアは細胞によって100〜3000個と数に違いがあって、筋肉には多くのミトコンドリアが存在しています。筋肉は運動によって強く刺激されるので、増えやすくなっています。 運動をするとミトコンドリア内で産生されたATP(アデノシン三リン酸)が使われて筋肉が動かされているわけですが、ATPのリン酸が一つ離れることによってADP(アデノシン二リン酸)と...


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212 血糖値スパイクを抑える食事法

食後の血糖値上昇によって分泌されたインスリンが作用しにくいために血糖値が下がらないインスリン抵抗性の人は日本人に多く、これが糖尿病を発症させやすくさせると同時に、体脂肪が増えるようになります。インスリン抵抗性という体質的な問題では、どうにもならないと思われがちですが、その始まりは血糖値が上昇しすぎることで、まずは血糖値が上昇しすぎないようにすることが重要となります。血糖は血液中のブドウ糖であるので、食品の糖質に含まれるブドウ糖の量を減らすことが第一となります。糖質制限をすればブドウ糖の摂取量は減らせるものの、ブドウ糖は重要なエネルギー源なので、絶ってしまうようなことをしてはいけないのは当然のこ...


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211 血糖値スパイクで太る

食事をすると、食品に含まれる糖質が胃の中で分解されてブドウ糖となります。血液中に入ったブドウ糖は血糖となりますが、血糖値は食事をしてから30分ほどで大きく上昇して、その後には徐々に下がっていきます。血糖値を下げるのは膵臓から分泌されるホルモンのインスリンで、インスリンはブドウ糖の量に合わせて、つまり血糖値の上昇に合わせるように分泌量が多くなります。このインスリンの働きによって、ブドウ糖は全身の細胞の中に取り込まれて血糖値は下がります。 ゆるやかに上昇した血糖値は、ゆるやかに降下していくのが通常の変化パターンですが、上昇した血糖値が下がりきれずに、再び上昇することによってギザギザした変化をする...


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210 ヨーグルト・ファーストのすすめ

食べる順番ダイエットとしては、ベジタブル・ファーストが最も知られています。食物繊維が豊富に含まれている野菜を先に食べておくことで、その後に食べた糖質の吸収が抑えられて、太りにくくなるというものです。野菜を食べるときにドレッシングを使うと、脂肪によって糖質が吸収されにくくなるというメカニズムも紹介されています。食べるものを変えずに食べる順番を変えるだけでやせられるということで、楽に続けられるダイエット法として知られ、実施している人も増え続けているわけですが、これに従うと肉や魚を食べても脂肪によって吸収が抑えられることになります。 実際に肉や魚を食べてからご飯やパンなどを食べると太りにくくなるこ...


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209 神経伝達物質は腸で作られる

体内には数多くの神経伝達物質がありますが、認知機能に最も影響するのはセロトニンです。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから5‐ヒドロキシトリプトファンを経て、セトロニン(5‐ヒドロキシトリプタミン)に合成されます。セロトニンは体内には約10mgがあり、腸内に約90%、血小板中に約8%、脳内の中枢神経系に約2%が存在しています。 セロトニンは脳の神経伝達物質であることから脳幹の縫線核で合成されますが、多く合成されるのは腸内です。腸内細菌の善玉菌の働きによって合成が進むことから、善玉菌を増やすことが重要とされています。しかし、腸で作られたセトロニンは血管脳関門を通過することができません。血...


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208 腸内細菌と食品の関係

善玉菌も悪玉菌も活動と増殖のためには、それぞれに適した栄養源が必要になります。善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維で、食物繊維は胃では消化されず、小腸から吸収されない特徴がありますが、大腸では善玉菌によって分解されて栄養源とすることができます。また、乳製品に含まれる乳糖も善玉菌が好んで取り込んでいます。 悪玉菌の主な栄養源となるのは動物性たんぱく質と脂肪です。肉が多く、調理に脂肪を多く使う洋食は悪玉菌を増やしやすく、食物繊維が多い和食は善玉菌を増やしやすいことがわかります。 ビフィズス菌や乳酸菌が含まれた乳製品を摂ることによって腸内まで届けることはできますが、外部から取り込んだ大腸では1〜2...


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207 腸内細菌とアルツハイマー病の関係

腸内細菌とアルツハイマー型認知症の関係を調べた論文(2017年:アメリカ・ウィスコンシン公衆衛生医科大学)によって、アルツハイマー病の人はフィルミキュテス門とアクチノバクテリア門の細菌が減るのに対して、バクテロイデス門の細菌はアルツハイマー病では増えていることが確認されています。 アルツハイマー病では脳細胞にアミロイドβなどのタンパク質が増えていくことが知られていますが、バクテロイデス門の細菌が多い人ほどアミロイドβが増えている相関性が認められています。 細菌は単細胞という一つの細胞で、栄養源となるものを取り込み、細胞内で代謝を起こし、その代謝物を排出します。その働きは腸内細菌も同様で、健...


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206 腸内環境とダイエットの関係

腸内には300種類以上、約300兆個もの腸内細菌が棲息しているといいます。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられます。そのバランスによって腸内環境が変化しますが、善玉菌が増えることによって便通や体調がよくなるだけでなく、認知機能が高まることが確認されています。 腸内細菌は生まれる前の胎児の腸内には存在していなくて、産道で母親から腸内細菌を受け継ぎます。誕生直後の赤ちゃんの腸内細菌のほとんどはアクチノバクテリア門に分類される善玉菌で、その多くはビフィズス菌となっています。その後にはフィルミキュテス門の細菌が増えていきますが、これは乳酸菌や皮膚の常在菌などです。フィルミキュテス門は脂...


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205 介護予防のための脳の活性化

生理活性物質のt−PAは30分ほどの運動をすると分泌量が増えます。t−PAには血栓を溶かす作用があり、血栓は脳血管を詰まらせて脳血管疾患(脳梗塞、一過性脳虚血発作)の原因となることから、認知機能の維持には重要な因子となります。 軽度認知障害のリスクを高めることとしては加齢に加えて脳卒中(隠れ脳梗塞を含む)、心疾患(心筋梗塞など)、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧、メタボリックシンドローム、肥満、甲状腺機能障害、頭部外傷、正常圧水頭症、喫煙歴、アルコール・薬物の影響、ビタミンB₁₂欠乏、過度のエストロゲン、テストステロン欠乏、...


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204 運動による脳の活性化

運動をすると生理活性物質が増えることが確認されています。運動をすることによって増える生理活性物質としては、ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、テストステロン、エンドルフィン)、神経伝達物質(アセチルコリン、ドーパミン、トリプトファン)、神経栄養因子(BDNF)、酵素(AMPキナーゼ、KAT)、生理活性物質(t−PA)、血管新生因子(VEGF)が知られています。これらの物質は運動時には安静時の1.2〜1.5倍も増えていて、脳内でも同様に増えていると考えられています。 アセチルコリンには脳で記憶を司る海馬の神経細胞新生促進があり、神経細胞が増えることによって記憶力を改善させる作用があり...


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203 運動による認知機能改善

脳細胞に取り込まれたブドウ糖は、細胞内でエネルギーを作り出す小器官のミトコンドリアに取り込まれます。ブドウ糖はエネルギー源であって、これを材料にしてミトコンドリアの中でエネルギーを作り出す必要があります。そのために必要なのが、ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むと同時にミトコンドリアの中での代謝を高める働きがあるR‐αリポ酸です。R‐αリポ酸は天然型のα‐リポ酸を指しています。 α‐リポ酸というとダイエット向けの商品に使われていることから、健康食品の素材だと思われがちですが、そもそもは体内で合成される代謝促進成分です。代謝が低下することによって起こる疾患の治療のために医薬品として開発され、これ...


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202 脳細胞へのブドウ糖の補給

全身のエネルギー源うち20%ほどは脳で使われています。重量としては1.2〜1.4kgで、体重の2〜3%しかない脳には非常に多くのエネルギーが必要です。少なくとも1日に100gのブドウ糖が脳には必要とされています。血糖値が高い状態は、脳細胞にブドウ糖が取り込まれていないため、脳細胞の中で作られるエネルギーも少なくなり、エネルギーが不足することから脳を正常に働かせることができなくなるわけです。 脳の中でも特にブドウ糖が多く使われ、インスリンも多く必要となっているのは記憶を司っている大脳辺縁系の海馬です。認知症や、認知症の予備群である軽度認知障害の人は海馬のブドウ糖が少なくなっていることが確認され...


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201 高血糖で脳細胞のブドウ糖が不足する

脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が不足するようなことは避けなければなりませんが、ではブドウ糖が血液中に多い高血糖状態を保てば脳細胞にブドウ糖が多く取り込まれるのかというと、そう簡単なことではありません。血糖値が高すぎる期間が長く続くと糖尿病になる恐れがあり、糖尿病になると全身の細胞へのブドウ糖の取り込みが不足し、中でも脳細胞がブドウ糖不足に陥りかねません。 糖尿病は遺伝的に糖尿病の因子を持っている人がなる疾患です。その因子がなければ血糖値が高くなっても糖尿病にならないことになるわけですが、残念ながら日本人は因子を持った人が非常に多く、血糖値が高い状態が続くと高確率で発症します。そのため、...


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200 脂肪酸の合成を進める栄養素

コレステロールは肝臓で合成されるわけですが、その材料となっているのはブドウ糖などの糖質です。糖質の代表的なものはブドウ糖や果糖です。ブドウ糖を多く摂取すると余分となったブドウ糖は肝臓で脂肪酸に合成されます。脂肪酸3個がグリセロール1個と結びついて中性脂肪となり、これが血液中を流れ、脂肪細胞の中に蓄積されていきます。 果糖はフルーツに多く含まれていますが、果糖が血液中で多くなると肝臓で脂肪酸に合成され、中性脂肪の量が増えていきます。血液中のブドウ糖が多くなると糖尿病だけでなく、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)になり、動脈硬化が進むことになると...


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199 コレステロールと活性酸素の関係

LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれることから、コレステロールはよくない印象が抱かれることがあります。しかし、コレステロールは全身の細胞の材料であり、ホルモンや胆汁の原料にもなっていて、生命維持に必要な成分です。そのためにコレステロールは肝臓で合成されて、血管を通って全身に運ばれています。コレステロールは脂肪であるために血液中に入ると水と油の関係で固まって流れにくくなります。そこで肝臓で合成されたコレステロールは親水性があるリポタンパクに包まれたLDLコレステロールとなって血液中に入ります。 LDLコレステロールは活性酸素によって酸化すると変性コレステロールとなります。LDLコ...


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198 動脈硬化に影響する脂肪

血管の老化を進める最大の要因は加齢ですが、それと同時に大きな要因となっているのは、血糖値や中性脂肪値、LDLコレステロール値の高さです。血糖値が異常に高くなって発症する糖尿病は、高血糖状態が長く続いたことで血管の老化が進む疾患です。多くなりすぎたブドウ糖が血管壁の細胞に入り、細胞の中で糖アルコールに変化すると細胞内の水分バランスが崩れて、細胞の再生が遅れるようになります。これによって細胞が徐々にもろくなっていきます。糖尿病の合併症である網膜症、腎症、神経障害は細くてもろい細小血管が傷むことによって発症します。糖尿病では細小血管だけでなく、動脈硬化も進んでいきます。 中性脂肪とLDLコレステロ...


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197 認知機能を維持する食品

認知機能の研究が進む中、脳の健康によい食品が明らかになっています。理論での解明だけでなく、大規模調査によって実際に認知症の発症率が低い人が食べている食品が判明しています。それは野菜、海藻、魚介類、大豆製品、乳製品で、これまで栄養バランスがよい食品として取り上げてきたものです。 脳神経細胞の維持には、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が有効であることが確認されています。DHAとEPAの有効性だけでなく、血管の老化を予防する意味でも重要性が認められています。 認知症というとアルツハイマー病に代表されるように脳細胞の萎縮が大きな原因と考えら...


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196 色で考える食べるべき食品

食品のバランスを、食卓にのぼる料理を色で考える方法があります。肉類が多い食事では茶色が多くなりがちです。これに緑色の野菜を加えて、さらに野菜も赤(ピーマン、トマト)、黄(ピーマン、とうもろこし)、紫(なす)、白(ねぎ)を加えます。同じ茶色であっても大豆や味噌、きのこを加えます。黒(海藻、ごま)も加えると、さらにバランスがよくなります。白はご飯だけというのではなく、牛乳やヨーグルトを加えることも考えます。 さらにデザートにフルーツ(果物)を加えると、色鮮やかな食卓になります。色鮮やかな野菜は紫外線を浴びることによって抗酸化成分(ポリフェノールなど)が蓄えられています。フルーツの多くは赤道近くの...


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195 積極的に食べたい食品

江戸時代の儒学者の貝原益軒が記した『養生訓』には、御加数という言葉が出てきます。これは“おかず”のことで、おかずは数を増やすことが健康の秘訣であることが伝えられています。食物繊維に限らず、食品の数を増やして、いろいろな栄養素を摂ることが重要ということです。 多くの食品を食べるというと“1日30食品”が厚生労働省の食生活指針として掲げられていた時期があります。今では使われなくなっていますが、厚生労働省の『国民健康・栄養調査』によってバランスが取れて、量も過不足ない人は平均して17食品であることがわかったからです。しかし、同じようなメニューになりがちな人は、できるだけ食べる種類を変えて、できるだ...


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194 食物繊維の種類と意味

摂るべき栄養素として、五大栄養素という考えがあります。これは三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質にビタミンとミネラルを加えたものです。以前は食物繊維は消化も吸収もされないことから役に立たないものと考えられていた時代もありましたが、今では食物繊維の重要性が明らかになり、六大栄養素の仲間入りをしています。食物繊維の推奨摂取量は1日に男性が20g以上、女性が18g以上となっています。以上とされているということは、これだけの量を摂れば充分ということではなく、少なくとも摂らなければならない量という意味です。 食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大きく分けられます。植物の葉や根などに含まれる...


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193 ビタミンとミネラルのバランス

ビタミンとミネラルのバランスを取るためには、それぞれの推奨量を満たす必要があります。成人の1日摂取量は、脂溶性ビタミンのビタミンAは男性が800〜900μg、女性が650〜700μg、ビタミンDは男女ともに5.5μg、ビタミンEは男性が6.5ng、女性が6.0mg、ビタミンKは男女ともに150μgとされています。水溶性ビタミンのビタミンB₁は男性が1.0〜1.2mg、女性が0.9〜1.1mg、ビタミンB₂は男性が1.1〜1.3mg、女性が1.1〜1.2mg、ナイアシンは男性が13〜15mg、女性が10〜12mg、ビタミンB₆は男性が1.4mg、女性が1.2mg、ビタミンB₁₂は男女ともに2.4...


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192 バランスの取れた栄養とは

身体と脳の健康維持のためにバランスの取れた栄養補給を指示されたときに、一番に考えなければならないのは摂取エネルギー量のバランスです。これは一般にはPFCバランスと呼ばれています。Pはprotein(たんぱく質)、Fはfat(脂質)、Cはcarbohydrate(炭水化物)の頭文字で、1日の食事で摂取するエネルギー源のうち、三大栄養素が占めるエネルギーの割合を示しています。炭水化物のうちエネルギー源となるのは糖質で、糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物となります。 食事で推奨されるバランスは『日本人の食事摂取基準』(2015年版)でエネルギー産生栄養素バランスとして示されています。それによる...


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191 ダイエットのための昼寝のタイミング

おなかが一杯になって、温かい部屋の中で眠るほど気持ちがよいことはないものの、食べて寝たら太るというのは普通に考えられることです。昼食を食べたあとに昼寝をすると、脳が休まり、学業や仕事の効率が高まるというメリットがありますが、ダイエット効果を高めることもできます。食事のあとに眠くなるのは消化のために胃や腸に血液が回るからだと説明されていますが、そのために脳に送られる血液量が大きく減るようなことはありません。むしろ食事で摂った栄養素を脳に運ぶために血流がよくなっています。それなのに眠くなるのは糖質に含まれているブドウ糖によって脳の中で睡眠を促す物質が多く作られるからだと説明されています。 せっか...


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190 脂肪を燃やす入浴前のコーヒーの効果

運動をする前にコーヒーを飲むとカフェインの働きによって興奮作用があるアドレナリンが分泌されて、脂肪細胞に蓄積されている脂肪が分解されているので、運動を始めてから脂肪が燃焼するまでの時間を短くすることができます。 入浴も身体が温まり、興奮状態にすることができるということでは運動と同じところがあり、入浴の30分ほど前にコーヒーを飲むことで入浴中の脂肪燃焼を進めることができます。入浴温度が42℃に達すると自律神経の交感神経の働きが盛んになり、個人差はあるものの10分ほどの入浴で100kcalほどの消費エネルギー量となります。カフェインの効果は量にもよるものの3時間以上は続くとされているので、脂肪の...


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189 夜と朝で効果に差があるアロマ

ダイエットを成功させるためには、夜はリラックスして過ごして熟睡できること、朝は気持ちよく目覚めて活発に行動することが大切になります。睡眠と目覚めを切り替えているのは自律神経で、抑制スイッチに切り換えるのが副交感神経、活動スイッチに切り換えるのが交感神経となっています。切り換えるためには運動や休養、室内温度、入浴温度などがありますが、もう一つ効果があるものとして芳香成分があげられています。 鼻から吸い込まれた芳香成分は鼻腔の奥にある嗅覚神経を刺激して、脳の視床下部に伝わり、自律神経をコントロールしています。この仕組みを活用したのがアロマテラピーです。夜に利用したいのはリラックス系の香りで、深い...


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188 飲酒後のラーメンの具はチャーシューとゆで卵

お酒を飲んだときには、おなか一杯に食べているのに、シメのご飯も食べているのにラーメンや甘いものが食べたくなることがあります。食べたい気持ちになるだけでなく、胃が脹れているはずなのにラーメンを完食してしまう人もいます。 普段は肝臓からブドウ糖が放出されて血糖値が大きく下がらないようにしていますが、アルコールは肝臓の働きを低下させ、飲酒後にブドウ糖が充分に放出されずに血糖値が急に大きく下がるようになります。空腹は脳の中枢が血液中のブドウ糖の量を察知して、血糖値が低くなると偽の空腹感を感じさせて、食事をさせるようにしています。 胃の中に食べ物が多く入って、胃壁が圧迫されると満腹を感じ、圧迫がなく...


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187 太りにくくなる飲酒時の食べる順番ダイエット

食べる順番ダイエットは食物繊維が多いサラダ、水分でおなかが膨らむスープのときにメインディッシュの肉や魚を食べて、最後に糖質(ご飯、麺類、パンなど)を食べるのが基本となっています。お酒を飲むときにも、この順番を守ってもよいのですが、飲酒時の食事はアルコールの影響を考えて順番を決めることがすすめられます。 飲酒後には肝臓はアルコールを早く分解するために他の機能が低下するようになります。アルコールによって肝臓での脂肪合成が進んでいきますが、肝臓に脂肪が多く蓄積させないように普段は脂肪の蓄積が増えていくと、その脂肪を血液中に放出しています。というのは、肝臓の細胞は脂肪が多く蓄積すると細胞本来の働きを...


