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ポストコロナ「五十歩五十一歩」2

「五十歩百歩」をもじった「五十歩五十一歩」は、コロナ禍からの回復を目指したテーマにしてほしくて、わざわざ一歩違いの五十一歩を比較対象として出しました。経済的な回復を目指すとしたら、たった一歩の前進では意味がないという印象を抱くのは誰しも同じことでしょうが、これが健康づくりの取り組みの場合には、今日の目標の50歩を達したところで止めるのではなくて、まだ体力や気力に余裕のあるときには、もう1歩、もう1


発達障害者支援の基本理念

発達障害者の支援は、発達障害がある人への直接的な支援だけでなく、その人が発達障害者として生きにくい状況を作り出している社会的障壁を取り除くことも同時に行わなければなりません。そのことについては発達障害者支援法の第二条の二に「基本理念」として示されています。 その条文の初めには、「発達障害者の支援は、全ての発達障害者が社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保


脳の健康寿命7 認知症の症状を確認

認知症は脳の機能低下が原因となって引き起こされて日常生活に支障をきたす一連の症状を指す言葉であって、病名ではありません。その症状は、主に脳の機能低下によって起こる症状である中核症状と、環境や体験、気質によって現れる症状である周辺症状に分けられます。 中核症状の主な症状は、記憶障害(ひどい物忘れ)です。前日の食事で何を食べたか思い出せない、会った人の名前が思い出せないといったことは年齢を重ねると多


血糖値に一喜一憂していてよいのか

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血糖値はブドウ糖の量を示しています。血糖値が高いというのはブドウ糖の量が基準値より多いことになりますが、ブドウ糖は食品の糖質(ご飯、パン、麺類、砂糖などの糖分)に含まれています。だから、糖質の摂取量を減らせば血糖値が下がるのは当然のことです。糖質制限をすれば血糖値が下がるというのも当然のことです。 では、糖質制限で糖尿病が治るというのも事実なのかというと、そこには


サプリ概論98 ミネラルの摂取量8

リンは成人の体内には最大で800gが蓄積され、その80%ほどは骨と歯に存在しています。骨の強化にはカルシウムとともにリンが必要ですが、リンが過剰になるとリン酸カルシウムとなり、不要なものとして尿中に排泄されます。リンは加工食品に食品添加物として多く含まれています。 1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。リンの女性の目安量は年齢によって異なり


学習障害200 学習障害児の保護者の活躍の場

発達障害児はすべての子どものうち10%が該当するといわれています。発達障害児のうち半分は学習障害で、残りの多くが自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害とされています。では、学習障害がある子どもは5%なのかというと、実際には10%は存在しています。学習障害の特性とされる識字障害、書字障害、算数障害は脳の発達の違いによって起こることが知られていますが、それだけが学習障害の要因ではありません。


ポストコロナ「五十歩五十一歩」1

50歩と100歩では、2倍の開きがあって、これを差がないことのたとえに使われても理解できない、昔から言われてきたことだから、なんとなく受け入れているという人もいます。諺(ことわざ)の「五十歩百歩」は、50歩を逃げた兵士が100歩を逃げた兵士を臆病だといって笑うことを見て、どちらも逃げたことには違いがないということから、差がないことのたとえとして使われています。 もう少し詳しく説明すると、梁(中国


発達障害支援は国民の責務

発達障害の支援というと、発達障害者に対して、心理機能の適正な発達を支援したり、円滑な社会生活を促進するための個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助が第一義となっています。これは発達障害者支援法の第二条(定義)に示されています。 ここに示されたことを実施するのは、通常の感覚では国の責務というように思われがちです。発達障害者支援法では、第三条に「国及び地方公共団体の責務」を掲げ


文字が違うと健康情報は正しく伝わらない

原稿を書くときには文字の使い分けには特に気を使っています。書くほうとしては内容が間違いなく伝わるように使い分けをしているのに、編集の段階で文字が統一されて、間違った内容にされてしまうことがあります。 使い分けの例として頻繁に出てくるのは、たんぱく質とタンパク質です。“たんぱく質”は食品に含まれている蛋白質、“タンパク質”は体内の蛋白質のことで、これは栄養学では厳格に使い分けられています。たんぱく


健康ウォーキング48 効果は効率的な歩き方で高まる

ウォーキングは優れた有酸素運動で、脂肪細胞に蓄積された体脂肪の減少のほかに、血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値、尿酸値などの降下作用があり、筋肉強化の効果、さらには認知機能の向上も認められています。 しかし、これらの作用は、ただ歩けばよい、長距離を歩けば同じような効果が得られるということではありません。これらの効果を、健康状態に結びつけていくためには、効率のよい歩き方をすることが条