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認定講習の諺もじり8「信じるものは掬われる」その2

これまでの常識は間違っているのではないかと常に疑ってかかるというのは、あまり気分がよくないことかもしれませんが、学校で学んで常識として覚えていたことが逆転したという体験談を栄養学の重鎮から聞きました。随分と昔の体験で、終戦後に栄養士として病院に配属されたときに、医師からの糖尿病の食事箋(病院給食の処方箋に該当)で糖分を多くすることが指示されていたといいます。 尿から糖が多く排出されるので、それを


サプリ概論156 余分な脂肪はL‐カルニチンで解消

代謝促進成分はα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が代表的なもので、初めに医薬品成分から食品成分として使用が許可されたのは2001年のコエンザイムQ10でした。続いて2002年にL‐カルニチン、2004年にα‐リポ酸が同じく医薬品成分から食品成分としても使うことができるようになりました。 α‐リポ酸にはブドウ糖を細胞のミトコンドリアに取り込む働きがあり、L‐カルニチンには脂肪酸をミトコ


Medical Diet80 ドカ食いvs.ちょこちょこ食い

1日3食よりも2食にしたほうがダイエットしやすいような印象があるかもしれませんが、空腹期間が長くなると逆に太ることが指摘されています。その理由として、空腹を解消するために吸収がよくなるためだとの説もあるのですが、実際には通常の1食よりも食べる量が増えて、空腹を解消するために糖質(ご飯、麺類、パン類)を多く食べるようになることから血糖値が上昇して、そのために肝臓での脂肪合成が高まるからです。 糖質


学習支援57 学習障害の特徴

学習障害は、話すことや理解することは普通にできるものの、読む、書く、計算することについては極端に苦手とすることがあり、努力をしているのに結果が出ないことに強い困難さを抱えています。これには読む、書く、計算するといったことが単独に現れる場合と複数が現れる場合があります。読むことが苦手であることから書くことが難しくなり、通常の計算はできるものの文章題が理解できないことも多くみられます。 学習障害の特


発達栄養6 エネルギー代謝のためのビタミンB群

人間は1日に朝食と夕食を食べることが定着してから、体内で12時間ほどしか保持されない栄養素(ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が現れるようになりました。ビタミンB₆とビタミンB₁₂は、ビタミンB₁、ビタミンB₂と並んで三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にしてエネルギーを作り出すために必要であって、これらのビタミンB群が不足すると脳と身体を正常に働かせるためのエネルギーが充分に作られなくな


サプリ概論155 L‐カルニチン製品は含有量の差が大きい

日本人の平均的な食生活から1日のL‐カルニチンの摂取量は80mgと推定されています。L‐カルニチンは肉類に多く含まれ、中でも羊肉は多くなっています。100gあたりで比較すると、マトン肉は208mg、ラム肉は80mg、牛肉(ヒレ肉)は60mg、豚肉は35mgとなっています。牛肉を100g食べたとしても平均的な80mgにしかならないということです。 L‐カルニチンは1日に200mgは必要とされていま


あくまでも噂話1「あえて噂話という、その心は?」

本当のことをズバリと言うと波風が立つようなときには、表現をごまかして「〜とされる」「〜と言われる」といった言葉が使われます。最大であることは明らかなのに、その表現をすると文句をつけてくる人がいることが考えられるときには「最大級」という表現で、ぼやかしながらも実は最大なのだよ、と暗に伝えるのは常套手段です。 「こんなことを言うと誤解を招くかもしれませんが」と前置きをしておけば、誤解を招くどころで済


脳の健康寿命64 エネルギー代謝が神経伝達を高める

脳の働きを正常に保つには、脳細胞で作り出されるエネルギー物質のATPが必要です。ATPはアデノシン三リン酸(Adenosine tri-phosphate)の略で、アデノシンとリン酸3個が結びついたものです。アデノシンはアデニン(塩基性物質)とリボース(単糖)から構成されるヌクレオシド(塩基と糖が結合した化合物)です。 ATPは、細胞のミトコンドリアの中のTCA回路でエネルギー源(ブドウ糖、脂肪


発達障害サポーター43 神経発達症の呼び名への考え

発達障害は、神経発達症候群とも呼ばれます。 アメリカ精神医学会は発行するDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)「精神疾患の診断・統計マニュアル」には、精神疾患の分類と診断基準が示されています。DSMは精神疾患の診療・診断基準の一つとして世界中の医療機関で用いられているもので、2013年のDSM–5で新たに神経発達症群(


サプリ概論154 肉を食べればL‐カルニチン不足にならないのか

細胞のミトコンドリアの中に脂肪酸を取り込む働きをするL‐カルニチンは肉類に多く含まれています。中でも羊肉、牛肉に多く含まれているので、肉を多く食べていれば体内のL‐カルニチンの量が増えて、エネルギー代謝も高まるように思われるかもしれません。しかし、これらの肉を多く食べている人であっても、年齢を重ねるにつれて脂肪酸の取り込みの量が減り、代謝が低下していきます。 その理由の一つは、体内のL‐カルニチ