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186 太りにくくなるお酒の飲む順番ダイエット

お酒を飲むと食欲が増して食べすぎる傾向があることから、飲酒はダイエットにはマイナスとされます。飲酒すると体温が上がって、エネルギー消費量が増えるので、飲酒だけでは太りにくくなっています。しかし、食べすぎの傾向は抑えにくく、アルコールによって肝臓での脂肪合成が進むために太りやすくなるのは仕方がないとしても、飲む順番によって太りにくくすることができます。 この飲む順番ダイエットの基本となるのは「とりあえずビール」という言葉があるように、初めに低アルコールのビールを飲み、そのあとにアルコール度数が13~15度ほどのワイン、日本酒、焼酎の水割りなどをほろ酔い程度に飲むことです。初めから強いお酒を飲ん...


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185 3時のおやつで太る人とやせる人

3時のおやつは太らない――と言われ、その理由として“BMAL1”(ビーマルワン)があげられています。これは脂肪蓄積たんぱく質で、これが体内で増えることによって脂肪細胞の中に蓄積される脂肪の量が増えていくことが知られています。その増加量が1日の中で最も少ないのが午後3時ころとなっています。BMAL1が午後10時を過ぎると、最も少ない午後3時に比べて20倍ほどにも増えるといわれています。脂肪を摂り込む働きをするたんぱく質なので、それが少ないということは、おやつは脂肪が多めのものを食べても太りにくいことになります。 夕食を食べてから寝るまでの間に空腹を感じた場合にはBMAL1が大きく増えているので...


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184 コンビニランチにプラスするのはダイエット茶よりみそ汁

コンビニの食事は、どうしても糖質(炭水化物)と脂肪が多いので、ダイエットを心がける人は糖質と脂質の吸収を抑えたいと考え、その作用があるダイエット茶を一緒に購入することがあります。ダイエット茶といっても特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品なら、どれくらい吸収が抑えられるかのエビデンス(科学的な評価結果)が示されているものの、ウーロン茶などのダイエット効果は明らかではなく、これらのお茶でダイエット効果を得ようと考えるなら、みそ汁を飲んだほうがよいこともあります。 みそ(味噌)の原料の大豆には糖質と脂質を燃焼させるビタミンB群が含まれ、腸の働きを整えて余分な脂肪の吸収を抑える作用がある大豆サポ...


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183 糖質制限とエネルギー制限の効果がある食事タイミング

糖質を大きく減らすか、まったく摂らないようにする糖質制限は、ブドウ糖を摂らないようにすることで血糖値の上昇を抑え、血糖値の上昇につれて分泌されるインスリンの量を減らすことを目指しています。インスリンには肝臓で脂肪の合成を進める作用があるため、結果として脂肪の合成が減り、蓄積される脂肪も減っていくということです。 ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、脳の中の保持時間は15時間ほどなので、朝食と夕食にはブドウ糖が含まれた糖質は摂らなければなりません。そのため、糖質制限は昼食にするべきとされています。肝臓で合成される脂肪は、食品の脂肪だけでなく、糖質もたんぱく質も余分となったものは脂肪に合成されま...


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182 冷たいおにぎりのレジスタントスターチなら糖質制限なし

ご飯に含まれるデンプンは、すべてが消化されて吸収されるわけではなく、3~10%は消化も吸収もされず、これはレジスタントスターチと呼ばれています。レジスタントは消化されない、スターチはデンプン(澱粉)を意味します。難消化性デンプンとも呼ばれています。ご飯に含まれる食物繊維は消化も吸収もされないのですが、それと同じ作用があります。 デンプンはブドウ糖が多く結合したもので、鎖状につながった形のアミロースと枝分かれした形のアミロペクチンがあります。ご飯を炊くとアミロースとアミロペクチンの結合が解けたα化されて消化されやすくなりますが、冷えるとβ化して再び結合します。この再合成されたデンプンがレジスタ...


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181 代謝スイッチを入れる朝ごはんのメニュー

朝食でご飯やパンなどの糖質を摂ると、糖質に含まれるブドウ糖が燃焼して体温が高まり、筋肉の温度も高まって、脂肪が燃焼しやすくなります。だから、やせようと思って朝食を抜くのではなく、糖質を少しでも摂ることが必要になります。 脳のエネルギー源はブドウ糖だけで、糖質を摂ることで脳の働きを保つことができますが、脳は全身の機能をコントロールしているので、脳の働きが低下すると動いているときの反応が悪くなり、全身の細胞の代謝を下げることになります。ブドウ糖を摂っても、脂肪を燃焼させるにはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂の4種類のビタミンB群が必要になるので、野菜や豆類、卵、肉、魚など...


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180 朝のカフェインと夜のカフェインはダイエット効果が逆になる

カフェインが含まれたお茶はアドレナリンを分泌させて、脂肪細胞に蓄積された脂肪を分解して脂肪酸として血液中に放出する作用があります。この脂肪が筋肉に送られて、エネルギーとして燃焼することになります。昼間の時間帯は自律神経の交感神経が盛んに働いていて、アドレナリンが分泌されると交感神経の働きが盛んになり、脂肪の燃焼が進みやすくなります。朝にカフェインが多く含まれたお茶を飲むと脂肪の燃焼が進むだけでなく、燃焼によって発生したエネルギーが次の脂肪を燃焼させるエネルギーとなる循環作用が起こることから、ダイエット効果が高まっていきます。 循環作用は原因によって起こった結果が次の結果を起こしていくことで、...


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179 ダイエット茶の注意点

タイプの違ったお茶を飲んでも効果がないのかというと、そうとは限りません。脂肪を分解するタイプのお茶を食後に飲んだ場合ですが、脂肪の分解は食事を始めて、すぐに終わるわけではなく、完全に分解されるまでに6時間ほどはかかります。そのため食後に飲んでも効果はあります。しかし、示されている効果は、食前に飲むことで得られた結果なので、効果が下がることが考えられます。 脂肪の吸収を抑えるタイプのお茶を食前に飲んだ場合ですが、脂肪の吸収を抑えるには脂肪の分解と吸収が最も進んでいる時間帯に、そのタイプのお茶を飲むことで最も効果が得られます。食前でも食事を始める、すぐ前なら、あまり効果に差はなくても、お茶を飲ん...


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178 ダイエット茶はタイプによって飲むタイミングが違う

ダイエットを目的にしたお茶は、脂肪を分解するタイプ、脂肪の吸収を抑えるタイプ、脂肪の燃焼を進めるタイプに大きく分けられます。脂肪を分解するタイプのお茶は、脂肪の分解を早くして燃焼も早くさせることで脂肪が蓄積されにくくするもので、これは食事の前が食事と一緒に飲むことがすすめられます。脂肪の吸収を抑えるタイプのお茶は、脂肪が分解されにくくすることで吸収を抑えるもので、脂肪が含まれている食事の最中に飲むことがすすめられます。もう一つの脂肪の燃焼を進めるタイプのお茶は、腸から吸収された脂肪や、脂肪細胞から分解された脂肪を燃焼させるもので、食事の最中から食事の後に飲むことがすすめられます。 脂肪が最も...


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177 運動前に飲んで効果が出るダイエット茶

お茶を飲んでから30分ほどしてから運動をすると脂肪の燃焼が早くなります。通常は運動を始めてから15分ほどで脳から興奮作用があるアドレナリンが多く分泌されて、脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪が分解されて血液中に出ます。ところが、アドレナリンを分泌させる作用があるカフェインが含まれたお茶を飲んで30分ほどが過ぎると、アドレナリンが先に分泌された状態で運動を始めるので、脂肪の燃焼を早くすることができます。 アドレナリンが早く分泌されていても、筋肉の中で脂肪を燃焼しやすい形にする脂肪分解酵素のリパーゼが働いて、脂肪が燃焼されるようになるまで10分はかかるので、すぐに燃え出すというわけにはいきません。...


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176 運動の時間が取れないときには3分間の後ろ歩き

筋肉に負荷がかかる運動量と筋肉の増え方は一致していません。同じ運動をして、同じだけの負荷をかけても、普段やり慣れている運動だと、運動の割には徐々に筋肉がつきにくくなってきます。そこで、運動を決まった方法で行うのではなく、いつもとは違った運動を取り入れることがすすめられます。 例えば、ステッパー運動の場合、上下に踏み込むだけの運動で筋肉がつきにくくなってきたら、踏み込むことによって上下だけでなく左右にも動きタイプにすると、また筋肉の増え方が大きくなってきます。ステッパーを変えるのが難しいなら、前後を入れ替えて、後ろ向きになってステップ台に乗って、踏み込むようにします。初めに前向き、次に後ろ向き...


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175 バナナ型肥満に効果がある有酸素運動

バナナ型肥満の遺伝子タイプの人は、脂肪の燃焼がよくて、本来なら太りにくいのですが、運動不足や食べすぎなどによって太ってしまうと、全体的に筋肉が少ないので、やせにくいという特徴があります。筋肉が脂肪を多く燃焼するので、筋肉を増やすのが一番で、そのためにはたんぱく質が多い食品を食べるのがよいとされていますが、たんぱく質を摂っても筋肉を動かしていないと、たんぱく質は筋肉となって定着しにくくなります。筋肉が少ない人に筋トレはきつく、筋トレをしても筋肉の量は増えにくくなっています。 バナナ型の女性は特に筋肉がつきにくいので、歩く時間を増やすようにします。大きな筋肉の半分以上は下半身についているので、歩...


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174 歩行中に3分間だけ早歩きするだけで脂肪が盛んに燃える

ウォーキングは「スピード×時間」でエネルギー消費量が変わってきます。一般には早く、長く歩けば消費エネルギー量が増えて、脂肪が多く燃焼してダイエット効果が高くなります。しかし、早く歩くと長続きしなくなり、長く歩こうとすると早く歩けなくなります。その弱点を解決するのが普通のスピードで10分以上歩いたあとに、3分間だけ早歩きをする方法です。 早歩きといっても必死になって最高速の早歩きをする必要はなく、少し息が上がるくらいの中強度のスピードにします。イメージとしては、会話ができるギリギリの速度より少しだけ早いスピードです。この速度で歩くと筋肉に多くの血液が送り込まれるようになり、筋肉の中の酸素が多く...


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173 歩く前に腹筋をトントン3分叩くだけで運動効果がアップ

同じ歩くのでも背筋を伸ばすと腹筋に力がかかり、少し前傾姿勢になって前進すると腹筋が緊張したまま歩くことができるようになります。腹筋を緊張させたからといって気になる腹部の脂肪が集中的に燃焼するわけではないのですが、緊張させたまま歩き続けることで引き締め効果を高めることができます。 腹筋運動をしてからウォーキングをすると足を前に踏み出すたびに腹筋が動くのを感じることができますが、腹筋運動をしなくても腹筋に意識を集中させて、背筋を伸ばして歩くと腹筋が刺激されるのを感じることができます。その意識を集中させる方法ですが、立ったまま腹筋を拳でトントンと叩きます。ただ、叩くのではなく、背中を反らしぎみにす...


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172 食事の前にできる簡単で効果がある室内運動

血糖値の上昇に応じて分泌されるインスリンには肝臓で脂肪を合成させるとともに、脂肪細胞の中に脂肪を蓄積されやすくします。そのためにインスリンが多く分泌されるほど太りやすくなります。食事の前に運動をすると自律神経の交感神経の働きが盛んになり、インスリンの分泌量を減らして、脂肪の合成と蓄積を減らすことができるようになります。運動には有酸素運動と無酸素運動があり、どちらの運動にも交感神経の働きを盛んにさせる効果があります。 しかし、食事の前にダイエットのためにする運動としては無酸素運動がすすめられます。筋肉の中にはブドウ糖が結びついたグリコーゲンが蓄積されていて、血液中のブドウ糖が不足したときにはグ...


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171 みそ汁とスープのダイエット効果

一口にスープといっても、ポタージュスープからコンソメスープ、チャウダー、シチューなど、さまざまな種類があります。1か月に8kgもやせられるというスープダイエットは、食べれば食べるほど痩せられるという触れ込みで人気が高まりましたが、そのスープの中身は複数の種類の野菜とショウガや唐辛子などの辛い味付けとなっています。 食事の最初に具だくさんのスープを飲むというよりも食べ、スープの水分も全部飲み切るのがダイエットのために守るべき基本となります。1週間で8kgというのはスープと野菜、フルーツしか食べない日を3日以上設けることとなっているので、スープを食べておなかを膨らませて、あとはご飯も食べてよいと...


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170 運動前のシャワーと運動後のシャワーの効果の差

運動を始めてから脂肪の燃焼が盛んになるまでには10~15分はかかります。ところが、運動の前に熱めのシャワーを浴びると自律神経の交感神経の働きが盛んになり、運動を始めてから脂肪が盛んに燃焼するまでの時間を短くすることができます。運動の時間が限られているなら、早く脂肪燃焼スイッチが入る分だけ、長めに脂肪を燃焼させることができるようになります。 脂肪燃焼スイッチは運動のエネルギー源がブドウ糖中心から脂肪酸中心に移行するタイミングのことで、スイッチが切り換わるように急に変化することから呼ばれるようになりました。スイッチを切り換えているのは自律神経で、ONにするのは交感神経、OFFにするのは副交感神経...


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169 スーパーフードでやせる人と太る人

スーパーフードはビタミン、ミネラルが豊富で、食物繊維も抗酸化成分も多く、しかも低エネルギー量ということで、ダイエットに適した食品とされています。スーパーフードとして初めに知られるようになったのは、インカ時代の主食の穀物のキヌアで、その後、南米の水分保持力が高いチアシード、アマニ(フラックスシード)、藻の一種のスピルリナなどの全体が食べられるホールフーズがアメリカのセレブに愛用されたことからスーパーフーズとして人気が高まりました。 スーパーフードの良さは、そのまま食べて太りにくいだけでなく、他の食品に加えたときに血糖値の上昇を抑えて太りにくくしてくれる効果もあることです。一番に機能しているのは...


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168 太るフルーツグラノーラとやせるフルーツグラノーラ

フルーツグラノーラは、麦や玄米などの穀類を乾燥させたものに、ドライフルーツやナッツ類を混ぜたもので、グラノーラの食べにくさを解消したものとして人気になりました。グラノーラに使われている麦としてはオーツ麦が多く、これは燕麦(えんばく)とも呼ばれています。燕麦は穂が二つに分かれている形が燕(つばめ)に似ていることから名づけられました。水溶性食物繊維の大部分はβグルカンで、血糖値の上昇抑制とともに血糖値が下がりすぎないようにする効果があり、食べてから時間がたっても空腹を感じにくいのが利点となっています。 グラノーラにはシロップや植物油をかけてから焼いて、粉砕したものが使われます。シロップが多いもの...


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167 ダイエット中に向くのは菓子か果物か

ダイエット中に糖質が含まれたものを上手に使うことで効果を高めることができます。一つは空腹感をまぎらわせる効果で、空腹を感じたときに甘いものを食べることで気分的に落ち着かせることができます。その場合にはブドウ糖だけでなく果糖でもよく、血糖値を急上昇させることなく空腹を抑えるのに効果があるのは果物です。果物には果糖が多く、ブドウ糖は少なめになっています。 果糖はグリセミックインデックスが20とブドウ糖の100と比べると血糖値の上昇は5分の1となっています。グリセミックインデックスは炭水化物が50g含まれる食品を摂取したときの血糖値の上昇の度合いを、ブドウ糖50gを摂取したときを100として、どれ...


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166 甘いものを一口食べてやせる運動とのタイミング

運動を始めて10~15分はブドウ糖の燃焼がよくなり、そのあとに脂肪が盛んに燃焼していくようになります。血液中にあるブドウ糖がエネルギーとして使われているわけですが、食事を減らして糖質が不足していると、糖質が分解されてできるブドウ糖がなりなくなり、脂肪の燃焼にうまく切り替わらなくなります。そんな人は運動の前に砂糖が含まれた甘いものを食べて、ブドウ糖を補うことで燃焼効果が高められます。 砂糖はブドウ糖1分子と果糖1分子が結びついた最もブドウ糖の割合が高い食べ物で、脂肪燃焼の導火線効果が得られます。運動によって脂肪を燃焼させるためには先にブドウ糖が燃焼することが必要で、ブドウ糖が血液中に多くあると...


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165 空腹時のガムと食後のガムの効果の違い

空腹感をまぎらわせるために、食べ物を噛むのではなく、代わりにガムを噛んでいる人がいます。気はまぎれるかもしれませんが、噛むことで唾液が出て、さらに消化液も出るようになるので、かえって空腹感が進んでしまう心配もあります。ところが、食事の30分前からガムを噛んでいると、食事の量が少なくても満腹感が得やすくなるということで、食前ガムダイエットが広まっています。 これはあくまで食事を減らしても満腹感が得やすいというもので、食事の量が減らせない人には効果が得にくいかもしれません。食事をしたあとにガムを噛むのは唾液の分泌を高めて、虫歯の原因となるミュータンス菌を減らすことから歯の健康によいとされます。そ...


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164 早食いをして太りやすいタイプとは

早食いをすると太りやすいのは、脳が満腹を感じるまでに10~15分ほどかかり、その前におなかが満足するまで食べてしまうからだと言われています。糖質(ご飯、麺類、パンなど)に含まれているブドウ糖を多く、しかも早く摂ることになり、血糖値が急上昇することでインスリンが多く分泌されます。インスリンには肝臓で脂肪を作らせる働きがあって、それが盛んになり、脂肪が多く作られると燃焼しきれないので脂肪細胞の中に蓄積されていくようになります。 早食いで太りやすい人は、胃で消化液が出やすく、腸でブドウ糖を取り込みやすい人で、ご飯を多く食べることで太りやすい、いわゆるリンゴ型肥満の遺伝子タイプです。肥満に関わる遺伝...


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163 風船ダイエットとペットボトルダイエットの効果の差

風船ダイエットは、大きく息を吸って一気に風船に吹き込んで膨らませることで、ダイエットしようというものです。大きく吸って大きく吐くことで身体の中に取り入れる酸素を増やして、有酸素運動と同じように多くの酸素を使って脂肪を燃焼させるのが一つのメリットです。もう一つは、腹筋を使って吸って吐くことで、おなかを引き締めることです。深呼吸と同じことですが、酸素を多く取り入れたからといっても、脂肪を燃焼させる筋肉が大きく動いていないと酸素が多く入ってきても、大きく燃焼することは期待しにくくなっています。燃焼よりも腹筋運動のおかげと考えられています。 ペットボトルダイエットは、空のペットボトルの口を加えて、息...


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162 食べる順番ダイエットの初めはサラダか汁物か

食べる順番ダイエットは、汁物かサラダを先に食べ、次に肉や魚などのたんぱく質が豊富に含まれた食品で主菜(メインディッシュ)を食べ、最後に主食のご飯などの炭水化物を食べることによって、太りにくくするというものです。食べる順番を変えるだけで食べる物は変えないでよいということから、一気に人気になったダイエット法です。メインディッシュは主となる皿という意味で、日本的にいえば主菜ということです。洋食では先にサラダを食べても、肉や魚の付け合わせとして複数の野菜が皿に乗っていることが多くなっています。糖質は消化されてから腸に移るまでに2時間はかかり、食物繊維は長く胃の中にあるので、付け合わせでも食物繊維が多い...


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161 やせる効果が高いのは不溶性食物繊維か水溶性食物繊維か

野菜の葉や根に多く含まれている不溶性食物繊維は、食事の消化にかかる時間を延ばすことから糖質がブドウ糖に分解されるのを遅くして、血糖値の急上昇を防いでくれます。血糖値が高くなるほど、肝臓で脂肪を合成して、脂肪細胞に蓄積される脂肪が増えるので、血糖値は上昇しにくいことでダイエットにつながります。海藻、キノコ、果物などに多く含まれている水溶性食物繊維は胃の中で膨らんで、余分な脂肪を吸着して吸収されにくくするとともに、水溶性食物繊維は粘りがあって、ゆっくりとブドウ糖が胃から腸に運ばれていくことから血糖値の急上昇を抑える働きがあります。 第6の栄養素と呼ばれる食物繊維は、どちらもダイエット効果があって...


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160 空腹感をまぎらわせるのは、その場ダッシュかスローステップ運動か

空腹を感じる一番の理由は、おなかの中が空になることではなく、血糖値が下がって、脳が空腹を感じるからです。その仕組みがあるために、血液中のブドウ糖が少なくなると食欲が急に高まるようになっています。空腹を感じなくさせるには血液中のブドウ糖を増やせばよいわけで、そのためにはブドウ糖が含まれている糖質(ご飯、麺類、パンなど)やお菓子を食べることが一つの方法です。 もう一つは、筋肉の中に蓄積されている保存エネルギーのグリコーゲンを分解させてブドウ糖として血液に放出させることです。保存エネルギーは、すぐに必要になることから一時的に体内に保存されたエネルギーのことを指します。余分になったブドウ糖が結びつい...


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159 睡眠効果を高める酒の種類と飲酒量

アルコールにはリラックス効果があり、興奮しているときにアルコール飲料を飲むと脳の一部の働きが抑えられるようになります。お酒を飲むと初めに脳の新皮質と呼ばれる理性を司っている部分が少し麻痺していくので、考えすぎや心配、周囲の気になることから解放されて、脳の興奮が抑えされるようになります。飲酒が続くと新皮質だけでなく、本能を司っている旧皮質が麻痺するようになります。本能というのは生きていくのに必要な機能で、それが麻痺すると頭が回らなくなったり、心臓がドキドキして、呼吸が乱れ、足がもつれるという、いわゆる酔っ払い状態になっていきます。 こんな状態になると目を閉じただけで眠ってしまいますが、眠りは浅...


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158 青竹踏みと屈伸運動のむくみ解消の違い

足のむくみは、細胞の中に水分が多くなった状態が続くことで起こります。栄養成分と酸素を全身の細胞に届ける赤血球は太い血管から徐々に細い血管へと進み、毛細血管の端まで進むと、そこで赤血球によって運ばれてきた成分は水分に溶け出して、水分とともに細胞へと運ばれていきます。そして、細胞から排出された老廃物と二酸化炭素は水分に溶け込み、水分が引き戻されることで血液へと移されていくことになります。 ところが、血液を足から心臓に向かって引き上げていく血管の収縮の力が弱いと、水分が血管に引き戻されにくくなり、細胞の外側の水分が多くなります。これが、むくみの正体です。下半身の血液は重力の関係で、心臓の圧力だけで...


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157 ゆっくり歩きと早歩きの効果の差

ダイエットのためのウォーキング法の基本は早歩きということになっています。早く歩くほど体に負荷がかかり、それだけエネルギーが多く使われるという常識を覆すような理論が登場しています。それは「ゆっくりと歩くほうが同じ距離を歩くときには使われるエネルギー量が多い」というものです。ゆっくりと歩いたほうが同じ1kmを歩くのでも時間がかかり、時間単位エネルギー量を掛け算すると、むしろ多くを消費しているということです。 時間単位エネルギー量はエネルギー消費量を一定の時間単位で割り出すもので、「時速5kmで1時間を歩いたときのエネルギー量」と表現されます。これに対して、エネルギー消費量を一定の距離単位で割り出...


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156 マヨネーズの朝食と夕食の太りやすさの差

マヨネーズは太っている人が好んで使っていることから太りやすい食品というイメージが強くなっています。マヨネーズは卵黄、サラダ油が主な材料で、これに食酢と食塩が加えられています。1回の使用量は大さじ1杯分(15g)で、エネルギー量は100kcalほどとなっています。ダイエット志向に合わせて登場したハーフタイプは大さじ1杯で約50kcalとなっています。低エネルギーはサラダ油の使用量を減らしたことで実現されています。 もともと水分と油分は混じり合わないものですが、卵黄に含まれるレシチンには乳化作用があって、水分に油分が分散するエマルションとなっています。エマルションというのは乳化して水分と油分が分...


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155 羊肉のダイエットで効果が高いのはラムかマトンか

羊の肉はダイエット効果があり、肉を食べていると、太るどころか、かえってやせる効果がある――とも言われています。その理由ですが、羊肉には脂肪を燃焼させる作用がある水溶性のL‐カルニチンが多く含まれているからです。水溶性というのは水に溶ける成分のことで、水溶性なら何と一緒に食べても溶けているので摂ることができます。これに対して脂溶性のものは油に溶けてから吸収されるので、油が含まれた食品と一緒に摂らないと吸収されないという弱点があります。 L‐カルニチンの量は100g当たりでラム肉には80~100㎎、マトン肉には200㎎が含まれています。ラム肉は子羊の肉で、軟らかくておいしいのですが、ダイエット効...


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154 水素水と酸素水の運動の効果の違い

水素水は水素を水の中に封入したもので、この水素にはマイナス電子が1つ多くなっています。電子にはプラスとマイナスがあり、そのうちのマイナスの電子を帯びているものです。酸素はプラス電子4つとマイナス電子4つでバランスが取れていますが、このうちのマイナス電子が1つ欠けているものが活性酸素となります。水素にはマイナス電子が1つあり、これが活性酸素の欠けているマイナス電子を補っています。 細胞を破壊して美容や健康に影響を与える活性酸素にはマイナス電子が1つ足りないので、水素水を飲むとマイナス電子が活性酸素の不足分を補うので活性酸素を消去できるというのが、そのメカニズムです。運動をすると活性酸素が増える...


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153 1日1回の糖質制限食なら昼食か夕食か

食事のときに糖質が含まれるご飯、麺類、パンなどの糖質制限をすると、エネルギー源が不足することから、二つの変化が起こります。一つ目は、すぐにエネルギーになるブドウ糖が不足することから脂肪細胞に蓄えられた脂肪を分解してエネルギーとして使われることです。二つ目はブドウ糖不足から血糖値が上がりにくく、インスリンの分泌量が少なくなることから肝臓で合成される脂肪の量が減ることです。 自律神経は興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経の二つのルートがあります。興奮系はエネルギー代謝を高め、蓄積された脂肪がエネルギーとして使われるほうに働きます。これは自動車にたとえるとアクセルを踏んだときに当たります。抑制系は...


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152 朝スムージーと夜スムージーの効果の差

スムージーは、おやつ代わりやデザートとして飲まれているものもあるのですが、ダイエットに効果があるとして人気があるのはグリーンスムージーです。これは緑色の葉野菜に他の野菜を加えて、飲みやすくするためにフルーツをプラスして、水を入れてミキサーでスムージー状にしたものです。野菜の細胞壁が破壊されて、その中にあるビタミン、ミネラルが吸収されやすい形になっています。グリーンスムージー以外を摂らないという置き換えダイエットとして活用している人が多くなっていますが、置き換えにするなら朝のほうが効果的です。というのは、ビタミンとミネラルが代謝を高め、植物の色素に含まれるポリフェノールが日中に浴びる紫外線によっ...


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151 朝バナナダイエットと夜バナナダイエットの効果の違い

朝バナナダイエットは2010年に人気が高まったダイエット法で、朝食としてバナナ1本を食べて水を飲むことで胃を休め、バナナに含まれる消化酵素を摂ることにとって代謝を高めることができるというものです。これに対して夜バナナダイエットは朝バナナダイエットの応用編として考えられたもので、夕食の15~30分前にバナナを1本食べ、水を飲むことがすすめられています。バナナと水によって胃が膨らみ、ご飯が多く食べられなくなるので、食べすぎを防ぐ方法としても使われています。 夕飯に、ご飯を多く食べると血糖値が急上昇して、さらに食事のご飯でインスリンが多く分泌されることで肝臓での脂肪合成と、脂肪細胞への脂肪の取り込...


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150 明かりを活かした熟睡ルーティン

睡眠のリズムは夕方になって暗くなってくると、光が弱まってくるのを感じて自律神経の抑制系の副交感神経の働きが盛んになり、興奮系の交感神経の働きが抑えられるようになります。夕方から夜にかけては体内時計を調整して、睡眠に誘ってくれるメラトニンが多く分泌されてきますが、照度を落としたほうがメラトニンの分泌が増えるので、21時を過ぎたら照明をワンランク落とすのが熟睡のための第一段階となります。 寝る寸前までテレビを見ていたり、パソコンやスマホの画面を見ていると、寝つけたとしても熟睡しにくくなります。これは脳が興奮して副交感神経の働きが主になりにくいとともに、ブルーライトがメラトニンの生成を抑制すること...


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149 朝の便通のために夜にする3つのこと

腸内細菌の善玉菌は腸が温まることで活発に動くようになり、増殖しやすくなります。寝ているときには布団の中にいるといっても、案外と腸が冷えたままの人が多いようです。腸の冷えはおなかに手のひらを当ててもわかりにくくて、胃の冷えなら確認しやすくなっています。胃が冷えているときには腸も冷えていますが、胃のところを手の平で撫でたり、軽くマッサージすることで胃を温め、同時に腸も温めていくことができます。 善玉菌が増えやすい温度になっても、善玉菌はエサ(栄養源)がなければ増えていきません。そのエサに当たるのは、主食に含まれる糖質ですが、夕食で主食を食べても胃と腸が冷えやすいやすい人は善玉菌の中でも一番活躍し...


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148 ハーブティーと音楽とストレッチで寝つきやすくする

鎮静効果があるハーブティーを飲むだけではリラックス効果や入眠効果が得にくいときには、リラックス系の音楽を聞きながら飲む方法もあります。リラックス系の音楽は自律神経の副交感神経の働きを高め、その分だけ興奮させる交感神経の働きを抑えることができます。リラックス系のハーブティーには副交感神経の働きを抑える作用があるので、複合的に効果が出やすくなります。 それと同時に、副交感神経の作用を高めるところは音楽が受け持ってくれるので、ハーブティーの睡眠を誘う効果を高めてくれることも期待できます。リラックス系の音楽はクラシックやイージーリスニングだけでなく、ゆっくりとしたテンポの聞きなれた曲でも効果がありま...


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147 身体を内から温めて寝つきをよくするお茶

身体を温める作用のあるお茶は、興奮作用があるものがほとんどで、脂肪の燃焼をよくすることができるので、昼間の活動的な時間帯に飲むのに向いています。夜に体温を上げて代謝を高めるのはダイエットのためにはよいことではあっても、夜に興奮したのでは寝つきが悪くなって、今度は寝ている間の脂肪燃焼の効果が下がってしまうことになります。寝つきをよくしてくれるリラックス系のお茶には鎮静効果があることから、どちらかというと身体の血流を抑えることから、温める効果は、あまり期待はできないというのが一般的なところです。 身体を温めながらリラックスできるお茶があれば寝つきをよくすることができるわけですが、それに適している...


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146 就寝前にシャワーで身体を温めて寝つきをよくする

入浴をダイエットに効果的に使うために夕食前の入浴とシャワー、夕食後のシャワーがすすめられていますが、身体を温めることは心地よい睡眠のためにも活用できます。睡眠は体温が徐々に下がっていくことで寝つきやすくなり、深い睡眠が得られるようになるのですが、入浴によって身体を温めると徐々に体温が下がっていき、その勢いを利用して寝つきやすくなります。 ただし、あまり体温が高い状態で布団に入ると、体温の下がり方がゆるやかになって、かえって寝つきが悪くなることにもなりかねません。身体の中まで温まると、冷めるのに時間がかかることになるので、シャワーだけにしておくと、熱めの温度であったとしても身体の中までは温まら...


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145 炭酸水と炭酸ガス入浴剤で夜の代謝が高まる

ダイエットに効果がある飲み物として炭酸水が知られています。炭酸水は炭酸ガスが溶け込んでいるもので、気体が炭酸ガス、液体が炭酸、個体がドライアイスと分類されています。炭酸水を飲むと血流がよくなり、身体が温まってきます。血液の温度は日本人は38℃ほどで、血流が盛んになると温かな血液が次々と送られてくるので、全身が温まってきます。炭酸ガスは二酸化炭素と同じもので、身体には不必要なものなので、血液中に多くなると血管が拡がり、排出をするために血流がよくなっていきます。 そのため、全身の細胞に送られる酸素が増えて、酸素を使って体熱を作り出すエネルギー産生が高まっていくわけです。エネルギー産生はエネルギー...


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144 代謝を高めたまま眠れる入浴剤

お風呂に入ると温熱、水圧、浮力の作用によって身体が温まります。その効果を高めるために使われるのが入浴剤です。入浴剤は炭酸ガス系、クール系、酵素系、生薬系など、いくつかの種類がありますが、その中で身体を温める作用があり、ダイエット効果もあるのは炭酸ガス系です。炭酸ガスは皮膚から浸透して、皮膚の近くを通っている毛細血管に入っていきます。炭酸ガスの成分はCO₂で、つまり二酸化炭素と同じものです。身体の中に取り込まれた酸素は細胞に取り込まれたあと代謝によって二酸化炭素になり、不要なものとして肺でガス交換されて身体の外に排出されています。 肺で酸素と二酸化炭素を交換するのは外呼吸と呼ばれます。細胞が酸...


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143 入浴後に飲むのは冷たい水か温かなお茶か

入浴して身体が温まったあとで飲む冷たい水は、おいしく感じます。特に入浴で汗をかいたあとには身体の中の水分が減って、喉が渇いた状態になっているので、とてもおいしく感じます。せっかく身体が温まったのに冷たい水で冷やしたら、代謝が下がり、夕食で食べたものをエネルギーとして使いにくくなるということで、お湯や温かなお茶のほうがよいという情報が流れています。 身体が冷えているときには、温かいものを飲むことで身体を温める効果があるのは理解できそうですが、冷たい水を飲んだからといって、入浴で身体の中まで温まって代謝が高まった状態から、急に代謝が下がるところまで身体が冷えるようなことはありません。むしろ一時的...


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142 寝ている間のやせホルモンが多くなる食べ物

一般に“やせホルモン”というと成長ホルモンを指していて、就寝中に成長ホルモンが分泌されることで睡眠中の7時間で300kcalが消費されるといいます。これは生命維持に使われる基礎代謝と同じエネルギー量で、寝ているだけで消費されるのと同じ量なので、これを低下させないことがダイエットに役立つことになります。成長ホルモンの分泌を高める運動は、やりすぎるとアドレナリンが分泌されて興奮状態になり、睡眠に悪影響が出るので、運動は負担をかけすぎない程度にして、別の“やせホルモン”を分泌させることも考えます。 注目されているホルモンは、小腸で作られる消化管ホルモンのGLP‐1(グルカゴン様ペプチド‐1)です。...


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141 自宅でできるスローステップ運動

夕食から就寝までは案外と時間があるので、テレビを見る機会も多くなりますが、その期間を運動に充てて、よりダイエットを進めるにはスローステップ運動が有効になります。ステップ運動は階段の1段分か、それよりも低い段を昇り降りするもので、高さの移動がある分だけ、その場での足踏みよりもエクササイズ効果が得られやすくなっています。 エクササイズは英語で運動、訓練、練習を意味しますが、主には肉体の能力の維持・増進、健康の向上を目的とした運動を指します。筋肉トレーニング、フィットネストレーニング、ジョギング、ウォーキング、スイミングなども含まれます。運動効果としてはエアロビック・エクササイズ(有酸素運動)とア...


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140 寝ている間の成長ホルモンを増やすゆっくりスクワット

ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら動かすトレーニングは、血管が圧迫される時間が長くなり、酸素が少ない状態で筋肉が刺激されることから乳酸が多く作られるようになります。この状態は筋肉に強い負荷がかかり続けたものと脳が勘違いして成長ホルモンが多く分泌されるようになりますが、寝る前の運動なら成長ホルモンが血液中に多い状態で、さらに寝ている0~2時に成長ホルモンが多く分泌されることから、非常に多い状態となります。成長ホルモンの分泌が多くする筋トレの中でも夕食から就寝の間にやって効果があるのはスロースクワットです。 これは膝を大きく曲げ伸ばしするスクワットを、ゆっくりと時間をかけて続けるもので、下半身の筋...


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139 夕食後の脂肪燃焼にはスロー筋トレ

夕食の前に運動をすると血糖値が急上昇しにくくなり、筋肉量を増やしやすくなります。それに対して、夕食のあとに運動をすると、筋肉の量を減らさずに脂肪をつきにくくすることができるようになりますが、同じ運動をするなら脂肪を燃焼させる効果が高いものを選びたいものです。 運動は無酸素運動と有酸素運動に大きく分けられていて、無酸素運動に当たる筋肉トレーニングを、ゆっくりとやることで無酸素運動のメリットと有酸素運動のメリットを両方とも得ることができます。その方法はスロートレーニングの一つであるスロー筋トレです。スロートレーニングは、ゆっくりと行うトレーニングのことで、走る、階段昇り、筋肉運動などの種類があり...


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138 寝る前のラジオ体操で代謝アップ

ラジオ体操は朝にやるものというイメージが抱かれがちです。すべての筋肉と関節を動かして、身体を目覚めさせて、1日の活力を高めるための運動ではあるものの、効果的に筋肉を動かすことで3分間のラジオ体操第一で早歩き3分間と同様の有酸素運動の効果が得られるとされています。しかも筋トレ、ストレッチ、バランス運動の効果もあります。 普通の有酸素運動なら、運動をやめてからのエネルギー消費は少ないのですが、筋肉を効果的に動かすラジオ体操は完全な準備運動になるので、そのあとに歩いたり、家の中で身体を動かすだけでも有酸素運動の効果を続けることができるようになります。寝る前のラジオ体操は筋肉を刺激しているので、寝て...


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137 就寝の1時間前にお菓子を食べたときの対策

糖質は胃の中で消化されるまで2時間ほどかかります。お菓子に使われている砂糖は消化されるのに30分ほどしかかからないので、1時間前に食べると寝たときには血糖値が上がっている状態となります。3時のおやつの場合には、夕食の6時までにはブドウ糖はエネルギーとして使われて、血糖値は安定しています。これに比べると寝る前のお菓子は血糖値が上がったままで、身体を動かしていないので、さらに血糖値が高い状態が続くことになります。 そのままだと寝ている間の脂肪の燃焼が低下してしまうので、上昇した血糖値を下げる工夫を1時間の間にするしかありません。その方法ですが、ブドウ糖は軽い運動でも、すぐに燃えやすいという性質が...


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136 夕食後にまだ食べたいときは何を選べばいいのか

夕食を食べてから寝るまでの時間が5~6時間で、極端に糖質を減らした夕食でなければ、おなかがすいて寝ることができないというようなことはありません。ただし、ダイエットを始めたばかりで、少なめの食事に慣れていない段階では、胃の容量に比べて胃の中に入ってきた量が少なくて空腹を感じることや、空腹時胃痛が起こることもあります。空腹時胃痛は胃の中に食べ物があるときには消化のために胃液が分泌され、消化が済めば胃液は分泌されなくなるものですが、空腹時にも胃液が分泌されることがあります。そのために寝る前に胃が痛くなり、それを抑えるために食べたくなることもあります。 おなかがすいて眠れないという状態のほとんどは、...


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135 夕食の前の入浴に代わるダイエットの方法

夕食前に熱めのお湯に入浴すると自律神経の交感神経の働きが盛んになって、インスリンの分泌が低下して脂肪の合成が減り、太りにくくなるという仕組みが体には備わっています。しかし、夕食前に入浴することができないことも少なくありません。入浴と同じ効果を得るためには、交感神経の働きを高めたまま夕食に向かうとよいものの、あまり興奮した状態で食事をするのは胃にもよくないことです。そこで、インスリンの分泌を低下させるために、交感神経の働きを盛んにする方法とともに、血糖値の上昇を抑える方法を組み合わせることを考えたいものです。 交感神経のほうは腕立て伏せや屈伸運動で筋肉を急激に動かすことでクリアできます。もう一...


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134 薄味にすればご飯の食べすぎを抑えられる

主食の中でも、ご飯をたくさん食べていた時代には、おかずは魚でも煮物などでも塩味が強いものが多く、みそ汁や漬け物など塩分が強いものが好まれていました。濃い味付けのものがあれば、ほとんど味がないご飯を多く食べることができます。ご飯の量を減らそうとしても、おかずが濃い味付けだと、どうしても食べすぎるようになります。そこで塩分を減らしたおかずで食べるようにして、ご飯を減らすようにしたいものですが、ただ塩分を減らしたのでは、おいしく食べることができなくなります。 おいしい食事は精神的にも満足感があって少ない量で、おなかが膨らまなくても耐えられるものの、おいしくないと感じると量を食べないと満足できなくな...


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133 豚肉とレタスの夕食で睡眠ホルモンを出そう

熟睡は成長ホルモンの分泌を促して、ダイエット効果があることが知られています。興奮をしていると自律神経の交感神経が盛んに働き、リラックス作用がある副交感神経が働きにくくなって寝つきが悪くなり、熟睡しにくくなります。熟睡のためには、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を促すことが必要で、そのためには神経物質のセロトニンを安定させることが大切になります。 しかし、ストレスを受けると脳内のセロトニンが低下してきます。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られるので、トリプトファンが多く含まれる大豆製品、チーズ、肉類、牛乳などを夕食に摂るようにします。他にも熟睡のためには神経バランスを整えて...


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132 酢を使って糖質制限の効果を高める

糖質が多く含まれる食品を食べると血糖値が上昇して、インスリンが多く分泌され、その結果、肝臓で脂肪酸が多く作られるようになります。糖質制限がダイエットに効果があるのは、その仕組みがあります。血糖値が大きく上昇しないようにするには、糖質が多いご飯、麺類、パンなどの食べる量を減らすことが一つの方法ですが、もう一つの方法は吸収をゆるやかにすることです。そのために食事で摂りたいのは食物繊維が多く含まれた食品と調味料の酢です。食物繊維は消化の時間を長くして血糖値が急上昇しないようにしてくれます。 酢に含まれている酢酸には糖質の吸収速度を遅くする作用があり、血糖値の上昇スピードを示すGI値を下げる効果もあ...


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131 お酒を飲む前に大豆製品を食べれば脂肪がつきにくい

お酒を飲むと太りやすくなります。その理由の一つとしてあげられるのは1gあたり約7kcalのアルコールのエネルギー量で、アルコール度数15度(%)のワイン1杯だと100kcalほどになります。しかし、お酒を飲むと体温が高まってエネルギーが消費されるので、飲酒でのエネルギー摂取は、思ったほど多くはありません。二つ目の理由は飲酒をすると食欲が高まって食べすぎることです。飲酒をするときのおかずはエネルギー量が高いものが多いので、飲むほどに食べすぎになり、太りやすくなります。 そして、もう一つの理由はアルコールが肝臓で合成される脂肪を増やすこと。肝臓には脂肪酸合成酵素があり、食事で摂った糖質、脂質を材...


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130 糖尿病に許可される飲酒量

糖尿病の人の中には、甘いものと並んで、お酒を飲みたがる人も少なくありません。糖尿病患者に「どれくらいお菓子を食べてよいか」と聞かれることがありますが、その答えは「食べてはいけません」です。お菓子を食べると血糖値が上昇するだけでなく、全体的な摂取エネルギー量が増えるからです。お酒の場合は、飲んではいけないではなくて、飲む量が制限されます。 血糖は血液中のブドウ糖のことであるので、ブドウ糖が多く含まれるものを食べると糖尿病になると単純に考えがちですが、全体的な摂取エネルギー量が重要で、中でもエネルギー量が高い脂肪の摂りすぎが大きく関係しています。血糖値を下げる作用があるインスリンは、ブドウ糖の量...


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129 糖尿病改善のスイーツ活用

甘い食べ物は糖尿病患者にも、糖尿病の防止にも大敵とされています。そんな考えの人に、糖尿病の人に甘い食べ物を出すこと、しかも通常の食事にプラスして赤い菓子類を出すことを言うと驚きの反応があり、中には反発も返ってきます。糖尿病は血糖値が上昇する病気で、血糖値は血液中のブドウ糖の量を示す値です。甘い食べ物に含まれているのは砂糖で、砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合したものなので、甘いものを食事の前後に食べたら血糖値が上昇しすぎることになり、本来なら避けるものだと考えられがちです。 血糖値が上昇しすぎるのは、通常の食事によってブドウ糖が多く含まれる食品を多く食べるからです。食事の量を減らしたとして...


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128 糖尿病改善のウォーキング

運動によるブドウ糖と脂肪酸の燃焼の割合は同じ状態ではなく、運動を始めてからの時間によって異なります。ウォーキングのような有酸素運動は、一般には歩き始めから10〜15分はブドウ糖の燃焼が多くなり、脂肪酸の燃焼は減ると言われています。実際にはどうなのかというと、安静状態にはブドウ糖の燃焼割合が多く、脂肪酸の燃焼割合を上回っています。運動をすると、すぐに多くのエネルギーを作り出さなければならなくなることから、ブドウ糖の燃焼量が増えます。この事実だけを聞くと、ウォーキングは脂肪酸の燃焼が減るように思われるかもしれませんが、安静状態に比べると全体的な消費エネルギー量が増えているので、実際には脂肪燃焼も増...


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127 糖尿病とエネルギー代謝

糖尿病になると血液中のブドウ糖を細胞に取り込む能力が低下するために、細胞のミトコンドリアの中で発生するエネルギーが減ることになります。糖尿病というとエネルギーの取りすぎが原因とされるものの、細胞で考えるとエネルギー不足になり、飢餓状態になっていると言うことができます。細胞の中で作り出されるエネルギーは、細胞を働かせるために使われています。発生したエネルギーは、その細胞の中でしか使われてない“地産地消”となっています。 糖尿病は細胞がブドウ糖を取り込む力が低下しているので、その能力を高めることが当然のように必要になります。しかし、エネルギー源となるブドウ糖を充分に取り込むことができなくなってい...


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126 糖尿病とストレスの関係

ストレスは体調不良を起こし、あらゆる疾患の原因にもなるとされています。ストレスは血糖値を上昇させ、糖尿病のリスクを高めることも知られています。ストレスが高まった状態は、身体の危機的状態であることから、その状況から逃れるために、すぐにエネルギーとなるブドウ糖を増やすために、筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンを分解してブドウ糖を血液中に放出します。そのためにストレスが高まるのにつれて血液中のブドウ糖が増えて、血糖値が上昇します。 このようなことにならないようにするためには、もちろんストレスを高めないようにすることが重要になりますが、ストレスを感じているときには血糖値が上昇することを意識して、ブ...


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125 糖尿病改善の運動と睡眠

成長期の子供は1日の多くの時間帯に成長ホルモンが分泌されていますが、成人以降には成長ホルモンは睡眠中と運動をした後に多く分泌されるだけになります。ブドウ糖を主に燃焼させる白筋は運動後に特に増えやすくなっています。運動をした後に寝ると成長ホルモンの分泌量が増えて、白筋が増えて、血糖値が下がりやすい筋肉にしていくことができます。 運動後に睡眠時間を取ると筋肉が増えるということで、筋肉強化とブドウ糖の燃焼効率を高めるということでは、睡眠は運動とともに大切な時間であるといえます。 運動の効果は、運動をした後にだけあるわけではなくて、昼間に運動をして、昼寝もしないで寝るのは夜だけということでも成長ホ...


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124 糖尿病改善の食事と睡眠

食事と睡眠のタイミングというと、睡眠前の食事を指しています。よく「寝る3時間前は食べない」ということが言われます。食事をして消化されるまでに3時間ほどかかり、胃の中に食べ物がないことで熟睡できると言われていますが、3時間というのは血糖値の上昇にも大きく関わってきます。ブドウ糖が多く含まれた糖質は消化されやすくて、多くの量を食べても2時間ほどで完全に消化されます。血糖値は食事を始めて30分ほどで上昇を始めて、食べ始めから2時間でピークに達して、そこから1時間ほどで血糖値は下がります。 血糖値が上昇したままで睡眠すると、血糖値が下がりにくく、血糖値の上昇によってインスリンが多く分泌されると、イン...


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123 糖尿病改善の運動と入浴

運動をしているときには、エネルギー源のブドウ糖と脂肪酸の燃焼が盛んになっています。燃焼が最も盛んなのは筋肉で、筋肉のうち赤筋は主に脂肪酸を燃焼させ、白筋は主にブドウ糖を燃焼させています。血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が高いというのは血液中のブドウ糖が多くなった状態を指しています。糖尿病の予防と改善のために血糖値を下げるには、白筋での燃焼を高めればよいことになります。 人間の筋肉は魚の赤身と白身のようにはっきりと分かれているわけではなく、赤筋と白筋が混ざり合った状態になっています。赤筋は持久力の筋肉で、有酸素運動をすると太くなり、脂肪酸の燃焼が高まります。白筋は瞬発力の筋肉で、無酸素運...


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122 糖尿病改善の食事と入浴

血糖値を下げる作用があるホルモンのインスリンは、自律神経の副交感神経が盛んに働いているときに多く分泌されます。インスリンを多く分泌させるためには、リラックス効果のある入浴法が適しています。自律神経の働きは自律神経によって切り換わり、熱めの温度での入浴では交感神経の働きが盛んになってインスリンの分泌量は低下します。それに対して、副交感神経の働きが盛んになったときにはインスリンの分泌量が増えます。 実際に、どの程度の温度で入浴をすればよいのかということですが、42℃以上の温度で交感神経の働きが盛んになり、38℃以下の温度で副交感神経の働きが盛んになります。38℃での入浴は、温かな季節には快適な温...


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121 糖尿病改善の運動と食事

血糖値を安定させて糖尿病を予防・改善するためには運動と食事が大切ということが言われ続けています。それは当然のことですが、運動と食事のタイミングによって、より効果的に血糖値をコントロールすることができます。これがメディカルダイエットの手法で、空腹時に運動をしてから食事をすることをすすめています。 空腹時には血液中のブドウ糖が少ないことから、空腹時に運動をすると血液中のブドウ糖が不足します。これを補うために、筋肉中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて血液中に放出されます。グリコーゲンはブドウ糖が複数結びついた多糖類で、肝臓と筋肉に蓄積されています。肝臓の蓄積量は決まっていることと、筋肉が刺激...


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120 糖尿病とメディカルダイエット

メディカルダイエットの範囲は広範に及んでいますが、その中のタイミングダイエットは糖尿病の予防と改善に役立てられています。タイミングダイエットという言葉は一般には生活のタイミングを示し、中には女性の生理のリズムに合わせたダイエット法を示すこともありますが、糖尿病対策のタイミングダイエットは、食事と運動のタイミング、食事と入浴のタイミング、運動と入浴のタイミングを指しています。食事と運動、睡眠のタイミングが示される場合もあります。 この食事、運動、入浴、睡眠のタイミングによって、血糖値の上昇をコントロールしようとするものです。食事と運動は糖尿病に関係するブドウ糖については、食事は摂取、運動は消費...


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119 100kcal単位の分量の目安

100gの分量が100kcalというように、重量とエネルギー量が同じであれば、これほどわかりやすいことはないのですが、食品によってエネルギー量が異なるので、重量では単純に示すことはできません。三大エネルギー源のエネルギー量は、1gあたり、たんぱく質が約4kcal、脂質が約9kcal、糖質が約4kcalとなっています。しかし、たんぱく質、脂質、糖質には、それぞれ種類があって、種類によってエネルギー量は上下します。ご飯は糖質の代表ではあっても、脂質もたんぱく質も含まれています。食品によってエネルギー量は微妙に変化するので、これを同じエネルギー量として摂取するのは難しくなっています。 そこで、10...


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118 100kcalダイエットの基本

1日の摂取エネルギー量を1600kcalとすると、理想的なエネルギーバランスは主食が800kcal、主菜が400kcal、副菜が400kcalの割合となります。主食は、主に糖質(炭水化物)で構成される食品で、ご飯やパン、麺類などが該当します。主菜は主にたんぱく質で構成される食品で、肉、魚、卵、豆腐などが、また副菜はビタミン、ミネラル、食物繊維、油を多く含む食品で構成されます。 エネルギー量の割合で、何を、どれくらい食べればよいのかを知る方法として用いられるのが100kcalダイエット法です。これは食品を100kcal単位で考え、紙1枚を100kcalとして、紙の色と枚数で、料理に使用する食品...


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117 100kcalダイエットのためのPFCバランス

100kcal単位の食事量について説明する前に、バランスのよい食事について紹介します。バランスのよい食事とは、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)が、それぞれ理想的な摂取割合になっていることを指しています。エネルギーを構成する三大栄養素(エネルギー源)のバランスはPFCバランスと呼ばれます。P(たんぱく質:protein)、F(脂質:fat)、C(糖質:carbohydrate)の成人の理想的なバランスは、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、糖質(炭水化物)60~70%の割合となっています。 以前は、脂質は20〜25%でしたが、上限が増えたのは単純に脂質を増やしてよいということではなく、...


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116 メディカルダイエットと100kcalダイエット

メディカルダイエットは食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせによる効果的な体脂肪のコントロールを行っていますが、食事指導は医療機関で実施される食事療法を基本としています。違っているのはエネルギー量の単位です。医療機関に限らず、食事療法の基本は80kcalとなっています。十進法に慣れている私たちには、いわゆる八進法はわかりにくいので、80kcalを1単位として、どれくらいの単位の量を食べればよいのかを示しています。それに対して、私たちは十進法を採用していて、100kcalで食事量を示しています。 1日に1600kcalの摂取エネルギー量の指示をされたとすると、一般には糖質の割合は50%...


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115 エネルギー代謝とメディカルダイエット

食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせによって効果的に体脂肪コントロールを行うメディカルダイエットは、それぞれのタイミングを生理学に基づいて実施することから“タイミングダイエット”とも呼ばれています。この科学的ダイエット法でターゲットにしているのは脂肪細胞に蓄積されている体脂肪、その中でも内臓脂肪です。内臓の周りに蓄積される脂肪は蓄積されやすく、消費されやすいという特徴があります。余計に蓄積された内臓脂肪は減らすようにしていきますが、適正な範囲の蓄積は上限近くでもあっても、これはよい状態と判断しています。 脂肪細胞の中の中性脂肪は蓄積型の脂肪で、体内で必要になると脂肪細胞の中で分解さ...


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114 メディカルダイエットと未病息災

病気にならないまま生活していくことは無病息災と呼ばれます。病気というと血圧や血糖値、中性脂肪値が正常値を超えた状態を指すと思われがちですが、これらの検査数値が高い状態は、まだ病気ではありません。血圧が高まりすぎた高血圧が進行して動脈硬化になり、さらに進んで心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、脳血管疾患となると、これは病気です。血糖値が高くなって糖尿病と診断されても、この状態から進行させずに平均寿命まで延長させることができれば、糖尿病でなかったのと同じように暮らすことができます。 高齢化社会が大きく進み、65歳以上の高齢化率が27%を越え、100歳以上が7万人に達しそうという時代には、検査数値が一...


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113 ホスピタルダイエットからメディカルダイエット

メディカルダイエット研究は、病院における食事療法と運動療法のホスピタルダイエットから始まりました。生活習慣病の治療のための食事指導と運動指導に取り組む中、通常の指導法が通用しにくい小児肥満の改善のために食事と運動を組み合わせる手法の研究が始まりました。成長期の小児には通常の食事療法と運動療法を行ったのでは成長を妨げることがあることから、あまり生活を変えずに肥満解消できるように考え出されたのが、食事と運動の組み合わせによって体脂肪をコントロールする方法でした。 それに続いて、スポーツ競技の選手の体重コントロールに参加することになり、選手の目標の体脂肪量にするために食事と運動の組み合わせが評価さ...


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112 メディカルダイエットはエネルギー代謝

ダイエットは、目的が美容であっても健康づくりであっても、ターゲットとなるのは体脂肪です。体脂肪の中でも内臓脂肪は多く蓄積されるとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因となり、生命に関わる疾患にもつながります。体脂肪は重要なエネルギー源であることから、太っている人がやせることだけでなく、やせすぎている人が太ることもダイエットとされます。 脂肪細胞に蓄積された脂肪は、筋肉に運ばれてエネルギー化されます。このエネルギーが生命維持のためにも活動のためにも使われます。身体に備わったエネルギー代謝のメカニズムを有効活用するための手法がメディカルダイエットです。 エネルギー代謝というと脂肪をエ...


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111 頭を使うと腹が減る

ここでいう“腹が減る”というのは空腹を感じることを指していて、ウエストが細くなるという意味ではありません。 食事の量が少ないか、運動量が多くなることで血液中のブドウ糖が少なくなると空腹を感じるようになります。脳には満腹中枢と摂食中枢があり、血液中のブドウ糖が多くなって血糖値が高い状態になると、満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じて、これ以上は食べないように食欲が抑制されます。それに対して、血糖値が下がると摂食中枢が刺激されて食欲が高まります。脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので、脳を正常に働かせるために血糖値が下がったときに食欲を高めて、多くのブドウ糖が含まれる食品を食べることが重要になります...


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110 高血糖で太る

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が高いという人は血液中のブドウ糖が多くなっていることになります。血液中のブドウ糖は赤血球に付着するとベタつくようになり、部分的ではあっても複数の赤血球がくっついた状態になります。赤血球が酸素を運んでいく毛細血管は太さが8μmであるのに対して、赤血球は10μmの大きさがあります。赤血球はつぶれるようにして1個ずつ毛細血管を通過していきます。それなのに複数の赤血球がくっついた状態になっていると、その赤血球は通過することができなくなり、運ばれる酸素が少なくなります。8μmというと蜘蛛の糸の太さです。 全身の細胞では、細胞の中にあるミトコンドリアでエネルギー源の...


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109 冷えで太るのか

お腹や手足が冷えている人は、代謝が低いので、太りやすいと言われます。冷えているために太るのか、太っていると冷えるのかという議論があります。身体の冷えは血液の温度が低いからではなく、温かな血液が効率よく送られてこないために放熱に補給が間に合わなくなり、徐々に冷えていくようになります。脂肪の燃焼のためには全身の細胞に酸素が充分に送られてくる必要があり、血流がよくないということは、それだけ酸素が不足して、脂肪燃焼も低下するということになります。 太っている人は脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が多くなっています。脂肪細胞の脂肪の出入りは血管を通って行われています。脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が多...


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108 冬は太るのかやせるのか

身体が冷えるときには体温を高めないといけないので、多くのエネルギーが作り出されます。1日に使われる基礎代謝量は全体の消費エネルギー量の約70%となっています。このうちの約70%が体温を維持するために使われているので、全エネルギー量の半分が体熱を高めるために使われていることになります。 温暖な国の摂取エネルギー量は1500kcalほど、寒冷な国の摂取エネルギー量は3000kcalほどとされています。これは、その地域で生まれ育った人の場合の話で、日本の猛暑のときと雪が降っているときで日本人の必要とするエネルギー量が2倍も異なるということではありません。 寒いときにはエネルギー消費が進んで、やせ...


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107 やせホルモンで本当にやせるのか

運動をしなくてもダイエット効果があるホルモンを分泌させることでやせられるという“やせホルモン”が話題となり、それを分泌させる食品が注目されています。やせホルモンと呼ばれているのは、実際にはホルモンではなくて、脂肪細胞から分泌される生理活性物質のアディポネクチンです。 運動をすると脂肪分解酵素のリパーゼが活性化され、体脂肪が分解されて血液中に脂肪酸が放出されます。リパーゼは筋肉の中にあるのですが、筋肉にはAMPキナーゼという酵素も含まれています。運動をしてAMPキナーゼが活性化するとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出すために、細胞のミトコンドリアに脂肪酸の燃焼を働きかけます。...


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106 水を飲むだけでやせられるのか

水を一気に飲める量は限界があります。水は胃からは吸収されず、腸から吸収されます。水を飲みながら食事をすると胃の中に水が残っている分だけ、多くの量が食べられなくなります。これを応用して少しの量でも満腹感を得ようというのが飲茶(やむちゃ)で、点心を食べたらお茶を飲み、また食べて再び飲むということを繰り返します。水にはエネルギー量が含まれていないので、水を飲む量が増えれば、その分だけ太りにくくなります。エネルギー量があるのは糖質、脂質、たんぱく質だけです。 やせるというのは脂肪細胞の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)が減ることを指していますが、脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸となって血液中に...


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105 酸素でダイエットできるのか

細胞の中で行われる代謝は、細胞のミトコンドリアにあるTCAサイクル(回路)で、ブドウ糖や脂肪酸から変化したアセチルCoAが変化していくことによってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出しています。このときに酸素が必要であることから、ダイエットのためには酸素を吸い込むことがよいとされます。運動後の酸素不足の状態で吸引する酸素吸入器は、口の中に多くの酸素を送り込むことができるものの、この酸素がすべて肺に取り込まれるわけではありません。多くは逆戻りして、口から出て行っていまいます。 普通の呼吸によって肺の中に入った酸素は、赤血球のヘモグロビンに結びついて血液中を通って、全身の細胞に運...


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104 活性酸素の消去はダイエットにつながるのか

水素でダイエットできるという話が広まっているのは、水素に活性酸素を消去する作用があることと関係しています。活性酸素は酸素の電子バランスが崩れたもので、マイナス電子が欠けています。このマイナス電子を補えば活性酸素は通常の酸素に戻り、いわゆる活性酸素が消去されたという状態になります。水素にはマイナス電子があり、水素が活性酸素と出会うとマイナス電子が活性酸素に移って、消去されることになります。 活性酸素にマイナス電子を与えるものには水素のほかに植物の色素などがあります。これらの抗酸化成分があると活性酸素は消去されるということですが、活性酸素が増えると代謝が低下することが指摘されています。脂肪の代謝...


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103 水素でダイエットできるのか

水素を摂ることでダイエットができるのかという質問には、二つの返答があります。一つは水素水や水素のサプリメントを販売する3社が2017年に消費者庁によって景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に基づく措置命令を受けました。景品表示法では合理的な根拠がないものを、あたかも根拠があるかのような表示をして販売をしたときに出されるもので、ダイエット効果を示す根拠がないということで販売中止、商品の回収が命じられます。 措置命令を受けたということで、水素にはダイエット効果がないという評価が下されたものの、これは措置命令を受けた会社の商品に合理的な根拠がなかったということで、その他の水素商品にダイエット...


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102 どれくらいの宿便がたまっているのか

腸内環境を整える食品やサプリメントの情報の中に、よく出てくるのが宿便です。宿便は腸内に長く滞留している便を指していて、滞留便と呼ばれることもあります。便のことだけでなく、古くなった便のカスが腸壁にこびりついたものを指すこともあります。宿便には毒素が多く含まれているので、これを排泄することの必要性が説かれ、腸内洗浄がすすめられることもあります。腸内洗浄というのは肛門から水や液剤を入れて、強制的に排泄させるもので、これによって確かに黒いカスのようなものが排泄されることがあります。腸内洗浄を実施するクリニックの中には、これを宿便だと説明しているところがあります。 断食によって宿便を出す方法をすすめ...


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101 ブルーライトで自律神経が乱れると太る

朝の日光にはブルーライトという、その名の通りの青い光が多く含まれています。青い光であっても必ずしも青く見えるというものではなくて、太陽光の白色光や蛍光灯などの光にも含まれています。このブルーライトを朝の早い時間に全身に浴びると自律神経の交感神経が刺激されて、脳が目覚めます。しっかりと目覚めると1日を通じての自律神経の働きが整えられて、昼間には心身ともに活性して、夕方以降は抑制的になって、眠りにつきやすくなります。 日光は季節によって強さと日が沈む時間は異なってきますが、夕方になってもまだ明るいようでも日光の中のブルーライトは減っていて、交感神経の働きが弱まっています。だから、ブルーライトの心...


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100 わざわざ振り子式の歩数計を使う理由

ウォーキングの歩数を記録するために複数の歩数計を使っているという話を前にしました。それぞれの精度を確認するのが一つの目的で、もう一つは歩き方によるカウンターの反応を確かめるためです。歩数計には振り子式と3D加速度センサー式があって、精度でいえば後者が圧倒的に優れています。それなのに、わざわざ振り子式も使っています。振り子式は、しっかりとした歩き方をしているときにだけ反応するので、どんな歩き方を知るために使っています。 振り子式は、すり足式のズルズルと引きずるような歩き方、スリッパをはいての室内の歩行、小走りなど普段の歩き方とは異なる歩行だと、センサーがうまく動かずに、すべての歩行はカウントさ...


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099 背中の脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞

背中の皮下脂肪に中性脂肪がたまってきて、背中も太ったような状態になると、なかなか減らすことができなくなります。若い女性がダイエットを始めたきっかけとして、母親の背中の脂肪をあげる人がいます。母親のようになりたくないから早いうちにダイエットを始めようというのは、母親世代の女性には申し訳ない気持ちもありますが、身近なところに反面教師がいると、これがモチベーションになるというのは普通にあることです。 背中の皮下脂肪に中性脂肪をためないようにする一番の方法は内臓脂肪を増やさないことです。それと同時に知っておきたいのは褐色脂肪細胞の活性化です。脂肪細胞と一般に呼ばれるのは白色細胞で、脂肪を蓄積するのが...


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098 背中に皮下脂肪がたまっていく

太り方には順番があって、まず内臓脂肪がたまっていって多くなると次に皮下脂肪がたまっていきます。皮下脂肪がたまる量には限界があって、それを超えると、さらに内臓脂肪がたまっていきます。これは男性も女性も同じなのですが、女性は40代に脂肪細胞が増えることができるという特徴があります。増えやすいのは皮下脂肪ですが、あまり下半身の皮下脂肪は増えていきません。では、どこに脂肪(中性脂肪)がつくのかというと背中です。中高年の太っている女性を見ると、背中が大きく丸くなっている人が目立ちます。これは背中の皮下脂肪が増えた結果です。 背中につく皮下脂肪にも限界があって、それ以上の脂肪がたまるときには内臓脂肪とな...


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097 血液型別ダイエットの信頼性

血液型の違いによるダイエット法は過去にも何度か登場しています。この血液型別ダイエットは、例えば4つに分類した場合にはA型とB型は「どちらが太りやすい」とか「どちらが有酸素運動の効果が現れやすい」ということではありません。性格によって向いている方法を教えるという程度なのですが、血液型の相性占いの人気もあって、信じて実践する人は少なくありません。コツコツと取り組める人には地味な方法であっても長く続けられるダイエット法が合うだろうし、派手な性格の人にはアクティブな運動が合うというのは普通に思いつくことです。 よく対比されるA型とB型は性格的には、A型は我慢強く続けるタイプで、B型は飽きっぽいので派...


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096 歩く時間が少ない人のための効果的ウォーキング

ウォーキングは長めに歩くこと、早歩きをすることによって脂肪燃焼の効果があがることはわかっていても、実際にやるとなると、毎日続けるとなると、誰もが実施できるというものではありません。特にネックとなっているのは一定の時間がかかるということです。10分くらいの時間は取れても、30分以上を歩くとなると案外と大変です。 そこで日本メディカルダイエット支援機構が提案しているのが坂道の活用と、荷物を背負ってのウォーキングです。私たちのモットーは「無理なく無駄なく」です。無理をすることなく、ということは続けやすくて、効果が高まりやすい方法を常に研究しています。その中で生まれたのがカロリー係数と坂道係数の活用...


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095 血糖値と中性脂肪値の両方を下げるウォーキング

血糖値が高い人は中性脂肪の値も高い傾向があります。血糖値が高い人は短い時間でのウォーキングの繰り返しがよいことが知られています。また、中性脂肪値が高い人は長く歩いたほうがよいという話もされます。では、両方ともに数値が高い人は、どんな歩き方をすればよいのか、という疑問は当然のように浮かんできます。それを解決してくれるのが、日本メディカルダイエット支援機構がすすめているインターバルウォーキングです。 通常のインターバルウォーキングは速歩と普通歩行を交互に行う歩き方をしますが、速度を変えながら歩くのは基本的には同じです。どこが違うのかというと歩く時間の長さです。速歩というと、学校や職場に遅れそうと...


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094 中性脂肪値を下げるウォーキング

インターバルウォーキングによって血糖値を効果的に下げて安定させる歩き方を前回紹介しましたが、検査数値の悩みとして多いのは中性脂肪値の高さです。血糖値対策の歩き方は10分間のウォーキングを何度か繰り返して、運動を始めたときに多く消費されるブドウ糖の燃焼を効率よく進めようとするものです。これに対して中性脂肪対策の歩き方は、15分以上の歩行、できれば30分は歩くことがすすめられます。 前回の繰り返しになりますが、平常時には身体を動かすためのエネルギー源としてブドウ糖は60%ほど、脂肪酸は40%ほどの割合で使われています。運動を始めたときには早くエネルギーを作らなければならないために、燃焼しやすいブ...


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093 血糖値を下げるウォーキング

歩くスピードを変えるだけで脂肪燃焼の効率を高めるインターバルウォーキングは、対象者によって歩き方を変えています。例えば、血糖値が高い人の場合には、30〜60秒の速歩きは同じなのですが、その後の普通歩行は10分以内にしています。休みを入れてから、また速歩きと10分以内の普通歩行をします。どうして続けて歩かないのかというと、血糖値を上昇させる要因の血液中のブドウ糖は有酸素運動を始めてから10〜15分ほどは多く消費されるからです。 平常時には身体を動かすためのエネルギー源としてブドウ糖は60%ほど、脂肪酸は40%ほどの割合で使われているのですが、運動を始めたときには早くエネルギーを作らなければなら...


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092 歩くサーキットトレーニング

サーキットトレーニングというと、女性専用の30分トレーニングとして知られています。マシンを使った無酸素運動とジョギングによる有酸素運動を30秒ごとに繰り返すことで体脂肪を効果的に減らすことを目的としています。無酸素運動をすると筋肉の中に血液が多く送られ、酸素も届けられます。その状態で有酸素運動をすると、より脂肪の燃焼効果が高まると説明されています。また、30秒ごとに繰り返すのは、無酸素運動を30秒以上続けると疲労物質の乳酸が作られるからだとも説明されています。 サーキットトレーニングは体脂肪の減少には効果があることは認めます。お金と時間に余裕がある方にはすすめています。そうでない人に、手軽に...


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091 小児期メタボリックシンドロームとは

大人のメタボリックシンドロームの診断基準については比較的知られていますが、小児期(6〜15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準は、あまり知られていないようです。16歳以降は大人の診断基準となります。その診断基準は腹囲が男性は85cm以上、女性が90cm以上になった場合に、検査数値の中性脂肪値が150mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たしている、収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上の片方か両方を満たしている、空腹時血糖値が110mg/dl以上となっています。 小児期メタボリックシンドローム診断基準は、腹囲は小学生が75cm以上...


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090 消化酵素が増えれば代謝酵素も増える

前回、キュウリに含まれるホスホリパーゼという脂肪分解酵素の話をしましたが、食品に含まれる消化酵素というと、これまでは糖質を分解する酵素が注目されてきました。有名なものでは大根に含まれるジアスターゼです。以前、テレビ番組でジアスターゼは消化酵素なので肉を食べるときには大根おろしも食べるとよい、と言っていたのですが、ジアスターゼは糖質のデンプンの分解酵素なので、違うのではという批判もありました。 しかし、大根にはキュウリと同様にホスホリパーゼが含まれていることがわかってから、大根で脂肪を分解するというのは間違いではないのでは、という話になりました。その情報を伝えるときには、ジアスターゼとともにホ...


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089 キュウリダイエットの有効成分

キュウリにはダイエット成分のホスホリパーゼという脂肪分解酵素が豊富に含まれていることは2010年に明らかにされているのですが、地味な野菜という認識なのか、これまでダイエット法としてヒットすることはありませんでした。どれだけ地味なのかというと、キュウリはギネスブックには「世界一栄養のない野菜」と載っています。瑞々しい野菜ということは、それだけ水分が多いので栄養素も薄まってしまいます。そんな中にあって、ダイエット食として人気が高まりつつあるのは、どこにホスホリパーゼが多く含まれているのかがわかったからです。 それは皮の部分です。キュウリは加熱されないのが原則なので酵素は破壊されず、生で皮ごと食べ...


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088 太りたかったらお酒を飲みながら食べる

食事から摂るエネルギー量が多くなりすぎると、体内に蓄積しておくエネルギーを多くするために肝臓で脂肪合成が起こります。特に合成量が増えるのは夕方以降です。食事をして血糖値が上昇するとインスリンが分泌されます。このインスリンに脂肪合成を促進させる働きがあります。インスリンは自律神経の働きによってコントロールされていて、交感神経の働きが盛んになったときには分泌量が減り、副交感神経の働きが盛んになったときには分泌量が増えます。 夕方以降は副交感神経の働きが盛んになっているのでインスリンが分泌されやすくなっています。そのときに血糖値が上昇しやすい糖質が多く含まれる食事をすると、インスリンの分泌量が多く...


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087 野菜と果物の違い

果物(フルーツ)というとデザート感覚で食べられるもの、甘くておいしいものというイメージがあります。そのため、イチゴもメロンも果物と認識している人が多いはずです。販売するところは一般のイメージに合わせているので、果物屋さん、スーパーやデパートの果物売り場にはイチゴもメロンもスイカも普通に並んでいます。少なくとも、これらのものを野菜として扱って料理に使うということはないと思います。 しかし、定義を確かめてみると、野菜は地面で栽培するもので、果物は木に成るものとされています。この大原則からいくと、地面で栽培するイチゴもメロンもスイカも野菜ということになります。スイカは甘いので野菜ではないとの認識は...


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086 無臭ニンニクでダイエットできるのか

ニンニクにはダイエット効果があります。ニンニクにはアリインという硫黄を含むアミノ酸とアリナーゼという酵素が含まれていて、切ったり擦りおろしたりするとアリインとアリナーゼが反応してアリシンとなります。ニンニク特有の臭いはアリシンによるものですが、同時に強い抗菌作用と防カビ作用があります。 アリシンとビタミンB₁が結びついてアリチアミンになります。ビタミンB₁の吸収率は50%ほどですが、アリチアミンになると吸収率が2倍近くにも高まります。そして、体内に吸収されたあとにアリチアミンはビタミンB₁とアリシンに分解されるので、体内のビタミンB₁を大きく増やすことができます。ビタミンB₁は糖質をエネルギ...


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085 脂肪を摂らなくてもLDLコレステロールが増える

悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールは、脂肪の一種なので、血液検査でLDLコレステロールが指摘されると、脂肪を減らそうと考える人がいます。中でもコレステロールが多く含まれる肉を減らしがちです。しかし、減らすべきは脂肪よりも糖質のご飯、パン、麺類などになります。 コレステロールは動物性食品に含まれる有機化合物のステロイドで、細胞膜の材料、ホルモンや胆汁の原料にもなります。コレステロールが不足すると細胞が弱まることから、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして肝臓で合成されています。コレステロールの吸収率は50%ほどとなっています。 LDLコレステロールは肝臓で合成され...


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084 脂肪を摂っていないのに中性脂肪が増える

中性脂肪は脂肪酸3個をグリセリドという成分1個が結びつけている構造をしています。血液検査をして中性脂肪値が高くなると、脂肪が多く含まれる食品を減らそうとする人がほとんどです。肉などに含まれている脂肪の多くは中性脂肪です。もちろん食べすぎはよくないのですが、脂肪を減らしても、なかなか中性脂肪値が下がらないというのはよくあることです。では、何を減らせばよいのかというと、それは糖質です。 糖質が血液中で過剰になると肝臓で脂肪が合成されるということは以前に紹介しました。中性脂肪が増えすぎたときには肉や調理に使う油を減らすのではなくて、ご飯などの糖質を減らしたほうが効果は高まるのです。 糖質にはブド...


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083 体重を正確に記録しない人の言い訳

体重計に乗れば、そのときの体重が測定できます。それを、そのまま記録してくれれば、体重の変化がわかって、それと食事量と運動量の内容を見れば、何が体重の増減に影響を与えているのか簡単に知ることができます。ところが、体重を参考にして指導をしようと思っても、うまくいかないことがあります。「こんな体重になるはずはないのに」と思って、どんな体重の測り方をしているのか聞くことがあります。 いつも同じ時間に体重計に乗るように指示しているのですが、計測時間が違っているために変化が起こるのは、よくあることです。食事の前後、入浴の前後によっても違います。できることなら起床直後と就寝直後に測定することをすすめていま...


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082 長く歩くほど健康になれるのだろうか

ウォーキング大会が全国で実施されています。所管しているのは日本ウオーキング協会で、都道府県のウオーキング協会が運営しています。ウォーキング大会は5kmほどの距離から最長で50kmまでのコースがあります。日本スリーデーマーチ(埼玉県東松山市)では3日連続で50kmを歩くことができます。日本ウオーキング協会には表彰制度があって、地球1周分の4万kmを歩くと歩行認定されて、表彰もされます。勝手に歩いてカウントされるわけではなくて、公式の大会で認定コースを歩かなければなりません。そのために長く歩くことが目標となっています。 ウォーキングには、いろいろなスタイルがあるのですが、日本ウオーキング協会が採...


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081 1日に1万歩の意味

1日に1万歩を歩くのが健康によいと言われてきましたが、今では8000歩でよいというデータが発表されたり、国民の歩数が年々減っていることを受けて、そもそも1万歩の意味は何だったのかという疑問が寄せられることが多くなっています。 1日1万歩を歩こうと言われ始めたのは1964年(昭和39年)の東京オリンピックをきっかけに日本歩け歩け協会が設立され、翌年に「1日1万歩運動」が始まってからです。この年に初代の万歩計(万歩メーター)が発売されています。当時は食生活の欧米化が進み、運動量も減ったことから、1日の摂取エネルギー量が消費エネルギー量を300kcalほど上回っていました。この過剰分を運動で消費す...


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080 万歩計の歩数記録は信じていいのか

ウォーキングはダイエットの基本中の基本となる運動で、どれくらい歩いたのかは万歩計をつけることでわかります。万歩計は歩数を数える携帯機器で、1日の歩数が記録として残ります。万歩計は山佐時計計器の登録商標で、一般名は歩数計です。歩数だけを記録するものから、性別・年齢・体重などから消費運動量を計算するものもあります。万歩計(歩数計)の精度は高いので、1日に1万歩と記録されれば、それを信じるのは普通の感覚でしょう。 万歩計のカウントは以前は振り子式が主流でしたが、今では上下、左右、前後の3軸方向の速度を計測する加速度センサーが主流です。加速度センサーは左右の足の運びに応じて歩数がカウントされます。複...


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079 疲労感があるときには身体を動かそう

「疲労感は身体ではなくて脳で感じているので、身体を動かして解消する」ということが言われます。疲労感は身体が疲れたサインだと思って身体を休めようと考えがちですが、横になってみても、場合によっては寝たあとにも疲れが取れていないということはあります。それだけ身体が疲れたというよりも、脳が疲れてしまって、脳の興奮や疲労が解消されないために、身体の疲労が回復しても疲労感が残ってしまうのです。 疲労感というのは疲労を感じることで、疲労には身体的疲労と精神的疲労があります。身体的疲労よりも精神的疲労のほうが疲労感は強く感じます。疲労を感じる前には同じ作業に飽きてきて、そのあとに疲労を感じ、最後に眠気を感じ...


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078 体重を毎日計るだけでやせられる

日本メディカルダイエット支援機構はダイエット調査を依頼されることがあります。運動によるダイエット効果の測定を得意としているのですが、たまにダイエットに効果があるという食品やサプリメントの有効性を確認するための調査の依頼もあります。運動の調査にしても食品の調査にしても協力者への謝礼の費用がかかるうえに、血液検査の費用もかなりかかります。というのは、血液検査は病気の検査として実施するときには医療保険が使えるので安く済むのに対して、病気の検査でない場合には医療保険が使えないので、1回あたり1万円ほどもかかります。 実施する前後で1回ずつであっても10人に実施すると20万円、比較検査をする場合には、...


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077 バナナ型の肥満とバナナの関係性

バナナ型の肥満は、リンゴ型とも洋ナシ型とも違った特徴があります。糖質が脂肪に変わりやすいわけでもなく、脂肪が蓄積されやすいわけでもないので、むしろ太りにくくなっています。しかし、筋肉量が少なくて代謝が低いので、食べ過ぎや運動不足が続いて太ってしまったときには、なかなかやせないという特徴があります。全体に細い体型ということで、その名がつけられています。このタイプには糖質と脂質の摂取量を減らしぎみにするというダイエットの基本を守ると同時に、筋肉を増やせるようにたんぱく質を多めに摂ることがすすめられます。 筋肉を増やすためには、たんぱく質が充分に消化されてアミノ酸に分解される必要があるわけですが、...


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076 リンゴ型の肥満とリンゴの関係性

リンゴ型の肥満は、内臓脂肪が蓄積しやすく、糖質が多い食品を食べると肝臓で合成される脂肪が増えて、内臓脂肪が増えるという特徴があり、おなかからふっくらとした体型になるので、その名がつけられています。このタイプには糖質の摂取量を減らすのを基本として、ブドウ酸の燃焼を進めるために細胞のミトコンドリアでの代謝を盛んにするビタミンB群を摂ることが重要になります。その中でもビタミンB₁は糖質のエネルギー代謝に必要であることから、リンゴ型の肥満の予防と改善にはビタミンB₁が含まれた食品を欠かすことができません。 リンゴにはビタミンB₁が多いわけではありません。しかし、リンゴを食べることで血糖値の上昇を抑え...


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075 洋ナシ型の肥満と洋ナシの関係性

洋ナシ型の肥満は、皮下脂肪が蓄積しやすく、脂肪が多い食品を食べると皮下脂肪が増えるという特徴があり、下半身がふっくらとした体型になるので、その名がつけられています。このタイプには脂肪の摂取量を減らすのを基本として、脂肪の吸収を抑えるような成分を摂ること、脂肪酸の燃焼を進めるために細胞のミトコンドリアでの代謝を盛んにするビタミンB群を摂ることが必要になります。 洋ナシといえばラ・フランスを思い浮かべるところですが、洋ナシの国内生産の70%を占めているものの、ほかにも種類があります。ここまでのシェアを占めるのは甘くておいしい品種だからです。甘いということは糖質が多いものの、ビタミンB₁とビタミン...


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074 洋ナシでダイエットできるのか

フルーツを使ったダイエット法としては、過去にはリンゴダイエットがあり、一時期ヒットした朝バナナダイエットがあります。リンゴダイエットは食事の代わりにリンゴだけを食べるダイエット法で、一時期は2〜3日をリンゴしか食べない方法が紹介されました。しかし、今では1日に1食だけをリンゴにする方法が主で、朝食のタイミングがすすめられます。朝バナナダイエットは朝食をバナナ1〜2本と水だけにするダイエット法で、摂取エネルギーが少なく、消化酵素よって代謝を高め、食物繊維の摂取によって便通を促進させます。 ダイエットに関係する肥満タイプはリンゴ型、洋ナシ型、バナナ型の3つに大きく分けられていて、リンゴダイエット...


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073 サプリメントと健康食品の使い分け

健康食品というのは一般に知られた名称ですが、法律的には定義されていません。法律的に定義されていないために、直接的に規制する法律も推奨する法律もなくて、だから医薬品を取り締まる法律で規制されるようなこととなっています。健康食品は、健康によいとされる成分が含まれる食品といった扱いで、一時期は公的な文書では「いわゆる健康食品」と書かれていました。今では健康食品と表示されていますが、まだ実態は一般には認識されていないようです。 健康食品の中には特定保健用食品や機能性表示食品のように、一定の範囲で有効性を表示することができるものもあります。特定保健用食品は身体の調子を整えるなどの特定の保健の効果が期待...


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072 やせるための薬は誰でも使えるのか

女性の心理として、もっとやせたいという人は数多くいたとしても、もっと太りたいという人は少ないはずです。ましてや肥満と判定された人になれば、なおさらのことです。ところが、「もっと太りたい」と言っている女性もいるのです。どんなつもりで言っているのかというと、BMI(Body Mass Index=体格指数)が35以上の肥満3度になると肥満治療薬を使うことができるからです。それ以下では治療薬を使うことができず、食事療法と運動療法で対処するしかなく、相当に厳しいことが求められるからです。 肥満治療薬は肥満症改善薬とも呼ばれ、脂肪分解酵素の働きを阻害して、脂肪吸収を抑制する作用があります。食欲を抑える...


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071 リバウンドは「元に戻った」なのか

ダイエットに成功して体重も体脂肪も大きく減った人が、体重が増えると「リバウンドした」ということを言います。リバウンドは(rebound)は跳ね返りを意味する言葉です。リバウンドを経験したという人は多くて、ダイエットをするよりもリバウンドを防ぐほうが大変という人が少なくありません。リバウンドをしたと言う人は「元に戻った」ということも口にします。しかし、本当に元に戻っているのか、というのが、ここで伝えたいことです。 「元」というのは体重が多かったときのことを示しているわけですが、子供のときからずっと太っていて、それが今も続いているとしたら、それは元です。ダイエットを始めようと決意したときよりも体...


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070 テキにカツは元気のもとなのか

縁起担ぎは迷信のようなものと思われがちで、よく例に出されるのは「テキにカツ」です。高校野球で有名になったことで、「敵に勝つ」に合わせてテキ(ビフテキ)にカツ(トンカツ)を一緒に食べて、戦いに望めば勝てるということで、試合当日の朝食に2種類の肉料理が食卓に並ぶということです。 ビフテキはビーフステーキの略語と言われていて、以前はよく使われていたものの、今では死語になりつつあります。若い世代では聞いたこともないかもしれません。しかし、実際にはフランス料理のビフテック(bifteck)という料理が語源となっています。牛肉を焼いた料理で、内容としてはビーフステーキと同じです。焼いた牛肉と揚げた豚肉を...


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069 糖は多くても脂肪は燃えにくい

前回はブドウ糖が少ないと脂肪酸が燃焼しにくいという話をしましたが、今回は逆にも思えるようなことで、ブドウ糖が多いと脂肪が燃焼しにくいという話です。スポーツドリンクにはブドウ糖が含まれていて、運動をしている最中に水分不足、ブドウ糖不足になったときに飲むことがすすめられています。ブドウ糖は、すぐにエネルギーとなるので、運動をして疲れてきたときにはスポーツドリンクを飲むとエネルギー源が補われて元気を出すことができます。 そのスポーツドリンクを、運動の前に飲んだほうが、もっと元気が出るのではと思って、たっぷりとブドウ糖を摂ってから走ったり、スポーツを始める人もいます。しかし、それでは、かえってパワー...


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068 糖が少ないと脂肪が燃えにくい

ダイエットのためには糖の摂取が少ないほうがよいと言われています。運動をすると初めの10〜15分はブドウ糖が主に燃焼していて、それを過ぎると脂肪酸が燃焼すると説明されています。これは健康科学の教科書にも載っていることです。 糖質制限のブームの中で、ブドウ糖を摂らないほうがよいような雰囲気になっているのですが、血液中にブドウ糖が少ない状態で運動をすると、まず燃焼するブドウ糖が足りないために、なかなか脂肪の燃焼に移っていかないということが起こります。そのために、運動をした割には体脂肪が減ってくれないということにもなります。 血液中のブドウ糖は導火線のようなものだと考えられています。ブドウ糖なしで...


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067 腸内環境を整えるシンバイオティクス

腸の健康を考えるときに、必ずといっていいほど出てくるのが、腸内細菌を身体の中に届けることと、腸内細菌のための栄養を与えることの、どちらを優先させたほうがよいかということです。これは健康づくりのプログラムを組み立てているときにも、よく話題にのぼります。 腸内細菌の善玉菌と同じ働きをするものを食品や飲料として食べたり飲んだりするのはプロバイオティクス(probiotics)といいます。善玉菌の代表のビフィズス菌などは腸内では1〜2日しか生きられないので、それを摂っても意味がないという人がいます。だから、腸内の善玉菌の栄養源となるオリゴ糖などを摂るプレバイオティクス(prebiotics)を優先さ...


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066 朝食は何をブレイクするのか

現状を超えて飛躍することは「ブレイクする」と表現されています。これはブレイクスルー(breakthrough)から来た言葉です。ブレイクがついた食事に関する言葉というとブレックファスト(breakfast)があげられます。あえて説明する必要がないほど知られている朝食のことです。ファストではなくファーストと記載されることが多いのですが、fastの読み方はファストのはずです。 fastは通常は速いことを指しています。外食産業ではfastfoodという言葉がありますが、これもファーストフードと記載されることが多くなっています。同じ食事であっても、breakfastのfastは絶食や断食を指します。...


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065 油脂はおいしく感じさせる調味料

油脂は植物油と動物性食品の脂肪の両方を指す言葉です。脂肪はエネルギー源としての食べ物であり、植物油は調理に使います。それもあって調味料という感覚は日本人には薄いものの、中華料理では油は調味料です。麻婆豆腐に加えるラー油は最後の味付けに使います。西洋料理でもオリーブ油などは、かけて食べる調味油となっています。 調味料ということになると、一般に言われる五味(甘味、塩味、酸味、辛味、旨味)のほかに脂味も加えられることがあります。 脂味が世界的に発表されたのは2015年のアメリカの研究成果でした。味覚には脂肪を感じる脂味があり、第6の味覚と呼ばれています。脂肪を加えた料理と脂肪がない料理を区別する...


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064 デザートは太る原因なのか

デザートは太る原因になるので、食べたいけれど控えるという人は少なくありません。普通に食事をして、充分にエネルギー量が摂れていても、デザートは別腹だといってプラスして食べれば、その分だけ余計になります。だから、ダイエットの大敵と考えられているものの、むしろデザートで食べすぎを抑えるのだという考え方もあります。デザートによって血糖値を大きく上昇させることによって、食べすぎを抑えようということです。 別腹は、これ以上は食べられないという満腹状態でも、他の食べ物が食べられる状態をいいます。甘いものや好きな食べ物が別腹となります。甘いものなどを見るだけでも胃が動き出して、胃に空間ができることが確認され...


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063 なぜ脂肪はおいしく感じるのか

脂肪はおいしいから食べすぎる、というのは栄養の世界では定説となっています。これは本当のことなのかというので、豚肉の脂身だけを切り出したものとバターを用意して、これだけを大学生のボランティアに食べてもらう実験をしたことがあります。脂肪がおいしいというなら、どこまで食べられるかの限界を知るための実験でした。脂肪もバターも100gずつ用意したのですが、肉なら300gでも500gでも食べられるという人が、なんとか脂肪100gはクリアしたものの200gでは途中ギブアップでした。バターは100gでもリタイアが続きました。ギブアップ、リタイアの理由を聞くと、最も多かったのは「おいしくはないから」。 おいし...


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062 和食と洋菓子の組み合わせは太りやすい

和食はダイエットに向いている料理だとされています。太りやすい肉も油も少なくて、全体にエネルギー量が洋食よりも低くて、糖と脂肪の吸収を抑える作用がある食物繊維が多く使われています。食物繊維には便通をよくする作用もあります。それだけ見るとダイエットを成功させるには和食がよいという結論になりがちですが、そうではないという考えもあります。洋食には基本的に使われない砂糖が、和食には使われているからです。 和食の調味料といえば「さしすせそ」で、親からも教えてもらう料理の基本中の基本です。調味料を加える順番のことで、砂糖(さ)、塩(し)、酢(す)、醤油(せ)、味噌(そ)となります。醤油の古語のせうゆから「...


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061 水を飲まないと太るのだろうか

「水を飲んでも太る」と言う人がいます。人間の身体は60%以上が水で構成されているのだから、その水が増えれば体重が増えるのは当たり前のことです。太るということを体重が増えたことと定義するなら水で太るということになるわけですが、脂肪細胞に蓄積される脂肪の量が増えることだと定義するなら、水を飲んで太ることはないことになります。水にはエネルギー量がないので、余分に飲んだからといって、それが脂肪に変化することもなく、太るはずがないというのが通常の答えです。 水を飲むと代謝が悪くなる、力が出なくなる、集中力がなくなるといって、運動をしている途中には水は禁止ということが過去にはありました。今のように運動科...


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060 カルシウムが不足すると太るメカニズム

カルシウムを摂ればやせられるというのは、体験者は多いものの、科学的に裏付けられているのかというと、まだ疑問があります。それに対して、カルシウムが不足すると太ることについてはメカニズムが明らかにされています。カルシウムの摂取量が大きく減ると、体内のカルシウム濃度を一定に保つために副甲状腺ホルモンが多く分泌され、骨に蓄積されているカルシウムが分解されて、血液中に放出されます。体内のカルシウムのうち骨と歯には約99%が蓄積されています。 副甲状腺は甲状腺の裏側にある米粒大(4〜5mm)の臓器です。血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあり、カルシウムが不足すると多く分泌されて骨のカルシウムを血液...


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059 カルシウムでダイエットできるのか

女性にカルシウムを積極的に摂ってもらうために、「カルシウムを摂るとダイエットできる」という話題を広められないかとお役人から言われたことがあります。それくらいカルシウムの摂取量を増やすのは重要なこととなっているということです。カルシウムは骨や歯を構成するミネラルで、99%が骨と歯にあり、残りの1%は全身の組織になり、神経伝達や筋肉を動かすことなどに使われています。カルシウムの蓄積量のピークは20歳前後で、それ以降は減る一方となります。カルシウムは牛乳、小魚、海藻、大豆・大豆製品、緑黄色野菜に多く含まれています。 女性のカルシウムの摂取量の実態は、平成11年の国民健康・栄養調査から発表されていま...


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058 階段の上り下りほど簡単な筋トレはない

都会で生活していると階段の上り下りは日常的なことで、筋肉を刺激するトレーニングになっているということは特に意識することはないはずです。地方で生活している人が、都会に出て、エスカレータとエレベータが設置されていない建物や歩道橋を渡ると、階段を上り下りしていると筋肉に疲れを感じて、筋肉の力が低下していることを実感することがあります。 筋肉は刺激を与えないと細くなっていきます。片足の怪我をして1週間も動かさないと、怪我をした側の足の筋肉が細くなったことがわかります。このことは「筋肉が減った」と表現されるのですが、筋肉を構成する筋繊維は数が減ったり増えたりすることはなくて、筋繊維の数は誕生したときか...


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057 ニンニクでダイエットできるのか

ニンニクはダイエットによいという話を聞いても、臭いが気になるので食べないという人は少なくありません。臭いのせいで食べられないのはもったいないからと、臭いを減らしたり、臭いを消したニンニクも登場しています。これならダイエットに使えそうと考えるかもしれませんが、臭いがないとダイエット効果もないということは、あまり知られていないようです。 ニンニクにはアリインという成分と、アリナーゼという酵素が含まれていて、それぞれが別の細胞の中にあります。そのために、塊のままのニンニクは、あまり臭うことはありません。ところが、ニンニクを刻んだり、摺り下ろしたりすると急に臭うようになります。これはアリインとアリナ...


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056 落ちない背中の脂肪をつけないために

若い女性にダイエットを始めたきっかけを聞いてみると、「母親のようになりたくない」と答える人がかなりいます。若いときから太っていた人は別としても、女性は40代に急に太り始める傾向があります。国民健康・栄養調査の結果を見ると、女性は20代、30代は食べる量が少なく、朝食抜きの人も多いのですが、40代になると食事量が増えていきます。その割には運動量が少なく、代謝の低下が始まる時期なので、太るのは仕方がない時期だといえます。 40代というと高校生や大学生の母親の世代です。40代前に食べすぎ、運動不足で太ったなら内臓脂肪を減らすことで皮下脂肪を減らすようにすることができます。ところが、40代になると、...


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055 糖の摂りすぎでたまる脂肪の量

食べすぎると身体の中で糖が脂肪に変わることは随分と知られてきました。糖質は胃で分解されてブドウ糖になり、エネルギーとして使われなかったものはグリコーゲンに合成されて、筋肉や肝臓に蓄積されます。グリコーゲンはブドウ糖が結合したもので、蓄積される量は筋肉と肝臓を合わせて300gほどです。それを超えたブドウ糖があると肝臓の中で脂肪に合成されて、これが脂肪細胞の中に蓄積されます。その量が多くなると太ることになるわけです。 グリコーゲンは多くのブドウ糖が結合したもので、ブドウ糖が肝臓で合成されて作られます。ブドウ糖がネックレスのように長くつながり、枝分かれした構造になっています。肝臓の重量の約8%(大...


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054 口中調味が可能なのは軟水でご飯を炊くから

日本人は、ご飯があれば、いろいろなおかずを食べることができます。ご飯さえあれば世界中の料理も食べられます。これはご飯によって好みの味わいに変えられるからです。ご飯には微妙な味はあっても、ほとんど味がないとの同じです。これに対してパンも麺類も味がついています。主食に味があると、すべての料理と合わせるわけにはいかなくなります。ご飯に合うおかずをパンで食べるのは厳しいというものもあります。「そんなことはない」と反発する人に、塩辛とパンを食べてもらったことがありますが、両方とも好きなのに食べられなかったという反応でした。 アジア大陸でもご飯を食べています。しかし、大陸は硬水地域なので、日本のように炊...


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053 口中調味が健康づくりの基本

「口中調味」という言葉があります。この食べ方ができることによって日本人は長生きになったという考えがあります。一般的な意味としては、口の中で食べ物を噛んで混ぜ合わせることとで味を変化させることを指しています。食べ物には一つひとつに味があっても、それが口の中で混ざると違う味になるので、複数の食品を使った料理は口の中に入れた量によって違う味を感じていることになります。 私たちが考える「口中調味」は、その意味も含んでいますが、一歩進んで「体調に合わせた味わい」を指しています。初めの口に入れるのは、ご飯、おかず、汁物と人それぞれではあるものの、おかずの味を濃く感じた場合にはご飯を口に入れ、薄く感じた場...


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052 オリゴ糖はビフィズス菌のエサになる

腸内細菌の善玉菌の代表といえばビフィズス菌ですが、ビフィズス菌入りのヨーグルトやサプリメントを摂れば腸内のビフィズス菌が単純に増えるというわけではありません。腸内細菌は誕生したときから腸内にいたものではなくて、母親の体から移動してきて口に入り、腸内に定着したものです。だから、エサになる栄養源を摂らなければ生き延びることができません。 その栄養源は善玉菌と悪玉菌では異なっています。善玉菌の栄養源は糖質です。食物繊維と乳製品もあげられていますが、食物繊維は糖質が結合したもので、胃と小腸では分解されず、大腸で善玉菌によって分解されてブドウ糖などの糖質となります。乳製品には乳糖が含まれていて、これは...


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051 ヨーグルトのビフィズス菌は腸内に定着するのか

ビフィズス菌は腸内細菌の善玉菌の代表的なもので、善玉菌を増やすことを望む人はビフィズス菌が入ったヨーグルトを食べたり、サプリメントで摂ったりしています。ビフィズス菌は赤ちゃん用の粉ミルクにも含まれています。もともと赤ちゃんはビフィズス菌が多いのですが、大人が粉ミルクを飲むとビフィズス菌を増やすのに役立ちます。 外から口に入れたビフィズス菌が腸内に定着してくれればよいのですが、そうはなってくれません。ヨーグルトやサプリメントに含まれたビフィズス菌などの乳酸菌は腸内では1〜2日しか定着しないのです。それなら、少しの量でもよいので毎日、摂り続けるのがよいと言われます。腸内に入れても長持ちしないなら...


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050 ヨーグルトは善玉菌を増やしてくれるのか

腸内細菌の善玉菌は乳酸菌の仲間なので、乳酸菌によって発酵させたヨーグルトを食べれば腸内の善玉菌が増えるという発想をしがちです。しかし、ヨーグルトだけでは期待するほど善玉菌は増えてくれません。乳酸菌は主に小腸で活躍する菌で、腸内環境を整えるために重要な大腸で活躍するのはビフィズス菌などです。そのためにビフィズス菌が加えられたヨーグルトが人気となっています。 腸内細菌は腸内に生息している細菌で、300種類以上、1000兆個ほどが棲み着いているとされます。以前は100種類以上、約100兆個と言われていましたが、研究が進むにつれて数が増えてきました。 腸内細菌の総量は1.5〜2kgになります。腸内...


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049 コンニャクは水溶性食物繊維なのか

ダイエットにコンニャクは有効で、水溶性食物繊維が脂肪を吸着して排泄してくれるということがテレビの健康番組で取り上げられてから、タッパウエアにコンニャクを入れて持ち歩き、ケーキを食べる前にコンニャクを食べるという人もかなりいました。 そのコンニャクは以前は水溶性食物繊維の代表でしたが、今では食品を説明する書籍の中から水溶性食物繊維であることは徐々に外されています。というのは、凝固剤を使って固めたコンニャクは水溶性食物繊維の性質が失われて、不溶性食物繊維と同じ状態になってしまうからです。 コンニャクはコンニャクいもを乾燥させて粉にしたものが材料で、これを水に溶かしてから凝固剤を加えて固まらせま...


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048 食物繊維の種類でお通じが変わる

食物繊維は腸壁を刺激して、お通じをよくすると言われています。食物繊維が多く含まれる食品を食べていれば、それでよいということではなく、食べる食品の種類を間違ったら、お通じを悪くすることにもなりかねません。頑固な便秘になった人が食物繊維が多い根菜類を多く食べて、腸閉塞になった例もあるのです。腸閉塞は腸管の通過が妨げられる病気で、超痙攣や脳捻転の他に腸内に異物がたまることでも起こります。激しい腹痛や嘔吐があり、便通が止まることから腹部の膨張や脱水症状を起こすこともあります。 食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は腸壁を刺激して腸の蠕動運動を盛んにします。腸が収縮して...


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047 水溶性食物繊維のダイエット効果

水溶性食物繊維は糖と脂肪を吸着して、小腸から吸収される量を減らすというダイエット効果がありますが、もう一つ血糖値の上昇を抑えることによる効果もあります。水溶性食物繊維は余分な糖や脂肪を吸着するだけでなく、胃で水分を吸って膨らみ、粘度が高まって、胃から腸にゆっくりと移動していきます。そのときに胃で糖質が分解したことによってできるブドウ糖もゆっくりと運ばれていきます。この「ゆっくりと」ということが重要で、これがダイエットにも関係してきます。 ブドウ糖は1個の糖からなる単糖で、穀類や果物に多く含まれています。グルコースとも呼ばれます。ブドウ糖の割合が最も高いのは砂糖で、ブドウ糖1個と果糖1個で構成...


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046 食物繊維を増やすだけでやせるのか

ダイエットのために食物繊維を多く摂ればよいと言われますが、食物繊維なら何でもよいというわけではありません。食物繊維には種類があって、どれを多く食べるかによってダイエット効果が変わってきます。食物繊維に注目したのは、以前には消化も吸収もされないので役に立たないカスのような扱いをされていたのに、さまざまな健康効果がわかり、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルに並ぶ第6の栄養素となったからです。 食物繊維の量を増やせと言われると、食物繊維が多く含まれる野菜の中でも根菜類(ニンジン、ゴボウ、レンコンなど)を食べようとする人が多いかと思います。厚生労働省がすすめる食物繊維の量は男性が1日20g以...


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045 朝バナナダイエットで太る人がいる

遺伝子検査によって肥満遺伝子を判定して、それによってダイエット指導をする方法があります。ダイエット指導のためのパターン分けはいくつもあるのですが、日本メディカルダイエット支援機構では肥満遺伝子の3タイプを基本として採用しています。遺伝子検査と栄養指導を組み合わせた事業をする会社の役員と、食事の注意点について意見交換をしているときのこと、「自分は朝バナナダイエットで太った」という話をしていました。 朝バナナダイエットは朝食としてバナナ1本を食べて、あとは常温の水を飲むだけというダイエット法で、昼食も夕食も好きなものを食べてよいというダイエット法です。食べる量が少なくて、パイナップルほどではない...


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044 パイナップルダイエットで太った人がいる

ダイエットには酵素が重要で、酵素食品にはパイナップルが使われています。かつて人気となったパイナップルダイエットの理屈は、酵素の働きに関係しています。パイナップルダイエットをやったために太った人も少なくありません。効果のあるダイエットに取り組んでいるから、安心して他のものを多く食べてしまったということではなくて、そもそもパイナップルダイエットのやり方を充分に理解していなかったために太ったということです。 パイナップルには消化酵素がたくさん含まれていて、たんぱく質を分解する働きがある酵素なので、肉を軟らかくして、おいしく食べるために肉料理に使われます。有名なところでは酢豚で、これは日本人が考え出...


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043 飲酒とダイエットの関係

飲酒で太るのはアルコールのせいではなく、脂っこいおかずの食べすぎ、食欲が高まることによるご飯の食べすぎのせいだと長らく言われてきましたが、今ではアルコールが体内で合成される脂肪酸を増やすことがわかりました。脂肪酸は脂肪を構成するもので、脂肪酸3個をグリセロールが結びつけたものが中性脂肪です。中性脂肪は蓄積される脂肪で、体脂肪も食品に含まれる脂肪も中性脂肪となっています。酸性、中性、アルカリ性とは関係がなく、英語のトリグリセライドの和訳です。脂肪酸には動物性食品に多く含まれる飽和脂肪酸と、植物性食品や魚の油に多く含まれる不飽和脂肪酸があります。 ダイエットの大敵とされることが多い体脂肪は、脂肪...


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042 食べる順番ダイエットは何から食べるべきか

食べる順番ダイエットの「食べる順番」という言葉を聞いて学校給食を思い浮かべるのは、かなり年齢の人かもしれません。昭和30年代に学校給食が全国で始まりました。初めは牛乳給食という名で、お弁当を持参して、牛乳が配られていました。牛乳といっても今のおいしい牛乳ではなくて脱脂粉乳でした。初めての給食はパン、牛乳、おかずが三角形の配置に並べられて、パサパサのコッペパンを食べ、牛乳を飲んで流し込み、おかずを食べるという順番で、一口ずつ何周か繰り返して食べ終えるように教師から言われ、その通りにお行儀よく皆が食べたものです。 その後には順番は強制的ではなく、パンを中心にして、おかず→パン→牛乳→パン→おかず...


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041 1日に30食品は健康によいのか

60代以降の方は、バランスの取れた食事というと、いまだに「1日30食品」ということを言います。この言葉が言われるようになったのは、1985年(昭和60年)に当時の厚生省から発表された食生活指針の中に「1日に30食品を目標に」という項目が加わったからです。 他の国では多くの食品を食べることをすすめることはあっても、食品数を示した例はなかったのですが、なぜ30食品という数字が出てきたのかというと、運動と休息が関係しています。当時の健康づくりの基本は栄養・運動・休息が3原則で、目標に数値として運動担当から「1日に30分の運動時間」、休息担当から「夕食後に30分の休息時間」という案が出て、栄養も30...


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040 ポリフェノールは抗酸化成分の代表格

ポリフェノールといえば今では活性酸素を消去する抗酸化成分として常識的に知られています。一般に広く知られるようになったのは1995年のことで、その火付け役となったのは医学博士の板倉弘重先生です。板倉先生は国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長であったときに、赤ワインを多く飲むフランス人は脂肪が多い食事をしていても動脈硬化になる人が少ないことから、赤ワインの健康効果を研究して、赤ワインに多く含まれるポリフェノールに、その効果があることを発見して発表しました。 これが赤ワインブームのきっかけで、白ワインの売り上げは変わらなかったのに、赤ワインの売り上げは1.5倍にもなりました。血管の健康を保つために、...


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039 活性酸素を消去する抗酸化成分

活性酸素は酸素のプラスとマイナスの電子の数のバランスが崩れたものをいいます。呼吸で取り入れた酸素のうち2〜3%が全身の細胞の中で活性酸素に変化します。吸い込む酸素が多くなるほど活性酸素は多くなるわけですが、適度な運動によって吸い込む酸素量が増えたときには、それほど活性酸素は多く発生しないものの、最大酸素摂取量に近づくほど発生量は増えます。最大酸素摂取量は1分間に吸い込むことができる最大の酸素量のことで、運動強度が高まるほど最大酸素摂取量は増えていきます。運動強度は最大酸素摂取量を100%としたときに、どれくらいの割合になるかで示されます。 細胞の中で活性酸素が発生するのはエネルギーを作り出す...


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038 ダイエットの運動は血管を弱くするのか

運動をするとエネルギー代謝によって体脂肪を減らすことができます。それはよいことであっても、「運動によって活性酸素が発生するのでよくない」と発言する人もいます。そこでダイエットのためには運動ではなく、食事のコントロールを中心にするべきだという人までいます。これは活性酸素のことが知られるようになったときに、活性酸素は運動をすると発生量が増える、活性酸素が血管を老化させるという話が広まり、運動のやりすぎに警鐘が鳴らされたことがあるからです。 活性酸素というキーワードはテレビの健康番組で広まったこともあり、家庭でテレビを見る時間が長い患者は知っているのに、あまりテレビを見ない医療関係者はよくわからな...


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037 医薬品とサプリメントの相互作用

血糖値を安定させるためには、まずは食事療法で、それで安定しない場合には運動療法がすすめられ、それでも効果が出ないときに初めて医薬品の血糖降下剤が使われます。いくら血糖値を下げる薬を飲んでも、食事療法と運動療法ができていなければ血糖値を効果的に下げることはできません。それをメディカルダイエットの現場で指摘しても、血糖値を下げる作用がある健康食品や特定保健用食品を飲んでいるから大丈夫だと言って食事療法に真面目に取り組んでくれない人もいます。運動は面倒だからと、まったく耳を貸さないということもあります。 健康食品は使用率が70%を超え、高齢者では80%を、病院に通う高齢者では90%を超えているとい...


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036 ダイエットは栄養管理を意味する

「ダイエットをしてください」と言われると、極端に食べる量を減らしたり、中には朝食や夕食を抜くという極端な人も出てきます。ダイエット(diet)のもともとの意味は「作戦、方針、戦略」といった意味で、英語では国会は「the diet」です。国の方針や戦略などを審議する場ということです。東京の地下鉄の国会議事堂前駅には英語表記で「national diet building」と書かれています。 もともとの意味から転じて、正しい生活をすることがダイエットになり、正しい食生活がダイエットになりました。栄養指導をする栄養士は「dieticien」といいます。ダイエットをする人ではなく、ダイエットさせる人...


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035 運動でブドウ糖が多く取り込まれる

細胞がブドウ糖を取り込むためには、膵臓から分泌されるインスリンが必要となっています。インスリンは血液中のブドウ糖が多くなる高血糖状態で分泌されるので、ブドウ糖が少ない低血糖状態ではインスリンが分泌されないことになります。それでは細胞が重要なエネルギー源であるブドウ糖を取り込めなくなり、低血糖状態ではエネルギー不足から運動ができないことになります。しかし、血糖値が低めの状態でも、糖尿病になってインスリンの分泌量が減っていても、細胞がエネルギー切れするようなことはありません。 ブドウ糖の80%ほどは筋肉細胞に取り込まれていますが、筋肉細胞の中にはGLUT4というグルコース輸送体があり、通常はイン...


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034 脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖

エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素で、これらが代謝に使われるときにはブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸に変化して細胞のミトコンドリアに取り込まれています。エネルギー代謝には、代謝が早いブドウ糖が先に使われ、エネルギー量が多く長く代謝を起こすことができる脂肪酸が次に使われます。たんぱく質は身体を構成する成分で、そのたんぱく質を構成するアミノ酸は重要であることから、ブドウ糖と脂肪酸が不足したときにアミノ酸がエネルギー源として使われることになります。 基本的に全身の細胞はブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸のどれでも使うことができるのですが、脳細胞だけはブドウ糖しか使うことができません。ブドウ糖は脳の...


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033 脂肪は燃焼しているわけではない

体脂肪の減少というと“燃焼”という言葉がよく使われます。正式な用語としてエネルギー代謝となるのですが、わかりやすくするために一般向けには“燃焼”で表現することもあります。植物油に火をつけると燃えて、徐々に減っていくことから、これをイメージして「脂肪が燃焼する」という言い方がされますが、実際には体内で脂肪は燃焼していません。 脂肪の構成成分の脂肪酸は細胞のミトコンドリアに取り込まれるときにはL‐カルニチンと結びつく必要があり、L‐カルニチンが不足しているとエネルギー源をエネルギーに変化させるための第一段階で停滞が起こります。ミトコンドリアの中では脂肪酸はピルビン酸、アセチルCoAに変化して、ミ...


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032 ヒトケミカルは食品では充分に補給できない

三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が体内で合成されるものの、20歳をピークに加齢につれて減少していくので、これを補うことで代謝を高めることができます。補うというと一般には第一義的には食品から摂るものとされています。 α‐リポ酸は酵母、動物の肝臓や腎臓、ほうれん草、にんじん、トマトなどに多く含まれています。L‐カルニチンは肉に多く含まれる成分で、特に多いのは羊肉です。子羊のラム肉に比べるとマトンのほうが多くなっています。コエンザイムQ10はイワシ、サバ、牛肉、ピーナッツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。最も多いイワシでも100g中に含まれる量は約6mgで、通...


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031 コエンザイムQ10は吸収率が低い

コエンザイムQ10は脂溶性であることから、食事をした後の胃の中に脂肪がある状態でないと吸収されません。一般のコエンザイムQ10は空腹時に摂った場合には素通りすることになります。コエンザイムQ10は食品に含まれる成分であるものの、体内で合成されることから吸収率が低くなっています。サプリメント成分としては還元型のコエンザイムQ10のほうが酸化型のコエンザイムQ10よりも吸収率は高くなっていますが、それでも吸収率は1%程度でしかありません。そのため、コエンザイムQ10の代謝促進の有効性が実感できにくくなっていました。 摂取のタイミングと吸収率の低さを改善するために開発されたのがシクロデキストリン(...


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030 エネルギー代謝とコエンザイムQ10

細胞内のミトコンドリアには、α‐リポ酸の働きによって糖質(ブドウ糖)が取り込まれ、L‐カルニチンの働きによって脂質(脂肪酸)が取り込まれます。ブドウ糖も脂肪酸もピルビン酸を経てアセチルCoAに変化してからミトコンドリア内のTCA回路での代謝によって、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作り出されます。ATPが作り出されるときには酵素が必要ですが、酵素は補酵素がなければ働くことができません。そのエネルギー代謝の補酵素の役割をしているのがコエンザイムQ10です。 酵素はエンザイム(enzyme)といい、補酵素はコエンザイム(coenzyme)といいます。コエンザイムには側鎖があり、側鎖...


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029 L‐カルニチンはたんぱく質と相性がよい

L‐カルニチンは水溶性の性質のために、空腹時に摂っても食後に摂っても同様に吸収されます。空腹時に摂らないと分解されるα‐リポ酸、食後に摂らないと吸収されないコエンザイムQ10とは違って、使いやすいサプリメント成分となっています。ただし、L‐カルニチンは条件によって吸収率が異なります。 L‐カルニチンは肉に含まれる成分で、特に羊肉には多く含まれていますが、動物性たんぱく質との相性がよく、動物性たんぱく質が多く含まれる肉や魚、卵、乳製品と一緒に摂ることで多く吸収させることができます。そのため、水溶性だから、いつ摂ってもよいということではなく、胃の中に動物性たんぱく質がある食事の後に摂ることがすす...


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028 脂質代謝とL‐カルニチン

脂肪と一般にいうと中性脂肪を指しています。中性脂肪は動物の体内にある脂肪の形態で、脂肪酸3個をグリセロール(アルコールの一種)1個が結びつけています。食肉に含まれる脂肪も人間の脂肪細胞の中に蓄積されている脂肪も、そして血液中の脂肪も中性脂肪となっています。 エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質の3種類ですが、中性脂肪が脂肪細胞の中に保存用のエネルギー源として蓄積されるのは脂肪酸のエネルギー量が1gあたり約9kcalと、糖質(ブドウ糖)、たんぱく質(アミノ酸)の約4kcalに比べると2倍以上となっていて、効率がよいからです。余分に食べると脂肪細胞の中に蓄積される体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)が増...


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027 天然型α‐リポ酸しかエネルギー代謝できない

代謝促進成分として登場するα‐リポ酸は天然型のものです。わざわざ天然型という呼び方をするのは、この他に非天然型(人工型)のα‐リポ酸もあって、使い分ける必要があるからです。研究者や専門家はα‐リポ酸といえば天然型であるという認識はあるものの、一般に出回っているサプリメントには非天然型も使われています。このことがわかっていないと、効果的なダイエットのために摂ったつもりの成分が、充分な威力を発揮しないことにもなりかねません。 天然型のα‐リポ酸は胃液で分解されるという弱点があります。分解されたらα‐リポ酸ではなくなり、吸収されたとしても代謝促進の成分とはなりません。分解されにくくするためには天然...


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026 糖質代謝とα‐リポ酸

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、糖質はブドウ糖などの単糖が複数結びついています。この結びつきは胃から分泌される消化酵素によって単糖に分解されるのですが、主に細胞の中でエネルギー源として使われるのはブドウ糖です。ブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンの働きによって細胞に取り込まれます。インスリンの分泌が盛んになるのは食後に血液中のブドウ糖が増えたときです。 細胞に取り込まれたブドウ糖は、細胞内にあるミトコンドリアに入っていきますが、そのときに必要になるのがα‐リポ酸です。α‐リポ酸は体内で合成されるものの、20歳をピークにして減少し続けます。α‐リポ酸は食品成分として許可...


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025 脂肪は代謝で活動のエネルギーに変換

脂肪の代謝というと、脂肪細胞に蓄積される体脂肪を減らすことが注目されがちです。また、糖質を余分に摂った場合には肝臓で脂肪酸に合成され、続いて脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついて中性脂肪になります。糖質の代謝促進によって、余分な脂肪を溜めないようにすることができるわけです。血液中の脂肪酸が減ってくると脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて脂肪酸になり、これが血液中に放出されてエネルギーとして使われます。 脂肪代謝によるエネルギー産生が盛んに行われるのは筋肉細胞で、筋肉を動かすことによって脂肪酸を使ってエネルギーが多く作られていきます。そもそも筋肉を動かすためのエネルギーは脂肪酸と糖質のブドウ糖...


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024 代謝促進とヒトケミカル

細胞の中のミトコンドリアでエネルギー産生を行うには、エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質をミトコンドリアに送り込むことが、まずは必要です。糖質はブドウ糖に分解され、脂質は脂肪酸に分解されます。たんぱく質はアミノ酸に分解されるのですが、たんぱく質は身体を構成する重要成分で、ホルモンや神経伝達物質、免疫物質などもたんぱく質から作られます。ブドウ糖と脂肪酸が大きく不足した場合にエネルギー源となるので、一般にはブドウ糖と脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれるようにすればよいわけです。 ブドウ糖と脂肪酸の代謝、つまり一般にいわれるエネルギー産生のための燃焼のためには、ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むと...


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023 代謝とヒトケミカル

細胞の中のミトコンドリアでエネルギー産生を行うには、エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質をミトコンドリアに送り込むことが、まずは必要です。糖質はブドウ糖に分解され、脂質は脂肪酸に分解されます。たんぱく質はアミノ酸に分解されるのですが、たんぱく質は身体を構成する重要成分で、ホルモンや神経伝達物質、免疫物質などもたんぱく質から作られます。ブドウ糖と脂肪酸が大きく不足した場合にだけエネルギー源となるので、一般にはブドウ糖と脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれるようにすればよいわけです。 ブドウ糖と脂肪酸の代謝、つまり一般にいわれるエネルギー産生のための燃焼のためには、ブドウ糖をミトコンドリアに取り込...


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022 脂肪の吸収を抑える方法

食品に含まれる脂肪は中性脂肪となっています。中性脂肪というのは、脂肪酸3個をグリセロール1個がつないでいるもので、消化液によって脂肪酸が分解されて吸収されます。中性脂肪のままでは吸収されないので、それを利用する方法として活用されるのが食物繊維の中でも脂肪を吸着する作用がある水溶性食物繊維です。 水溶性食物繊維は水分を吸って膨らみ、このゲル状になった部分に脂肪が吸着されます。水溶性食物繊維が多く含まれるのは海藻やキノコで、これらの食品を脂肪が多く含まれる食品と一緒に摂ると吸収が抑えられるわけです。 ただし水溶性食物繊維は脂肪の種類を選択して吸着するわけではないので、身体にとって必要な短鎖脂肪...


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021 血糖値を上昇させない食べ物の組み合わせ

血糖値が上昇すると太る可能性が高くなります。血糖値は血液中のブドウ糖の量を示す値ですが、血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは一般には細胞にブドウ糖を取り込んでエネルギー化するホルモンとして知られていますが、インスリンが分泌されると肝臓での脂肪合成が高まり、体脂肪の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)が増えて、これが太る原因となります。 血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値が上昇するということは、血液中のブドウ糖が増えているということです。ブドウ糖が多く分泌されると太りやすくなるということは、それを防ぐためには血糖値を上昇させないことが重要になるということです。 ブド...


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020 脂肪の摂りすぎが糖代謝を低下させる

ブドウ糖が含まれる糖質を多く摂ると、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかり、これが続く膵臓から分泌されるインスリンが大きく減るようになります。その反応の行き着く先が糖尿病です。だから、糖尿病にならないようにするには糖質を減らすことが必要だとの考えも出てくるようにもなります。 しかし、糖尿病は膵臓が疲弊するまでインスリンが多く分泌されることが問題で、インスリンの分泌を促進するのはブドウ糖だけではありません。インスリンには肝臓で合成される脂肪酸を増やす作用があり、さらに血液中に多くなった中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させる作用もあります。脂肪が多く含まれる食品を食べたときにはインスリンが多く分泌さ...


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019 ダイエットにブドウ糖は必要

糖尿病の治療食はダイエットのための食事として活用されています。糖尿病の治療食というと、血糖値を上昇させるブドウ糖を減らさなければならないという考えをされることがあって、糖質が少ないのが糖尿病治療食と思われがちです。しかし、実際には糖質は全体のエネルギー量のうち50%は確保することが基本となることから、栄養指導を受けて驚く人も少なくありません。 糖尿病の治療食で糖質が多く出されるのは、糖尿病は細胞へのブドウ糖の取り込みが少なくなって、血糖値が大きく高まる病気だからです。取り込みの能力が低下しているのに、ブドウ糖が含まれる糖質を減らしたら、細胞に取り込まれるブドウ糖が不足します。ブドウ糖はすぐに...


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018 糖質制限で効果がある人の条件

糖質を摂りすぎると、その中に含まれるブドウ糖によって血糖値が上昇して膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは肝臓で脂肪の合成と蓄積を促進するホルモンで、血糖値を上昇させるブドウ糖をできるだけ摂らないことでインスリンの分泌を抑え、太らないようにすることができます。日本人は糖質を多く摂ると脂肪合成が進みやすい遺伝子を持つ人が多く、糖質を制限することによって脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪が減りやすい特徴があります。 低糖質の食事をすると内臓脂肪をブドウ糖に合成する作用が起こるため、内臓脂肪の蓄積が多い男性は効果が出やすくなっていますが、皮下脂肪の蓄積が多い女性では内臓脂肪が減ってから皮下脂...


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017 食品と食品の組み合わせでダイエット

食べたものの吸収率が低ければ、太りにくくなります。そこでエネルギー量が高い食品を食べるときには、吸収率を下げる作用がある食品を一緒に食べることがすすめられます。食物繊維には水に溶けない性質の不溶性食物繊維と、水を吸って膨らむ性質がある水溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は胃の中で水を吸ってゲル状になり、余分となった脂肪を吸着する作用があります。吸着された脂肪は吸収されずに排泄されます。そのために摂取されるエネルギー量を減らすことができます。 水溶性食物繊維は粘度が高いことから胃から腸に時間をかけて移動します。このことから、ご飯などの糖質がゆっくりと通過して行きます。糖質にはブドウ糖が含ま...


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016 運動と入浴の組み合わせでダイエット

運動後には入浴をすると脂肪の燃焼が進みにくくなるといわれています。その根拠となっているのはリパーゼの存在です。リパーゼは脂肪分解酵素で、食べ物を消化するために分泌されます。役目を終えた後に一部は血液とともに運ばれて、筋肉の中にも存在しています。リパーゼの働きによって脂肪が分解されて筋肉の中で燃焼することになりますが、リパーゼは運動を始めてから10分ほどすると筋肉が温まって酵素としての働きが高まります。そして、運動を終えてからも筋肉が温まっている30分間ほどは脂肪分解が起こっています。その結果、脂肪燃焼も進んでいます。身体を休めているだけで脂肪燃焼が進むので、この時間を活かさないのはもったいない...


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015 入浴と食事の組み合わせでダイエット

食事の前の入浴によって脂肪燃焼の状態が異なってきます。それに影響するのは入浴温度です。自律神経は自分の意志では切り換えることはできないものとされていますが、入浴温度を変えることで交感神経と副交感神経とを切り換えることができます。 入浴温度が38〜40℃では副交感神経の働きが盛んになります。ダイエットに関わる変化では胃液の分泌量が増え、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンの分泌量が増えます。インスリンには肝臓での脂肪合成を進める作用があるので、ぬるめの温度での入浴は太る要因になります。 ダイエットで考えるので副交感神経の働きを盛んにするのはマイナスのような印象になっていますが、夕方には副交...


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014 食事と運動の組み合わせでダイエット

同じ食事量、同じ運動量であっても食事と運動のタイミングによってやせさせることも、逆に太らせることも可能です。それを可能にしているのはメディカルダイエットの研究成果で、夕食前の運動がメディカルダイエットに用いられています。 夕食前の空腹時には血液中のブドウ糖が少ない状態であるので、このときに運動をすると、すぐにエネルギーとなるブドウ糖が不足していることから筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されてブドウ糖が血液中に放出されます。グリコーゲンはブドウ糖を結合させた貯蔵用の糖です。 この後に食事をすると、使われた分のグリコーゲンを補うために肝臓でブドウ糖を結合させてグリコーゲンが多く作られ...


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013 食生活調査票によるメディカルダイエット

メディカルダイエットを基本としたダイエットを始めるときには、まず食生活調査表による食事調査を実施します。これは日本臨床栄養学会の前理事長の板倉弘重先生(医学博士)の監修によって完成させたもので、食事で食べている食品の1週間の頻度を調べるものです。食生活の調査というと食べたメニューを記載したり、メニューに使った食材を記入して、そこから1日に摂った栄養素を推定するというのが一般的です。それに対して食生活調査票は、選択肢の中からチェックする方式によって1週間に食べた食品の摂取回数を聞いています。これによって何回食べたかの頻度を調べています。メニューから頻度を知るのではなく、頻度を直接聞き出しているの...


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012 体脂肪は階段状に減っていく

体脂肪は重要なエネルギー源であることから、急激に体脂肪を減らそうと食事の量を大きく減らしたり、激しい運動を続けていると体脂肪が急に減らなくなる時期があります。通常のダイエット法で1か月に2〜3kgの体脂肪の減少で抑えておいたときには、直線的に減少してから徐々に減少の度合いが少なくなるのが一般的なパターンです。ところが、大きく減らしすぎると減少にブレーキがかけられるようになって、体重・体脂肪が変わらない停滞期が続くようになります。 これは当たり前のことであるのに、自分が実施したダイエット法が間違いだと勘違いして、そのダイエット法をやめてしまう人もいます。内臓脂肪が減ってくると内側から押される力...


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011 内臓脂肪が減らないと皮下脂肪は減らない

ダイエットをすれば気になるところについた体脂肪が減っていくはずということで頑張っているのに、なかなか減らないという人もいます。その減らない脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪のどちらなのかというと、圧倒的に皮下脂肪だという人が多くなっています。内臓脂肪は内臓の周りの脂肪細胞に蓄積する脂肪のことで、特に多いのは腸の周りです。皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪で、下半身や二の腕を気にする人が多くなっています。 脂肪細胞に蓄積されている脂肪は中性脂肪ですが、体内で余分になった脂肪が増えれば同じように蓄積されるというのが大原則です。しかし、蓄積には順番があって内臓脂肪から先に蓄積されて、ある程度の蓄積のあとに皮下脂肪...


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010 運動なしで食事を減らすとリバウンドする

運動で消費されるエネルギー量はkcalで表されます。それに対する食事で摂取するエネルギー量もkcalで表されます。これがダイエットの間違いを起こす要因の一つになっています。運動による消費エネルギー量と食事による摂取エネルギー量が同じエネルギー量(例えば100kcal)だったとすると、運動をするのは面倒だからと食事を減らすほうを簡単に選択する人がいます。しかし、食事を減らすことと運動をすることはイコールではないのです。 運動をせずに食事を減らすだけで1kgを減らしたとすると、減ったのは脂肪だけでなく、25%ほどは筋肉も減っています。これには個人差はあるものの、運動をしないでやせたときには筋肉も...


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009 脂肪燃焼効果が高いのは歩行運動

1日に消費されるエネルギー量の約70%は生命維持のために必要な基礎代謝です。そのうちの35〜38%は筋肉が消費しています。そのために筋肉を増やすことが基礎代謝を高め、全体の消費エネルギー量を増やし、脂肪が大きく燃焼するのでダイエットにつながると広く紹介されてきました。筋肉を増やす運動というと筋トレ運動のイメージがあり、激しく筋肉を動かすと筋肉の量が増えるのも事実です。しかし、これによって脂肪が大きく燃焼するわけではありません。 筋肉には筋トレなどの無酸素運動によって刺激される速筋と、有酸素運動によって刺激される遅筋に大きく分けられます。速筋はブドウ糖を主にエネルギー源として使い、遅筋はブドウ...


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008 歩いて燃焼する筋肉は歩いて増やす

筋肉には速筋と遅筋があります。これは筋肉の性質によって使い分けられている名称です。速筋は速く動くことができる筋肉で、強い力を発揮することができます。ただし、長く強い力を継続させることはできません。遅筋は遅くしか動けず、大きな力は出ないものの、長く動き続けることができる筋肉です。 速筋と遅筋は別の名前もつけられていて、速筋は白筋、遅筋は赤筋と呼ばれています。これは筋肉の色が違っているからで、白筋は白い色をしていて、赤筋は赤い色をしていますが、赤筋にはミオグロビンという酸素を貯蔵する鉄が含まれたたんぱく質が含まれているからです。また、エネルギー産生をする小器官のミトコンドリアが多く含まれているこ...


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007 いくつになっても筋肉は増やせる

「筋肉は若いうちは運動をすれば増えるけれど、年齢を重ねてからは増えない」と勘違いしている人が少なくありません。中高年以降は筋肉運動をしても筋肉が増えにくいのは事実です。しかし、それは運動量が足りないことと、筋肉を増やすために必要な栄養素や成分が不足しているためです。的確な補給と運動をすれば筋肉が増えないということはありません。 筋肉の細胞は筋繊維と呼ばれる細長い形をしています。この筋繊維は誕生したときから数は同じです。普通のイメージからすると、筋肉は刺激を強く受けて必要性が高まると数が増えていって太くなるように感じるかもしれません。実際には、そのようなことは起こっていなくて、一つひとつの筋繊...


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006 代謝促進成分が不足するとエコ対応になる

食べる量が少ないのにやせない理由としてエネルギー代謝に必要な成分が不足していることを紹介してきましたが、代謝成分が不足していると生命維持と活動のためのエネルギーが充分に作られなくなることから、エネルギー不足に対応するエコ対応の身体になっていきます。 脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪は、生命維持のための重要なエネルギー源であるので、できるだけ多くをためて、できるだけ使わないようにする仕組みが備わっています。通常に食事をして通常に身体を動かしても太っていくようになっているのです。 エネルギー代謝に必要なビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン、パン...


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005 エネルギー産生にはミネラルが必要だ

ビタミンは体内では原則的に作ることができないものです。腸内細菌によってビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンKは合成されるものの少ない量でしかないので、食事から摂る必要があります。ミネラルは体内では合成されないために、これも食事から摂る必要があります。 ミネラルは、すべての細胞を働かせるために必要となりますが、中でもマグネシウムと亜鉛は細胞の生化学反応を起こしている酵素を働かせる補酵素の役目をしています。酵素は補酵素があって初めて本来の働きができるので、非常に重要な役割があります。マグネシウムは300種類以上の補酵素、亜鉛は200種類以上の補酵素と...


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004 燃焼のTCA回路にも必要なビタミンB群

細胞のミトコンドリアの中にあるTCA回路で三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が燃焼してエネルギーを作り出すためには、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂の4種類のビタミンB群が必要だと以前(001)に紹介しました。必要なのは、これだけではなくて他のビタミンB群のナイアシン、パントテン酸も使われますが、ナイアシンとパントテン酸は栄養素を分解するときには必要となっています。この段階でビタミンB群が不足していたのでは、その次のTCA回路での燃焼も進まなくなります。 そのために、あえて必要であることを省略していましたが、実際にはTCA回路でアセチルCoAから次々と異なる酸...


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003 脂肪燃焼促進のためのヒトケミカル

細胞のミトコンドリアの中でブドウ糖や脂肪酸を取り込んで燃焼させるためには、三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が必要になります。ミトコンドリアにブドウ糖が取り込まれてアセチルCoAに変化するためにはα‐リポ酸が必要です。α‐リポ酸にはミトコンドリアの中のTCA回路での燃焼を促進させる働きがあります。脂肪酸はミトコンドリアの膜を通過することができませんが、L‐カルニチンと結びつくことで通過することができます。通過した後にアセチルCoAへと変化します。 アセチルCoAはTCA回路で燃焼することによってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。ATPから...


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002 栄養素分解のためのビタミンB群

細胞のミトコンドリアの中にあるTCA回路は、糖質、脂質、たんぱく質を燃焼させてエネルギーを作り出す反応回路だと説明されています。燃焼するのは糖質の中のブドウ糖、脂質の中の脂肪酸、たんぱく質の中のアミノ酸ですが、そのままの形でTCA回路に取り込まれていくわけではありません。アセチルCoAとなる必要がありますが、その変化のために多くの種類のビタミンB群が使われます。 糖質がブドウ糖に分解されるときにはビタミンは必要ないのですが、筋肉や肝臓の中に蓄積されているグリコーゲンを分解してブドウ糖にするときにはビタミンB₆が使われます。ブドウ糖はピルビン酸に変化してからアセチルCoAになりますが、ブドウ糖...


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001 ビタミンB群なしではやせられない

ダイエットを始めた人は、食事を減らすように指導をしていなくても、食べる量が気になって食事量が減っていく傾向があります。脂肪を摂りすぎている人が脂肪を多く含んでいる食品を減らすのはよいことですが、食べる量を減らしたことで重要な栄養素が減るようなことになったのでは、何のためにダイエットをしたのかわからないようなことにもなりかねません。その栄養素というのはビタミンB群です。 ビタミンB群のビタミンB₁は糖質を燃焼させるのに欠かせない栄養素です。ビタミンB₂は脂質を燃焼させるのに欠かせない栄養素です。これは食事で摂った糖質と脂質を燃焼させるためのビタミンB群です。ダイエットで特に減らしたいのは脂肪細...